肌触り、しめった心地、風鳴りに苦味とか寂寥
なにもこぼれ落ちて拾い上げる必要もないこの身が外れでしょうか
内側にしか世界はなくてうわまぶたとしたまぶたの切れ目の分だけ外に映しているに過ぎない
こと、誰か知れ
誰か
「お願いします」
#詩
肌触り、しめった心地、風鳴りに苦味とか寂寥
なにもこぼれ落ちて拾い上げる必要もないこの身が外れでしょうか
内側にしか世界はなくてうわまぶたとしたまぶたの切れ目の分だけ外に映しているに過ぎない
こと、誰か知れ
誰か
「お願いします」
#詩
吹く風に乗ってやってくる窓辺
チチチ、耳元で囀る
秘密にしてねって言ったのにね
だぁれにも内緒だよって
密んでいられない虫たちの羽音
するり忍び込んで月明かりに浮かぶ
ジジジ、指先で蠢く
秘密にしてねって言ったのに
だぁれにも内緒よあなたって
ほころぶ薔薇の真下
守られる約束など思い描きもせず
わたし
破られるのを待っていた
「スブロサ」
#詩
吹く風に乗ってやってくる窓辺
チチチ、耳元で囀る
秘密にしてねって言ったのにね
だぁれにも内緒だよって
密んでいられない虫たちの羽音
するり忍び込んで月明かりに浮かぶ
ジジジ、指先で蠢く
秘密にしてねって言ったのに
だぁれにも内緒よあなたって
ほころぶ薔薇の真下
守られる約束など思い描きもせず
わたし
破られるのを待っていた
「スブロサ」
#詩
笑う君がテーブルの向かい
木目を流れるグラスの汗が
川になってこっちまでたどり着く
指ひたして 気づかれないよう
だいたい君はくだらないって
笑われる僕のスプライト
気が抜けて甘いだけの中身が
ゆっくり吸い上げられて底をつく
心ふやかして 気づかれないよう
溶けれたらいいのに氷みたいに
混ざれたらいいのに罰ゲームみたいに
二度と飲むもんかって君に
君に残されてみたい
「ドリンクバー」
#詩
笑う君がテーブルの向かい
木目を流れるグラスの汗が
川になってこっちまでたどり着く
指ひたして 気づかれないよう
だいたい君はくだらないって
笑われる僕のスプライト
気が抜けて甘いだけの中身が
ゆっくり吸い上げられて底をつく
心ふやかして 気づかれないよう
溶けれたらいいのに氷みたいに
混ざれたらいいのに罰ゲームみたいに
二度と飲むもんかって君に
君に残されてみたい
「ドリンクバー」
#詩
ほどけていく遠い憧れ
褪せた色が思い出せなくても
糸を撫でては飛んでゆく
閉じ込めてしまいたかった喜び
ここにある
まな裏に幾度も映じた切なさ
ここにある
はらはらほどける記憶の端っこ
織り込まれたモチーフたち
かたちをなくしてしまっても
振り返って笑います
うつくしき歳月へ
「タペストリー」
#詩
ほどけていく遠い憧れ
褪せた色が思い出せなくても
糸を撫でては飛んでゆく
閉じ込めてしまいたかった喜び
ここにある
まな裏に幾度も映じた切なさ
ここにある
はらはらほどける記憶の端っこ
織り込まれたモチーフたち
かたちをなくしてしまっても
振り返って笑います
うつくしき歳月へ
「タペストリー」
#詩
ろくでもないから言わない
見てあれと指されて気づきかけたことがある
おそろしいから言わない
からだの中にずっと溜め続けるものがあってごろごろ石みたいに削り合う
しなだれ掛かられて気づいたことがある
みっともないから言わない
からだの中で丸くなってざらついて擦り切れ傷ついた欠片をあめ玉みたいにしゃぶる
溶けるまで
「なんだと思う?」
#詩
ろくでもないから言わない
見てあれと指されて気づきかけたことがある
おそろしいから言わない
からだの中にずっと溜め続けるものがあってごろごろ石みたいに削り合う
しなだれ掛かられて気づいたことがある
みっともないから言わない
からだの中で丸くなってざらついて擦り切れ傷ついた欠片をあめ玉みたいにしゃぶる
溶けるまで
「なんだと思う?」
#詩
摘まれる
群れて咲くから悪い
価値が下がる
絡まりあって咲くから悪い
毒のように見える
とうぜんの顔で咲くから悪い
人の癇に障る
うつくしぶって咲くから悪い
醜いと苛まれているようだ
貴賎なく咲くから悪い
鬱蒼と咲くから悪い
ひとりでも咲くから悪い
あちらにもこちらにも咲くから悪い
咲くから虫がたかり咲くから枯れ落ちるのだ
お前たちは
「悪い花束」
#詩
摘まれる
群れて咲くから悪い
価値が下がる
絡まりあって咲くから悪い
毒のように見える
とうぜんの顔で咲くから悪い
人の癇に障る
うつくしぶって咲くから悪い
醜いと苛まれているようだ
貴賎なく咲くから悪い
鬱蒼と咲くから悪い
ひとりでも咲くから悪い
あちらにもこちらにも咲くから悪い
咲くから虫がたかり咲くから枯れ落ちるのだ
お前たちは
「悪い花束」
#詩
そこにつるりと映った文字を読む
誠実も真実も逃げていくから
つるりと映った文字だけを読む
あいつはただ言葉をこわがる
口に出せば遠ざかるから
他人の言葉が必要なのだ
他責がどうにも楽なもので
できるだけ遠くの言葉がいい
月ぐらい遠くがいい
つるりと読んで考えた気で吐く
「月面闊歩」
#詩
そこにつるりと映った文字を読む
誠実も真実も逃げていくから
つるりと映った文字だけを読む
あいつはただ言葉をこわがる
口に出せば遠ざかるから
他人の言葉が必要なのだ
他責がどうにも楽なもので
できるだけ遠くの言葉がいい
月ぐらい遠くがいい
つるりと読んで考えた気で吐く
「月面闊歩」
#詩