『敵』 2025.1.16 ミリオン座
敵とは何のことなのか、何と戦うのか。
身体の衰えと、心の奥底にある根源的な恐怖、不安、それらの心理の広がりとも思えるような虚実不明の世界で様々な人物たちと対話する主人公。
健診に行かなかったり、講演料は一律10万円と決めて値下げしなかったり、自分の意思で主体的に現実との折り合いをつけている風でいるが、端的に言えば自分の見たくないものを見ない選択をしているだけである。
主人公の女性に対する接し方は冒頭からいろいろと痛々しい。
最終盤、非現実の世界で元教え子が放った言葉と眼差しは、主人公およびこの社会の男性性のようなものを一矢で貫く鋭さと力強さがあった。
『敵』 2025.1.16 ミリオン座
敵とは何のことなのか、何と戦うのか。
身体の衰えと、心の奥底にある根源的な恐怖、不安、それらの心理の広がりとも思えるような虚実不明の世界で様々な人物たちと対話する主人公。
健診に行かなかったり、講演料は一律10万円と決めて値下げしなかったり、自分の意思で主体的に現実との折り合いをつけている風でいるが、端的に言えば自分の見たくないものを見ない選択をしているだけである。
主人公の女性に対する接し方は冒頭からいろいろと痛々しい。
最終盤、非現実の世界で元教え子が放った言葉と眼差しは、主人公およびこの社会の男性性のようなものを一矢で貫く鋭さと力強さがあった。
・侍タイムスリッパー
・ホールドオーバーズ
・エイリアンロムルス
・黒い家(森田芳光70祭)
・デューン2
・夜明けのすべて
・水深ゼロメートルから(徳島市立高校演劇部版)
・アメリカンフィクション
・侍タイムスリッパー
・ホールドオーバーズ
・エイリアンロムルス
・黒い家(森田芳光70祭)
・デューン2
・夜明けのすべて
・水深ゼロメートルから(徳島市立高校演劇部版)
・アメリカンフィクション
『TAR ター』
ハラスメントをする側の世界の見え方、感じ方を目の当たりにした感覚。中盤にあった母親との短いやりとりから、ター自身の抱える問題の種類、根源がうっすらと推察できて、ハラスメントは何も無いところから突如生まれるものではなく、輪廻のような、伝染のような性質があるように思った。
ラストシーンの解釈、物語冒頭では団員や観客の視線を集める中心に居た彼女が、自身の行いゆえに地位や名誉、居場所を失い、逃げ延びた先でなんとか指揮者の仕事を得るも、皮肉なことに「誰もターを見る人は居なくなった。」ということだと受け取った。舞台の上という孤独。
『TAR ター』
ハラスメントをする側の世界の見え方、感じ方を目の当たりにした感覚。中盤にあった母親との短いやりとりから、ター自身の抱える問題の種類、根源がうっすらと推察できて、ハラスメントは何も無いところから突如生まれるものではなく、輪廻のような、伝染のような性質があるように思った。
ラストシーンの解釈、物語冒頭では団員や観客の視線を集める中心に居た彼女が、自身の行いゆえに地位や名誉、居場所を失い、逃げ延びた先でなんとか指揮者の仕事を得るも、皮肉なことに「誰もターを見る人は居なくなった。」ということだと受け取った。舞台の上という孤独。
『デューン 砂の惑星 PART1』
PART2の評判があまりにも良すぎるのと、来年のアトロク米国アカデミー賞予想をさらに楽しみたく、PART2公開前に急いで鑑賞。
やはり配信だと音響や視覚効果の良さはイマイチだったけど、物語の分かりやすさが作品世界への没入のしやすさに繋がっていた。
最近個人的に世界史を勉強し直しているので、砂の惑星をめぐる人々の思惑が分かるにつれ、人類の性(さが)を直視しているような感覚に。
主人公がシャラメであることも、作品全体の説得力を増し増しにしていた。
PART1は起承転結の起だけと聞き覚悟はしていたが、起だけで十分楽しめたのはすごい。
『デューン 砂の惑星 PART1』
PART2の評判があまりにも良すぎるのと、来年のアトロク米国アカデミー賞予想をさらに楽しみたく、PART2公開前に急いで鑑賞。
やはり配信だと音響や視覚効果の良さはイマイチだったけど、物語の分かりやすさが作品世界への没入のしやすさに繋がっていた。
最近個人的に世界史を勉強し直しているので、砂の惑星をめぐる人々の思惑が分かるにつれ、人類の性(さが)を直視しているような感覚に。
主人公がシャラメであることも、作品全体の説得力を増し増しにしていた。
PART1は起承転結の起だけと聞き覚悟はしていたが、起だけで十分楽しめたのはすごい。
『ケイコ 目を澄ませて』
今さらながら鑑賞。夜明けのすべての評判がとても良いのでまずはこれを観ておくかという流れ。
劇版が無く、ほぼ生活音だけしか聞こえないのが心地よかった。ケイコの聞こえない世界により近い世界に来ているというか。
人と人との繋がりの繊細さと、確かさ。目に見えない些細な機微をこうして真摯に描かれると、ああそうだった、そうだよね、と気付かされる。
ラスト、戦った相手選手から挨拶されるシーン、リングの外でもまたお互いを認知し、リスペクトしあって生きていくんだなと。優しくて誠実な一本だった。
『ケイコ 目を澄ませて』
今さらながら鑑賞。夜明けのすべての評判がとても良いのでまずはこれを観ておくかという流れ。
劇版が無く、ほぼ生活音だけしか聞こえないのが心地よかった。ケイコの聞こえない世界により近い世界に来ているというか。
人と人との繋がりの繊細さと、確かさ。目に見えない些細な機微をこうして真摯に描かれると、ああそうだった、そうだよね、と気付かされる。
ラスト、戦った相手選手から挨拶されるシーン、リングの外でもまたお互いを認知し、リスペクトしあって生きていくんだなと。優しくて誠実な一本だった。
『ソルトバーン』
アトロクで宇多丸さんがエメラルド・フェネルの新作がしれっと配信してされててどういうこと?と言っていたのが気になり、どんな監督なんだろうと安易に観てしまった。
世の中たくさんの「ヤバい」映画があると思うけど、これは本当に気色の悪いシーンがふんだんに盛り込まれている。
いろいろと腐っている人間関係の「あや」みたいなものが織り重なってたどり着くラストは結局ひとりぼっちなのだなあと。
でもあのダンスからは寂しさ、悲壮感は感じられなくて、むしろ達成感とか喜びに近い印象を受けたけどそこがまた気色悪いという…。しかし誰が間違ってて誰がまともだったんだろう。
『ソルトバーン』
アトロクで宇多丸さんがエメラルド・フェネルの新作がしれっと配信してされててどういうこと?と言っていたのが気になり、どんな監督なんだろうと安易に観てしまった。
世の中たくさんの「ヤバい」映画があると思うけど、これは本当に気色の悪いシーンがふんだんに盛り込まれている。
いろいろと腐っている人間関係の「あや」みたいなものが織り重なってたどり着くラストは結局ひとりぼっちなのだなあと。
でもあのダンスからは寂しさ、悲壮感は感じられなくて、むしろ達成感とか喜びに近い印象を受けたけどそこがまた気色悪いという…。しかし誰が間違ってて誰がまともだったんだろう。
『枯れ葉』
幅広い層で評判が良いイメージと、ロングランで気になっていた。
女性同士のシスターフッド感に少しだけ励まされ、劇中のライブ演奏も良かったし、ワンちゃんにはリアルに癒されてそこはナイスだったけど、個人的にどうしても、仕事できない(あるいは何かしらの依存症を抱える)人間が登場するともう、どうにもイライラしてしまってダメ、となってしまう。
ウクライナのくだりもメッセージとしては大切だけど、今回の物語や登場人物たちとは距離があって、バラバラに入ってくる情報という印象になってしまい、物語に集中できなかったことが歯に挟まっているような。自分には合わなかった。
『枯れ葉』
幅広い層で評判が良いイメージと、ロングランで気になっていた。
女性同士のシスターフッド感に少しだけ励まされ、劇中のライブ演奏も良かったし、ワンちゃんにはリアルに癒されてそこはナイスだったけど、個人的にどうしても、仕事できない(あるいは何かしらの依存症を抱える)人間が登場するともう、どうにもイライラしてしまってダメ、となってしまう。
ウクライナのくだりもメッセージとしては大切だけど、今回の物語や登場人物たちとは距離があって、バラバラに入ってくる情報という印象になってしまい、物語に集中できなかったことが歯に挟まっているような。自分には合わなかった。
『カラオケ行こ!』
こんプロラジオで小出さんが「今年の邦画はこれを基準に観ていこうと思った」と褒めていたのですぐ観に行った。本当にその通りだと思った。
まず原作を読まずに観て、その後原作を読み、さらにもう一度観に行った。
X JAPANの「紅」で涙を流す日が来るとは思わなかった。曲解説のくだりで歌詞が関西弁バージョンだったからこそ登場人物たちとの親和性が高まって、ラストの歌唱シーンがよりエモーショナルになって届いた。
もう巻き戻せないビデオテープ、変声期、大人と未成年、変わりゆく街、映画だからこその表現で原作を十二分に展開していて見事。
『カラオケ行こ!』
こんプロラジオで小出さんが「今年の邦画はこれを基準に観ていこうと思った」と褒めていたのですぐ観に行った。本当にその通りだと思った。
まず原作を読まずに観て、その後原作を読み、さらにもう一度観に行った。
X JAPANの「紅」で涙を流す日が来るとは思わなかった。曲解説のくだりで歌詞が関西弁バージョンだったからこそ登場人物たちとの親和性が高まって、ラストの歌唱シーンがよりエモーショナルになって届いた。
もう巻き戻せないビデオテープ、変声期、大人と未成年、変わりゆく街、映画だからこその表現で原作を十二分に展開していて見事。
『PERFECT DAYS』
主人公の男は元々持っていたあらゆるものを捨て、あるいは離れ、生活を送っている。
毎日そこにあって、見ているような見ていないような、考えているような、考えていないような「日常」と向き合った人間が大切にする、日々の労働、いつもの街、人、音楽、食事、読書、植物、木漏れ日に向ける眼差しの優しさと充足感が、鑑賞後の気持ちに直結するようだった。
男の家族との関わり、恋敵とのやりとりもどこか滑稽で、それでいて嘘がなく、みんなどこかで繋がりあいたい人同士なのかな、とか。
観る前は分からなかったけど、音楽、音響映画でもあったから劇場で観て正解だった一本。
『PERFECT DAYS』
主人公の男は元々持っていたあらゆるものを捨て、あるいは離れ、生活を送っている。
毎日そこにあって、見ているような見ていないような、考えているような、考えていないような「日常」と向き合った人間が大切にする、日々の労働、いつもの街、人、音楽、食事、読書、植物、木漏れ日に向ける眼差しの優しさと充足感が、鑑賞後の気持ちに直結するようだった。
男の家族との関わり、恋敵とのやりとりもどこか滑稽で、それでいて嘘がなく、みんなどこかで繋がりあいたい人同士なのかな、とか。
観る前は分からなかったけど、音楽、音響映画でもあったから劇場で観て正解だった一本。
まずは私自身が観た映画を忘れないようにここにメモする。
ブルースカイは静かで暗い深海みたいで、誰にも邪魔されない気がする。
まずは私自身が観た映画を忘れないようにここにメモする。
ブルースカイは静かで暗い深海みたいで、誰にも邪魔されない気がする。
自分でもびっくりするくらいのミスをし、指摘された場で謝り、昼休憩に再び自分から謝りに行った。
帰宅して、ソファで横になりながら、自分から謝りに行ける人間になったんだなあと誰目線か分からない感慨に浸っている。
自分でもびっくりするくらいのミスをし、指摘された場で謝り、昼休憩に再び自分から謝りに行った。
帰宅して、ソファで横になりながら、自分から謝りに行ける人間になったんだなあと誰目線か分からない感慨に浸っている。
今まで点でしかなかったものに順番ができて、それを線で繋いでいくと形になる。
戦争がいつも「ボコす」で始まるのがとてもスマートな言い方で、妙に納得してしまう。
今まで点でしかなかったものに順番ができて、それを線で繋いでいくと形になる。
戦争がいつも「ボコす」で始まるのがとてもスマートな言い方で、妙に納得してしまう。