あらすじをまとめればそれだけなのだが、男と少女は、男の語る6人の勇者達が悪者に立ち向かう冒険物語を介して交流する。タナトスに向かう男の物語は、少女によってエロスに方向転換させられる。エロスは生の本能であるとともに、アフロディテの子キューピッドであり、恋の弓矢を持つ幼児だ。
この冒険物語が壮大なのだ。CGに頼らず、13の世界遺産と24カ国以上のロケーションで撮影された絢爛華麗で、石岡瑛子のコスチュームデザインがその映像にさらに華を添える。
この贅沢あればこそ、「言霊」を感じ取ったのだ。
あらすじをまとめればそれだけなのだが、男と少女は、男の語る6人の勇者達が悪者に立ち向かう冒険物語を介して交流する。タナトスに向かう男の物語は、少女によってエロスに方向転換させられる。エロスは生の本能であるとともに、アフロディテの子キューピッドであり、恋の弓矢を持つ幼児だ。
この冒険物語が壮大なのだ。CGに頼らず、13の世界遺産と24カ国以上のロケーションで撮影された絢爛華麗で、石岡瑛子のコスチュームデザインがその映像にさらに華を添える。
この贅沢あればこそ、「言霊」を感じ取ったのだ。
1915年のLAの病院。撮影中の事故で半身不随となったスタントマンと、オレンジの収穫中に木から落ちて腕を骨折したルーマニア移民の少女の話。少女は「怒った人々」に家を焼かれ馬を奪われ父を殺されている。はっきりとは描かれていないが、KKKのようなレイシストの襲撃されたのではないか。第1次大戦下のアメリカでは、ともに不要の民だ。
希死念慮に囚われた男が、少女によって救われる。幕切れのモノクロ・サイレント映画の中に彼の顔がある。バスター・キートン時代のスラップスティクコメディには、落下は不可欠のスタントなのだ。
1915年のLAの病院。撮影中の事故で半身不随となったスタントマンと、オレンジの収穫中に木から落ちて腕を骨折したルーマニア移民の少女の話。少女は「怒った人々」に家を焼かれ馬を奪われ父を殺されている。はっきりとは描かれていないが、KKKのようなレイシストの襲撃されたのではないか。第1次大戦下のアメリカでは、ともに不要の民だ。
希死念慮に囚われた男が、少女によって救われる。幕切れのモノクロ・サイレント映画の中に彼の顔がある。バスター・キートン時代のスラップスティクコメディには、落下は不可欠のスタントなのだ。
何回か見た予告編の幻想味に魅せられて、何の予備知識もなく見た、日本公開2008年の4Kデジタルリマスター版。ネタバレを云々する作品ではないと思うから気にせず書いてしまうが、物語の力、映画の精を感じ取り、感動した。
椰子の葉が剪定されて落ちる。少女の手紙が手を離れて落ちる。冒頭の何かただならぬ橋梁のシーンは、落下事故が起きたらしいと示唆される。
何回か見た予告編の幻想味に魅せられて、何の予備知識もなく見た、日本公開2008年の4Kデジタルリマスター版。ネタバレを云々する作品ではないと思うから気にせず書いてしまうが、物語の力、映画の精を感じ取り、感動した。
椰子の葉が剪定されて落ちる。少女の手紙が手を離れて落ちる。冒頭の何かただならぬ橋梁のシーンは、落下事故が起きたらしいと示唆される。
「新聞記者」や「ヤクザと家族 The Family」で、 藤井道人を熊井啓の後継者のように思い込んでいたのだけど、エンタメど真ん中の達人でもある。
豪華俳優陣が引きも切らないが、主演の上プロデューサーとアクションプランナーも務める岡田准一が作品の立役者だ。
ロケ地が不自由でもCGで解決できる現代。「十一人の賊軍」や「室町無頼」で予感してたけれど、世界に向けたエンタメアクション時代劇の復活を喜びたい。「侍タイムスリッパー」の祈りが叶ったか。
第2章切望している。
「新聞記者」や「ヤクザと家族 The Family」で、 藤井道人を熊井啓の後継者のように思い込んでいたのだけど、エンタメど真ん中の達人でもある。
豪華俳優陣が引きも切らないが、主演の上プロデューサーとアクションプランナーも務める岡田准一が作品の立役者だ。
ロケ地が不自由でもCGで解決できる現代。「十一人の賊軍」や「室町無頼」で予感してたけれど、世界に向けたエンタメアクション時代劇の復活を喜びたい。「侍タイムスリッパー」の祈りが叶ったか。
第2章切望している。
ちょっと1話だけのつもりが、第1章6話おおよそ6時間を全て見てしまう。土曜日が、歯医者行ってZOOMやっただけで、夜中まで潰れてしまった。凄い吸引力がある。
コミカライズを読んでいたのだけど、明治の侍という哀れに心惹かれただけで、なにやら「イカゲーム」っぽいし、ネタバレだから書けないけど、黒幕の心情にリアリティがないしで、途中で止めてしまった。
話の中味はさして変わらないのに、映画館のスクリーンではない画面にこれほど没入させられたのは、監督の力量と役者の熱量だ。
ちょっと1話だけのつもりが、第1章6話おおよそ6時間を全て見てしまう。土曜日が、歯医者行ってZOOMやっただけで、夜中まで潰れてしまった。凄い吸引力がある。
コミカライズを読んでいたのだけど、明治の侍という哀れに心惹かれただけで、なにやら「イカゲーム」っぽいし、ネタバレだから書けないけど、黒幕の心情にリアリティがないしで、途中で止めてしまった。
話の中味はさして変わらないのに、映画館のスクリーンではない画面にこれほど没入させられたのは、監督の力量と役者の熱量だ。
次期学習指導要領は断片的情報しか知らなかったので、いろいろと興味深かったが、高校は2032年度から年次進行で実施予定。
かなりの確率で、私はもう教壇にいないが、きな臭い政治状況が圧迫を欠けてこないかを懸念している。
次期学習指導要領は断片的情報しか知らなかったので、いろいろと興味深かったが、高校は2032年度から年次進行で実施予定。
かなりの確率で、私はもう教壇にいないが、きな臭い政治状況が圧迫を欠けてこないかを懸念している。
弾道弾迎撃ミサイルは「弾丸で弾丸を撃つ」ものだから、命中精度は60%ほどしかない。大統領に黒いブリーフケースを持った軍人が付き従っているのは有名だが、大統領は発射国不明でも報復を決断しなければならない。近侍する軍人のは報復戦略顧問なのだ。
我々は、「爆薬が詰まった家」に棲んでいる。
核兵器禁止条約は何にもまして重要だ、という思いを強くする作品。
弾道弾迎撃ミサイルは「弾丸で弾丸を撃つ」ものだから、命中精度は60%ほどしかない。大統領に黒いブリーフケースを持った軍人が付き従っているのは有名だが、大統領は発射国不明でも報復を決断しなければならない。近侍する軍人のは報復戦略顧問なのだ。
我々は、「爆薬が詰まった家」に棲んでいる。
核兵器禁止条約は何にもまして重要だ、という思いを強くする作品。
発射国不明のICBMを迎撃ミサイルが打ち損じ、シカゴに着弾する(直前で終わるが)というだけの話。とんでもいない事態だが、映画的には、それだけ。
だが、112分緊張しっぱなしで、見終わってグッタリした。
アラスカ州米軍基地主体のパート、米政府中枢主体のパート、米大統領主体のパートが、
ICBM発射前に巻き戻って繰り返される。
それだけなのにグッタリするほどテンションが上がったのは、ものすごくリアルだからだ。
発射国不明のICBMを迎撃ミサイルが打ち損じ、シカゴに着弾する(直前で終わるが)というだけの話。とんでもいない事態だが、映画的には、それだけ。
だが、112分緊張しっぱなしで、見終わってグッタリした。
アラスカ州米軍基地主体のパート、米政府中枢主体のパート、米大統領主体のパートが、
ICBM発射前に巻き戻って繰り返される。
それだけなのにグッタリするほどテンションが上がったのは、ものすごくリアルだからだ。
そろそろ100回。
そろそろ100回。
そして、なにより、クリーピーな佐藤二郎のクローズアップの連続だ。
福田雄一監督作でも、ふざけているのかずれているのか内面がうかがえないコメディアンは、竹中直人の笑いながら怒る人のように、よく見るとおぞましいのだが、それがシリアスドラマに置かれると、人間か悪魔か分からないような恐ろしさを感じる。
「もうひとつある爆弾」とは何なのか。
メタファなのか比喩ではないのか。原作には続編があり、スズキタゴサクが再登場する。そこで明らかにされるのか。続編の映画化も切望する。
……読まなくては。
そして、なにより、クリーピーな佐藤二郎のクローズアップの連続だ。
福田雄一監督作でも、ふざけているのかずれているのか内面がうかがえないコメディアンは、竹中直人の笑いながら怒る人のように、よく見るとおぞましいのだが、それがシリアスドラマに置かれると、人間か悪魔か分からないような恐ろしさを感じる。
「もうひとつある爆弾」とは何なのか。
メタファなのか比喩ではないのか。原作には続編があり、スズキタゴサクが再登場する。そこで明らかにされるのか。続編の映画化も切望する。
……読まなくては。
ミステリの根幹に関わる部分だから、具体的には何も書けないが、恐ろしく不自然で無理のある話だ。直木賞候補で、宝島・ハヤカワ2冠王の原作はどうなっているのかと、映画館帰りに買ってしまった(まだ未読)。
が、それがどうでもよくなってしまう。
怪人佐藤二朗対「探偵群」、所轄署刑事染谷将太、現場巡査伊藤沙莉+坂東龍汰、本庁ベテラン刑事渡部篤郎、佐藤二朗と似通ったサイコパスの気配がある、本庁刑事山田裕貴の対立構造。取調室の密室と捜査現場を行き来する進行。リアルな爆破テロシーン。
ミステリの根幹に関わる部分だから、具体的には何も書けないが、恐ろしく不自然で無理のある話だ。直木賞候補で、宝島・ハヤカワ2冠王の原作はどうなっているのかと、映画館帰りに買ってしまった(まだ未読)。
が、それがどうでもよくなってしまう。
怪人佐藤二朗対「探偵群」、所轄署刑事染谷将太、現場巡査伊藤沙莉+坂東龍汰、本庁ベテラン刑事渡部篤郎、佐藤二朗と似通ったサイコパスの気配がある、本庁刑事山田裕貴の対立構造。取調室の密室と捜査現場を行き来する進行。リアルな爆破テロシーン。
アイルランドのホラー。横浜では1スクリーンで、日に1~2回しか上映しないマイナー作品だが、とてもとても面白い。
魔女の復讐という一言で内容を説明できてしまうが、情報提示の仕方が絶妙で、道具立てと相まって、背筋がゾクゾクしっぱなしだ。幽霊が出そうな(実際出る)古ぼけた屋敷、歪んだ義眼や古ぼけた呼び鈴、何にもまして、等身大のリアルな木彫り人形。これは呪術を施されたゴーレムなのだ。
ジャンプスケア、ゴア描写ほぼなしのストイックな恐怖。ダミアン・マッカーシーは新人監督らしく情報が全然ないが、能うなら追いかけてみたい。
アイルランドのホラー。横浜では1スクリーンで、日に1~2回しか上映しないマイナー作品だが、とてもとても面白い。
魔女の復讐という一言で内容を説明できてしまうが、情報提示の仕方が絶妙で、道具立てと相まって、背筋がゾクゾクしっぱなしだ。幽霊が出そうな(実際出る)古ぼけた屋敷、歪んだ義眼や古ぼけた呼び鈴、何にもまして、等身大のリアルな木彫り人形。これは呪術を施されたゴーレムなのだ。
ジャンプスケア、ゴア描写ほぼなしのストイックな恐怖。ダミアン・マッカーシーは新人監督らしく情報が全然ないが、能うなら追いかけてみたい。
ジェイソン・ステイサムが若い、1998年のガイ・リッチー映画。長編第一作。
悪党どもの、スタイリッシュでクールでスピーディで、そしてインモラルな話。
年に一本はこういうのを見たい。頼みます。WOWOW。
ジェイソン・ステイサムが若い、1998年のガイ・リッチー映画。長編第一作。
悪党どもの、スタイリッシュでクールでスピーディで、そしてインモラルな話。
年に一本はこういうのを見たい。頼みます。WOWOW。
歴教協委員長も務める明大教授山田朗先生講演「〈戦後80年〉に考える憲法と歴史認識ー歴史修正主義の克服」。
30年継続する護憲集会だが、とうとう「歴史修正主義」を懸念する時代になった。スパイ防止法を懸念する治安維持法の話もたくさん。
これからもせいぜい憲法集会には参加しようと思う。
歴教協委員長も務める明大教授山田朗先生講演「〈戦後80年〉に考える憲法と歴史認識ー歴史修正主義の克服」。
30年継続する護憲集会だが、とうとう「歴史修正主義」を懸念する時代になった。スパイ防止法を懸念する治安維持法の話もたくさん。
これからもせいぜい憲法集会には参加しようと思う。
昨日、演劇部OG12期部長の華燭の典にお招き頂きました。
新郎新婦の心配りに満ちた、横浜老舗ホテルニューグランドならではの装飾やメニューも堪能しました。
久しぶりに身にまとったスーツのズボンが入ってよかった。
(写真は許可を得て掲載しています。)
昨日、演劇部OG12期部長の華燭の典にお招き頂きました。
新郎新婦の心配りに満ちた、横浜老舗ホテルニューグランドならではの装飾やメニューも堪能しました。
久しぶりに身にまとったスーツのズボンが入ってよかった。
(写真は許可を得て掲載しています。)
終幕後、美味しい酒肴をご馳走になりました。
終幕後、美味しい酒肴をご馳走になりました。
昨晩は、在三島の日本学校演劇教育会会長に、ご馳走していただく。
昨晩は、在三島の日本学校演劇教育会会長に、ご馳走していただく。
それにしても、役者といいロケ地といい、今再現するのは難しそうな娯楽アクション時代劇。30年前の現役寅さん最終作を最期に死滅したプログラムピクチャーは、なんと贅沢であったかと、思ってしまう。
それにしても、役者といいロケ地といい、今再現するのは難しそうな娯楽アクション時代劇。30年前の現役寅さん最終作を最期に死滅したプログラムピクチャーは、なんと贅沢であったかと、思ってしまう。
脈絡のなさとご都合主義の見本市だが、手押し車(乳母車)からマシンガンが火を噴くようなリアリティラインの低さを楽しむチャンバラだから、それを気にしてはいられない。
脈絡のなさとご都合主義の見本市だが、手押し車(乳母車)からマシンガンが火を噴くようなリアリティラインの低さを楽しむチャンバラだから、それを気にしてはいられない。
萬屋錦之介のTV時代劇版と一悶着あったらしいが、放送コードにとらわれない、といっても当時唯一のレイテッドであった「18歳未満お断り」の映倫規定には触れない、エロとグロが、今見ると、いじらしい。
萬屋錦之介のTV時代劇版と一悶着あったらしいが、放送コードにとらわれない、といっても当時唯一のレイテッドであった「18歳未満お断り」の映倫規定には触れない、エロとグロが、今見ると、いじらしい。
5作目からペースが落ちるが、3ヶ月ほどのスパンで連作していたのが凄い。70年代はすでに映画は斜陽だったと思うが、まだまだプログラムピクチャーが生きており、沖縄縄返還・浅間山荘の年に、拝一刀は刺客稼業に精を出していたのだ。
5作目からペースが落ちるが、3ヶ月ほどのスパンで連作していたのが凄い。70年代はすでに映画は斜陽だったと思うが、まだまだプログラムピクチャーが生きており、沖縄縄返還・浅間山荘の年に、拝一刀は刺客稼業に精を出していたのだ。
「子を貸し腕貸しつかまつる」1972年1月
「三途の川の乳母車」1972年4月
「死に風に向う乳母車」1972年9月
「親の心子の心」1972年12月
「冥府魔道」1973年8月
「地獄へ行くぞ! 大五郎」1974年4月
「子を貸し腕貸しつかまつる」1972年1月
「三途の川の乳母車」1972年4月
「死に風に向う乳母車」1972年9月
「親の心子の心」1972年12月
「冥府魔道」1973年8月
「地獄へ行くぞ! 大五郎」1974年4月
WOWOWで、勝プロダクション・若山富三郎主演「子連れ狼」6作を見た。大体80分くらいなので、サクサク見てしまう。大半は三隅研次監督。
WOWOWで、勝プロダクション・若山富三郎主演「子連れ狼」6作を見た。大体80分くらいなので、サクサク見てしまう。大半は三隅研次監督。
その「エンフィールド事件」のプロローグで少しだけ触れられている「アミティヴィル事件」は、80~90年代に何作も創られた「悪魔の棲む家」のモチーフであり、これもほとんど見ている。ウォーレン夫妻が関わった事件であるので、死霊館ユニバースとして映画化されないかと首を長くしていたのだが、実現しなかったのが残念。
その「エンフィールド事件」のプロローグで少しだけ触れられている「アミティヴィル事件」は、80~90年代に何作も創られた「悪魔の棲む家」のモチーフであり、これもほとんど見ている。ウォーレン夫妻が関わった事件であるので、死霊館ユニバースとして映画化されないかと首を長くしていたのだが、実現しなかったのが残念。