ササメ
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ササメ
@janomekurui.bsky.social
成人済キモオタ/何かに狂ってる時の悲鳴を記録するための雑多壁打ちアカウント/超雑食です 様々な作品のBLGLHL夢、ならびに人間人外異形ケモ問わず呟くのでご注意ください/地雷は自分で適度に自衛します みなさんは気にせずいつも通りでいてください/現在は94ロド・右ド、ソシャゲの話が多め

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「そっか、じゃあ、……ロ……ド君」

意を決して名前で呼べば、読ロはなんだとぶっきらぼうに言葉を返してくる。

「ロ……ド君。ロ……ド君。……ふふ!」

その仏頂面を見ていたらなんだかむず痒くなって、初めてできた人間の友人の名を舌の上で転がしながら、くふくふと笑みをこぼした。

「うむ、ロ……ド君。いつまでも肩書ではややこしいし、これからは名前で呼んでも構わないかね?」
「……好きにしろよ」

読ロはふんと鼻を鳴らして澄ました表情をしていたが、彼の耳の先は赤く染まっていて。
それを見た読ドはまた笑みを深くするのだった。
November 17, 2024 at 2:25 PM
退治人くん、読ドは読ロのことをその肩書のまま呼んでいた。成り行きで呼びはじめたこの呼び名に特に不便は感じたことはなかった。読ロと一対一のやり取りが常であり、混乱する状況になったことがないからだろう。
しかし、ハンターズギルドにいる面々はみな退治人だ。全員が振り返った理由も、少し考えればわかることだった。

……そうか。私は、彼のことを名前で呼んだことがなかったのだっけ。
November 17, 2024 at 2:25 PM
読ドはふうと息をつき、胸を撫で下ろした。あれだけ多くの人間に視線を向けられた経験はほとんどないと言ってよかった。不躾なものではない、純粋な好奇心によるものとわかってはいるが、慣れない注目にはどうしたって緊張してしまう。

それにしても、どうして全員こちらを振り返ったのだろう? 私は退治人くんを呼んだはずなのに。
疑問を抱えたまま首を傾げる読ドを見やった読ロは、なんだかつまらなそうに言った。

「……ここにいる奴全員、退治人なんだけど」
November 17, 2024 at 2:25 PM
その場の全員が向ける視線を一手に引き受けた読ドは危うくビックリ死しかけたが、どうにか耳の先を崩す程度で踏みとどまった。危ない。今日はここに来るまでに数回死と再生を繰り返しているのだ。今死んだらいよいよ復活所要時間が洒落にならなくなってしまう。

「ああ、ごめんよ、退治人くん……彼のことを呼んだんだ」

目を白黒させた読ドがそう釈明しつつ読ロのことを指すと、彼らはなんだ俺たちじゃないのかと軽口混じりにめいめい元の話題に戻ってゆく。
November 17, 2024 at 2:25 PM
ある夜、二人は二つの理由のもと連れ立ってギルドを訪れていた。
めでたく発売となったロ戦の新刊をギルドに置くためがひとつ。そして、そのロ戦が吸血鬼と退治人のコンビ路線に舵を切ったこともあり、今後ギルドとの付き合いが生まれるであろう読ドの顔合わせがもうひとつ。
ギルドマスターに献本を渡し、順調にギルド所属退治人たちの紹介も終えた店内には、わいわいと普段と変わらぬ喧騒が戻る。
その様子を物珍しげに眺めていた読ドが口を開いた。

「あ、そういえば退治人くん」

読ドが何の気なしに口にした言葉に、ギルドの面子はみな、一斉に振り返った。
November 17, 2024 at 2:25 PM