どうぞよろしくお願いします!!!
バカみたいに暑い夏の終わりに、濃厚な燭へしはいかが?
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バカみたいに暑い夏の終わりに、濃厚な燭へしはいかが?
9月7日(土)BOOTH最先行・その他フロマージュ様にて委託予定
『夏の終わりに起こしておくれ』
※今回はイベント合わせでは無いため、日程は変更の可能性大です。改めてお知らせ致します。
特殊本丸燭へし本。梅雨時に顕現した長谷部と本丸古参の燭台切が過ごす、初めての夏のお話。
9月7日(土)BOOTH最先行・その他フロマージュ様にて委託予定
『夏の終わりに起こしておくれ』
※今回はイベント合わせでは無いため、日程は変更の可能性大です。改めてお知らせ致します。
特殊本丸燭へし本。梅雨時に顕現した長谷部と本丸古参の燭台切が過ごす、初めての夏のお話。
8月31日(土)21:00公開
『みつごのたましいひゃくまで』
シリアス耽美風燭へし。軽度の特殊プレイを予定しております。公開時に改めてメンションします。
8月31日(土)21:00公開
『みつごのたましいひゃくまで』
シリアス耽美風燭へし。軽度の特殊プレイを予定しております。公開時に改めてメンションします。
8月30日(金)21:00公開
『あんなに可愛かった幼なじみがこんなマッチョに育つなんて信じられない!』
フィロソフィア初のコメディ燭へし。ドえろコメを目指してます。テーマはズバリ「肉弾セッ久」です。
8月30日(金)21:00公開
『あんなに可愛かった幼なじみがこんなマッチョに育つなんて信じられない!』
フィロソフィア初のコメディ燭へし。ドえろコメを目指してます。テーマはズバリ「肉弾セッ久」です。
「……俺で、いいのか」
「……君が、いいんだよ」
互いに視線を絡ませ、囁き合う。そして再び唇を重ね合わせれば、今度は深く互いの味を堪能する。その後ろでは、止む気配のない雨が二人を包み込むように音を奏でていた。
Fin.
In the pouring rain
-降りしきる雨の中で-
「……俺で、いいのか」
「……君が、いいんだよ」
互いに視線を絡ませ、囁き合う。そして再び唇を重ね合わせれば、今度は深く互いの味を堪能する。その後ろでは、止む気配のない雨が二人を包み込むように音を奏でていた。
Fin.
In the pouring rain
-降りしきる雨の中で-
「帰っちゃうの?」
「、ああ……」
「このまま泊まっていきなよ」
「だが……料理までご馳走になってそこまでは」
長谷部が視線を彷徨わせ困ったように呟くと燭台切は艶然に口角を上げ、掴んでいた腕を今度は撫で辿る。そして反対の手で彼のグラスを取り上げるとローテーブルへ戻し、長谷部へ囁いた。
「そしたら、雨が止むまで。雨が止むまで、ここにいて」
こんな雨の中で一人にされたら、寂しくなっちゃうよ。
窓の外の雨音を聴き、歌うように告げる。そして辿り着いた指を絡めて自分の元へ引き寄せれば、彼の身体が力なく燭台切へと覆い被さってきた。
「帰っちゃうの?」
「、ああ……」
「このまま泊まっていきなよ」
「だが……料理までご馳走になってそこまでは」
長谷部が視線を彷徨わせ困ったように呟くと燭台切は艶然に口角を上げ、掴んでいた腕を今度は撫で辿る。そして反対の手で彼のグラスを取り上げるとローテーブルへ戻し、長谷部へ囁いた。
「そしたら、雨が止むまで。雨が止むまで、ここにいて」
こんな雨の中で一人にされたら、寂しくなっちゃうよ。
窓の外の雨音を聴き、歌うように告げる。そして辿り着いた指を絡めて自分の元へ引き寄せれば、彼の身体が力なく燭台切へと覆い被さってきた。
手にしたグラスもレモンを残して空になり、ふと長谷部は腕時計へ目を落とす。
「……そろそろ終電だから、失礼する。ご馳走さま」
楽しい時間はあっという間だ。長谷部がグラスを手にして立ち上がると、グラスを持っていない方の腕を下から掴まれた。掴まれた先を辿れば、蜂蜜色の瞳が上目遣いでこちらを見上げている。
手にしたグラスもレモンを残して空になり、ふと長谷部は腕時計へ目を落とす。
「……そろそろ終電だから、失礼する。ご馳走さま」
楽しい時間はあっという間だ。長谷部がグラスを手にして立ち上がると、グラスを持っていない方の腕を下から掴まれた。掴まれた先を辿れば、蜂蜜色の瞳が上目遣いでこちらを見上げている。
「食後の一杯。どう?」
そう言って揺らされたグラスからは氷が交わる涼しげな音と共に、いつも飲むラムの香りがふわりと広がる。
「いつも飲んでくれてるものと一緒になっちゃうけど。その代わり、ライムじゃなくてレモンを入れたんだ」
「ああ、いただこう」
その手からグラスを受け取り、並んでソファーへ腰掛ける。食器を片付けていた時からしていたとりとめのない話をしながら、グラスを傾ける。
「食後の一杯。どう?」
そう言って揺らされたグラスからは氷が交わる涼しげな音と共に、いつも飲むラムの香りがふわりと広がる。
「いつも飲んでくれてるものと一緒になっちゃうけど。その代わり、ライムじゃなくてレモンを入れたんだ」
「ああ、いただこう」
その手からグラスを受け取り、並んでソファーへ腰掛ける。食器を片付けていた時からしていたとりとめのない話をしながら、グラスを傾ける。
揃って料理を完食し、せめてもと長谷部は食器の片付けを手伝った。 長谷部が食器を洗い、水切り場へ載せていけば燭台切が隣でそれをタオルで水気を取り、食器棚へと仕舞っていく。いつもはカウンター越しにいる燭台切は、隣に並ぶと長谷部よりも上背があり、身体も厚かった。
揃って料理を完食し、せめてもと長谷部は食器の片付けを手伝った。 長谷部が食器を洗い、水切り場へ載せていけば燭台切が隣でそれをタオルで水気を取り、食器棚へと仕舞っていく。いつもはカウンター越しにいる燭台切は、隣に並ぶと長谷部よりも上背があり、身体も厚かった。
「このチーズね、僕のお気に入りなんだ。削り立てが凄く美味しくて、バルサミコとの相性も凄く良いよ。カットトマトもあるから、苦手じゃなければ食べてみて」
「至れり尽くせりだな」
「とんでもない。本当だったらあと二品くらい出せたら良かったんだけど、夜も遅いしね」「俺には十分だ。 いただきます」
「どうぞ。 めしあがれ」
燭台切の作る料理は自ら振る舞うだけあって、とても美味しかった。
「このチーズね、僕のお気に入りなんだ。削り立てが凄く美味しくて、バルサミコとの相性も凄く良いよ。カットトマトもあるから、苦手じゃなければ食べてみて」
「至れり尽くせりだな」
「とんでもない。本当だったらあと二品くらい出せたら良かったんだけど、夜も遅いしね」「俺には十分だ。 いただきます」
「どうぞ。 めしあがれ」
燭台切の作る料理は自ら振る舞うだけあって、とても美味しかった。
程なくして完成したものは、昼間に彼が一から作ったというミートソースがふんだんに掛けられたスパゲッティだった。
程なくして完成したものは、昼間に彼が一から作ったというミートソースがふんだんに掛けられたスパゲッティだった。
好きなところに座って、楽にしててね。
差し出された燭台切の手に脱いだジャケットを預かってもらい玄関を抜けると、一人暮らしには少し大きめのリビングが広がっていた。 オープンキッチンには部屋との仕切りの代わりにカウンターがあり、その側に脚が長いダイニングテーブルが設えられている。 長谷部はなんだか気恥ずかしくて、彼の料理風景が見えるそこではなくローテーブルの前に置かれたソファーへ腰掛けることにした。その足下にはさわり心地の良さそうな毛足の長いラグが敷かれていて、思わず長谷部は来客用のスリッパを脱いでそのラグの感触を楽しんだ。
好きなところに座って、楽にしててね。
差し出された燭台切の手に脱いだジャケットを預かってもらい玄関を抜けると、一人暮らしには少し大きめのリビングが広がっていた。 オープンキッチンには部屋との仕切りの代わりにカウンターがあり、その側に脚が長いダイニングテーブルが設えられている。 長谷部はなんだか気恥ずかしくて、彼の料理風景が見えるそこではなくローテーブルの前に置かれたソファーへ腰掛けることにした。その足下にはさわり心地の良さそうな毛足の長いラグが敷かれていて、思わず長谷部は来客用のスリッパを脱いでそのラグの感触を楽しんだ。
普段出向く飲み屋街とは反対方向へ歩き出す燭台切の隣を長谷部も歩く。なるべくスーツが濡れないようにと選んだ大きな傘が今夜は少し恨めしい。雨は降る量を依然保ったまま傘へ雫を落とし、ザアザアと傘の中でこだまするその音のお陰で燭台切との会話も自然と少なくなっていた。
「長谷部くん、着いたよ」
傘に遮られて聞こえなくならないよう、燭台切は少し腰を屈めて長谷部へ声を掛けた。オートロック式の小綺麗なエントランスを抜け、共有のインターフォンへ鍵を挿し込むと硝子の自動ドアがゆっくりと二人を迎える。先程までの雨音が聞こえなくなり、今度は余計に静かに感じる。
普段出向く飲み屋街とは反対方向へ歩き出す燭台切の隣を長谷部も歩く。なるべくスーツが濡れないようにと選んだ大きな傘が今夜は少し恨めしい。雨は降る量を依然保ったまま傘へ雫を落とし、ザアザアと傘の中でこだまするその音のお陰で燭台切との会話も自然と少なくなっていた。
「長谷部くん、着いたよ」
傘に遮られて聞こえなくならないよう、燭台切は少し腰を屈めて長谷部へ声を掛けた。オートロック式の小綺麗なエントランスを抜け、共有のインターフォンへ鍵を挿し込むと硝子の自動ドアがゆっくりと二人を迎える。先程までの雨音が聞こえなくなり、今度は余計に静かに感じる。
「……俺も明日、代休になったんだ」
長谷部がぽつりと呟いたその言葉に、燭台切は再び嬉しそうに微笑む。
「じゃあ決まり。支度をしてくるから、ちょっと待っててね」
この店へ通うようになってしばらくしてから、二人は何度か閉店後に連れ立って近くの店へ飲みに行くようになっていた。本当は長谷部も、たまたま出張により出来た代休と燭台切の定休日が重なったから、そのままどこかへ飲みに行ってもいいな、と思って今日を迎えていた。しかし天気予報は二日前から変わることはなく、見事に雨に降られてしまった。だから今夜は大人しく帰ろうかな、なんて諦めていたのだ。
「……俺も明日、代休になったんだ」
長谷部がぽつりと呟いたその言葉に、燭台切は再び嬉しそうに微笑む。
「じゃあ決まり。支度をしてくるから、ちょっと待っててね」
この店へ通うようになってしばらくしてから、二人は何度か閉店後に連れ立って近くの店へ飲みに行くようになっていた。本当は長谷部も、たまたま出張により出来た代休と燭台切の定休日が重なったから、そのままどこかへ飲みに行ってもいいな、と思って今日を迎えていた。しかし天気予報は二日前から変わることはなく、見事に雨に降られてしまった。だから今夜は大人しく帰ろうかな、なんて諦めていたのだ。
「そしたらさ、パスタ食べない?美味しいトマトを貰ったんだけど、一人じゃ食べきれなくて」
「……ここでか?」
「ここには小さいキッチンしか無いし、裏にあるから長谷部くんと話せないしね。だから今日はもうおしまい。僕の家、ここから近いんだ。よかったら来ない?」
「でも……閉店時間にはまだ、」
長谷部は腕時計を確認して、眉を下げる。
「今日は長谷部くんで終わり。今夜はずっと雨の予報だし、明日は定休日だから」
どうかな。
間近で柔らかく微笑むその顔に長谷部はふらりと目を泳がせ、そしてグラスに残る絞られたカットライムを見つめた。
「そしたらさ、パスタ食べない?美味しいトマトを貰ったんだけど、一人じゃ食べきれなくて」
「……ここでか?」
「ここには小さいキッチンしか無いし、裏にあるから長谷部くんと話せないしね。だから今日はもうおしまい。僕の家、ここから近いんだ。よかったら来ない?」
「でも……閉店時間にはまだ、」
長谷部は腕時計を確認して、眉を下げる。
「今日は長谷部くんで終わり。今夜はずっと雨の予報だし、明日は定休日だから」
どうかな。
間近で柔らかく微笑むその顔に長谷部はふらりと目を泳がせ、そしてグラスに残る絞られたカットライムを見つめた。
「……ね、お腹空いてる?」
会話をいつものようにいくつも交わしながら長谷部の一つ一つの仕草を微笑ましく見る燭台切が、会話の切れ目に長谷部へ問いかけた。ここはバーだから、料理の提供はメニューに入っていない。だから長谷部は駅に隣接する牛丼屋で腹拵えをしてからここへやって来た。が、長谷部も健康的な二十代だ。それだけで満腹とまではいっていない。
「……ね、お腹空いてる?」
会話をいつものようにいくつも交わしながら長谷部の一つ一つの仕草を微笑ましく見る燭台切が、会話の切れ目に長谷部へ問いかけた。ここはバーだから、料理の提供はメニューに入っていない。だから長谷部は駅に隣接する牛丼屋で腹拵えをしてからここへやって来た。が、長谷部も健康的な二十代だ。それだけで満腹とまではいっていない。
「今日はこんな天気だからね。うちも開店してすぐに一組来たけど、一杯飲んで帰っちゃった。その時はまだここまで降っていなかったんだ」
「そうだったのか。……確かに、客商売にこの天気は死活問題だな」
「まあね。でもこうして長谷部くんが来てくれたから。僕にとってはいい日かな」
踊っているかのような流れる手つきでグラスの中をステアして、コースターの上にロックグラスを置く。そしてそのままカウンターへ頬杖を付いて長谷部へ微笑みかければ、長谷部は少し不機嫌に眉を顰めて顔を逸らすと出されたグラスを呷った。
「今日はこんな天気だからね。うちも開店してすぐに一組来たけど、一杯飲んで帰っちゃった。その時はまだここまで降っていなかったんだ」
「そうだったのか。……確かに、客商売にこの天気は死活問題だな」
「まあね。でもこうして長谷部くんが来てくれたから。僕にとってはいい日かな」
踊っているかのような流れる手つきでグラスの中をステアして、コースターの上にロックグラスを置く。そしてそのままカウンターへ頬杖を付いて長谷部へ微笑みかければ、長谷部は少し不機嫌に眉を顰めて顔を逸らすと出されたグラスを呷った。
このバーは燭台切が一人で切り盛りしている。少し奥まった場所にあるお陰でてんやわんやということはあまりないが、一際目を引く整った見目と洗練された所作に癒やしを求めてやって来る女性も少なくない。しかし彼女たちは皆、楽しみを吹聴せず一人で楽しみたい者ばかりなので、口コミで広がってしまうという心配が無いのがありがたい。
男性陣も来るのは大抵友人と二人、ないしは一人だ。ここを知るものは絶対にこの店をデート場所に選ばない。
このバーは燭台切が一人で切り盛りしている。少し奥まった場所にあるお陰でてんやわんやということはあまりないが、一際目を引く整った見目と洗練された所作に癒やしを求めてやって来る女性も少なくない。しかし彼女たちは皆、楽しみを吹聴せず一人で楽しみたい者ばかりなので、口コミで広がってしまうという心配が無いのがありがたい。
男性陣も来るのは大抵友人と二人、ないしは一人だ。ここを知るものは絶対にこの店をデート場所に選ばない。
「雨、すごいね。お足元の悪い中、ご来店ありがとうございます」
わざと畏まった言葉を使う男に、長谷部は眉を下げて小さく笑った。
「今日は朝から来るつもりでいたから。頭が完全にそれになっていた」
「嬉しいなあ」
抱いた感情をそのまま言葉に載せて冷蔵庫からグラスを取り出すのは、ここのマスターである燭台切だ。身体に合った白いワイシャツに黒いカマーベストを着こなし、袖にはアーム ガーターの金具が光る。
「雨、すごいね。お足元の悪い中、ご来店ありがとうございます」
わざと畏まった言葉を使う男に、長谷部は眉を下げて小さく笑った。
「今日は朝から来るつもりでいたから。頭が完全にそれになっていた」
「嬉しいなあ」
抱いた感情をそのまま言葉に載せて冷蔵庫からグラスを取り出すのは、ここのマスターである燭台切だ。身体に合った白いワイシャツに黒いカマーベストを着こなし、袖にはアーム ガーターの金具が光る。
駅から伸びるメインストリートを途中で曲がり、そこから更にいくつか曲がったところで長谷部はコンクリートの階段を下りてゆく。長谷部が階段を踏みしめる度に灰色だった場所が雨を吸って足跡をつくり、じんわりと滲んでいく。その隣では畳んで腕に掛けた傘の先からも雫が垂れ、気まぐれに靴の滲みと交わっていた。長谷部は階段を下りきると髪やスーツに付いた事を軽く払うと金色の取っ手に手を掛け、シンプルな扉を開ける。
「長谷部くん。 いらっしゃい」
「ん」
綺麗に畳んだ傘を入り口の傘立てへ入れ、長谷部はカウンターへと歩を進める。
駅から伸びるメインストリートを途中で曲がり、そこから更にいくつか曲がったところで長谷部はコンクリートの階段を下りてゆく。長谷部が階段を踏みしめる度に灰色だった場所が雨を吸って足跡をつくり、じんわりと滲んでいく。その隣では畳んで腕に掛けた傘の先からも雫が垂れ、気まぐれに靴の滲みと交わっていた。長谷部は階段を下りきると髪やスーツに付いた事を軽く払うと金色の取っ手に手を掛け、シンプルな扉を開ける。
「長谷部くん。 いらっしゃい」
「ん」
綺麗に畳んだ傘を入り口の傘立てへ入れ、長谷部はカウンターへと歩を進める。