阿部和重氏の最新短編集読了。1997年の『インディビジュアル・プロジェクション』以来ファンで追って読んでいるのだが、『シンセミア』の頃の大江健三郎味から最近とみにSNS的表層軽薄さを取り入れて来ていて、現代的という意味ではより殺伐感と不気味さが増している印象がある。決してキャラクターを無表情に描いている訳ではなく、むしろドツボで必死な人間が多いのだが、彼らの行動の拠り所がSNS的浅はかさであり、そこが喜劇的ですらある。エモそうで同時に突き放された存在という意味では黒沢監督『CLOUD』の登場人物と共通する皮肉な視点があるのかもしれない。
阿部和重氏の最新短編集読了。1997年の『インディビジュアル・プロジェクション』以来ファンで追って読んでいるのだが、『シンセミア』の頃の大江健三郎味から最近とみにSNS的表層軽薄さを取り入れて来ていて、現代的という意味ではより殺伐感と不気味さが増している印象がある。決してキャラクターを無表情に描いている訳ではなく、むしろドツボで必死な人間が多いのだが、彼らの行動の拠り所がSNS的浅はかさであり、そこが喜劇的ですらある。エモそうで同時に突き放された存在という意味では黒沢監督『CLOUD』の登場人物と共通する皮肉な視点があるのかもしれない。
黒沢清監督2024年作品。転売屋の主人公が非情なやり口で恨みを買い、謎の集団に復讐される..とプロットだけ見るとシンプルなんだが、この吉井という人間は非情というより何かが欠落した人格で、一見常識も(彼女に対する)情もあるように見えるのだが、愛情や怖れや憎しみが心に接続していないような振る舞いなのだ。例えばなんらかの感情的な行動をしててもモノローグは無い、みたいな...この映画に出てくる吉井の彼女や復讐軍団も同様で心と接続していない人達の不気味さがある。アシスタントの佐野君が完璧に突き抜けていて非現実的だが逆に頼りになる皮肉。ここで描かれる人間の空虚感、非常に現代的な怖さがある。
黒沢清監督2024年作品。転売屋の主人公が非情なやり口で恨みを買い、謎の集団に復讐される..とプロットだけ見るとシンプルなんだが、この吉井という人間は非情というより何かが欠落した人格で、一見常識も(彼女に対する)情もあるように見えるのだが、愛情や怖れや憎しみが心に接続していないような振る舞いなのだ。例えばなんらかの感情的な行動をしててもモノローグは無い、みたいな...この映画に出てくる吉井の彼女や復讐軍団も同様で心と接続していない人達の不気味さがある。アシスタントの佐野君が完璧に突き抜けていて非現実的だが逆に頼りになる皮肉。ここで描かれる人間の空虚感、非常に現代的な怖さがある。
最近のマンガ出版社新人配属先では編集はそこまで人気がないらしい。エリートの才覚一つでヒットを生み出す編集が花形じゃないの?なんでも今人気なのは「ライツ部門」なんだって。ライツとは権利関係の事で、要はIP部門ということらしい。確かに紙の雑誌の凋落甚だしい一方でマンガ原作のアニメが世界的にヒットしたり、もはや国内マーケットを超えて億単位ビジネスの可能性がマンガにはある。だがそれもコンテンツありきじゃない?ヒットした作品を転がしてビッグビジネスを仕切るのは確かにダイナミックでやり甲斐あると思うが、そこに新人が殺到するのはなんとなく出版社として本末転倒な感じも無きにしも非ず。
最近のマンガ出版社新人配属先では編集はそこまで人気がないらしい。エリートの才覚一つでヒットを生み出す編集が花形じゃないの?なんでも今人気なのは「ライツ部門」なんだって。ライツとは権利関係の事で、要はIP部門ということらしい。確かに紙の雑誌の凋落甚だしい一方でマンガ原作のアニメが世界的にヒットしたり、もはや国内マーケットを超えて億単位ビジネスの可能性がマンガにはある。だがそれもコンテンツありきじゃない?ヒットした作品を転がしてビッグビジネスを仕切るのは確かにダイナミックでやり甲斐あると思うが、そこに新人が殺到するのはなんとなく出版社として本末転倒な感じも無きにしも非ず。
4日に金山ブラジルコーヒーでのイベント「新春ラブ」にフラットライナーズで出演した。若くて勢いのあるバンドや、おしゃれなバンド、テクニカルで場数を踏んだバンドなど錚々たるメンツの中フラットはトリという事で大丈夫かなという感じだったが、結果たくさんお褒めいただき嬉しい限り。いまだに自分のバンドがどういう印象なのかよくわからないところはあるのだが、結構音楽詳しいマニアックな方ほど「このシンプルさが良い」と言ってくれる。いろいろ聴いてきた方がわかるプリミティヴな初期衝動を感じてくださるのだろうか?対バンの皆さんが本当に素晴らしいだけにその中で評価いただけたのが嬉しかった。
4日に金山ブラジルコーヒーでのイベント「新春ラブ」にフラットライナーズで出演した。若くて勢いのあるバンドや、おしゃれなバンド、テクニカルで場数を踏んだバンドなど錚々たるメンツの中フラットはトリという事で大丈夫かなという感じだったが、結果たくさんお褒めいただき嬉しい限り。いまだに自分のバンドがどういう印象なのかよくわからないところはあるのだが、結構音楽詳しいマニアックな方ほど「このシンプルさが良い」と言ってくれる。いろいろ聴いてきた方がわかるプリミティヴな初期衝動を感じてくださるのだろうか?対バンの皆さんが本当に素晴らしいだけにその中で評価いただけたのが嬉しかった。