少し前には出来ないと思っていたことが出来たのでまるで青春のような体験だった．アラフォーだけど．

「倫理的」って妙な言い方かも知れないが，自分が近年聴いてきている現代ジャズの作品をざっくり広く形容する語としてわりとしっくりくるもんがある．

アルバムは，いかにもブルーノートという感じの懐かしい聴き味がある一方で，それが "Second Day" みたいな曲が出てくるところとも直結していて，それが衒いを感じさせないところに迫力というか説得力を感じた．様式の新奇さよりも，あくまで表現される内省や詩情の部分を常に深く問い直してきた，誠実で倫理的なミュージシャンたちだからこそ生み出せる作品だと思った．

採点した！　くーッ！

時代錯誤の古いポップソングが流れていると「年末だな」って思う習性，骨の髄までテレビに毒されきっててウケるよな．

あんな暗い気分になった後でよくもまあ研究なんざ続けたものだ（よほど他にやれることがなかったんだろう）とわれながら呆れるけれども，それから暫く経った最近，仕事の関係で重い腰を上げて聞きに行ったフランス語の講演が面白かった．なんだ面白いと思えてるじゃねえかという実感でようやくトラウマが克服されつつあってこれでおれの出不精も多少マシになるのかも知れないという，そういう気分になったことを書き留めておこうと思った．また忘れてしまいそうだから．