クドウ
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クドウ
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時代劇と特撮とアニメを主食にしてる神奈川県人。
趣味は円盤収集
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深作欣二には「幕末行進曲」という没台本があり、これは高杉晋作もの。また深作は伊藤大輔の「寺田屋騒動」や、天狗党の話を映画化したいと語っていたこともある。そのいずれも間違いなくハードな青春群像時代劇となっただろうが、実現はしなかった(「阿部一族」に片鱗は見えるけれど)。「十一人の賊軍」も「室町無頼」もどこかしらおっさんくさい話になってしまうのは、もはや時代劇というものへの固定観念が観客にも作り手にも共有されてしまっているのかも知れないが、そのあたりを突破する若者の狂気を時代劇でこそ見てみたいと思ってしまう。
December 5, 2025 at 5:36 AM
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そして思うのは、あれだけ時代劇に精通した東映が、なぜか時代劇で野心的な青春群像を作ろうとすると上手くいかないということ。後の「激突 将軍家光の乱心」も元々は若手を起用した活劇だったはずが、織田裕二や真矢武は起用されたもののメインは緒形拳だ。「その後の仁義なき戦い」はあの時代で殆ど唯一青春ものと呼べるが、キャストは全員東映の外から起用されている。東映、特に京都の時代劇は若手を起用して並べるのがいつしか不得意になり、それが新選組をメインに据えた映画を作ることを諦めるしか無かったホントの理由ではないか。真田広之に百地三太夫のあと、より本格的な時代劇を用意できなかったことも含めて残念に尽きる
December 5, 2025 at 5:31 AM
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だがそれにしても完成映画から新選組が完全に消し去られているのはやはり奇妙だ。錦之助が新選組が嫌いだったのか?(笑)おそらく龍馬には北大路欣也が当てられていたのではとも想像できる。
それはさておき準備稿と決定稿では実はひとつだけ大きな共通点がある。どちらもクライマックスで孝明天皇が(オリジナルのキャラによって)暗殺され、そこから主人公たちが一気に勢いを失うという構成だ。企画者は主人公を新選組から容保に変えて一から書き直してもそこだけは変更せずにいた。このこだわりは、当時まだ映画化タブーだった田岡組長の暗殺を重ね合わせたいという東映らしい野心を見てしまうのだけど、さすがにそれは誰も教えてくれない
December 5, 2025 at 5:26 AM
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一読してわかるのは準備稿は土方を中心とした青春群像だということ。だが配役表では近藤勇が一番前になっているので、おそらく近藤を萬屋錦之助、土方を松方弘樹、オリジナルキャラで新選組から長州に鞍替えする梁田は千葉真一にあてて書かれたのではないか。しかし当時二十代だった容保を、初老の錦之助が演じた映画版もかなり違和感があったのに、もしもあの時点で錦之助が近藤を演じていたらこれはもう事件だろう。しかしヨロキンと松方の組み合わせが東映大型時代劇の華であり、そのキャスティングを外すことはできないことから萬屋錦之助を松平容保とする方向に大きく改稿されたのではないか、と想像する。
December 5, 2025 at 5:20 AM
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映画「徳川一族の崩壊」は松平容保を主人公に、幕末の京都の政争を描き、王政復古によって容保が敗北するもそれでも戦いを続ける、というもの。だがこの準備稿では、容保はあくまで脇役で、主人公は新選組。彼らの芹沢粛清〜池田屋〜禁門の変といった流れを史実を膨らまし激しいバトルものとして描き、伊東甲子太郎参加後は大きく史実を離れて、坂本龍馬の陰謀によって追い落とされようとする容保を新選組が救う流れとなっている。ラストは鳥羽伏見で、映画と扱っている時代背景はほぼ同じなのに、準備稿は決定稿に一行も残っていない。なにせ映画には新選組も龍馬も登場しないことが当時から話題になったほどなのだから
December 5, 2025 at 5:15 AM