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ハムレット&地獄巡りだけどそういうの頭から放り出してなにも考えないで映画に身を委ねれば感情の嵐に巻き込まれて生への讃歌に号泣です。
復讐を遂げるかどうかじゃなくて彼女自身が生とどう向き合うかに焦点があてられていて、きちんと一本筋が通った内容にしてやられました。
デスストで怒りのデスロードでDUNEで、アニメなこと忘れて楽しめます。
ハムレット&地獄巡りだけどそういうの頭から放り出してなにも考えないで映画に身を委ねれば感情の嵐に巻き込まれて生への讃歌に号泣です。
復讐を遂げるかどうかじゃなくて彼女自身が生とどう向き合うかに焦点があてられていて、きちんと一本筋が通った内容にしてやられました。
デスストで怒りのデスロードでDUNEで、アニメなこと忘れて楽しめます。
「国宝」舞や足さばき、口上、鷺娘や娘道成寺や曽根崎心中の美しさ、目がスクリーンに釘付けでした。
台詞に頼らない映像での感情表現や、血筋を羨む喜久雄の目元に俊介が紅をさすその見せ方などさすが李相日。
エモーショナルに振りすぎない作りも良かったです。
芸に生きる者の業が、描かれている美しさの奥からじわじわ侵食してくる塩梅のその巧みさには心震えました。
見終わった後「すごい!ここ10年で最高の映画だ!」しか言えなくて、今もやはり「すごい!」しか言えない。
観て良かった。
本当に素晴らしい映画でした。
「国宝」舞や足さばき、口上、鷺娘や娘道成寺や曽根崎心中の美しさ、目がスクリーンに釘付けでした。
台詞に頼らない映像での感情表現や、血筋を羨む喜久雄の目元に俊介が紅をさすその見せ方などさすが李相日。
エモーショナルに振りすぎない作りも良かったです。
芸に生きる者の業が、描かれている美しさの奥からじわじわ侵食してくる塩梅のその巧みさには心震えました。
見終わった後「すごい!ここ10年で最高の映画だ!」しか言えなくて、今もやはり「すごい!」しか言えない。
観て良かった。
本当に素晴らしい映画でした。
いただいたパンフレットに演出・主宰の高野菜々子さんが今年30歳になると書かれていたのですが、こういう年代の方が古い不条理劇を現代に甦らせて上質な舞台空間を作り上げてくれることに希望を感じます。商業主義に走らない筋の通った美しさを演劇を通じて表現されていた。素晴らしい舞台でした。
いただいたパンフレットに演出・主宰の高野菜々子さんが今年30歳になると書かれていたのですが、こういう年代の方が古い不条理劇を現代に甦らせて上質な舞台空間を作り上げてくれることに希望を感じます。商業主義に走らない筋の通った美しさを演劇を通じて表現されていた。素晴らしい舞台でした。
思った以上に問答のシーンや思索的な台詞が多くて登場人物の台詞がめちゃくちゃ練られてる。マックスの後ろ姿や幼少時のバルキリーとの2ショットなどグッとくるシーンもちょいちょい挿してある。初見時に比べて新たな発見があるわけではないのに感動レベルは何倍にもあがってすごく楽しめました。
思った以上に問答のシーンや思索的な台詞が多くて登場人物の台詞がめちゃくちゃ練られてる。マックスの後ろ姿や幼少時のバルキリーとの2ショットなどグッとくるシーンもちょいちょい挿してある。初見時に比べて新たな発見があるわけではないのに感動レベルは何倍にもあがってすごく楽しめました。
「パーフェクト・ワールド」はハッピーエンドでもある映画。ブッチの人生を考えたときにあんなにいいラストはないし、ブッチにも、映画を観ている人にもちゃんと救いがある。やっぱりそのあたりの匙加減の絶妙さがイーストウッドです。地味な作品だけど今みてもやっぱり好きです。
「パーフェクト・ワールド」はハッピーエンドでもある映画。ブッチの人生を考えたときにあんなにいいラストはないし、ブッチにも、映画を観ている人にもちゃんと救いがある。やっぱりそのあたりの匙加減の絶妙さがイーストウッドです。地味な作品だけど今みてもやっぱり好きです。
小津の墓参りの帰りの車中での独白より。
真実の一瞬の映画――
いや 一瞬だけではない
最初から最後まで 真実が途切れず
人生そのものについて 語り続ける映画
そこでは人 物 街 風景が
そのままの姿で自らを啓示する
今 映画はこのように
現実を現わすすべを もう持たない
全ては昔の事
小津の墓参りの帰りの車中での独白より。
真実の一瞬の映画――
いや 一瞬だけではない
最初から最後まで 真実が途切れず
人生そのものについて 語り続ける映画
そこでは人 物 街 風景が
そのままの姿で自らを啓示する
今 映画はこのように
現実を現わすすべを もう持たない
全ては昔の事
愛っていいね!
愛っていいね!
この映画のすごいところはほとんど描かれていない収容所内の在りようを一瞬の絵や音で観客の脳裏に鮮明に思い描かせるところだ。収容所に毎日汽車で連れてこられるユダヤ人たちの顔。足が重く動けなくなった囚人たちの射殺される瞬間。その断末魔。人体実験の傷痕。絶望。
そのすぐ傍ら正常な心で生きることは難しい。色のない世界に生きる林檎の少女だけが唯一まともな心で息をしていた。
この映画のすごいところはほとんど描かれていない収容所内の在りようを一瞬の絵や音で観客の脳裏に鮮明に思い描かせるところだ。収容所に毎日汽車で連れてこられるユダヤ人たちの顔。足が重く動けなくなった囚人たちの射殺される瞬間。その断末魔。人体実験の傷痕。絶望。
そのすぐ傍ら正常な心で生きることは難しい。色のない世界に生きる林檎の少女だけが唯一まともな心で息をしていた。
体制に抗い、大量消費や所有といった当時のお仕着せのアメリカン・ドリームを否定し、個を尊重し裸の自分と向き合うところにビート世代のかっこよさはあるのでしょうが、当時の文脈から離れた今ここから振り返るビートニクに魅力を感じるのはなかなかに骨の折れる作業です。自堕落で退廃的で露悪的で傲慢で退廃的すぎて私は苦手です。
体制に抗い、大量消費や所有といった当時のお仕着せのアメリカン・ドリームを否定し、個を尊重し裸の自分と向き合うところにビート世代のかっこよさはあるのでしょうが、当時の文脈から離れた今ここから振り返るビートニクに魅力を感じるのはなかなかに骨の折れる作業です。自堕落で退廃的で露悪的で傲慢で退廃的すぎて私は苦手です。
先週末に激論版を観てこの1週間「人形の家」について色々考える時間があったのも良かった。ノーラは一人の女でしかないが疾走版ではより普遍的な問題として身近に感じられる演出になっていた。こんなに刺激的な「人形の家」を見せてもらえてとても嬉しい。
先週末に激論版を観てこの1週間「人形の家」について色々考える時間があったのも良かった。ノーラは一人の女でしかないが疾走版ではより普遍的な問題として身近に感じられる演出になっていた。こんなに刺激的な「人形の家」を見せてもらえてとても嬉しい。
ノーラの無垢ゆえの奔放さが夫や周囲の人間を惹きつけているその魅力があまり感じられず、夫が彼女を愛しているというのが見えずらかったが、最初から彼女を愛していたわけでもないからありなのか。最後の彼女の変貌はわかりやすく彼女の意思がストレートに伝わった。
最終的に140分ほどの上演時間観客を舞台に集中させる力は素晴らしかった。
乳母が特によかった。クログスタにも説得力あり豹変という視点では彼こそがそうなのだが演技プランにブレがないため無理なく乗れる。リンデとクログスタがメインの物語も観てみたい。
ノーラの無垢ゆえの奔放さが夫や周囲の人間を惹きつけているその魅力があまり感じられず、夫が彼女を愛しているというのが見えずらかったが、最初から彼女を愛していたわけでもないからありなのか。最後の彼女の変貌はわかりやすく彼女の意思がストレートに伝わった。
最終的に140分ほどの上演時間観客を舞台に集中させる力は素晴らしかった。
乳母が特によかった。クログスタにも説得力あり豹変という視点では彼こそがそうなのだが演技プランにブレがないため無理なく乗れる。リンデとクログスタがメインの物語も観てみたい。
砂漠の惑星の一大叙事詩でエモーショナルに作られていないところに好感がもてます。
ヴィルヌーヴの撮る風景は死も諍いも愛も志しも何もかもが淡々と描かれていて、けれど静かに胸に沁みわたります。
「ブレードランナー2049」のラストシーンの美しさも忘れられないですが、ヴィルヌーヴは砂漠の砂であれ、降りつもる雪であれ、その風景に人の思いを溶け込ませるのがとても上手い。「ブレードランナー2049」のラストに感動するのもあの絵作りがあるからだよね。
写真は「デューン 砂の惑星 PART1」の好きなシーンのひとつ。
砂漠の惑星の一大叙事詩でエモーショナルに作られていないところに好感がもてます。
ヴィルヌーヴの撮る風景は死も諍いも愛も志しも何もかもが淡々と描かれていて、けれど静かに胸に沁みわたります。
「ブレードランナー2049」のラストシーンの美しさも忘れられないですが、ヴィルヌーヴは砂漠の砂であれ、降りつもる雪であれ、その風景に人の思いを溶け込ませるのがとても上手い。「ブレードランナー2049」のラストに感動するのもあの絵作りがあるからだよね。
写真は「デューン 砂の惑星 PART1」の好きなシーンのひとつ。