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@lundi97.bsky.social
un quotidien paisible
ほぼ実話なのでモノガタリはここでぶった切れているのです😁
April 12, 2025 at 5:30 AM
それから、彼がこれから発表するのか、もう発表済みなのかわからないが、翻訳機能で読むかぎりでは、現代文明が冒されている病理の原因を弾劾し真の自由を希求するための、写真を主な手段にするらしいプロジェクト開始の宣言が、スペイン語と英語でびっしりと綴られていた。
やはりクリスチャニズムを厳しい言葉で批判していたし、かつてのヒッピーイズムへの静かな賛意も漂っているようだった。
そういえば、おじさまはそれくらいの年齢であったかもしれなかった。
April 12, 2025 at 5:23 AM
おじさまはどうやらアーティストなのだった。
芸能を披露する“アーティスト”ではない。純粋にアートをやっているらしい。美術という狭い範囲のアートではなく、表現する、という広めのアートのようだ。著述もしているのかもしれない。学者ふうにも見える。

今年できたばかりで、まだプロフィールのページも空白なままのサイトだが、たしかにさっき見たばかりのおじさまの、今よりやや若いがやはりもじゃもじゃ頭で、すこし陰鬱そうな、なにかに挑むべきか悩んでいるような深い視線をこちらに投げかける写真が載っている。
April 12, 2025 at 5:11 AM
宿に着き、では良い旅を、と別れる間際、おじさまがおもむろに「きみはアムステルダムに来るか?」と尋ねてきた。アムステルダム?と目を白黒させていると「カメラを出して。もうこの名刺いちまいしか残っていないから」と自分の名刺のメールアドレスを撮影させてくれ、「もし来るなら連絡して」と静かに笑った。

別れの挨拶は「チャオ!」だった。チャオ!と大きめの声で返した。

帰宅してから、その名刺のアドレスで検索してみると、構築途中のサイトが見つかった。
April 12, 2025 at 5:07 AM
その宿まで送ろうというこちらの申し出を受けてくれたふたりを乗せるため、喪服のまま駐車場に走っていき急いで後部座席のガラクタをかたづけ、狭い車に乗ってもらった。
駅からはものの3分とかからない。その短い時間に、自分が「若いころスペイン語も勉強したかったけれど機会がなくて」と謙遜すると、姪御さんは「今からやれば?」などとやさしく応じてくれた。彼女がスーツケースの上に載せた透明ビニールバッグは、焼き海苔のパックで満杯だった。
April 12, 2025 at 5:06 AM
だいぶ観念的なところにきたな、メキシコのひとが皆そうであるわけでもないだろうけれど、などと思いながら、どうにかついて行っているつもりで、ブディズムですか、アジアもいろいろありますしね、とか、東アジアもそれぞれ違いますがね、などとわかったような顔で相槌を打っているうち、おじさまはやや打ち解けたようすになり、「今日はここに泊まるんだよ、姪が手配したんだ」と見せてくれた宿の住所が、我が家の目と鼻の先の小さな民泊なのだった。
April 12, 2025 at 5:04 AM
どうもこのおじさまは、どれだけオーバーツーリズムでごった返していようと、あるいは地味だろうと、極東の地には彼が長年過ごしてきた欧米のそれらとは異なるものを感じているようだった。

彼は「ブディズム」の影響をしきりに口にした。同時に「クリスチャニズム」が如何にネガティブな影響をその文化圏にもたらしたかを嘆いていた。なんどもなんども「クリスチャニズム」と寂しそうな声で云った。語る視線の光ぐあいに疲れも見えた。加えてコロニアリズム、の話も出た。
April 12, 2025 at 5:03 AM
口髭をたくわえてもじゃもじゃ髪の彼は、メキシコ出身で今はアムステルダムに住んでいると云い、姪とふたりで巡った2週間の日本旅行の最後の一日を、成田空港にやや近いからという理由で、さほど観光資源もない我が市に過ごす予定らしかった。

当地は有名な寺社仏閣もヘリテージもない中途半端な片田舎シティである。
鎌倉やら奈良やら京都やら、そしてもちろん大阪・東京というメガ観光地を巡ってきたあとの目にはずいぶんうらさびて見えるだろうと思いながら、旅先の感想などを聞いていた。
April 12, 2025 at 4:59 AM