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みーこ🐱

@lv-mnm014.bsky.social

Xで案内したのに、こっちを忘れていた。
またまた、ちるどさんと12月参加します✨
念願の！🖤🎅エネ〇グラ🐯🐶をお届けします✨️✨️✨️✨️

October 22, 2025 at 4:57 AM

みーこ🐱

@lv-mnm014.bsky.social

私もXのワンライで書いたやつあっぷします！
「距離」お借りしてます！(+2h)

『このままだと俺がダメになっちまうから。だから』
『一度距離を置いてくれないか』
　そう言って顔を上げた虎於が、どこか自信なさげにこちらに微笑んだ。男のトウマから見ても目が離せなくなるほどに美しく大人びた表情を見せるその青年は、壁に掛けられた大きな画面の中で俯くと、『ごめん』と言って去ってしまった。
「はーーっ！！やっぱトラって、かっこいいよなぁ」
「おい、今のシーンの感想がそれか？」
「ごめんって」
　虎於の家でちょうど放送されているドラマを鑑賞していたトウマは、スマートフォンのスピーカーから聞こえる虎於の声に瞼を伏せた。本来であれば、虎於と二人、肩を並べて寛いでいるはずだった。トウマはカーテンの向こう側から聞こえる唸るような風の音に唇を尖らせると、ずるずると滑るようにソファに寝転んだ。虎於は秋に頻発する荒天のせいで、飛行機が欠航になってしまったらしく、急いで飛び込んだ空港近くのホテルからトウマに電話をしてきたのだった。
「"距離を置こう"、かぁ……」
「どうした？」
「もし、本当にトラに言われたらどうしようかなぁって」
　今現在、物理的に離れているだけでも寂しく思うのに、心までも距離を置く羽目になったら、きっとうまく笑えない。最近は仕事で顔を合わせるだけでなく、こうやってプライベートでも一緒に過ごす時間が増えたから、おそらくダメージは倍増してしまう。
　そんなことを思いながら、ふと顔を上げたトウマは番組がCMに入ったことに気が付いた。見覚えのあるピンクの炭酸ジュースを持ったRe:valeの片割れが、『ももりん、絶対飲んでね〜』と言いながらウインクをしている。

あのドラマのヒロインは、一体どうするのだろうか。トウマはスピーカーモードのまま、目の前のサイドテーブルに置きっぱなしにしていたスマートフォンに手に取ると、話題を変えるために言葉を続けた。
「ごめん。なんか変なこと言っ……」
「トウマ」
　遮るように響いた虎於の声に、トウマは息を飲むように黙った。軽く笑って、なんでもないと終わらせるつもりだったのに、やけにはっきりと、まるで腕を掴むかのように発された虎於の呼び掛けに、トウマはぎゅっと胸が熱くなるのを感じた。
　別に付き合っている訳でもなく、二人はただの友人だった。トウマは戒めるように奥歯を噛んで、断罪を待つ罪人のように瞳を揺らすと、手の内にある僅か十五センチ足らずのスマートフォンの画面を凝視した。
「明日には、帰るから。そしたら、……そうだな。また一緒に風呂にでも入るか」
「え？」
「寂しい、ってことだと思ったんだが」
　そう言って、再び静かになった受話口に、トウマはぱちぱちと瞬きをした。何も違わないが、一体虎於はどういうつもりなのだろうか。トウマは虎於からの提案に、たった一言「うん」と呟くと、いつの間にか進んでしまった物語の展開にふっと表情を和らげた。

October 21, 2025 at 11:00 AM

みーこ🐱

@lv-mnm014.bsky.social

🐯🐶ワンライ@Xにてお出ししたやつをこちらにも。
「視線」お借りしました(❁ᴗ͈ˬᴗ͈)

付き合い始めたばかりの🐯🐶を想定していまして、🐶に振り回される🐯のお話です。

お題「視線」(3/3)

ことの発端は、虎於が初めて出会った共演者と話をしている時であった。この日は歌番組の収録のため、ŹOOĻとしては一番最初に現場に入ったのだが、そんな虎於に対して、ある女性が挨拶にやって来たのだった。その内容は何の変哲もない雑談で。ŹOOĻの皆さんって格好いいですよね、というありきたりな褒め言葉から始まって、その次にはずっと虎於さんのファンだったんですと微笑まれた。
　彼女は最近流行りのショート動画がバズって以降、鰻登りで出演が増えている女性アイドルグループの一人だった。虎於もその存在は以前から認識をしていたのだが、まさかいつもかわいらしい衣装を着て歌い踊っているアイドルから応援されているとは思ってもおらず、素直に嬉しいと思ったのだ。
　前述した通り、虎於が実際にこの女性に会ったのはここが初めてだった。しかし、どうやら彼女は別の現場で先にトウマと巳波には遭遇をしていたらしく、二人とも緊張した自分達にとても良くしてくれたと笑っていたのだ。
　それならばと、虎於も優しく接してやろうと思った。いつもトウマが初めて出演する新人達にやっていることの真似をして、番組の流れを簡単に説明してやってから、司会の補助をするアナウンサーに紹介をする。たったそれだけだったのに。

　ちらりと視線を移して、これたま同じ現場になったTRIGGERを見る。否、正確にはいつでも完璧な姿で佇む彼らに混ざったŹOOĻの狗丸トウマを見たのだった。トウマは先程、約十分前くらいにこのスタジオに入ってきたのだが、一人で女性アイドルの相手をしている虎於を一瞥すると、すでに三人で集まって固まっているTRIGGERの方へ吸い寄せられていったのだった。

一体なんだと言うのだろうか。その選択をしたのはトウマのくせに、持ち前の鋭い瞳から放たれる視線の中には、何故だか棘のようなものが含まれている。
　虎於は少女とも呼べる目の前の女性に締め括りの言葉を告げると、ラビチャを交換して欲しいというお願いを断ってから、トウマの元へと歩いていった。先程、虎於がトウマを見てからは、ずっと視線が逸らされている。虎於は分かっているくせにこちらを見ようとしないトウマに苛立ちながらも、すでにこちらへと視線を移しているTRIGGERの面々に挨拶をした。
「おはようございます」
「おう、おはよう。今日はよろしくな」
「虎於くん！おはようございます」
「おはようございます」
　目の前に立つ三人が一斉に笑顔を見せる中、トウマだけはちらりと一度虎於を確認してから、再び目を逸らした。何故、ここまでの態度を取られなければならないのだろうか。虎於は面食らったように一瞬唇を尖らせてから瞬きをすると、TRIGGERに気取られぬよう笑みを浮かべた。
「巳波と悠はまだなんだな」
「……ミナは今メイク中。ハルは渋滞にハマっちまったって」
「亥清悠は学校？学生さんは大変だね」
　虎於からの問い掛けに、しぶしぶと言った様子でトウマの瞳が動いた。ようやく向けられた赤褐色の瞳には、何やら訝しむような靄がかかっていて、内心焦った虎於はおどおどと瞳を揺らした。本当に身に覚えがなさすぎる。TRIGGERの手前、率直に聞くこともできずにただどぎまぎとしていると、どうやら準備が終わったらしい巳波が駆け寄ってきて、ようやくŹOOĻはTRIGGERから離れたのだった。
「巳波」
「なんですか？」
「何でトウマは怒ってるんだ？」

「……何か怒らせるようなことでも？」
　ŹOOĻだけで固まろうと移動をして、虎於は早速巳波に耳打ちをした。それが分かっているのであれば、苦労はしない。虎於は探るように眉を顰める巳波に肩を竦めてみせると、スタジオの隅に辿り着いて足を止めたトウマの背中に声をかけた。
「トウマ」
「……」
「…………」
　自分が何をしでかしてしまったのか尋ねようにも、明らかに不機嫌を隠さなくなったトウマに見返されて、虎於は口を噤んだ。トウマに機嫌を取られることは多くても、トウマの機嫌を取ることなんてなかった。すっかり萎縮した虎於は剣呑としたトウマの視線から逃れるように目を逸らすと、自分の隣で呆れたようにため息を吐く巳波の背中に回り込み、まるで母親に怒られる前の子供のように小さくなった。

September 20, 2025 at 3:34 PM

みーこ🐱

@lv-mnm014.bsky.social

Xの🐯🐶ワンライにてお出ししたやつですが、こちらにもあげちゃう！！
もっともっと🐯🐶盛り上がれ！！！

お題「湿度」(2/2)

フロントガラスを叩く土砂降りの雨が、運転をしている虎於の神経を尖らせて身体を前のめりにさせていく。気を付けなければ、事故になりかねない。虎於はトンッとハンドルを指で叩いてからカチリとワイパースイッチを一番下まで下ろすと、雨で流れて落ちていく青を視認してから、ゆっくりとアクセルを踏み込んでいった。
　しばらく運転をして、目的地であるツクモのロータリーへと車体を進入させる。この頃には豪雨だけでなく雷鳴まで聞こえて始めていたから、虎於は張り詰めていた緊張をほぐすようにふーっと息を吐いた。
「トラ、お疲れ！」
「悪い。待たせちまったな」
「全然。俺もさっき降りてきたばっかだからさ」
　停止した車の助手席ドアを開けて、トウマが乗り込んでくる。本来であれば、トウマはバイクで帰ってくる予定だったのだが、突然のゲリラ豪雨に立ち往生してしまったとのことで、虎於は迎えに来たのだった。
　いそいそとシートベルトを着用したトウマが準備完了と言わんばかりにこちらを振り返ってから、虎於の頭に手を伸ばしてくる。

「トラ、ふわっふわじゃん」
「は？」
「髪の毛。雨だからか」
　狭い車体の中、どうにも避けることもできずに、虎於はトウマの手に掻き回されるように撫でられる。激しい雨音の隙間に、ゴロゴロという雷の準備体操が聞こえて、虎於はきょとんと目を丸くした。一体、何を言っているのだろうか。虎於は離れていくトウマの手にぱちぱちと瞬きをすると、はっと焦ったように髪を撫でつけ始めた。
「悪かったな。ボサボサで」
「そんなこと言ってないだろ」
「ふんっ」
　高鳴る胸を隠すように前を向いた虎於は、パーキングブレーキを解除してから車を発信させると、狼狽えたままの心を隠すように再びワイパーを作動させた。ずっと家にいたから、油断しただけだ。虎於はクスクスと笑うトウマを睨んでから唇を尖らせると、直近の赤信号でブレーキを踏んでからデフロスターをONにした。

August 19, 2025 at 1:01 AM

みーこ🐱

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書きたいところだけ書くシリーズ(虎トウ)✍

ご飯が食べられなくて痩せ細った🐶が、🐯にお願いをしてCommandで食べさせてもらうDomSub(Switch×Switch)のお話。

嘔吐/体調不良表現あり。
このあと🐯はトラウマになると思う。

たべられない(4/4)

「なぁ、いいだろ？」
「だから、ダメだって言ってるだろ」
　何度目になるのか分からない押し問答を続けて、トウマは焦ったように虎於の腕を揺すった。虎於であれば、トウマの問題を解決できるはず。トウマはソファに座ったまま期待するように虎於を見上げるも、怒ったようにこちら見下ろしてくる虎於の視線にバツが悪そうに目を伏せた。
「ちゃんと食えってトラだって言ってたじゃん」
「それとこれとは話が別だ」
「……でも」
　何もせずにこのまま良くなることなんてない。そう言いかけて、虎於から離れて真隣に座り直したトウマは、思い詰めた顔でぼんやりと自身の手元を見つめた。SNSで見かけるトウマを心配する声がぐるぐると頭を駆け巡っている。あぁ、なんて情けない。トウマはすっかり痩せ細った自身の手首にぎっと奥歯を噛み締めると、意を決したように虎於を振り返る。
「なぁ、一回。一回だけでいいから」
　な？と言いながら首を傾げたトウマの頬は見るからに痩せこけていた。何がきっかけだったのかだなんて、もう忘れてしまった。へらりと笑みを見せたトウマは再び息を吸うと、いつもと変わらないトーンを意識して言葉を続けた。
「俺、トラのCommandだったら、食べられるような気がするんだ」
　いつの間にか飲み込めなくなった固形物も、きっと信頼できるパートナーの言葉があれば受け入れられるはず。トウマはピクリと揺れた虎於の肩にすっと視線を滑らせると、ゆっくりと目を伏せてから追い討ちをかけるように言葉を重ねた。
「……こんなこと、トラにしか頼めないから」
　小さな声で呟いて、トウマは確認するように虎於を見上げた。宝石のように甘く輝く紅が逡巡している。
　もう一押しで、きっと虎於は頷くはず。そう確信したトウマはふっと目を細めながら柔らかな笑顔を作り出すと、最後のトドメとでもいうようにそっと囁いた。
「なぁ、助けてくれよ」

「「"Switch"」」
　カチリという音と共に、虎於がトウマの手をきゅっと握り締めた。トウマよりも少し長くて繊細なその指先が、これから始まる荒っぽい行為に怯えて震えていた。トウマは繋がれた手をぎゅっと握り返してから自然と浮かんだ笑みを虎於に向けると、早くとねだるようにその手を引っぱった。
「トラ」
「……うん」
　気乗りしないという顔を隠すこともせず、虎於が俯いたまま頷いた。どうやら最初に与えるCommandを考えていたらしく、憂いを帯びた瞳が瞬きと共に鮮烈な光を灯し始める。
「トウマ、"Look"」
　そう呟いてこちらを見つめたその瞳に、トウマはじわりと身体が熱くなるのを感じた。こくりと喉を鳴らして、少しだけ高い位置にある肉食獣のような赤を真っすぐに見つめる。

　――なんだか縛られているようで、心地よい。

　いつもはトウマがDomになることが多いのだが、こんなにもふわふわとした心地になれるのであれば、もう少しSubとしてのplayを増やしてもいいのかもしれない。トウマはあまり経験のない新鮮な快感にはぁっと熱い息を吐くと、次を期待するようにそっと顎を引いた。

「Goodboy。……大丈夫そうだな」
「うん」
「じゃあ、次は……"Kneel"」
「ん」
　続けられるCommandに頷いて、トウマはソファに座る虎於の足元にぺたりと座り込んだ。ひんやりとした床の冷たさが布越しに伝わって、火照り始めたトウマの身体に絶妙な刺激をもたらしてくる。
「トラ、きもちぃ」
「Subの方が素質あるんじゃないか？」
「……そうかも」
　ゆらりと腰を揺らしたトウマに、引き攣っていた虎於の頬がふっと緩んでいった。きっとこれなら大丈夫。そう確信したトウマは促すように虎於の膝に自身の顎を乗せると、予め用意しておいたパンに視線を向けてから恋人のあだ名を呼んだ。
「トラ」
「……わかったよ」
　トウマの仕草に頷いた虎於が傍らに置かれているパンを手に取って、その包装を破った。少しだけ香る芳ばしい小麦の匂いに、トウマのお腹がぐうっと音を鳴らした。
「おいしそう」
「本当に大丈夫なのか？」
「大丈夫だって」
　一口サイズにちぎったパンを差し出して、虎於が心配そうに眉尻を下げた。今更辞めるだなんて許さない。トウマはすっかり食を待ち侘びているお腹をさすってから急かすように口を開くと、虎於からのCommandを受け入れるためにゆっくりと目を閉じていった。

「……」
「トラ、はやく」
「あ、あぁ。……"Eat"」
　甘やかな声で紡がれたCommandに、トウマの身体がゆっくりと動き始める。あぁ、やっと食べられる。トウマは近づいてきたパンの欠片を虎於の指さらぱくっと口に含むと、そのままもぐもぐと咀嚼を始めて素朴なパンの甘味を堪能し始める。一口噛み締める度に芳醇なバターの香りが広がって、次の動作である嚥下を促進して――くれなかった。
「！？っうﾞ、ぇ……！ぐっ、うﾞ……！」
「トウマ！？」
「うﾞおぇﾞっ……、っはぁﾞ……！」
　あんなにも幸せで満足感溢れる時間だったのに、気が付いたらトウマは床に突っ伏したまま涙を流していた。鼻を刺すようなつんっとした匂いは、きっとトウマが吐き出してしまった体液が原因であろう。トウマはぐっと腕の力を込めて身体を起こすと、涙と吐瀉物でぐちゃぐちゃの手をぐっと伸ばしながら、再び虎於が持つ食料を奪おうと暴れ始める。
「トウマ、もういい！もういいから！！」
「やらぁ、たべるっ……！でき、るからぁ……！」
　ゾンビのように乗り上げて必死に虎於からパンをひったくろうともがくも、痩せ細ったトウマの身体では到底太刀打ちできるはずもなかった。次第に呼吸が荒くなり、目の前がぐにゃりと歪み始める。あぁ、これは――。
　答えに辿り着く前に訪れたとてつもない孤独感に、ぶわっと涙が溢れ始める。虎於に無理を言ったのに、結局できなかった。トウマはいつの間にか真っ暗になってしまった世界で「トラ」と小さく呟くと、徐々に重たくなり始めた身体を投げ出してから、そのままぷつんっと意識を失った。

August 9, 2025 at 1:53 AM

みーこ🐱

@lv-mnm014.bsky.social

たのしかった！！！！！！
ほんとうに！！！！！！！！！！

August 3, 2025 at 1:30 PM

みーこ🐱

@lv-mnm014.bsky.social

こちらでも。
真ん中バースデーおめでとうございました🎉🎊

真ん中バースデーの日に🐯不在の飲み会に行った🐶と、🐶からの電話を受けた🐯のお話です。

2人の未来に幸多からんことを～✨💍

今日は一人だし、早く寝よう。リビングでゆったりと映画を楽しんでいた虎於は、近くに置いてあるリモコンを拾い上げて赤いボタンを押した。別に今更寂しさなんて感じない。虎於はいつもよりも少し広く感じる自室をぐるりと見渡すと、んーっと伸びをしながらサイドテーブルを振り返る。
「……トウマ？」
　映画のお供にと用意したコーヒーカップの真隣でパッとスマホが光を放った。映画に集中したいからと通知を全て切ってしまったから、スマホは無言のままである。虎於は光り続ける筐体に焦ることなく手を伸ばすと、トンッと画面上の緑に触れてからスマホを耳に押し当てた。
「トウマ？どうし……」
「あはは！とらだ～！！」
　静かな空間を切り裂くような大声に、虎於は眉を顰めながら受話口との距離を取った。もう夜も遅くなってきたというのに、この元気さはなんなのだろうか。虎於はトウマの向こう側から聞こえるガヤガヤとした騒音にムッと唇を尖らせると、空っぽで佇むコーヒーカップを手に取った。
「急にどうした。まだ、飲み会中だろ？」
「んふふふ、とらぁ〜」
「……切っていいか？」
　ほろ酔い気分の恋人に、虎於の眉間のシワが濃くなっていく。少し飲んだだけで酔っ払ってしまうくせに、どうやらたくさん飲んだらしい。虎於は「だめだめぇ」とボヤくふわふわとした声に小さく舌打ちをすると、使っていたスリッパを放置して裸足でキッチンへと向かっていく。
「今日はさ、俺ら二人の日だろ？」
「あぁ」
「だからさぁ、どうしてもとらの声が聞きたくなっちまって」

「は？」
　がつんと頭を殴られたような衝撃に虎於は目を見開いた。今、物凄い殺し文句を言われたような気がする。虎於はあんなにも苛立ちに満ちていた頭がさぁっと冷静になるのを感じると、片手に収まる四角い箱を一度見てから口を開いた。
「今なんて言った？」
「んへへへへ」
「おい、トウマ」
　辿り着いたシンクの横にカップを置いて、虎於はくるりと身体を反転させた。あれは聞き間違いだったのだろうか。虎於は確認するように何度もトウマの名前を繰り返すも、それを放った当の本人はふにゃふにゃと上機嫌に笑うだけである。
「トウマ、トウマ」
「ん〜？」
「いい加減にしろ。もう迎えに行くからな」
「んえ？」
　ようやく聞く姿勢を見せたトウマを見逃さないように、虎於はきっぱりと宣言をした。これだけ酔っ払っているのだから、もう回収した方がいい。虎於は背もたれにしていたキッチンカウンターから身体を離して、ペタペタとリビングに舞い戻ると、車のキーケースを手にしてからクローゼットルームへと向かっていった。
「とら、来てくれんのぉ？」
「あぁ。他に誰がいる？」
「えぇっと…… 。みつきさんとぉ、つなしさんとぉ、……誰だっけ？」
「ったく。とにかく行くから、いい子にしてろよ」
「やったぁ」
　着替えてから出ていこうと、適当にスラックスとシャツを選んでからスマホを数回タップする。スピーカーモードに変更したスマホから店員が注文を取る声が聞こえて、虎於は呆れながら手の中の荷物を棚の上に置いた。迎えに行くと言っているのに、まだ飲もうとしている。虎於は無言のままがばりと上衣を脱いで簡単に折り畳むと、近くに置いてある椅子の上にぽんっと放り投げてからシャツを身につけ始める。

「とらぁ」
「なんだ」
「へへっ」
　暫く向こう側の会話を聞きながら外出の準備を進めていると、再びトウマに呼び出されて虎於は顔を上げた。飲み会の最中だというのに、虎於と話していていいのだろうか。全て着替えを終えた虎於は間伸びするトウマの声に適当に返事をすると、棚の上の荷物を手に取ってからもう一度リビングへと向かっていった。本当はこのまま出ていこうと思っていたのだが、免許証を入れた財布の存在をすっかり忘れていたのだ。
「あのなぁ」
「……」
「えぇっとぉ」
　早く言えばいいのに、トウマはひたすら甘えたような言葉を繰り返し続ける。もう家を出るし、切ってもいいのだろうか。リビングに辿り着いた虎於は机の上に置きっぱなしにいていた財布を手に入れると、通話を締めくくるための言葉を発しようと息を吸った、――その瞬間。
「あとでいっぱいちゅーしようぜぇ」
　ようやく繰り出された意味のある言葉に、虎於はぴたりと足を止めた。「な？」と言うトウマの後ろから「ヒューヒュー」という揶揄いの声が聞こえる。虎於は自分達の会話がエンタメとして消費されていたことに気が付くと、じろりとスマホを睨みつけながらありえないとでも言うように言葉を吐き捨てた。
「お前、覚悟しておけよ？」

そう言ってからぷつんと通話を切って、虎於は玄関へと向かっていった。こちらがスピーカーにしていたように、トウマのスマホもそうであったに違いない。虎於は簡単に履けるサンダルに足を押し込んで目の前の扉をグッと押すと、くるりと振り返ってからセキュリティにカードーキーを押し当てた。絶対に許してやるものか。ピピッという音を確認してから足を踏み出した虎於は、頭の中でいくつもの仕返し方法を並べ立ててから、ふっと楽しげにほくそ笑んだ。

July 25, 2025 at 11:06 AM

みーこ🐱

@lv-mnm014.bsky.social

また、差し入れもたくさんありがとうございました☺️
おいしくいただけるものはいただいて、リラックスできるものはリラックスさせていただきます🙇🏻‍♀️՞
本当に色んな方にお会いできて、はっぴーでした！！ありがとうございます😊

July 13, 2025 at 1:01 PM

みーこ🐱

@lv-mnm014.bsky.social

こちらでご報告忘れてました。
撤収済みです。ありがとうございました☺️

帰ります！！！！！！

July 13, 2025 at 5:47 AM

みーこ🐱

@lv-mnm014.bsky.social

向かってまーーーす！！！

July 12, 2025 at 10:25 PM

みーこ🐱

@lv-mnm014.bsky.social

🌟Drift ride together 星願2025🌟

こちらでも❣️
ちるどさんに作っていただいたお品書きです〜❣️

私の無配は新刊の後日談です！
みーこ分はイベント後、とらのあなにて通販を予定しております。

西3ホールH65aにてちるどさんとお待ちしてます☺️

July 9, 2025 at 10:46 AM

みーこ🐱

@lv-mnm014.bsky.social

今週末までに本文は終わらせたい。
とりあえず、とんでもない誤字をしたので供養。

June 9, 2025 at 3:45 PM

みーこ🐱

@lv-mnm014.bsky.social

お疲れ様でした。
正直、累計でssに入るのが生きがいみたいなとこあるので、今年も入れて良かったです。

June 9, 2025 at 3:42 PM

みーこ🐱

@lv-mnm014.bsky.social

行けましたーーー！！！

May 31, 2025 at 4:59 AM

みーこ🐱

@lv-mnm014.bsky.social

春の🐯🐶、こっちにもあげます。

季節の変わり目で風邪を引いたと思ったら…？って感じの🐯🐶で、体調不良になった🐯を🐶がお世話してます。🐯って世話焼かれるの絶対好きですよね🥹

お話の都合上、大した体不ではないので、ガッカリさせてしまったらすみません🙇‍♀️

『認めたくない！！』虎トウ(4/4)

3月も中頃。目まぐるしく変わる天気と激しい気温差に、身体がついてきてくれなかった。

「っ、くしゅ！」
　広いベッドの上で、小さく丸くなっていた虎於は、布団の中からベッド横のテーブルへと手を伸ばした。長方形の箱の中から2枚。柔らかな絹のようなティッシュを手に取った虎於は、ベッドから少しだけ身体を起こすと、垂れ落ちてきそうな鼻水を拭った。
「……はぁ」
　ばたんと手を下ろして、一息。ずしりと重たい頭が、虎於の気分をさらに地の底へと落として、自身が風邪を引いてしまったことを知らしめてくる。幸いオフの日だったから良かったものの、虎於は朝からずっとベッドから動けずにいるのだ。
　手の中にある用済みのティッシュをすぐ近くのゴミ箱へ落として、再び布団を手繰り寄せる。こんな日は寝て過ごすのが1番だ。そんなことを思いながら、ぐいっと布団を顎あたりまで引き上げると、丁度同じタイミングでガチャッという音が聞こえて、扉の向こう側から黒いマスクをした見知った顔が覗き込んできた。
「トラ？」
「……トウマ」
「大丈夫か？熱は？」
　開いた扉の先からやってきた人物に、虎於はゆらりと頭を上げて息を吐いた。伺うようにそろりと顔を出していたトウマは、ゆっくりとベッドへと近付くと、手に持っていたビニール袋をサイドテーブルの上に置いて、心配そうな顔をして虎於を見下ろした。
「ない。ないけど、頭と喉と鼻が痛い」
「ティッシュ、すごいな」
「鼻水が止まらないんだ」

こうやって話をしている間にもまた鼻水が垂れてきて、虎於はげんなりとしながら再びティッシュを掴んだ。いっそのこと、鼻にティッシュを突っ込んでしまえば楽なのかもしれないが、恋人であるトウマの手前そんなことをするわけにはいかない。
「……花粉症じゃなくて？」
「花粉症？」
「だって、時期じゃん」
　袋の中からガサガサとスポーツ飲料水や冷えピタを取り出しているトウマを見上げ、虎於はぱちくりと瞬きをしてから、有り得ないとでもいうように鼻で笑った。花粉症。それは春に大流行しているアレルギー症状のことだが、虎於は今まで一度も発症したことがないのだ。
「俺は花粉症じゃない」
「いや、それそうだって」
「違う」
「いやいや、今年デビューかもしれないだろ？」
　呆れた顔をしつつも、封を切った冷えピタのシートを剥がしたトウマを見て、虎於は前髪を片手で持ち上げた。ん、というように軽く顎をあげ、ひんやりとしたジェルを待っていると、ゆるりと目尻を下げたトウマがぴたりと貼り付けてくれる。
「ふは、トラかわいい」
「恋人が苦しんでいるっていうのに、お前は」
「心配してるって」
「……ふん」
　トウマの反論に嘘がないことを理解している虎於は、再びベッドに身体を投げ出すと、掛け布団を引っ張りながら、じとりとトウマを見つめた。どうせこのマスクの下は、ニヤついているのだから、虎於の言葉だって間違ってはいないだろうに。
「病院は？」
「あとからドクターが来る」
「……お医者さんって、家に来るのか？」
「来るだろ」

さすがだな、と呟いたトウマがスポーツ飲料水を開封してから、キャップを元に戻した。虎於が飲む時に簡単に開けられるようにという配慮なのだろうが、こういう所にトウマの世話焼きの性格が見て取れて、虎於は満足気にすんっと鼻をすすった。
「じゃあ、俺行くから」
「……帰るのか？」
「まだ仕事があるんだよ。それに、トラは体調悪いだろ？」
「それは、そうだが」
　家を後にするためにバッグを手に取ったトウマが、唇を尖らせながら言い淀む虎於に目を細めた。顔半分が見えなくても、こちらの言動に気を良くしたことは明白で、それならばと虎於はねだるように上目でトウマを見つめた。
「……トラ、絶対花粉症だから、また戻ってくるよ」
「だから、俺は花粉症じゃない」
「はいはい」
　虎於の頑なな返事を吹き飛ばすように笑ったトウマが、スマホの画面に視線を落としながら、寝室の出口へと向かっていった。

　――また戻ってきてくれる。

　そわりと浮き足立つ気持ちを抑えるように、虎於はもぞりと脚を動かして、部屋から出ていこうとするトウマを目で追いかける。トウマが戻ってきたら、一緒に布団にくるまって、それから。ぎゅっとシーツの裾を掴んで、このあとのことに思いを馳せていると、部屋から出ていくはずのトウマがくるりと振り返って再び口を開いた。
「ゲームなんかせずに、ちゃんと寝ろよ」
「……なんで分かった」
「ハルから聞いた」
「悠め」

悠のアカウントへライフを送ったことを思い出した虎於は、スマホを掲げているトウマから目を逸らすと、持ち上がる口角を隠すため、布団に顔を埋めた。まるで母親に告げ口をされたような気分だが、こうやってトウマに窘められるのも悪い気はしない。
「じゃあ、本当に行くから」
「あぁ」
「花粉症だったかどうか、連絡くれよ」
「だから、違うって言ってるだろ」
　相変わらず花粉症ではないと言い張る虎於に、含み笑いのような視線を向けてから、トウマは部屋を出ていった。遠くから、かちゃっと電子キーの音が聞こえ、トウマが合鍵を使ったことを把握する。花粉症なんかじゃない。そう思いながら、虎於は布団を頭から被ると、トウマとの約束通り目を閉じた。

◆◆◆

　――数時間後、ラビチャにて。

『お医者さん、来たか？』
『きた』
『なんだって？』
『花粉症です、って』
『やっぱりww』
『うるさい。いいから早く来て、慰めろ』
『はいはい』

March 31, 2025 at 2:07 PM

みーこ🐱

@lv-mnm014.bsky.social

(5/5)

「その、……俺の、吸ってる時とか」
　そこまで言って、ぱっと離れたトウマを見遣ると、少し恥ずかしそうに目が逸らされる。トウマは今まで一度もそういう話題を持ち出すことがなかったから、あまりにも驚いた虎於は目をぱちくりとさせることしかできなかった。
「なんか、言えよ」
「いや、……え？」
「……好きじゃん。吸うの」
　睨むようにじろりと瞳を動かしたトウマは羞恥の最高潮まで達したらしく、見たことの無いレベルで顔を赤くしている。
　――吸うのが好き。
　トウマの言葉には主語がなかったが、おそらくトウマの胸にあるアレのことだと思い至った虎於は、あぁ、と呟くと、ニヤリと口元を歪ませた。
「トウマの反応がいいからな」
　ふんっと鼻で笑って意地悪く答えてやると、顔を赤くしていたトウマが悔しそうに唇を噛んだ。どう見ても図星です、と言っているようなその表情に、虎於は再び満足すると、手の中にあるおしゃぶりをころりと転がした。
「言ったんだから、咥えろよ」
　片手に収まるほどの小さなモノを一瞥したトウマが、口を尖らせながら約束を守れと睨んでくる。仕方がない。本当は先にトウマに言わせて、有耶無耶にしてやろうと考えていたのだが、想像もしていなかった恋人の回答に気を良くした虎於は、その玩具の先端に唇を寄せると、見せつけるように舌を絡めた。

February 24, 2025 at 1:23 PM

みーこ🐱

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🐯っておしゃぶり似合うよな…って思ったので書きましたっ！

🤝会で、ファンからおしゃぶりを渡された🐯と、それを見ていた🐶のお話です。最初のファンはアナタかもしれません♡(* ॑꒳ ॑* )

『『ばぶー』だなんていってやらない』虎トウ(4/5)

『は、はじめまして！あの、これ着けてくれませんか？』
『虎於くんに似合うと思って』
『あはは、でも、虎於くんもバブみがあると思うなぁ』
『もしよければ、このまま貰ってください！』
『ありがとう。虎於くん、だいすき！！』

　そう言われて渡されたモノ。今まで付き合ってきた女はもちろん、ファンの差し入れでも貰ったことのなかったソレは、明らかに大人が身に着けるようなものではなかった。

◆◆◆

「トラ、トラ」
　握手会で受け取ったソレを右手で転がしながら時間を潰していると、いつもよりもワントーン上がったハスキーが近付いてきた。どうやらその声の主は、虎於の手の中にあるのもを見ていたらしく、少しだけからかうような雰囲気を纏っている。
「なんだ」
「それ、ファンの子からもらったやつだろ？」
　そう言いながら、目の前に立ったトウマは頬を紅潮させて、何故か嬉しそうに虎於の右手へと視線を注いでいる。一体、なんなんだ。ソファに座っている虎於を見下ろしてくるその瞳は、まるで玩具を目の前にした子供のようで、虎於は警戒するように眉を顰めた。
「だったら、なんだ？」
「なんて言われた？」

若干苛立ちを込めた返事をしたのだが、当の本人は気が付いていないらしい。トウマはくるりと身を翻すと、虎於の真横に腰を下ろして、机の上に置かれている飴に手を伸ばした。握手会とは言え、喉を使う時間が長いからこその行動だ。
「『虎於くんに似合うと思って』」
「ふっ、くく……」
「おい」
「わりぃ、わりぃ」
　謝罪の言葉を口にしてはいるものの、絶対に反省などしていない姿に虎於もハッと笑みを零した。トウマにからかわれるのは癪だが、こうやってファンの子から貰ったものについてメンバーと話ができる時間は楽しいものだ。
「それで、なんて返したんだ？」
「『悠の方が似合うだろ？』」
「ははっ、それハルが聞いたら怒るぜ」
「ここだけの秘密だ」
　そう言いながら手の中のモノ――おしゃぶりを机の上に置いた虎於は、悠々と脚を組んだ。抱かれたい男No.1である虎於が、こんな0歳児が付けるようなものが『似合う』はずがないのだ。
「『バブみがある』って言われたけど、そんなわけないよな」
「えっ？」
　背もたれに身体を預け、唇を尖らせるようにぼやくと、おしゃぶりを勝手に手に取っていたトウマが目を丸くして振り返った。その顔は「何を言っているのか」とでも言いたげで、再び眉を顰めた虎於は唸るような声を出した。
「バブなわけないだろ、この俺が」
「い、いや……」
　威嚇するように顎を引いて睨めつけると、あちらこちらへと目を彷徨わせたトウマが口篭る。何か言いたいことがありそうだ。
「なんだ」

「えぇーっと、その」
　明らかにどう誤魔化そうかと考えている顔に、虎於は小さく舌打ちをした。まどろっこしい。そう思った虎於は、すっかり背中とくっついたソファからがばりと身を起こすと、意外にも閉じられた第二ボタンが居座る襟元を乱暴に掴んだ。
「うわっ！」
「言えよ」
「は、離せって！」
「早く」
「っ、絶対怒るじゃん！」
　ぐいっと引っ張り寄せて端的に迫るが、トウマは口を割る気がないらしく、バタバタと逃げ出そうとしている。虎於の手首を掴むその手には、未だにおしゃぶりがあり、表面に取り付けられた取っ手がかちゃりと音を立てた。
「怒らない」
「いやだ」
「何で」
「はっ、はずいし……」
「はずい？」
　パッとトウマを解放して首を傾げると、少しだけ耳を赤くしたトウマが気まずそうに顔を背ける。
「どうしてトウマが恥ずかしいんだ」
「……」
「トウマ」
「……はぁ」
　責めるように追撃すると、ため息を吐いたトウマがコロリと飴玉を舌で転がしてから虎於を見つめた。ようやく観念したらしいが、なんだか不服そうである。
「言うけどさ」
「あぁ」
「俺だけ恥ずいの嫌だから、これ着けろよ」

そう言って突き出されたのは、話題の中心である例のものであった。虎於はその玩具をちらりと見ると、再び不機嫌な顔を作ってトウマを睨んだ。
「どうしてそうなるんだ」
「似合わないんだろ？なら、いいじゃんか」
「嫌だ」
「じゃあ、俺も言わない」
　再び始まった膠着状態に虎於は唸った。自分が折れるしかないのだろうか。トウマ相手に片手で数えられるくらいでしか譲歩したことがない虎於は少し考えると、トウマの手の中のものを受け取った。
「お、着けてくれんの？」
「トウマが先に言ったらな」
「……」
「じゃなきゃ、着けない」
　それ以外は受け付けないとでも言うようにつんっと横を向くと、虎於は横目でトウマを窺った。悩んでいる。今までもこうやってゴネて、拗ねて、トウマからyesを引き出してきたから、おそらくこれで決着がつくはずだ。
「しょうがねぇな」
「ふん。ほら、早くしろ」
「わかったから。……耳」
「なんでだ」
「周りに聞かれたくないんだよ」
　早く、と呟きながら目を逸らすトウマに、虎於は身を寄せた。立っている時よりも縮む身長差が何を表しているのかだなんて敢えて言わないが、虎於は案外これが好きだったりもする。
「あのな」
　片手を虎於の耳に添えて、トウマがそっと囁いた。吐き出される微かな息が耳元を擽って肩が揺れるが、虎於はじっと我慢する。
「えっちしてる時のトラも、バブみたいだなって」
「は？」

February 24, 2025 at 1:20 PM

みーこ🐱

@lv-mnm014.bsky.social

いきてますーーー。
生雪食べましたーーー☺️

February 2, 2025 at 5:37 AM

みーこ🐱

@lv-mnm014.bsky.social

(5/5)

不貞腐れたように背を向ける虎於にトウマはこっそりと目元を綻ばせた。まさか虎於が、かわいいキャラクターにフォークを刺せないだなんて。トウマは自身だけが知り得た虎於のかわいらしい一面を思い返すと、ほんのりと暖かくなった胸の奥に気付かないふりをして、巳波にNOのスタンプを送った。

December 18, 2024 at 1:59 PM

みーこ🐱

@lv-mnm014.bsky.social

Xにもあげたけど、クリスマス前の🐯🐶のお話。
🐯🐶と言ってますが、🐯(←)🐶です。

かわいいキャラクターもののスイーツが食べられない🐯が見たくて書いちゃいました😉
捏造が許せる方のみお読みください🙇🏻‍♀️՞

ひと足早い、
✧*｡🎄𝐌𝐞𝐫𝐫𝐲𝐂𝐡𝐫𝐢𝐬𝐭𝐦𝐚𝐬🎄✧*｡

『Why are you so cute!?』虎トウ(4/5)

「なぁ、トラ」
　久しぶりに早く仕事が終わったトウマは、コーヒーを用意すると言った家主へ向け、言葉を投げた。彼の家に着いてから、早1時間。すでに自身の居場所になりつつある高級そうなソファの上で、トウマはスマホを眺めていた。
「なんだ？」
　エスプレッソマシンにカップをセットする虎於も、同じく視線を動かすことはない。ピッという音が広い部屋の中に響き、続いてこぽこぽという音が聞こえ始める。
「ミナとラビチャしてるんだけどさ」
「あぁ」
　何もすることがなくなったらしい虎於が、ようやくマシンから顔をあげて、トウマに近付いてくる。しばらく待ちか。そう思ったトウマは顔を上げると、持っていたスマホを虎於へと差し出した。
「クリスマスケーキ、ハルが好きそうなのがあったからって……これ、どう思う？」
「うちのシェフに頼まないのか？」
「俺の誕生日はそれだったろ？ハルのは違ったけどさ」
　目の前で立ち止まった虎於が、腰を曲げてスマホの中身を覗き込む。ちらりと一瞬視界に収めただけで、すぐに隣に腰を下ろした虎於に、トウマは身体ごと振り向いた。
「これ、ハルが好きそうだろ？クリスマス限定らしいんだけど、ちっちゃいねこのケーキが乗っててさ」
「……ホールケーキの上にケーキって、お前も俺もそんなに食えないだろ」
「そ、それはそうかもしれないけど……。ほら、ハルとミナは食うって」

「な？」といいながら、おねだりをするように見つめるも、何故だか眉を寄せた虎於は頷こうとはしなかった。確かに虎於の言う通り、トウマが見せているケーキは大きい。だが、甘いものが好物な悠となんでも食べる巳波、それから戦力になるのかさっぱり分からない宇都木がいるのだから問題ないと思っていた。
「えぇ？なんで？」
　トウマの問いかけにキュッと口を引き結んだ虎於が、逃げるように目を逸らした。いつもなら「いいぜ」と優しく笑うはずなのに。そう思ったトウマは虎於の反応に何度か瞬きをすると、今度は捨てられた犬のような視線を向け、虎於を見上げた。
「トラァ」
「そんな目で見るな」
　その手には乗らないとでもいうように睨まれる。これはダメか。一旦スマホの中のねこサンタと目を合わせて、拒否する虎於の気持ちを揺らす最も効果的な方法を考えるも、トウマの中の引き出しはそう多くはなかった。
「……なんでだめなんだよ」
　結局ストレートに質問することしか浮かばなかったトウマは、拗ねたように唇を尖らせながら、再び顔を上げた。年上のくせに譲らない時は全く聞く耳を持たないが、まさか"悠のためにケーキを選ぶこと"で拒否されるとは思わなかったのだ。
「トラ」
　真っ直ぐに見つめてもう一度その名を呼ぶと、バツの悪そうな顔をした虎於と視線が交わる。ピンクがかった赤い宝石のような瞳がゆらりと揺れ、観念したように長い睫毛が影を作っている。
「……可哀想だろ」
「へ？」
　ぽつりと呟かれた虎於の返事につい間抜けな声をあげてしまうも、キッチンから聞こえたピーッという音にかき消される。今、聞こえたのが本当であれば。思い至った理由をぶつけようと開いてしまった口を閉じ、再度言葉を続けようとするも、勢いよく立ち上がった虎於に阻止される。

「コ、コーヒーが入ったようだな」
「え？」
「持ってきてやるから、それを飲んだら帰れ」
「はぁ？」
突然、繰り出された帰宅命令にトウマは呆気にとられた。明らかに自身との会話を切り上げようとしている。あまりの出来事に3秒程ぱちくりと瞬きをしたトウマは、逃げるようにキッチンへ向かう虎於を追いかけると、その腕を掴んだ。
「待てって」
「嫌だ」
　明確な理由が欲しいわけではなく、ただ頑なな態度をとる虎於にムキになっただけだった。トウマは掴んだ腕をぐいっと引くと、声を張って虎於に呼びかける。
「トラ！おい、こっち見ろって！！」
「嫌だ」
「嫌じゃねぇ！俺はまだ帰らねぇぞ！」
　しっかり目を見て話したくて、トウマは何度も引っ張った。しかし、自身よりも身長も体格も有利な虎於に勝てるはずもなく、心の中で盛大に舌打ちをする。なんか、ムカつく。本当は虎於の意思を尊重して、自らこちらを向いてもらおうと思っていたのに。そう思ったトウマはぎっと唇を噛むと、すっと腕の力を弱めて隙間を縫うように顔を覗き込んだ。
「おい！ト、……ラ？」
　流れるように見上げた先に、見たこともない顔をした虎於がいた。下がった眉尻に、真っ赤な頬。困惑したように彷徨う瞳には、いつも見せる不遜な色は全く見えなくて。
思わずきゅんっとしてしまったトウマは、体温が高くなるのを感じると、ぐっと息を飲むように口を噤んだ。この後、問い詰めるつもりだったのに。

「見るな！！」
「おわっ！？」
　突如伸ばされた虎於の手がトウマの顔を鷲掴み、目の前が真っ暗になる。恥ずかしいからといって、これはあまりにも手荒ではないだろうか。虎於の行動になくなっていたはずの苛立ちを思い出したトウマは、バタバタと暴れて虎於の手を振りほどくと、非難するように虎於を睨んだ。
「ってぇだろ！」
「お、お前が見てくるから！」
「だっ……！！……もういいよ」
　こんなくだらない喧嘩がしたい訳ではない。虎於から目を離し、小さなため息を吐いたトウマは、もう一度虎於を見上げた。言いたくないのであれば構わない。だが――。
「まだ帰らねぇから」
「は？」
　そう宣言したトウマはくるりと背を向けると、すっかり定位置となったソファへと戻っていった。絶対に帰ってやるものか。トウマは小言を言い始めた虎於を無視するようにソファへ腰を下ろすと、再びスマホへと手を伸ばした。
「おい！トウ……」
「じゃねぇと、さっきのケーキでいいってミナに言っちまうぞ」
「え」
「……ふはっ、冗談だよ」
　言いたいことは分かっているとでもいうように、トウマは顎を引いて口元に弧を描く。あのケーキがダメな理由。それは、あのかわいいサンタがいるからだ。
「次はトラの誕生日だな。かわいいのは選ばないようにするよ」
「……俺は何も言ってない」
「わかったわかった」

December 18, 2024 at 1:59 PM

みーこ🐱

@lv-mnm014.bsky.social

こっちにも！わんわん🐶にゃんにゃん🐱の日とのことなので🤗

数ヶ月前、Xで拝見したフォロワー様のイラストから、書かせていただきました☺️(許可いただき、ありがとうございます！)

ゆるりとした虎と犬の顔がついた着ぐるみパジャマの撮影をする🐯🐶のお話です。付き合ってません。

『がおがお、がぶり。』虎トウ(2/2)