日本語訳化されている海外のファンタジー系料理レシピ集で、個人的に内容秀逸な2冊をご紹介します。

両冊ともにそれぞれの世界観を保ちつつ、日本でも比較的入手できる食材構成となっているのがいいなと思いました（一部難しいのもありますが）。「ヒーローズ・フィースト]は多少ファンタジー飯寄り、「エルダースクロール」は中世ヨーロッパ料理寄りな感じに見えます。

「エルダースクロール」の方がなぜ中世寄りかというと、収録料理の作り方が当時の料理指南集によく似ているから。特に混合スパイスの種類や配合は、ほぼ中世スパイスのままでした。現在も取り扱っていますので、気になる方はぜひ（ALTに書籍情報あり）。

先日こちらで簡単にご紹介しました中世ファンタジー飯特化の「Ｄ＆D公式料理本/ヒーローズフィースト」の実食レポート記事を再掲します。4年ほど前に撮影を行い、同レシピ本に収録されている各料理の調理工程監修を担当させて頂きました。

海外で制作されたレシピ本は、日本では入手が困難な食材もあるため、代用食材のご提案や実際の調理のアドバイスなどをお手伝いしました。記事内で実際に作られているのは担当ライターの方（料理好き）だったので、楽しく撮影できたよき思い出です。
とても分かりやすく書いて頂いておりますので、ご興味ありましたらぜひ。

www.4gamer.net/games/319/G0...

羊皮紙は保管状況がよければ数百年使える丈夫なものなので、このように使い終わった公文書やグレゴリオ聖歌の楽譜などを別の用途として利用することはよくありました。
ブックカバーもそのひとつで、本自体はその時の時代のもの・ブックカバーはそれより数百年古いというのもざらにあったようです。

つい先日イギリス・ケンブリッジ大学で発表されたアーサー王物語の未発見写本も、原本の周りに200年ほど後の羊皮紙を巻いた状態で発見されたとのことで、羊皮紙の使用用途が多岐にわたっていたことがうかがえます。

5/11（日）の文学フリマ東京では、1年ぶりの更新となるフルカラーフリーペーパーを出店ブース内にて配布します。羊皮紙工房さんのコラム（今号はアストロラーベ）や漫画家・ゆづか正成氏の最新作紹介、西洋ファンタジーの食に関するコラムを載せました。

東京都内の一部の書店やカフェ、後日再開する通販などでも配布します。簡単なものになりますが、ご興味がありましたらお持ち下さい。無料配布となりますが、文学フリマ持込分は限りがありますのでご容赦下さい。
#文学フリマ東京

西洋ファンタジーの世界でよくある「美味しそうなお肉と野菜ゴロゴロのスープ」。もしそれらしいものを実際に作りたい場合は、煮込み用の水を「硬水」にすると、だいぶ理想の形に近づくと思います。

硬水で煮込むと野菜も煮崩れしにくく、お肉の臭みもとれる優れもの。日本では軟水が主流となっているため、海外の歴史系レシピを試す際の落とし穴のひとつでもあります。

中世料理のアレンジレシピとして再構築する時は、日本向けの軟水でも作れるよう手を多少加えていますが、海外のレシピを独自解釈される際は多少注意が必要です。

【お知らせ】
2/15（土）より東京・目黒区美術館にて開催される「中世の華 －黄金テンペラ画」展は、卵を使った絵画技法「テンペラ」に関する特別展示会となります。500年以上経っても色あせることのない奇跡の技法の紹介が主となります。

同会場で羊皮紙研究のスペシャリスト・羊皮紙工房さんによるテンペラ関連の講演プログラムが3/1（土）に開催されます。事前予約などはありませんが、当日13:00頃より整理券を配布するとのことです。

会期中はテンペラ関連のワークショップなども行われます。詳細は目黒区美術館様の公式ホームページをご参照下さい。

mmat.jp/exhibition/a...

《トークイベントのご案内》
1/26（日）東京・高田馬場で2024年11月刊行「映画で味わう中世ヨーロッパ（ミネルヴァ書房）」の主要執筆陣による特別トークイベントを開催します。
※当イベントにおいて運営協力等でお手伝いしております。

有料チケット制（1500円+発券手数料330円）となり、1/10（金）PM12:00頃より、『書泉ONLINE』にて参加チケット申込を受け付けます。

定員に限りがありますので、ご興味がある方はお早目の申込をお願いします。詳細につきましては下記サイトも合わせてご参照下さい。お申込のほどお待ちしております。

costmary.me/archives/2100