「なんで伝わってるもんをわざわざ言葉にするんだ!そもそも、お前が言い過ぎなんだ!」
「いや、おれは普通だ。伝えたくなったら伝える。お前の声で、言葉で聞きたいんだ」
「んな恥ずかしい事言えるか!」
「恥ずかしいのか…なら余計に言ってほしい」
「あほか!」
あーこれはもう放っておこう。よかった、応援呼ばないで。億超え二人が揉めてたらおれ一人じゃ無理だと思ったけど…
なーんだ。揉めてるどころか、仲良しじゃん。
おれは馬鹿二人を置いたまま食堂をあとにした。
「なんで伝わってるもんをわざわざ言葉にするんだ!そもそも、お前が言い過ぎなんだ!」
「いや、おれは普通だ。伝えたくなったら伝える。お前の声で、言葉で聞きたいんだ」
「んな恥ずかしい事言えるか!」
「恥ずかしいのか…なら余計に言ってほしい」
「あほか!」
あーこれはもう放っておこう。よかった、応援呼ばないで。億超え二人が揉めてたらおれ一人じゃ無理だと思ったけど…
なーんだ。揉めてるどころか、仲良しじゃん。
おれは馬鹿二人を置いたまま食堂をあとにした。
ペンギソは勢いよく食堂の扉を開けたまま、目の前の光景に動けなくなった。
先程までの強面はどこへやら。
もにょもにょと言い慣れない言葉を赤面しつつ告げるゾ□と、その頬を撫でながら満足そうに慣れたようすで告げる□ー。
その場で目が合う三人。
「ぺ、ペンギソ!?なんで…っ」
己の顔を隠すように手の甲で口元を隠すゾ□を他所にペンギソは続ける。
「も、揉めてた訳では…ない?」
「あぁ、ゾ□屋があまり気持ちを言葉にするのが得意じゃないと言うから…逆に聞きたくなってな」
「い、言わなくても態度で分かるだろ!いちいち言葉にするもんじゃねェよ!」
「分かっていても言葉で聞きたいんだ」
ペンギソは勢いよく食堂の扉を開けたまま、目の前の光景に動けなくなった。
先程までの強面はどこへやら。
もにょもにょと言い慣れない言葉を赤面しつつ告げるゾ□と、その頬を撫でながら満足そうに慣れたようすで告げる□ー。
その場で目が合う三人。
「ぺ、ペンギソ!?なんで…っ」
己の顔を隠すように手の甲で口元を隠すゾ□を他所にペンギソは続ける。
「も、揉めてた訳では…ない?」
「あぁ、ゾ□屋があまり気持ちを言葉にするのが得意じゃないと言うから…逆に聞きたくなってな」
「い、言わなくても態度で分かるだろ!いちいち言葉にするもんじゃねェよ!」
「分かっていても言葉で聞きたいんだ」
□□ノアの顔が凶悪度増したよ?怖すぎておれ直視できないんだけど。
「まぁ、無理なら仕方ない…」
「無理じゃねェよ、ざけンな」
な、な、なんか□□ノア怒ってる?え?迷子になって迷惑かけたのあの子じゃなかった?
「いいんだ、おれが出来るからゾ□屋に出来るとは限らない…」
「出来るに決まってんだろ!見てろ!」
え!?何する気!?キャプテソ大丈夫?
□□ノアがキャプテソの…胸ぐら掴んだ!?
だめだ!これ以上揉めたら同盟どころじゃない!キャプテソ…っ!!!
「愛してる、トラ男」
「おれも愛してるぜ、ゾ□屋」
「……え?」
□□ノアの顔が凶悪度増したよ?怖すぎておれ直視できないんだけど。
「まぁ、無理なら仕方ない…」
「無理じゃねェよ、ざけンな」
な、な、なんか□□ノア怒ってる?え?迷子になって迷惑かけたのあの子じゃなかった?
「いいんだ、おれが出来るからゾ□屋に出来るとは限らない…」
「出来るに決まってんだろ!見てろ!」
え!?何する気!?キャプテソ大丈夫?
□□ノアがキャプテソの…胸ぐら掴んだ!?
だめだ!これ以上揉めたら同盟どころじゃない!キャプテソ…っ!!!
「愛してる、トラ男」
「おれも愛してるぜ、ゾ□屋」
「……え?」
「なるほど、これはおれ専用か…さっそくだが使わせてもらおうか」
「…了解」
ゾ□は差し出された「一晩中素直になる券」を手に取ると、滅多に言わないその言葉を口にする。
「□ー、好きだ。愛してる」
その言葉を聞いた□ーは嬉しそうにゾ□の手を取り自分の方へ引き寄せた。
「なるほど、これはおれ専用か…さっそくだが使わせてもらおうか」
「…了解」
ゾ□は差し出された「一晩中素直になる券」を手に取ると、滅多に言わないその言葉を口にする。
「□ー、好きだ。愛してる」
その言葉を聞いた□ーは嬉しそうにゾ□の手を取り自分の方へ引き寄せた。
少し申し訳なさそうに差し出される封筒を受け取り中を確認するとホチキスで角をとめた数枚のメモ。
肩たたき券
手伝い券
と書かれた紙を見た□ーは「なるほど」と笑ってみせる。
「これはいいな。有効期限も無いみたいだし、その他特記事項もない。併用もできる訳だ」
「ガキの頃にな…鷹の目にも渡した事があったんだ。それを思い出した」
「へぇ…おれ以外もこれを貰った男がいると思うと、少し妬けるな」
「鷹の目相手に妬くなよ…それに、お前にしか使えない券があるぜ?」
「最後まで見てみろ」と怪しく微笑むゾ□。
少し申し訳なさそうに差し出される封筒を受け取り中を確認するとホチキスで角をとめた数枚のメモ。
肩たたき券
手伝い券
と書かれた紙を見た□ーは「なるほど」と笑ってみせる。
「これはいいな。有効期限も無いみたいだし、その他特記事項もない。併用もできる訳だ」
「ガキの頃にな…鷹の目にも渡した事があったんだ。それを思い出した」
「へぇ…おれ以外もこれを貰った男がいると思うと、少し妬けるな」
「鷹の目相手に妬くなよ…それに、お前にしか使えない券があるぜ?」
「最後まで見てみろ」と怪しく微笑むゾ□。
「ぶはっ!毎回立ってんのかよ!」
「立った方が画面が見やすくて…」
「はははっ、目立つなぁ」
食堂で食べていると聞いていたが、背の高い強面の男が弁当を目の前に中腰で写真を撮る姿なんて不審でしかない。
「ペンギンとシャチにも笑われたな…」
「だろうな。あー、おもしろ…」
その姿を自分が見られないのは残念だ。
「で?ゾ□屋は?プレゼントくれないのか?」
恥ずかしくなったのか、露骨に話題を振ってくる□ーにゾ□はズボンのポケットから封筒を取り出す。
「ぶはっ!毎回立ってんのかよ!」
「立った方が画面が見やすくて…」
「はははっ、目立つなぁ」
食堂で食べていると聞いていたが、背の高い強面の男が弁当を目の前に中腰で写真を撮る姿なんて不審でしかない。
「ペンギンとシャチにも笑われたな…」
「だろうな。あー、おもしろ…」
その姿を自分が見られないのは残念だ。
「で?ゾ□屋は?プレゼントくれないのか?」
恥ずかしくなったのか、露骨に話題を振ってくる□ーにゾ□はズボンのポケットから封筒を取り出す。
やっとゾ□が視線を上げると頬杖をつき視線を彷徨わせる□ーがポツリと呟く。
「約束は守ったぞ」
「あぁ、そうだな…ありがとう」
「こちらこそ、いつもありがとう」
確かにお金を使わずにこの上ないプレゼントを貰った。
一つ一つのおかずや、その日の朝の様子も書かれていて読み応えもあった。
卵焼きも、練習した甲斐があった。
嬉しくて、ゾ□の頬はだらしなく解ける。
「ふっ…ふふっ…」
「…なんだ」
「いや、毎回写真撮ってるなんて思わなくてよ。その姿、側から見てぇなって」
「こーやって中腰で撮ってる」
やっとゾ□が視線を上げると頬杖をつき視線を彷徨わせる□ーがポツリと呟く。
「約束は守ったぞ」
「あぁ、そうだな…ありがとう」
「こちらこそ、いつもありがとう」
確かにお金を使わずにこの上ないプレゼントを貰った。
一つ一つのおかずや、その日の朝の様子も書かれていて読み応えもあった。
卵焼きも、練習した甲斐があった。
嬉しくて、ゾ□の頬はだらしなく解ける。
「ふっ…ふふっ…」
「…なんだ」
「いや、毎回写真撮ってるなんて思わなくてよ。その姿、側から見てぇなって」
「こーやって中腰で撮ってる」
認めたく無いが、料理に関しては教え方もわかりやすく、味も申し分ない。あっという間にお弁当を作れるようになっていた。
医者のくせに自分の健康は二の次であるこの男の健康を自分が食事だけでも管理できればと思っていた。
そんな拙い弁当を毎回、写真に撮っていてくれていた。
じんと胸が熱くなるのを感じる。
ゾ□は最後までノートのページを捲り全てのページを大切に読んだ。
紙が足りないとばかりに書かれた裏表紙には「好きなおかずランキング」が書かれていた。
一位卵焼き
二位きんぴら
三位肉じゃが
認めたく無いが、料理に関しては教え方もわかりやすく、味も申し分ない。あっという間にお弁当を作れるようになっていた。
医者のくせに自分の健康は二の次であるこの男の健康を自分が食事だけでも管理できればと思っていた。
そんな拙い弁当を毎回、写真に撮っていてくれていた。
じんと胸が熱くなるのを感じる。
ゾ□は最後までノートのページを捲り全てのページを大切に読んだ。
紙が足りないとばかりに書かれた裏表紙には「好きなおかずランキング」が書かれていた。
一位卵焼き
二位きんぴら
三位肉じゃが
ゾ□屋が初めて作ってくれた。
まさか朝ご飯と別に弁当まで準備してくれるとは思ってなかった。嬉しくて泣きそうだった。大事に食べた。美味かった。
○月×日
今日はゾ□屋が早出で起きたらもう居なかった。机の上に置かれてたでかいおにぎり。作ってくれるだけでも嬉しいのに中身が鮭で最高だった。
○月△日
今日はゾ□家は非番のはずだ。なのに起きたらお弁当を作ってくれていた。キッチンで右に左に忙しなく動くゾ□屋は可愛かった。ウィンナーがタコさんだった。
進むページと共に思い出される記憶。
付き合っている時から基本食事はスーパーのお惣菜かデリバリーで頼むことが多いと聞いていた。
ゾ□屋が初めて作ってくれた。
まさか朝ご飯と別に弁当まで準備してくれるとは思ってなかった。嬉しくて泣きそうだった。大事に食べた。美味かった。
○月×日
今日はゾ□屋が早出で起きたらもう居なかった。机の上に置かれてたでかいおにぎり。作ってくれるだけでも嬉しいのに中身が鮭で最高だった。
○月△日
今日はゾ□家は非番のはずだ。なのに起きたらお弁当を作ってくれていた。キッチンで右に左に忙しなく動くゾ□屋は可愛かった。ウィンナーがタコさんだった。
進むページと共に思い出される記憶。
付き合っている時から基本食事はスーパーのお惣菜かデリバリーで頼むことが多いと聞いていた。
少し遅いが小さなケーキとシャンパンを買い二人で迎えたクリスマス。
□ーは乾杯と同時に一冊のノートを差し出した。
A 4サイズの半分ほどの大きさのシンプルなノート。
「これは?」
「クリスマスプレゼント」
海外育ちなはずなのに、横文字がこうも似合わないのは何故だろう。
ゾ□はくすぐったい気持ちを抑えつつ「ありがとう」と表紙をゆっくり開く。
そこには一枚の写真が貼り付けられていてその下には角張った文字でコメントが書かれている。
少し遅いが小さなケーキとシャンパンを買い二人で迎えたクリスマス。
□ーは乾杯と同時に一冊のノートを差し出した。
A 4サイズの半分ほどの大きさのシンプルなノート。
「これは?」
「クリスマスプレゼント」
海外育ちなはずなのに、横文字がこうも似合わないのは何故だろう。
ゾ□はくすぐったい気持ちを抑えつつ「ありがとう」と表紙をゆっくり開く。
そこには一枚の写真が貼り付けられていてその下には角張った文字でコメントが書かれている。
「プレゼントがいらない訳ではなく、金を使わなければいいんだろ?」
さもありなん、と返されてしまえばその通りである。
もらえれば嬉しい。
でもこの一年、つい先月の誕生日まで毎月高価な買い物をしているのだ。
これ以上使わせたくない。ましてやそのお金を稼ぐのに□ーがどれだけくたくたになりながら働いているかを知っているからこそ。
「本当に買うなよ?高価なものとか…」
「…わかったよ」
当日楽しみにしてろ、と悪戯を思いついた子供のように笑う□ーの顔をゾ□は可愛いと思いながら見つめていた。
「プレゼントがいらない訳ではなく、金を使わなければいいんだろ?」
さもありなん、と返されてしまえばその通りである。
もらえれば嬉しい。
でもこの一年、つい先月の誕生日まで毎月高価な買い物をしているのだ。
これ以上使わせたくない。ましてやそのお金を稼ぐのに□ーがどれだけくたくたになりながら働いているかを知っているからこそ。
「本当に買うなよ?高価なものとか…」
「…わかったよ」
当日楽しみにしてろ、と悪戯を思いついた子供のように笑う□ーの顔をゾ□は可愛いと思いながら見つめていた。
そう思っていた事もあったが、日常的な買い物は常識的な金額を使っているようでその心配は杞憂に終わる。
互いに誕生日が十月十一月と続く為、クリスマスはあまり重要視しないと踏んでいたが、十二月に入ってすぐ□ーはゾ□に「クリスマスは何が欲しい」と聞いてきたのだ。
何もいらない、と答えても「そうはいかない」とサンタも逃げ帰りそうな真顔で言われてしまえば何かは答えなければならない。
うーん、と考えた末に「金使って欲しく無いんだよなぁ…」と本音を言えば「そうか。わかった」と、それを承知されてしまう。
そう思っていた事もあったが、日常的な買い物は常識的な金額を使っているようでその心配は杞憂に終わる。
互いに誕生日が十月十一月と続く為、クリスマスはあまり重要視しないと踏んでいたが、十二月に入ってすぐ□ーはゾ□に「クリスマスは何が欲しい」と聞いてきたのだ。
何もいらない、と答えても「そうはいかない」とサンタも逃げ帰りそうな真顔で言われてしまえば何かは答えなければならない。
うーん、と考えた末に「金使って欲しく無いんだよなぁ…」と本音を言えば「そうか。わかった」と、それを承知されてしまう。
きっとそんな暇はないから。
すぐに後を追えば、間に合うかもしれない。
そうすれば、同じ時に同じ場所で、また共に生まれ変われるかもしれないから。
だから、泣いてる暇なんてない。
大丈夫。
タヒが二人を分かつ事なんてありえない。
きっとそんな暇はないから。
すぐに後を追えば、間に合うかもしれない。
そうすれば、同じ時に同じ場所で、また共に生まれ変われるかもしれないから。
だから、泣いてる暇なんてない。
大丈夫。
タヒが二人を分かつ事なんてありえない。
□ーは考えた。
もし彼が、時の流れに反して自分より先に逝ってしまったら。
順番を間違えて、先にいなくなってしまったら。
そうなればきっと…
「泣かないな」
□ーの低くも透き通る声にゾ□は息を呑む。
「泣かない、きっと…」
念を押すように繰り返される言葉にゾ□はどこか寂しそうな安心したような声で「そっか」と返した。
「風が冷たいな。早く帰って熱燗飲もうぜ!お互いカウントダウンは仕事だしな」
二つの背中を押すような風に身を任せ歩き出すゾ□。
□ーは彼の後ろを歩きながら言えなかった言葉の続きを思い描く。
□ーは考えた。
もし彼が、時の流れに反して自分より先に逝ってしまったら。
順番を間違えて、先にいなくなってしまったら。
そうなればきっと…
「泣かないな」
□ーの低くも透き通る声にゾ□は息を呑む。
「泣かない、きっと…」
念を押すように繰り返される言葉にゾ□はどこか寂しそうな安心したような声で「そっか」と返した。
「風が冷たいな。早く帰って熱燗飲もうぜ!お互いカウントダウンは仕事だしな」
二つの背中を押すような風に身を任せ歩き出すゾ□。
□ーは彼の後ろを歩きながら言えなかった言葉の続きを思い描く。
どうせタヒぬなら前のめり、なんて言っていた男の口から出た言葉に、丸くなったもんだと思う。
きっとそれはお互いに。
共に住むマンションが見えてきた頃。騒音は一切消えて二人の足音だけが響く。
「なぁ、もしおれが…」
それはただの好奇心。
ゾ□の言葉の続きを催促する為、□ーは足を止める。
「もし、おれがタヒんでたら…トラ男は泣くか?」
□ーの一歩前。
振り返ったゾ□が悪戯っぽくどこか痛そうに微笑み問いかける。
そういえば彼もつい先日、ヒートショックでの溺タヒを取り扱ったと言っていた。
どうせタヒぬなら前のめり、なんて言っていた男の口から出た言葉に、丸くなったもんだと思う。
きっとそれはお互いに。
共に住むマンションが見えてきた頃。騒音は一切消えて二人の足音だけが響く。
「なぁ、もしおれが…」
それはただの好奇心。
ゾ□の言葉の続きを催促する為、□ーは足を止める。
「もし、おれがタヒんでたら…トラ男は泣くか?」
□ーの一歩前。
振り返ったゾ□が悪戯っぽくどこか痛そうに微笑み問いかける。
そういえば彼もつい先日、ヒートショックでの溺タヒを取り扱ったと言っていた。
昨日対応した患者の事を思い出しながら□ーは、立ち止まってしまったゾ□の身体を引き寄せ人混みの端に寄る。
ゾ□の視線の先に赤色の散光式警光灯が見える。
年末という事もあり人は多いが救急車量の動線は確保されており、ゆっくりと確実に進む白い車体が視界から消えると再び人が流れ出す。
「やっぱ多いか?ヒートショックだっけ?」
「あぁ、多いな…」
流れる人の波に乗りながらまた再び歩き出す。
「同居の家族がいれば、早期発見に繋がるが…一人暮らしだとそのまま溺れてしまう場合もある」
人が多い駅前を抜けて、住宅街に向かう裏路地に入る。
昨日対応した患者の事を思い出しながら□ーは、立ち止まってしまったゾ□の身体を引き寄せ人混みの端に寄る。
ゾ□の視線の先に赤色の散光式警光灯が見える。
年末という事もあり人は多いが救急車量の動線は確保されており、ゆっくりと確実に進む白い車体が視界から消えると再び人が流れ出す。
「やっぱ多いか?ヒートショックだっけ?」
「あぁ、多いな…」
流れる人の波に乗りながらまた再び歩き出す。
「同居の家族がいれば、早期発見に繋がるが…一人暮らしだとそのまま溺れてしまう場合もある」
人が多い駅前を抜けて、住宅街に向かう裏路地に入る。