Lightnews — Scholar-powered news

Light up
your news

About Privacy Terms Help

mijio/北内

mijio/北内

@mijio36k.bsky.social

55 followers 45 following 420 posts

【成人済・腐】気が狂っている　ずっと独り言　突然連投　フォロー非推奨　✌️

Posts Replies Media Videos

mijio/北内

@mijio36k.bsky.social

【Xアカ乗っ取られました】
！！！北内アカウントからDMなど来ても、開けないで下さい！！！

よろしければ、Xで以下ポストのRTおよび通報をお願いいたします。
x.com/mo3201/statu...

よろしくお願いいたします

May 27, 2025 at 4:36 PM

mijio/北内

@mijio36k.bsky.social

これも可愛い感じ（当社比）なよで出しておこう　残りのやつは暗くてベトッ…てしてるのでまたの機会に……

March 30, 2025 at 9:45 AM

mijio/北内

@mijio36k.bsky.social

そういえば蔑称Xでアップした本にならない妄想の一節を披露する云々の奴こちらにもあぷあっぷ……断片ばかりですみません……　※背景違うとお話違います　突然始まり突然終わる　最後2枚から土斎です

March 30, 2025 at 9:42 AM

mijio/北内

@mijio36k.bsky.social

最近の可愛いをアップロードして癒されよう　心を洗おう

March 30, 2025 at 9:33 AM

mijio/北内

@mijio36k.bsky.social

ありがとうございます！！！　こっちも出します！！！　ご笑納いただけたら幸い　どっとはらい

March 11, 2025 at 3:58 PM

mijio/北内

@mijio36k.bsky.social

😊……

March 11, 2025 at 2:26 PM

mijio/北内

@mijio36k.bsky.social

12/12 ありがとうございました！　なんじゃこりゃ　すみません……

えたいという心持ちが、斎藤のどこから湧いて出るのだろうか。
　翌日の昼前、与えられた時間を使いきったころ、斎藤は伊東のもとに現れた。全く伊東の言った通りになった。服部は尚更、伊東への敬意を深めると同時に、己の末路をただ一人想像していたらしい斎藤に、少しだけ同情した。

五稜郭城塞内を見廻っても、斎藤には出会さなかった。立ち回りが上手いのは生前と一緒で、自分がどこに探りを入れたかがばれないように、服部と鉢合わせする前に自ら牢屋に戻ったのだろう。
　牢に行けば、案の定、与えられた一画に斎藤はいた。沖田総司を捕らえている区画とは離してあるので、口を利く相手もいない。じっと宙を見て、口を一文字に結んでいた。
　斎藤は服部が来たのに気づいても、何も言わなかった。まるで、服部が己を呼びに来るのを分かっていたかのように、驚きもしなかった。
「斎藤君、伊東先生がお呼びです。もう一度来なさい」
　斎藤はちらりと服部を見上げた。反抗的に、は、と鼻で笑った。
「何が聞きたい。面白いネタなんざ、何も無いよ」
　はぐらかすような態度に、服部は、いつかもこうやって声をかけたことを思い出した。
　もう寒くなり始めた頃、斎藤を探しに月真院の門まで行った、肌寒い日。
　あの時、伊東が斎藤に相談しようとしていた内容を、服部は詳細には知らされていなかった。だが、大まかには伝えられていた。新選組を終わらせる、その手立てを斎藤に相談すると、伊東はそれだけを服部に教えていた。
　今思えば、その相談が引き金だったはずだ。情報を得た斎藤は、金子を盗んで衛士を抜け、古巣に走った。伊東は騙し討ちにされ、せめて亡骸だけでもと救いに走った服部も、この男に後ろから斬られた。
　いや、きっと、もっと前からだ。新選組からのはぐれ犬のように惨めに振る舞ってみせたのも、伊東に重宝されても気後れした様子だったのも、全て斎藤の、斎藤を使った新選組の、計画通りだったのだ。
「理解が出来ない」
　服部はつい、口に出して、大きな溜息と共に呟いた。

斎藤は鋭い目を訝しげに歪めていた。
「伊東先生の言葉の通り、君は、あの組織に先がないことは分かっていたはずだ。新選組にも、土方副長にも、もう先がないことを」
　斎藤は返事をしなかった。服部をただ見つめている。服部はその時さらに、確信を深くした。
　斎藤のあの眼差しに嘘はなかった。諦念と憐れみの籠もった目をして、伊東の言葉に反論しなかったとき、斎藤は確かに見ていたのだ。新選組は、斎藤の家にも等しかった組織は、斎藤が支えてきた土方は、もうこの先、滅びていく運命だと。
「伊東先生だけでなく、私にも、君が心底から新選組の終わりを理解しているのが分かっていた。その上で、君は私達の仲間に加わった。最初は土方副長から指示だったかもしれないが、どうあれ、君は君自身の意志で、別の未来を選べたはずです。
　……それなのに、どうして、君はまた新選組に戻ったのですか。別の選択肢が無かった連中とは違う。君は選べたのに、何故、それを捨てても、新選組に戻ったのです。いずれ見捨てることになる場所へ、何故」
　斎藤が馬鹿だったから愚行に走った。そう結論づければ全ての答えが出揃って、服部は簡単に納得できた。伊東が斎藤を見込んだことは誤りだったことになるが、伊東とて人間なのだから、間違えもするだろう。
　そこまで理解していても、どうしてか服部は、何故と聞かずにいられなかった。斎藤の裏切りにより同志たちが、敬愛する伊東が命を落としたことに対する怒りが、それを知らねばならぬという欲求を掻き立てる。だがそれを抜きにして、とにかく、分からないという気持ちでいっぱいだった。
　どうして、愚かだと分かっても、暗い破滅の道へ戻っていったのか。どうして斎藤は、そうせざるを得なかったのか。
　斎藤は黙ったまま服部を見上げていた。いつの間に

かその瞳から険しさは抜け落ちて、遠いどこかを見るような眼差しになっていた。少しだけ、まぶしいものを見るような、可哀想なものを見るような、そんな目の細め方をして服部を見上げる。
「そうかい」
　その吐息を、服部は確かに覚えていた。この物悲しい呟きを、服部は知っていた。
「服部さんなら、分かると思ったんだけどなぁ」
　服部さんと、斎藤はそのように服部を呼んだ。かつて、あの門のそばで言葉を交わしたときと同じ、柔らかく、どこかあどけない口調であった。
　服部は分からなかった。自分ならば斎藤の気持ちが分かるという言葉そのものが分からなかった。
　服部と斎藤とは、まるきり、何もかもが違うのに。
　伊東を慕い、愚かしいほど真っ直ぐに生きて殺された自分が、新選組に御陵衛士に新政府にと、風に吹かれるたびに柳のように身を翻して生き延びた斎藤の、何を分かるというのか。何があっても伊東を支えると決め、そのために命を散らした自分が、誰をも見捨てて己の命だけを守り抜いた斎藤の、どんな気持ちが分かるというのか。
　もう一度、更に数回、何故、と聞いたが、斎藤はもう険しい顔つきを取り戻し、苛立った目で周囲を睨めつけるだけの不遜な犬に戻った。服部の開けた戸から牢を出て、伊東のもとに連れて行かれる間も、斎藤は石のように黙りこくって、口を開かなかった。
　服部は、そのうち、その理由とやらに気付き始めたものの、答え合わせはしなかった。自分と裏切り者が似ている可能性など考えたくなかったのが、最大の理由である。ただ同時に、分かっていてもその道を選んだ斎藤を、微かに哀れにも感じていた。そのことを思う時の服部の目は、僅かだけ、眩しいものを、可哀想なものを見るような、そんな形に細められていた。

January 13, 2025 at 3:53 PM

mijio/北内

@mijio36k.bsky.social

8/12　伊東先生もちょっと出る

「呼び出しどうも。じゃ、お先に」
　そして先ほどより早足に建屋に戻っていった。その後ろ姿の背筋は伸びて、堂々としている。先程まで服部と話していた、どこかあどけなさの残る様は感じられない。
　小さくなっていく背中を眺めたまま、不思議な若者だなぁと、服部は改めて考えた。掴みどころのなさが、斎藤という人間の本質を覆い隠していた。彼のああいうところを指して、伊東は何か言っていた気がする。何だったか考え始めて思い至る、確かそれもあの日、斎藤を御陵衛士へと誘った日のことだ。
　服部は、門から建屋まで静かに歩いた。境内も強い木枯らしが吹いていて、服部の足元を枯葉が飛んでいった。霜月も始めの頃であった。

新選組を離れること、御陵衛士に付いていくことを、斎藤は少し考えさせて欲しいと言った。明日の昼までに返事をもらいたいと言うと、抗わずに頷いた。普段のへらへらと、言わなくて良い冗談を重ねる様は鳴りを潜めていた。静かに目を伏せて、座敷を出て行った。
　近くの部屋のお囃子に紛れて足音が遠ざかる。念の為そのまま待っていると、座敷の使い走り小僧が、今のお侍は出て行きましたよ、と知らせに来た。小僧を下がらせてからようやく、伊東甲子太郎は唇の端で笑った。
「彼は来るね」
「何故、そうお思いに？」
「見ていて分からなかったかい？」
「私はとても、鈍いようで」
「そうか～」
　服部は、斎藤が新選組に残るか御陵衛士に来るかは五分と五分、どちらもあり得ると考えていた。
　斎藤は試衛館の門下ではなかったが、江戸の頃からの繋がりで、古参の面子に数えられていた。近藤からの覚えも悪くない。沖田や永倉に並ぶ剣術を持つ。組の運営の根幹にはいないようだが、かといって端に追いやられて拗ねたふうも感じない。
　それと同時に、過日に腹を切らされた山南敬助とも、既に御陵衛士への編入を決意した藤堂とも、親しくしていた。有象無象を加えて膨らみ、迷走がうかがえる新選組の行いに、冷ややかな視線を向けている一人でもある。
「勿論、服部くんの言う通りさ。冷徹ぶって意外とアツくて義理堅い、斎藤くんてそういうところが隠しきれていないじゃない？　そういう意味では、あっちにもこっちにも情があって、五分と五分なんだけどさ」
　く、と伊東は笑った。意地悪に見える笑い方は、服部が知る限り、伊東が対象を憐れんでいる時の感情表現だ。

「もう新選組にも、頼みにしている土方くんにも、未来は無い。そう言った時に、斎藤くんは驚いていなかっただろう。頭が良いというより、目が良いんだろうね」
「目、ですか？」
「僕らほど、この国の未来のことをきちんと考えられているわけじゃあないんだろうが。見えているんだ、きっと。新選組が終わっていくということが。土方は、もう先が長くないということが」
　言われて服部は、斎藤の沈黙を思い出した。
　諦めの色濃く滲んだ眼差し。驚かず、ただ、愛でていた花の落ちたのを聞いたような、いつか来る終わりを迎えた日のような、そんな静けさに沈んでいた。
「まあ土方の生粋の子飼いだ、まるきり信頼できるわけじゃないけど。このままだと飼われたまま死ぬしか無いと理解できていて尚、新選組に全賭けできるほど、馬鹿ではいられないはずだ。その気があるなら、こちらで面倒を見て、少しは道を戻してやれる。どこに転ぶかは、本人次第だけどね」
「生粋の子飼い、ですか」
　伊東の独り言のような言葉を聞いても、服部にはいまいちピンと来なかった。
　土方と斎藤が疎遠であることは、組内では周知の事実だった。幹部間では最も冷えているとも言える。法度を盾に組織の浄化を徹底する土方と、いつも限度を踏み超えるぎりぎりで遊びたがる斎藤とは、犬猿とは言わなくても殆ど口を利かない。宴席を設ける際は、出来れば座席を離すように言われるほどだ。
「気付かなかった？　沖田総司が使い物にならなくなった今、彼が土方の杖さ。それを悟られないように、二人して一所懸命に仲が悪いふりをしているのは、慎ましい努力と言えなくもないけど。ああいうの、何ていうんだろうね。健気？」
「はぁ」

と服部は曖昧に頷くしかない。言葉の意味は分かっても、内容はさっぱりだ。
　周囲を欺いてまで互いを信頼していることを隠して、一体何の得があるのか。土方は斎藤を隠し刀として使えるという利点があるだろうが、それも不便だろう。それに、斎藤はそうして使われることの何が良くて、土方に付き従っているのか。
「その辺は、僕らには分からない話、というか。そもそも、僕にはそういう酷すぎる他人の使い方は出来ないからねぇ～。だって、あまりにも誠意がない。だから仕組みは考えないようにしてる。土方くんはあの通り気狂いじみていて、斎藤くんもそこに付き合える素養がある、それだけさ」
　伊東はあっさり切って捨てて、肩を竦めた。
「まぁ、周りも理解出来ないからこそ、騙される。大勢が騙されているのを見ていたら、嘘が真実のように思えてくるのも道理だ。服部くんみたいにね」
　伊東は真横の服部を見上げると、からかうように笑った。これは憐れみのない、純正な、意地悪でじゃれるような笑みだった。
「服部くんは、素直で真っ直ぐで、良いよね～。おかげで、ちょっと抜けてるところあるけど」
「到らぬところが多く……」
「謙遜しないで！　僕は本気で褒めてるよ。信頼できそうに見えて結局は自分本位な彼と、自分の損得を別にして志を貫いてしまう君とは、人間が違うってこと。だから僕は、君を頼りにしちゃうんだよね～。服部くん、これからもよろしくね」
　あはは、と軽く笑い飛ばされ、しかしその軽薄に聞こえても嘘のない言葉に、服部はやはりこの人についていきたいと、気持ちを新たにする。
　その胸の片隅で、服部は、今しがた肩を落として出て行った斎藤のことを考えた。もう今にも崩れそうな新選組を、あの峻烈な土方を、周囲を皆欺いてでも支

January 13, 2025 at 3:53 PM

mijio/北内

@mijio36k.bsky.social

落書き、服部くんと斎藤（土斎ブロマンス的な）　ひjktさんは影か形くらいしか出てこないです　私はいつも雰囲気で同人誌をやっている……全部適当ですみません、なんじゃこりゃ的なあれで、本当にすみません　4/12 #新書ページメーカー https://sscard.monokakitools.net/pagemakers/shinsho/shinsho_bg.php

印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。
付記に「愚直」、「北内」と記載されています。
画像情報：generated by 新書ページメーカー / Photo by somephoto / フォント：源暎こぶり明朝

以下は本文の内容です。

　目当ての人物は屯所の中に見つからなかった。服部武雄は溜息一つ、仕方ないから外を探してみるかと、月真院の境内を抜けて門から出かかったところ、ちょうど探し人が門を潜ってきたのと出会した。
　よく晴れた秋の日だった。肌寒い木枯らしから身を守るように猫背気味に歩いてきた男は、石段からひょいと目線だけを上げて服部を見上げた。長い蓬髪が俯いた顔の半分を隠し、胡乱さが増している。
　目が合うと、男の獣のように鋭い目がぱちりと瞬きした。そしてすぐに目尻が下がる。
「おや、お出かけ？　いってらっしゃぁい」
　胡散臭さの権化のような斎藤一は、へらへら、気の抜けた笑いとともに、服部の横を通り過ぎようとする。
　だらけた挨拶に、厳しい者ならば目鯨を立てるところだったろう。それどころではなく、本来ならば所在も告げずに勝手に出て行くのは、この緊迫した状況に於て、何を疑われても文句を言えない。
　だが、服部はその小袖の袂をはっしと捕まえると、
「君を探しに行くところでした、斎藤君。さあ、逃げずにいらっしゃい」
　穏やかに、冗談めかして笑いかけた。
　斎藤がこのようにふらふらと行方をくらますのは、彼らがこの高台寺月真院に移る前、まだ新選組屯所にいた頃からも頻繁にあった。気まぐれにいなくなる猫のようだと、幹部にも平隊士にもよく噂されていた。
　斎藤が新選組を捨てて御陵衛士と来る道を選んだ後も、この悪癖は治らなかった。だが服部は、それについて取り立てて文句を言うことをしなかった。それは、この斎藤が、服部が敬愛して止まない伊藤甲子太郎が引き抜いてきた男だったから、という理由ではない。単純に、服部の出来た人格によるもので、大らかで人の良い服部は、無暗に人を疑うことを好まなかった。
「伊東先生がお探しですよ。今後について、斎藤くんに相談したいことがあるそうです」

「ええ、僕？　何の話？」
「私も、詳しくは。先生は、斎藤くんと二人だけでお話になりたいと」
　伊東の信頼の篤い服部が、詳細を知らされていないと言う。つまり、まっすぐな服部には向かない、権謀術数である。この会話だけでそのことが斎藤にも伝わったようだ。
「ふうん」
　斎藤は一瞬だけ、服部とすれ違う前と同じ、ひどく鋭い目をしたものの、すぐにまたへらへらとした苦笑を浮かべた。
「嫌だなぁ、頭使うの苦手だって言ってんのに」
　伊東を慕って集まった自分たちにとって、伊東に意見を求められるのは、仕事を命じられるのとは違った。皆、そうして伊東に求められ、彼を支えられる人材になることを夢見て、日夜武術に勉学に励む。何かの褒美のように捉えている者もいる。
　しかしこの斎藤は、野蛮な新選組から伊東自らが引き抜いてきた男は、そのような伊東からの呼び出しにも、誇りも喜びも感じないらしい。むしろ居心地悪そうに身をすくめた。
「そんなことより、刀をぶん回していたいんだよねぇ」
　言って、脇差の柄を丸く撫でた。まるでそれだけが、彼の信じるものであるかのように。
　自分より幾らも若い男を、服部は、変わった人間だと思っていた。伊東に呼び出されることを喜んでいないだけでなく、彼は人間というもの全般があまり好きそうではなかった。人懐こく見えるように振る舞って、心を許そうとはしないのだった。
　平たく言えば生意気な態度だが、これも服部は笑って許した。
「頼りにされているんですよ」
「僕の頭が？　そりゃ、馬鹿の新八よりは出来が良い自信あるけど」

謙遜ではなく、面倒事を避けたい気持ちがありありと現れた斎藤に、服部はどこか面白そうに指摘した。
「目だそうですよ」
　斎藤は驚いたように眉を上げた。
「目？」
「斎藤くんは目が良いと、伊東先生が」
　服部はそれ以上多くを語らなかったが、伊東の言葉を胸の中で反芻していた。
　甦る記憶は、伊東と服部が、共に斎藤を密かに呼び出し、新選組からの離脱を促した時だった。斎藤は終始苦い顔をしていたものだから、服部は敢えて、蒸し返すのをやめた。しかし、その時の話を掻い摘んで、斎藤に発破をかけることにした。
「良いことではないですか。先生に目を頼りにされるなどと、羨ましい程ですよ。私のような、愚直に、力技で前進するしかない人間とは違う。今まで新選組では、君のその才能は、周囲の凝り固まった思想で蓋をされていた。君はただの野蛮な刀扱いされていたかもしれません。ですが、伊東先生ならば、きっと君の目を認めて、伸ばして下さいます」
　服部のその言葉には、年若い者に対する励ましと、羨ましいという素直な気持ちが込められていた。
　服部は、心底から、伊東を慕っていた。人を小馬鹿にしたような態度ばかりが目立つのは否定できない。しかし、伊東は社会の、相対する人間の本質を鋭く見抜く。そして欠けたところを非難するのではなく、伸びるところを伸ばそうとする。賢いだけでなく、正しくあろうとし、一見ではそうは見えないかもしれないが、その実は責任感が強く、優しく憐れみ深い。
　だから、斎藤が伊東に重宝されてその才能を見出されることは、伊東の能力の発露を見ているようで、服部には清々しいことだった。そこに嫉妬など湧く要素がない。伊東が、さぁ、次は誰とどうしようか、と軽い口調で言いながら、胸の奥で何十通りものより良い

未来を必死に模索している、その一端として仲間の成長を見るのが、服部は好きだった。
　斎藤は、この時ばかりはへらへらとした態度を忘れていた。ぱちくりと目を瞬かせ、服部をじっと見上げている。
「服部さんてさ」
　吐息のように呟いた。
「好きなんだね、伊東さんのこと」
　子供のような言い回しに、服部は驚いた。
　思わず、斎藤をじっと見つめてしまう。
　いつも斜めに人を見る斎藤が、正面から服部と向き合っていた。そして、この言葉はからかいではなく、斎藤が素直に口にした感想なのだと気が付いた。
　どこか幼稚な言葉で表された自信の好意を認めるのは、少し照れくさかった。しかし、斎藤の珍しい正直さに免じて、服部も素直に頷いた。
「それは、そうですよ。だから、先生に付いていくのです」
「好きだから？」
「ええ。先生が好きだから、その生き方を支えたくて、同じ道を付いていくのです。それが険しくても、難しくても、時には、暗い道でも」
　斎藤は聞きながら、目を細めた。眩しい物に目を凝らすように、儚い物を憐れむように。
　気付くと斎藤は小さく、物悲しく笑っていた。
「そうかい」
　その時、斎藤の名を呼ぶ声があった。
　建屋の勝手口から顔を出しているのは藤堂平助だった。斎藤とも昔なじみである藤堂は、こちらに来いと大きな身振りで手を振っている。ひょっとしたら彼にも、伊東が斎藤を探すように頼んだのかもしれない。
「はぁい、今行く！」
　斎藤は大きな声で一言答えると、服部に向けて微笑み返した。

January 13, 2025 at 3:53 PM

mijio/北内

@mijio36k.bsky.social

ありがとうございました！　ハッピーホリデー！　8/8

「私の申請はカルデアではないところに出すんだ。丁度世界の危機が片付いたところだったので、今日から三ヶ日まではホリデーシーズンだから、暦の違う銀河の私に役目を代わって欲しいと願い出た。それで、休みをもらって来たんだ」
「ジェット総司以外にもいるってことですか、銀河の私……？」
「いやいやオルタちゃん、お休みなら、こんなヤクザの溜まり場みたいなところにいないで、ちゃんとお外で楽しんでおいで……」
「盆暮れ正月クリスマスは、実家で過ごすものなのだろう？　マスターがそう言っていたぞ」
　煉獄は今日は黙ったきりで、いつもならオルタの言葉に常人が分かるような補足をしてくれるのだが、その役割を放棄していた。
　にこにこと嬉しそうなオルタの言葉の意味を、誰もが一瞬だけ考えたけれど、答えが出る前に、彼女自身が話題を変えてしまった。
「それより、屯所の前で、配達員さんがこれを持ってきていたぞ。丁度呼び鈴を押そうとしていたから、私が代わりに受け取っておいた」
　そうしてオルタが差し出したのは、先ほどから彼女が抱えていた大きな包みであった。一抱えの紙袋の中から、赤い箱が覗いている。箱の形は丸い円筒形である。
「屯所に届け物？　土方さん宛ですか？」
「まさか、年賀状を出す前から、御婦人から贈り物が……」
「ヨッ、伊達男」
「誰からだ？　開けようぜ！」
　外野は沖田オルタがちゃぶ台の上に置いた紙袋に群がって、我先にと中を覗き込む。きょとんと

している沖田オルタと、思い切り渋い顔をした土方の前で、幹部たちはいそいそと袋から中身を取り出す。
「あれ？　これは、もしや」
「パーティバーレルじゃないですか」
　沖田の形容が正しい。紙でできた円筒形の箱は、カルデアに来て現代文化に触れた者ならば誰でも見聞きしたことのある物だ。ちなみに永倉だけは一人分っていない顔をしていた。
「何でここにパーティバーレルが」
「これ、何なんだ？」
　沖田と永倉の言葉に、山南はちらと土方を盗み見て、斎藤はにやにやと笑いを堪えている。
　土方は、ついに文机から立ち上がると、隊士たちのダレているちゃぶ台こたつに近寄っていった。
　立ったまま、コホン、と咳払いする。
「マスターの時代の日の本じゃあ、年末の祝いに、ここの鶏の唐揚げを食うのが定石だと。創業者は何とか大佐だっつうから、どんなもんか、兵糧として試してみても悪くねぇと……」
「やったー！　私、ビスケット食べたいです！」
「美味そうだな！　俺骨付きのやつが良い！」
「唐揚げ？　おでんに合うのか？」
「これが噂の。本当に樽型なのだね、興味深い……」
「副長、あの大佐って、軍人じゃなくて名誉称号らしいですよ」
　土方の話など聞きやしない。どいつもこいつも勝手に箱の中身に手を伸ばしている。全く、締まりのない連中だ。しかし、今日は全員非番と思えば無理もないのかもしれない。
　土方は溜息一つ、顎をしゃくって指示を出した。

「おいお前、突っ立ってねぇで座れ。沖田、詰めてやれ」
「はぁい。私オルタ、ここ入って良いですよ」
「新八、取り皿と箸取ってこい。斎藤、冷蔵庫に飲み物入ってる」
「任せろ！」
「はいはぁい」
　山南は土方に言われる前からにこにこと箱の中身をパーティ開きにしていく。
　土方はその様子を見ながら、ちゃぶ台を挟んで山南の対面、永倉がいた場所にさっさと座った。腰から下がこたつに潜り込むと、急に暖かくなる。沖田の言う通り、意地を張らずにとっととこたつに入れば良かったな、と小さく息をつく。
　先にグラスとビール、ジュースとお茶を持って戻ってきた斎藤は、すかさず、ちゃぶ台の空いていた一辺に自分の居場所を確保した。半身を振り返って台所に叫ぶ。
「残念、新八。お前の場所ねぇから」
「は？　おい土方、そこ俺の……いや斎藤！　お前がどけよ。根暗らしくあっちの隅っこ行け」
「沖田君、はい、お手拭き。オルタ君は飲み物はジュースが良いかい？」
「ビスケットとティラミス、どちらも……うーん……」
「煉獄はどうする？　お正月の方が良いか？」
　騒がしくて馬鹿馬鹿しいのに、どこか落ち着いて、慣れきった気配がある。しゃんとしないか、と諌める気も失せて、土方はやる気もなく斎藤と永倉の喧嘩を仲裁しながら、自分も骨付き肉に手を伸ばした。
　揚げた衣は熱々とまでは行かないが、配達の途

中でも冷めきっていなくて、ほのかに温かい。目が覚めるほど美味しくはないが、何となく特別な味のように感じられた。
「骨はこっちの皿に入れろ」
　適当な指示に、昔馴染みたちがはーいと呑気な返事をする。そのとぼけた和やかな雰囲気は、はるか昔、まだ彼らが青年だった頃、いつまでも一緒に、そうやって過ごすだろうことを疑わなかった頃のものに、よく似ていた。その大きな感慨に深く浸る前に、土方は、来年はもう少し大きなちゃぶ台を買おうか、と考え始めた。六人が詰め込まれたこたつは、ぬくぬくと土方の足先を温めるが、足が伸ばしにくかった。
　二十四日があと数時間で終わる、そんな時間帯の出来事である。

December 24, 2024 at 2:46 PM

mijio/北内

@mijio36k.bsky.social

クリスマスの組です　ノンCP　まろやかなだけです　誓いはここに　実家もここに　4/8

印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。
付記に「全員非番」、「北内」と記載されています。
画像情報：generated by 新書ページメーカー / Antique public domain images / フォント：源暎こぶり明朝

以下は本文の内容です。

　今年のカルデアは人が、というか、英霊が少ない。サンタ村だかヨンタ村だか知らないが、北欧の田舎にこぞって行きたくなってしまって、それきり戻ってきていない。総数が減れば問題を起こす輩も少なく、見廻りだ御用改だという機会も必然的に減る。
「減る、じゃねぇよ」
「土方さん？　今何か言いました？」
「……」
　後ろから土方を覗き込んできた沖田に、土方は何か言おうとして、考えてしまった。
　部屋の奥の文机で日誌をつけていた土方に対し、沖田は隊服で、先ほど見廻りから戻ってきたまま、またいつでも見廻りに行けるという格好で、部屋の中央に置かれたこたつに入っていた。下半身はこたつに埋めたまま、上半身だけ振り返って土方を覗く、その両手には剥きかけのみかんが握られている。
　別に何も、というべきか、いやとっとと仕事に行け、というべきか。だが、仕事に行かせても見廻る対象が殆どいないので、サクッと行って帰ってきてしまったのがこの沖田だ。やることもないのに延々と犬のようにぐるぐる回っていろ、というのは効率が悪くて土方の哲学に反する。
「別に……」
　と言いかけたところで、更にその背後から声がかかった。
「沖田君。土方君は仕事中だから、邪魔をしてはいけませんよ」
「とか言って。豊満ちゃんに送るクリスマスカード書いてたりして」
「土方に限ってそりゃ無いだろ。送るなら年賀状

だ」
「…………」
　同じこたつには東西南北、一番から三番隊の隊長プラス総長が収まっていて、言いたい放題声をかけてきた。その手にはそれぞれみかんだの煎餅だの茶だの握られていて、完全に休憩中の様子……ではあるが、一応全員、浅葱の隊服に身を包み、いつでも行けるし、という格好である。これらも皆、それぞれに見廻りに出て、何もないから帰ってきてしまった隊士たちであった。
　平たく言って、やることがなくて、暇であった。そうなっては、幕末を駆け抜けた血腥い剣客たちも、こたつに入って休むしかない。その日の土方の部屋は、まったりして、のんびりして、泣く子も呼吸困難を起こす新選組の幹部らの屯所とは思えない、まろやかな空間となっていた。
「平和だ……良いですね」
「総長、それ、あっちのワーカホリックに言わないほうが良いですって」
「むしろ退屈だろ。カルデアのクリスマスって毎年こんなもんなのか？」
「まだカルデア二年生のヒヨッコ永倉さんには分からないかもしれませんが、こういう年もあります」
　わいのわいの。やいのやいの。締まりが無いにもほどがある。しかし厳しく言って緊張感を取り戻したところで、どうせ長くは保つまい。対処するための事件がなければ、部隊の意味はないのである。
「土方さんも、いい加減、意地張って仕事してるフリなどやめたらどうですか？　こたつ、あったかいですよ」

「フリじゃねぇ。俺は、真面目にやってる」
「寒中見舞いかな」
「豊玉発句集、ウィンターエディション」
「冬のサバフェスってやつ？　俺も出てみようかな」
「てめぇら……」
　喝を入れようとして、しかし、振り返った連中があまりにまったりとした空気を醸し出すものだから、さしもの土方も毒気を抜かれてしまった。全員、こたつの中でとろけている。何なんだこの空気、何かそういう粒子でも流れているのか。
　とはいえ、つられてまったりしてしまっては鬼の副長の沽券に関わる。土方はできるだけ渋い顔を取り繕って、唸るように答えた。
「そんなに退屈なら、お前らもサンタ村とやらに行ってくりゃ良いだろう。俺は止めねぇぞ。ついでに、そっちで阿呆共を取り締まってこい」
「今年はマジ勘弁です。高難易度がランサーらしいんで、僕は嫌です」
「この年になると、寒いのが響いてね……」
「山南先生に言われると辛いもんがあるな……」
「そういう土方さんこそ、そう言うのならば、先陣切って出かけて行けば良いじゃないですか」
　こたつから出たくない沖田に痛いところを突かれて、土方は、ぐ、と言葉に詰まった。
　それも考えないではなかった。しかし、今年は北欧にサンタ勢揃いなのだ、この時期に特攻が乗るサンタたちが、サンタゆかりの地で勢揃い。そんな状況で、土方たちただの極東の侍の出番など、すこぶる少ないのは分かりきっている。それならばカルデアに残ったほうがまだ出来ることもあるだろうと踏んだのだが、どうにも当てが外れたよ

うだ。
「……だからといって、俺の部屋でぐだぐだするんじゃねぇ。気が散る」
「普段は『ここを屯所にする！』とか偉そうなことを言って、皆を集めるくせに」
「いや～、僕ら本当に、他に行くところ無いですねぇ」
「出ていっても良いけれど、どうせすぐ戻ってきてしまうしね」
「つれねぇこと言うなよ土方。俺らがいなくなったら寂しいだろう」
　心底うるさい連中である。さすがの無礼講ぶりに、土方も何とか言い返そうとしたところ、
「ただいまぁ」
　障子が開いて、現れたのは黒い方の沖田である。何故か両手に大きな包みを抱えていて、行儀が悪く足で戸を開けたのだった。煉獄は刀の姿なのか、助けてくれなかったらしい。
「私オルタ、お帰りなさい。仕事だと言ってませんでしたか？」
「聞いてくれ、私ノーマル。丁度仕事が自然消滅したところで、私は休暇を申請した。正しくは煉獄が休暇申請書を書いてくれた。私はどうも、細かいことが苦手で、申請書を三枚無駄にしてしまって……」
　それを聞いて皆が首を傾げた。カルデアの休暇申請書は、イコール外出申請書である。願い出て受理されたのなら、貴重な休みを利用して、沖田オルタは既にこのカルデアを出てどこへでも行って良いはずだが。
　沖田オルタはとろとろと的を得ない説明の合間に、彼女だけに分かる真実を語った。

December 24, 2024 at 2:46 PM

mijio/北内

@mijio36k.bsky.social

旅に出てました🙇‍♀️　ただいまです

December 14, 2024 at 2:11 PM

mijio/北内

@mijio36k.bsky.social

ぬい土斎と大きな土斎です　あま〜いです　中身はない　久しぶりに　落書き　成人男性がぬいぬい言うのキツイわぁという場合はご注意下さい

November 30, 2024 at 4:00 AM

mijio/北内

@mijio36k.bsky.social

供養しとくか　家出の荷造り中の斎藤です　土斎です　中途半端に終わります　これ八割出来上がってんのよな　なんとか終わらせられないかな……

November 9, 2024 at 2:26 PM

mijio/北内

@mijio36k.bsky.social

あとはヤマザキのコッペパン　太ると分かっていても……このマーガリンの味が……好きで……

November 9, 2024 at 5:15 AM

mijio/北内

@mijio36k.bsky.social

ご無沙汰しております！　私は健康です！　ここ数日にフォローいただいてたのにご挨拶とかもできてなくてすみません……　Xと同じ文章投稿するのも変なのでいっそ画像でペタ　近況というか言い訳というか

November 2, 2024 at 2:41 AM

mijio/北内

@mijio36k.bsky.social

斎藤のお食事メニューを試行錯誤した結果を思い出に取っておこう

October 2, 2024 at 12:41 PM

mijio/北内

@mijio36k.bsky.social

今こそお見せしないといけないと思った

September 21, 2024 at 12:17 PM

mijio/北内

@mijio36k.bsky.social

Bluesky のユーザー数は現在 1,000 万人を超えており、私は 5,957,323 番目でした。

September 17, 2024 at 3:42 PM