SFとラテンアメリカ文学とお笑いが好き。
Japanese SFF translator, reviewer, psychiatrist
12月に2冊目の訳書が出ます!
ケイトリン・R・キアナン『溺れる少女』(河出書房新社)は、ブラム・ストーカー賞&ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア賞(現アザーワイズ賞)受賞のサイコロジカル・クィア・ホラーです。
これはやっぱり精神科医兼翻訳者というケッタイな肩書きのぼくが訳すしかないだろう……!と思わされた一冊です。
現実と狂気と幻想が入り混じるなか、立ち現れる美しいヴィジョンと不可思議な曼荼羅に唖然とさせられること間違いなし。ぜひお読みくださいませ。
装丁は名久井直子さん、装画は雪下まゆさん。
www.kawade.co.jp/np/isbn/9784...
12月に2冊目の訳書が出ます!
ケイトリン・R・キアナン『溺れる少女』(河出書房新社)は、ブラム・ストーカー賞&ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア賞(現アザーワイズ賞)受賞のサイコロジカル・クィア・ホラーです。
これはやっぱり精神科医兼翻訳者というケッタイな肩書きのぼくが訳すしかないだろう……!と思わされた一冊です。
現実と狂気と幻想が入り混じるなか、立ち現れる美しいヴィジョンと不可思議な曼荼羅に唖然とさせられること間違いなし。ぜひお読みくださいませ。
装丁は名久井直子さん、装画は雪下まゆさん。
www.kawade.co.jp/np/isbn/9784...
装丁は名久井直子さん、装画は雪下まゆさんです。12月9日ころ発売予定。
装丁は名久井直子さん、装画は雪下まゆさんです。12月9日ころ発売予定。
ハヤカワSFコンテスト大賞をとった『羊式型人間模擬機』もすばらしかったけれど、クライム・ノワールたる本作もまたすばらしい。共通しているのは、問題意識としての家父長制と、死体解体というモチーフか。最初にシルヴィア・プラスがほのめかされるところからして、お、これは、と思わされたのだけれど、やっぱりぼくが大好きな話でした。
読むべし。
ハヤカワSFコンテスト大賞をとった『羊式型人間模擬機』もすばらしかったけれど、クライム・ノワールたる本作もまたすばらしい。共通しているのは、問題意識としての家父長制と、死体解体というモチーフか。最初にシルヴィア・プラスがほのめかされるところからして、お、これは、と思わされたのだけれど、やっぱりぼくが大好きな話でした。
読むべし。
本編はパンデミックテーマの歴史改変SFの好編としてSF史に刻まれるものだが、今回の単行本化の目玉は何と言っても時間SFの歴史をまとめた「あとがき」と「時間SFガイド20」だろう。この本自体を未来のへの希望として託す作者の企みに拍手を。
本編はパンデミックテーマの歴史改変SFの好編としてSF史に刻まれるものだが、今回の単行本化の目玉は何と言っても時間SFの歴史をまとめた「あとがき」と「時間SFガイド20」だろう。この本自体を未来のへの希望として託す作者の企みに拍手を。
(写真は自室のブックガイド本コーナー)
(写真は自室のブックガイド本コーナー)
鯨井は新刊書評欄で『伊藤典夫評論集成』(国書刊行会)の紹介を書きました。あと〈世界SF情報〉欄も。
鯨井は新刊書評欄で『伊藤典夫評論集成』(国書刊行会)の紹介を書きました。あと〈世界SF情報〉欄も。
商業媒体での邦訳は、2020年のこれまたネビュラ賞短編部門を受賞した「幽霊屋敷のオープンハウス」(SFマガジン2024年4月号、鯨井久志訳)があります。
商業媒体での邦訳は、2020年のこれまたネビュラ賞短編部門を受賞した「幽霊屋敷のオープンハウス」(SFマガジン2024年4月号、鯨井久志訳)があります。
ラヴァンヤ・ラクシュミナラヤン『頂点都市』(新井なゆり訳、創元SF文庫)は、モザイク的な語りで描かれる近未来ディストピアSFで、作者はインド出身かつ現在もインドで活動中の作家。
鯨井は解説を書きました。面白いです。新井なゆりさんの初単独訳書でもあるとのこと。6月13日頃発売。
www.tsogen.co.jp/sp/isbn/9784...
ラヴァンヤ・ラクシュミナラヤン『頂点都市』(新井なゆり訳、創元SF文庫)は、モザイク的な語りで描かれる近未来ディストピアSFで、作者はインド出身かつ現在もインドで活動中の作家。
鯨井は解説を書きました。面白いです。新井なゆりさんの初単独訳書でもあるとのこと。6月13日頃発売。
www.tsogen.co.jp/sp/isbn/9784...
不条理で不穏きわまる世界を描きとった13編収録の短篇集。蜘蛛として暮らす男とミシンとの奇妙な愛を描いた「蜘蛛の手記」がとりわけすばらしかった。
持ち物を全部缶詰にした結果、イワシとラベリングされて、全国にばらばらの状態で届けられてしまった男の話たる「ハンガリー産イワシ」も、ユーモラスで好きです。
不条理で不穏きわまる世界を描きとった13編収録の短篇集。蜘蛛として暮らす男とミシンとの奇妙な愛を描いた「蜘蛛の手記」がとりわけすばらしかった。
持ち物を全部缶詰にした結果、イワシとラベリングされて、全国にばらばらの状態で届けられてしまった男の話たる「ハンガリー産イワシ」も、ユーモラスで好きです。
カナリア諸島の10歳の少女と、その親友のふたりの視点から描かれる、不謹慎でどうしようもない日常を描いた作品。
閉塞的な田舎の情景と、加速する早熟な少女の"遊び"が、帯文にもある通り、現地の方言を交えて(そしてそれを口語表現として巧みに訳した)文体で描かれる。子ども特有の無鉄砲さというか、無秩序でかつナイーブな描写がすごい。一気読みでございました。
カナリア諸島の10歳の少女と、その親友のふたりの視点から描かれる、不謹慎でどうしようもない日常を描いた作品。
閉塞的な田舎の情景と、加速する早熟な少女の"遊び"が、帯文にもある通り、現地の方言を交えて(そしてそれを口語表現として巧みに訳した)文体で描かれる。子ども特有の無鉄砲さというか、無秩序でかつナイーブな描写がすごい。一気読みでございました。
エキセントリックでカルト的な精神科医の伝記と、姉の死を巡ってその精神科医に偽名で診察を受ける語り手のノートが交互に織り交ぜられる構成。
やっぱりR・D・レインが結構な主要人物として(というか、作中の精神科医のライバル的存在として)登場する。後半の語り手がでっち上げた別人格と解離を起こしてくるところとか、実際の姉の死の真相はどうなんだ、みたいなところで揺さぶりを掛ける筆致が面白い。
エキセントリックでカルト的な精神科医の伝記と、姉の死を巡ってその精神科医に偽名で診察を受ける語り手のノートが交互に織り交ぜられる構成。
やっぱりR・D・レインが結構な主要人物として(というか、作中の精神科医のライバル的存在として)登場する。後半の語り手がでっち上げた別人格と解離を起こしてくるところとか、実際の姉の死の真相はどうなんだ、みたいなところで揺さぶりを掛ける筆致が面白い。
変な小説大好きなので、お誘いいただけてめちゃ嬉しかったです。本の雑誌初登場。
(なお、海外文学縛りにしたので、深堀骨『アマチャ・ズルチャ』、矢部嵩『[少女庭国]』、石川博品『四人制姉妹百合物帳』『後宮楽園球場』辺りの国内偏愛作品は入れてません)
www.webdoku.jp/honshi/2025/...
変な小説大好きなので、お誘いいただけてめちゃ嬉しかったです。本の雑誌初登場。
(なお、海外文学縛りにしたので、深堀骨『アマチャ・ズルチャ』、矢部嵩『[少女庭国]』、石川博品『四人制姉妹百合物帳』『後宮楽園球場』辺りの国内偏愛作品は入れてません)
www.webdoku.jp/honshi/2025/...
12月1日の #文学フリマ東京 にて、新刊『カモガワGブックスVol.5 特集:奇想とは何か?』を頒布します。A5版 188ページ、1500円。場所は「つ-13 カモガワ編集室」。
そのほか既刊もあります。どうぞよろしく。
#カモガワGブックス
12月1日の #文学フリマ東京 にて、新刊『カモガワGブックスVol.5 特集:奇想とは何か?』を頒布します。A5版 188ページ、1500円。場所は「つ-13 カモガワ編集室」。
そのほか既刊もあります。どうぞよろしく。
#カモガワGブックス