二 幕間
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土でさえかわいいお前から芽吹くきれいな花の朝露だって
#短歌
#tanka
January 21, 2025 at 11:54 AM
うわまぶたとしたまぶたの切れ目の分だけ世界があるとまだ誰も知らない

肌触り、しめった心地、風鳴りに苦味とか寂寥

なにもこぼれ落ちて拾い上げる必要もないこの身が外れでしょうか

内側にしか世界はなくてうわまぶたとしたまぶたの切れ目の分だけ外に映しているに過ぎない
こと、誰か知れ

誰か

「お願いします」
#詩
January 7, 2025 at 9:01 AM
日の中にきみがいたのを思い出す
この閉じられたひだまりの中

#短歌
#tanka
December 20, 2024 at 2:12 AM
お前の羽を縫い留めて
綴る詩文、楽譜、判決
真白い骨の高貴な階段
スキップ、ラン、ラン
垂れる銀糸の髪くくり
それでは、みな、さん

「十三階段、駆け上り」
#詩
December 9, 2024 at 1:01 PM
黙っていられない森のささやきが
吹く風に乗ってやってくる窓辺
チチチ、耳元で囀る

秘密にしてねって言ったのにね
だぁれにも内緒だよって

密んでいられない虫たちの羽音
するり忍び込んで月明かりに浮かぶ
ジジジ、指先で蠢く

秘密にしてねって言ったのに
だぁれにも内緒よあなたって

ほころぶ薔薇の真下
守られる約束など思い描きもせず
わたし
破られるのを待っていた

「スブロサ」
#詩
December 5, 2024 at 12:47 PM
だいたいいつも斜めに流して
笑う君がテーブルの向かい
木目を流れるグラスの汗が
川になってこっちまでたどり着く

指ひたして 気づかれないよう

だいたい君はくだらないって
笑われる僕のスプライト
気が抜けて甘いだけの中身が
ゆっくり吸い上げられて底をつく

心ふやかして 気づかれないよう

溶けれたらいいのに氷みたいに
混ざれたらいいのに罰ゲームみたいに
二度と飲むもんかって君に
君に残されてみたい

「ドリンクバー」
#詩
December 1, 2024 at 4:46 PM
ねむいなぁねむいねぇ
ねむるかなねむらないよ
ねぇ天井のシミをさぁ
ねごと言ってるんじゃないよ
ねてないよねれないよ
ねれるわけないよ
ねたくないよ
ねむるけどね
ねぇあしたも一緒に

「ダブルじゃない天国」
#詩
November 29, 2024 at 6:24 PM
タペストリーのほつれを引いて
ほどけていく遠い憧れ
褪せた色が思い出せなくても
糸を撫でては飛んでゆく

閉じ込めてしまいたかった喜び
ここにある
まな裏に幾度も映じた切なさ
ここにある

はらはらほどける記憶の端っこ
織り込まれたモチーフたち
かたちをなくしてしまっても

振り返って笑います
うつくしき歳月へ

「タペストリー」
#詩
November 27, 2024 at 4:31 PM
ミルクの匂いの人がいて、ああこの隘路を行けばたどり着くのか楽園へなどと、熱射にやられた頭蓋で思えば、すれ違い袖触れた甘ったるい女の残滓に、現世の罪ばかりが反芻されたし、さあ罰何処さあ前進し続けるこの身に罰を

「南の島」
#詩
November 26, 2024 at 2:03 PM
通り雨に打たれて気づいたことがある
ろくでもないから言わない

見てあれと指されて気づきかけたことがある
おそろしいから言わない

からだの中にずっと溜め続けるものがあってごろごろ石みたいに削り合う

しなだれ掛かられて気づいたことがある
みっともないから言わない

からだの中で丸くなってざらついて擦り切れ傷ついた欠片をあめ玉みたいにしゃぶる

溶けるまで

「なんだと思う?」
#詩
November 25, 2024 at 12:23 PM
井戸の中、きみだよ
障子の向こう、きみだよ
枕もと、きみだよ
二階の踊り場、きみだよ
団地の屋上、きみだよ
かごめかごめ、きみだよ

だかららこわくないよ、ぼくらも

「こわくない怪談」
#詩
November 24, 2024 at 10:53 AM
あなたの愛宿る指先
あなたの地獄宿る眼差し

あなたの愛宿るなみだ
あなたの地獄宿る吐息

めぐるからだ

あなたの愛宿る花吹雪
あなたの地獄宿るカーチィベイ

あなたの愛宿る天の星々
あなたの地獄宿る地の星々

めぐるいのち

「あなたはわたし」
#詩
November 23, 2024 at 9:27 AM
いっせいに咲くから悪い
摘まれる
群れて咲くから悪い
価値が下がる
絡まりあって咲くから悪い
毒のように見える
とうぜんの顔で咲くから悪い
人の癇に障る
うつくしぶって咲くから悪い
醜いと苛まれているようだ
貴賎なく咲くから悪い
鬱蒼と咲くから悪い
ひとりでも咲くから悪い
あちらにもこちらにも咲くから悪い
咲くから虫がたかり咲くから枯れ落ちるのだ
お前たちは

「悪い花束」
#詩
November 22, 2024 at 8:51 AM
あなたの見た夢を見る夢の機械を作って夢心地

そんな夢から覚めた夢境

夢幻のあなたのほほえみに夢中のぼくは悪夢ですから

叶えてやろうとは夢更思わず

夢違いながら夢路を抜けて
あなたはどうぞお早いお目覚めを

「夢寐」
#詩
November 21, 2024 at 3:09 PM
あいつはまた月の表面を眺め
そこにつるりと映った文字を読む

誠実も真実も逃げていくから

つるりと映った文字だけを読む
あいつはただ言葉をこわがる

口に出せば遠ざかるから

他人の言葉が必要なのだ
他責がどうにも楽なもので

できるだけ遠くの言葉がいい

月ぐらい遠くがいい
つるりと読んで考えた気で吐く

「月面闊歩」
#詩
November 20, 2024 at 12:42 PM