武術を極めた人たちがどつきあい、かつおつきあいする香港アクション映画では、技と知と価値観の体系の世代を超えた《継承》が必須だったとして、『九龍城寨之圍城』は、旧世代の築いた文化への敬愛はあっても、ストレートに《継承》はせず、むしろ世代交代への意志が強めの感じはありました。「圍城」繋がりの『十月圍城』の、心ならずも若者世代を犠牲にして生き延びてしまった父親世代の後悔に対し、こちらは若者たち（まあ画面の上では）が、父親世代のしがらみの継承をきっぱり断って生き延びるという。継承を拒んだ王九に対して、志を継承した四人組、という図式でもないのがちょい珍しかったような。

みるほどに　ありがたみ増す　古天樂【もう一句】古天樂氏は「土地のヌシ」役が似合いすぎてもはや民俗学の研究対象の貫禄というか、古天樂論を書くなら擬似柳田國男文体で書きたいですね。映画には天后廟が出てきたけれど、「古天樂廟」ができても驚きません。香港文化中心古天樂電影院ならもうある。

「旅のあさごはん12日とねこたち」
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