モーリヤック(藤井史郎訳)『医院でのテレーズ』
サスペンス・ホラー色が強く、精神科医の妻の視点で描かれる。作中では一度もテレーズの名が出てこない。
女が「告解」をする(それを妻が盗み聞いている)という枠組みは『神への本能(略)』を思わせる。対象が聴罪司祭から医師になっているあたり、意図がありそうだが掴みきれず。患者の心を解きほぐす「技」を見せた瞬間に激昂するあたりがヒントのような気はしているが……。
この段階のテレーズは『蝮のからみあい』の登場人物と交際しており、作品間のつながりが示唆されている。読書リストがまた一つ増えた。次は『ホテルでのテレーズ』。