イチイ ナオ
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イチイ ナオ
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こっちでもリヴァハンの人。文字書き。ごくまれに絵も描く。雑食ゆえ他CPや他ジャンルも特にこだわりなくたしなみます。もちろんとうの昔に成人済み。 現在通販はこちらです→ http://bit.ly/3qnc5R1
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　木の下を指差す。大人に子ども。思い思いに集まった人々は互いの肩を叩き、背に腕を回し抱き合っていた。ああ。ハンジが笑う。 「ヤドリギは祝福を与えるって言われててね。あの木の下で抱き合うと、魔族から身を守るとか、幸運と長寿が与えられるとか言われてるんだ」 　ほら、来い。 　町外れにある小さな教会。小さなリヴァイの手を引く、ケニーの大きな手。 　ああまったく、お前はいつまでたってもチビだな。そんなとこまでクシェルにそっくりだ。 　ケニーがどこか嬉しそうに目を細めるとリヴァイを抱き締める。チクチクした髭がリヴァイの頬を擦る。 　祝福を。幸運を。長寿を。 「……行くぞ」 「へ？」 　ハンジの手を握りしめるとヤドリギへ駆け寄る。堅牢なオークの幹。その枝の先、ふわふわと丸まった緑色の葉。くるりと身を返すと、じっとハンジを見つめ る。 「どうしたんだい？」 　黙り込んだままぐいとハンジを抱きしめる。ふぇ？　戸惑う声が聞こえるけれど、そんなことには構わず背中へ腕を回す。鼻先に触れるやわらかな髪と血の通った温かな肌。力を入れたらそのままポキリと折れてしまいそうで、そのことがやけに恐ろしくてほんの少し力を緩める。泳ぐようにフラフラと彷徨っていたハンジの手が、ためらいがちにリヴァイの背に回される。 　温かい。 　白い息が闇に溶ける。ハンジ。小さく名前を呼ぶとほんの少し顔を離す。眼鏡の奥、虹色にきらめく琥珀色の瞳と、真っ赤な唇。 　ああ、まるで林檎みたいじゃないか。 　そう、思った瞬間、赤い実に遠慮なく齧り付いた。 　ふぇ？！　ハンジがカエルが潰れたような声を上げたかと思うと、ピョンと飛び跳ねる。 「な、なになになになに、今、なにした」 「キス」 「き、キスってなんで」 「したかったから、した」 「はぁ？」 　行くぞ。そういうと手を取り歩き出す。ハンジが慌てて踵を弾ませる。 「あのさ」 「なんだ」 　すぐ目の前にある真っ赤な顔。 「ヤドリギにはほかにも言い伝えがあるんだけどさ、その、リヴァイ、知ってるのかなって」 「どんな言い伝えだ」 「いや、いいよ、いい、知らないなら」 　ハンジの手の中、小さな炎がゆらりと揺れる。 　その炎を見つめながら、リヴァイは温かな手を握りしめた。 　ケニーから送られてきた箱いっぱいの渦巻きキャンディを舐めながら、ヤドリギの下でキスをすると結婚の約束を交わしたことになるんだよね、とぼそぼそ言われたリヴァイが絶句してハンジが拗ねるのはまた別のお話。
December 24, 2024 at 2:59 PM
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　気付けばハンジがじっとこちらを見つめていた。胸元で握りしめられた手。眼鏡の奥、琥珀色の瞳がキラキラと輝きながらリヴァイを見つめる。まったく。眉間に力を込めると舌打ちを噛み殺す。 「……仕方ないな、一回だけだぞ」 「やった！」 　おじさん、二人ね！　ハンジが声を上げながら回転木馬に乗り込むと、二人乗りのブランコに腰を下ろす。 「ほらリヴァイ、座って！」 　ポンポンと席を叩くハンジの隣に腰を落ち着けると、どこか物悲しげな音と共に回転木馬が動き出した。ほら、動き出した！　高い声が響く。 　ハンジの笑い声と共に、光が、世界が回る。 「楽しかったねぇ」 「そうだな」 　回転木馬を降りるとトッテム通りへと向かう。目的の店でレープクーヘンと一緒にカラフルな包装紙で包まれたチョコレートをいくつか買う。 「回転木馬なんて小さいころ乗って以来だ」 　ポツリと呟いた言葉に、とびきりの笑顔が返ってくる。照れ臭い気持ちを誤魔化すように、なんだよ、と声を尖らせる。 「楽しかった？」 「まぁ、悪くなかった」 「私は楽しかったよ。リヴァイと回転木馬に乗るの」 　途端、後ろめたさと恥ずかしさがこみ上げる。いつだってハンジは馬鹿みたいにまっすぐで、くすぐったいぐらいに正直だ。 「なあに？」 「なんでもねぇ」 　そう言うとごまかすように視線を逸らす。薄闇に包まれた街並み。ハンジが手を伸ばすと、ぽう、と指先に明かりを灯した。リヴァイが顔をしかめる。 「力を無駄遣いするな、また倒れるぞ」 「大丈夫だよこれぐらい」 　ぎゅっと眉間に皺を寄せるとハンジの手の中、ゆらりと揺れる炎を見つめる。鷹使いのくせにハンジは火を操るのがとびきりうまい。そして自分は蜥蜴使いのくせに火を操るのが絶望的にへたくそだ。風なら簡単に思い通りになるのにと、内心臍を噬む。もっとも、ハンジにしたって火を思い通りに扱うには力が足らなさすぎて、しばしば倒れてしまうのだが。 　キュゥ。小さな声とともにコートの胸元がもぞり膨らんだかと思うと、緑色の小さな顔が覗いた。大きな丸い瞳と、小さな鼻。 「やあ、リカール。やっと顔を出したね」 「こら、ちゃんとポケットに入ってろ」 　そういうと鼻先を擦る。リカールと呼ばれた蜥蜴はピンク色の舌をチュルリと見せたかと思うと、胸元のポケットに潜り込んだ。 「いいね、リカールは聞き分けが良くて。ディタはこんなところに連れてくるのはとてもじゃないけど無理だ。人が多いところに出るとはしゃいじゃって、どこにでも勝手に飛んでっちゃう」 　はぁ。ハンジが深いため息を落とす。 「早くエルヴィンのイタリカスみたいに落ち着いてほしいよ」 　落ち着きがないのはマスターに似たんじゃないかという言葉を飲み込む。それを言うと、よく言えば慎重、悪く言えば臆病なリカールはリヴァイに似たということになってしまう。 「やあ、ヤドリギだ」 　広場へと差し掛かった途端ハンジが声を上げた。ヤドリギ？　色とりどりの電球で飾られた広場の中央、すっくと立つオークの木を眺める。よく見れば、葉を落とした剥き出しの枝の所々に、丸く、まるで鳥の巣のように密集する緑色の葉が見えた。 「あれがヤドリギなのか？」 「そうだよ。見たことない？」 　いや。と首を振る。見たことはある。毎年、ケニーと訪れていた教会の前にはこれと同じ木があった。 「あれはなにをしてるんだ」
December 24, 2024 at 2:59 PM
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拙作「二千年後のワンダーランド」に収録されている、「ワンス・アポン・ア・タイム」と地続きのお話ですが、こちら単体でもよんでいただけます〜。よろしければ☺️
「お前が腹いっぱい食べたいだけじゃないのか」 　あ。ハンジが身をすくめると、ペロリと舌を出してみせた。 「バレたか」 「バレバレだ」 　リヴァイはため息を落とすと、貸せ、と手を差し出した。へ？　目を丸くしているハンジの手から紙袋を奪うように引き取ると歩き出す。 「どこの店に行きたいんだ」 「いいの？」 「ついでだ」 　やった！　ハンジが踵を弾ませる。 　クリスマスマーケットに行かない？　とハンジに誘われたのは休暇に入ってすぐのことだった。家には帰らないのかと聞くと、医者であるハンジの父は大流行している感冒症のせいでてんてこまいらしく、帰ってくるなと言われたとのことだった。 　リヴァイとお揃いのマフラー（これはどちらもハンジお手製で、リヴァイへの 誕生日プレゼントだ）に鼻先を埋めるとハンジは首を傾げた。 「そういや、リヴァイは家に帰らなくてよかったの？」 「ああ」 「誕生日なのに？」 「別に。誕生日だからどうってこともない」 　今年は帰らない。電話越しにそう告げると、そうか、と淡々とした声が返ってきた。じゃあ一緒に礼拝に行けないな。 「伯父さん、ひとり暮らしなんだろ？　さみしがってない？」 「さみしがるわけなんかあるか。どうせ帰ったって礼拝に行くぐらいですることなんてないし」 「へぇ、信心深いんだな」 「全然。クリスマスだけだ。普段は教会なんて寄り付きもしねぇ」 　リヴァイ。行くぞ。手を引かれながら町外れにある小さな教会へ向かう。その教会の地下にあるガランとした大きな礼拝堂は、昔、女神が作ったといわれていた。ぼんやりと光る壁。広間の中央に祀られた、鎖に繋がれた女神像。 　ほら、来い。 　礼拝が終わるとケニーはいつも教会の外でリヴァイを抱きしめた。なぜケニーがそんなことをするのかわからなくて、けれどやけに真面目ぶったケニーの表情に嫌だということもできず、毎年、チクチクした髭が頬に当たってくすぐったいのを我慢していたぐらいの記憶しかない。 「どうせあいつだって、俺が帰ってこない方が自由だし、気楽だ」 　それに、という言葉は飲み込む。 　独身貴族からいきなりコブつきだ。酒を飲むたび繰り返された、おどけるような言葉を思い出す。まったく、クシェルときたらやっかいごとを押し付けてくるのだけは昔からやたらうまかったよ。 　礼拝にだって、俺みたいなコブとじゃなく、誰か他の人と行けばいいんだ。 　ふふん。ハンジが鼻を鳴らす。 「なんだ」 「あなたはいつもほんの少し言葉が足らないからなぁ」 「どういう意味だ」 「別に。あ、ねぇトッテム通りの店に行ってみたいな」 　歌うような声に導かれ石畳の道を歩く。丸いピカピカのボタンがついた揃いのマントにチェックのズボン。どこからか響いてくるブラスバンドの音色と歌声を聞きながら、はぁ、と白い息を吐きだす。クリスマスを来週に控えた街は楽しげな喧騒と弾けんばかりの期待に満ち満ちていた。肌を、肺をピリピリと刺すような冷気に交じる、刺激的なスパイスと甘いバニラの匂い。あ、りんご飴だ！　ハンジが声を上げると駆け出す。見ればもう真っ赤なりんご飴を手に、ご満悦な様子で笑っている。まったく、しょうがない。ふと空を見上げる。急速に光を失っていく青と、淡いピンクに染まる雲。そろそろ寮に戻らなければ。夕暮れが近い。声をかけようとした瞬間、ハンジが声を上げる。 「見てリヴァイ、回転木馬だ！」 　風に乗って流れてくる手風琴のメロディに引き寄せられるように回転木馬を眺める。艶々と輝く馬に馬車、それに優雅な曲線を描くブランコ。子どもたちの高い笑い声が三角屋根に響く。 「なんだ」
December 24, 2024 at 2:59 PM
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お試しで。2022年のリヴァハンのリヴァイ誕。スズさんに挿し絵と表紙を描いていただいて、ネップリで出したお話の再掲です。小さな二人のお話。 #文庫ページメーカー https://sscard.monokakitools.net/pagemakers/bunko/bunko_bgtx.php
印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。 付記に「それは少し冷たくて、けれどとてもやわらかい」と記載されています。 画像情報：generated by 文庫ページメーカー / オリジナル素材 / フォント：しっぽりアンチック 以下は本文の内容です。 　ここで冬を過ごすのは二度目だ。 「ねぇねぇ、レープクーヘン、もう少し買った方がいいかな」 「まだ買うのか」 　リヴァイは深い緑色のマフラーを巻き直すと呆れた声を上げた。 「エルヴィンにも渡そうかなと思って」 「あいつの分はいいだろう」 「あいつって、私たちのメンターだよ。生徒会長でもある」 「いらねぇ」 　断じるように告げると、隣を歩くハンジをジロリと睨む。ハンジは寒さで真っ赤になった鼻先にキュッと皺を寄せると、だって！　と声を上げた。胸元で抱えた紙袋がガサリと重そうな音を立てる。 「クリスマスだよ、リヴァイ。プレゼントはいくらあったっていい」
December 24, 2024 at 2:58 PM
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こちらでもお知らせを☺️

11/23メガ恋大阪7のお品書きです。
新刊はpixiv再録集1（原作軸）になります。無配はピロートークリヴァハンです。既刊は青アンソロ、個人誌、合同誌などなど。こちらも少し持っていきます〜。
あと一週間！当日はどうぞよろしくお願いいたします☺️久々の直接参加、楽しみ！
#メガ恋大阪7
November 17, 2024 at 12:52 PM
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というわけで長女のお誕生日でした。私からはジルのコフレ。相方からはネックレス。やりたいこといっぱい楽しんでよき年を重ねておくれ☺️
November 15, 2024 at 3:53 PM
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今日の爪（短いのはご愛嬌）
可愛く塗れたけど、仕事はネイルだめなので、帰ったら即取らなくちゃなのだった。儚い。
June 16, 2024 at 12:32 PM
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こちらにも。
新刊「ロング・ロング・バケーション」のプロモーション的な。
June 8, 2024 at 10:43 PM
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祝㊗️メガ恋22！本日はどうぞよろしくお願いいたします〜！アンソロ、新刊、既刊再版など準備してH51でお待ちしています☺️
アイツのメガネに恋してる22お品書き アイツのメガネに恋してる22お品書き
June 8, 2024 at 10:39 PM
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本日のお品書きです。
3号館く39bでおまちしています☺️よろしくお願いします〜！
May 25, 2024 at 11:23 PM
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種類が多すぎて悩みに悩んで買ったブローチ。何個か買っておけばよかったー。
May 22, 2024 at 1:32 AM
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5/26メガ想大阪の新刊のご案内です。
「ロング・ロング・バケーション」
A5/132P/R18/イベント頒布価格1300円
とてもとても素敵な表紙をにほさん@tristezzatlが描いてくださいました！
エルヴィンに請われ、見知らぬ子どもを連れてシガンシナからミットラスへ旅する若リヴァハンのお話です
#メガ想大阪
May 21, 2024 at 1:57 AM
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April 26, 2024 at 4:07 AM
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週末のお買い物。
夕日
April 16, 2024 at 1:26 AM
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本日のXくん
報告についての最新情報があります
April 3, 2024 at 3:20 PM
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チューリップが咲き出して、一気にお庭が春めいてきた🌹
March 30, 2024 at 6:46 AM
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相方のお土産、色が可愛すぎる〜
March 29, 2024 at 2:19 PM
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ナンを食べてきた〜。美味しかったけど、お腹いっぱい…
March 17, 2024 at 5:16 AM
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はい。
アイスは別腹
February 10, 2024 at 8:00 AM
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アンティークカラーのペチュニア、冬越しチャレンジ中なのだけど、今のところいい感じ…！じわじわじわ
ペチュニア　アンティークカラー
February 9, 2024 at 4:11 AM
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ヒラタケだった🍄💕
February 7, 2024 at 4:57 PM