緋乃花鳥
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世界一可愛い顔面。ひのちゃんらしきもの。
🥀🦋20↑ TRPG 地獄でタップダンス部
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紙片鯨の続編待ってますからね……！と言われたので導入部分加筆修正してたけどいい感じに出来たから見て見て〜 画像編集できなかったのでいい感じで読んでください
夏の茹だるような暑さは変わらずここにある。 単は決まり事のように這い出て鳴き叫ぶ。彼等にとっては生きる為に必要なことであって、これは世界の決まり事である。それがいつかなくなった時、自分は哀愁と郷愁の念を覚えることが出来るだろうか。 夏のある日の事だ。 「先生様、」 彼の人の声が貴方の鼓膜を揺らす。 「先生様、もう書かなくてもいいんですよ」そうして笑った。 確かに書くのを辞めたいと思う事はある、辞めてしまえと原稿用紙を破り捨て筆を折ってしまえばどれだけ自分は楽になれるだろうか、そう思ったことは、こうして生きている以上何度も、何度も、思った事だ、それでも、そうであっても お前だけはその言葉を口にするな 八月を繰り返そう。 夏へと閉じ込めてしまえば、貴方様は。 頭の中で繰り返し先生様の名前を呼ぶどうか、これに縋るしか私にはないのですから、どうか。 声は、言葉は、文字は、文章は、 はた、と目を開く。 腱毛に光が灯り、目の中に光を閉じこめる。 蝉時雨が鼓膜を焼く。 暑い。苦しい。喉が詰まる。 つんのめりそうになる陽炎の中、歩く。 私は、今、一体 夏中、鯨と息継ぐ。 吐いた息が泡となり、宙へと舞った。 「どうしてお前は小説家を辞めたのか、」祈り縋り続けたそれをどうして辞めてしまったのか。 夏を生きるにはどうにも息が苦しかった。 「先生様、いえ、そうですね。今は、こうお呼びしましょうか」 海を泳ぐ鯨と原稿用紙の上を走るペンと宙を漂う入道雲が、そこにありました。 過去というものは常に離れず私と共にあったのです。 私が息をする為に、あなたの息をお分け下さい。 私たちは筆を動かさなくては死んでしまうのだと、いつかの日笑い合えたらどれだけ良かったでしよう。 私たちは筆を動かさなくては死んでしまうのだと、いつかの日笑い合えたらどれだけ良かったでしょうか。 文字とは善いものです。 心の中でずっと泳ぎ続けます。 夏の暑さというものは年々増してきている。 というのは自身だけが感じているものではなく、ニュースキャスターも煌々と饒舌な口調で語るものだ。 小さなアパート暮らしは悪くない。だが、夏というものを感じ過ぎる、とは常々思わずには居られないのだ。 熱気を巻き込み風を送り込む扇風機、冷やすと語りながらも壊れかけのクーラー。 夏が涼しくなる事を願うよりも自身の金にものを言わせて自身の快適さを手に入れる他ないのだ。
December 3, 2024 at 9:48 AM