水紫 葵
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水紫 葵
@m-soki-a.bsky.social
執筆は気紛れ。
ほぼ日常と趣味の話。

小 説: https://qr.paps.jp/2YCUe / #蒼き謳姫の不完全な世界
ブログ: https://qr.paps.jp/jKRxy
昔々、あるところに、1人の少年がいました。
少年は、王都の中心街から遠く離れた、街外れの小さな家に、母と姉と3人で暮らしていました。まだ貧富の差が激しい王都での貧しい暮らし。幼い頃に父を病で亡くしてから、暮らしは更に苦しくなりましたが、優しい母と明るい姉に愛された少年は、大好きな家族との暮らしに、不満を抱くことはありませんでした。
December 31, 2025 at 6:38 AM
続きは、小説サイトへ。

小説サイト“DEFECTIVE WORLD”
“神託の勇者”
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※本投稿内容は、全4節中の冒頭1節のみです。
※文字数の関係で、文章を一部、変更しています。
※サイトのURLは、短縮URLを使用しています。
DEFECTIVE WORLD:神託の勇者
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December 31, 2025 at 6:37 AM
止まらない涙を拭うこともせず、人にぶつかることも構わず、少年は闇雲に走ります。
そして少年は王都を飛び出し、魔王討伐のために旅立ちました。
December 31, 2025 at 6:35 AM
「(僕が勇者の役目を引き受ければ、母さんと姉さんは勇者の家族として大切に扱われ、豪華な暮らしが出来るようになる。つまり、貧しい暮らしを……しなくて、よくなる)」
母と姉が、勇者の使命を知った上で、少年の命の心配よりも、自分達が贅沢に暮らせることのほうを喜んだのだと気付き、少年の目から大粒の涙が零れました。
「だから2人は、喜んだの……?」
門越しに見る2人の姿は、まるで知らない他人のようでした。
「僕が死ぬかもしれないことは、どうでもよかったの?」
少年が家に立ち寄ることも考えずに引っ越し、少年を待つこともなくドレスを着て喜ぶ2人に声を掛ける気も起きなかった少年は、我武者羅に走り出しました。
December 31, 2025 at 6:35 AM
尋ねようとしては避けられるというのを何度か繰り返した少年が聞くのを諦めた時、不意に笑い声が聞こえてきました。その声は、探し求めた人達の声でした。
大きな屋敷の門を掴み、中を覗き込むと、そこには綺麗なドレスに身を包んだ母と姉が、幸せそうに笑っていました。その光景に、少年は唖然としました。
「(誰も僕に引っ越しのことを伝えてくれず、母さんも姉さんも、僕のことを心配そうに待っていたわけじゃない)」
ふと、王様が別れ際に言った言葉を思い出しました。

「家族のことは、心配せずともよい」

少年は、目の前の光景と、王様の言葉から、ようやく状況を理解しました。
December 31, 2025 at 6:35 AM
家に辿り着いた少年は、呆然としました。誰もいないどころか、何もありませんでした。家の中は空っぽで、まるでずっと空き家だったかのようです。
「母さん、姉さん……?」
近くにいた初老の男性に尋ねると、「城の近くに引っ越したようだ」と言われました。少年は困惑を隠せないまま、走ってきた道を引き返して、また走り出しました。
「母さん、姉さん……何処へ行ってしまったの?」
少年は大きな屋敷が並ぶ道を走り回り、母と姉を探しました。途中、通りすがりの女性に尋ねようとしますが、少年が近付くと嫌そうに顔を顰めて、避けるように立ち去ってしまいました。
December 31, 2025 at 6:35 AM
「国防と国政の負担が大きい故、これ以上は渡せぬ」
そう言われて送り出された少年。不安と恐怖に押し潰されそうな想いを抱えたまま、少年は走り出します。
「(母さんと姉さんは、きっと勇者が何なのか知らないんだ)」
王国の使者が来たことで、良いことだと判断して喜んだに違いない──そう考えた少年は、母と姉に勇者の使命について話しに行くことにしました。
「(僕が死ぬかもしれないと知ったら、きっと2人とも悲しんで、僕が勇者になることを反対するはずだ)」
そうすれば一緒に王様のところへ行って、勇者になるのも殺されるのも、無かったことにしてくれるはず──家族の愛情を信じ、期待を胸に少年は家まで必死に走りました。
December 31, 2025 at 6:35 AM
「勇者は、魔王が現世に出現したら神託により選ばれる。そして、常に1人しか存在し得ぬ。新たな勇者を降ろすためには、今いる勇者には亡き者となってもらわねばならぬ」
「そ、そんな……」
少年は、国王の眼光の鋭さに息が苦しくなりました。
「(僕は何を求められているの? こんなに怖いこと、どうして母さんと姉さんは、あんなに喜んでいたの?)」
少年は混乱しました。しかし、このままでは、この場で殺されてしまう──それだけは理解できた少年は、魔王討伐のために旅立つことを了承しました。
国王は、最低限の旅の装備と支給金を、少年に渡しました。貧しい暮らしをしてきた少年でも分かるくらい、それらは心許ないものでした。
December 31, 2025 at 6:35 AM
少年は1人、使者に連れられ、国王との謁見を行ないました。そこで告げられた言葉は、少年が予想もしていなかった言葉でした。
「勇者よ、魔王を討伐せよ!」
「(魔王って何? 討伐? 殺せってこと?)」
木の枝を剣に見立てて遊ぶという、誰もが通る幼少期すら経験しなかった少年は、唐突に突き付けられた勇者の使命に、恐怖のあまり動揺しました。
「そ、そんなこと、できません……僕は、普通の子供です」
「そなたは勇者だ。そして、魔王と戦うのが勇者の使命である」
「小犬にも勝てないのに!」
「出来ぬと言うならば、次の勇者を降ろす為、そなたには死んでもらわねばならぬ」
「……え?」
December 31, 2025 at 6:35 AM
ある日のこと。王国の使者が、少年の家を訪ねてきました。
使者は告げました。
「神託が降りました。貴方が新たな勇者です」
絵本すら読んだことがない少年は、御伽噺に出てくる勇者という存在が何なのか知りませんでした。少年は困惑しました。しかし一方で、母と姉は非常に喜んでいました。
「(母さんと姉さんが喜んでいるなら、きっと良いことなんだ)」
少年は状況を理解し切れていないものの、母と姉が喜んでくれることを嬉しく思い、勇者に選ばれたことを、前向きに受け入れることにしました。
December 31, 2025 at 6:35 AM
昔々、あるところに、1人の少年がいました。
少年は、王都の中心街から遠く離れた、街外れの小さな家に、母と姉と3人で暮らしていました。まだ貧富の差が激しい王都での貧しい暮らし。幼い頃に父を病で亡くしてから、暮らしは更に苦しくなりましたが、優しい母と明るい姉に愛された少年は、大好きな家族との暮らしに、不満を抱くことはありませんでした。
December 31, 2025 at 6:35 AM
ヒスメナのために石を貯めていたので、出てくれて安心。
December 30, 2025 at 2:24 AM