想兼 ヒロ
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想兼 ヒロ
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はじめまして。ファンタジーメインに創作活動をしている想兼(おもかね) ヒロといいます。 よろしくお願いします。
skebなんかも開いてます→http://skeb.jp/@gensoryoki
「はてさて、こんな景色だったろうか。まさか、100年寝過ごしたわけではあるまい」

「えっと、桔梗。あんた、もしかして寝てたのか」

#星使いティンクル・ライツ

第20話 道化師の如く
星使い ティンクル・ライツ ~願いは流星とともに~/想兼 ヒロ - カクヨム kakuyomu.jp/works/117735...
November 14, 2025 at 1:11 PM
「ん?」

反対側からひょっこりと顔を出したのは、おかっぱ頭の少女。濃い紫の和装に身を包み、寝ぼけ眼で眼前の惨状を観察している。

#星使いティンクル・ライツ
November 14, 2025 at 1:11 PM
そんな緊張感の中。
「なんじゃ、騒々しいのぉ」
背後の岩から、とてつもなく間の抜けた声が聞こえてきた。

#星使いティンクル・ライツ
November 14, 2025 at 1:11 PM
そんな恐ろしげな容貌をしているというのに。
「あんた、何してるの?」
シィドは意外と優しげな声を発した。

「チャノユ。教えてもらったんだ」

なかなかいいものだぞ、とケールは嬉しそうに声を弾ませた。

#星使いティンクル・ライツ
November 11, 2025 at 2:28 AM
「かくして、その星をまとう姿から彼女は『星使い』と呼ばれ…………はぁ」

そこまで話して、ルーミは大げさに溜め息をついた。
すぅ、と息を吸い込む。そして、一気に声とともに吐き出した。

「ライツ!」

「ふぁい!」

#星使いティンクル・ライツ
November 4, 2025 at 3:13 PM
 いて座、みずがめ座、オリオン座。そこには、星座の元となった物語も書かれていた。昔、プラネタリウムで語られたその物語を聞いて、思ったことを洋介はライツに告げる。

「昔の人は、こんな感じで星をつなげて夜空に絵を描いてたんだ」

#星使いティンクル・ライツ
November 3, 2025 at 3:47 PM
確かに暑苦しい。

「ん?」
ただ、その世界に非常に興味を示している存在が、母以外にもう一人この場にいたのだ。

(あいつ、ああいうの好きなんだな)
母の前、ちゃっかり最前席に座って映像を見つめるライツ。洋介が来たことにも気づかず、ドラマの登場人物に合わせて体を動かしていた。
November 2, 2025 at 2:54 PM
(自分にしか、か)

ズキッと、心が軋きしむ音が聞こえた気がした。

「さぁ、どうしようかな」
先ほど、ライツの歌声に感心していたときの顔色とは違っている。洋介の表情は、誰が見ても明らかに曇っていた。

「……ヨースケ?」

#星使いティンクル・ライツ
October 31, 2025 at 3:48 PM
 彼女は昼間と変わらない様子で今度は星空を見上げていた。

 洋介がその光景に心を奪われていると、ゆっくりと彼女はこちらに向き直った。

――なんじゃ、小僧。眠れぬか。なら、近う寄れ。話し相手になろう。

#星使いティンクル・ライツ
October 30, 2025 at 3:50 PM
「貴方あなたには、それが見えるのですか? 」

「え? 」
頭上から聞こえた声に、雄輝は頭を持ち上げた。
息を飲む。それこそ、予想もしていない光景だった。

目に入ってきたのは、真っ白な翼。巨木の枝に腰をかけて、雄輝を見下ろしながらさらに続ける。

「良かった。ようやく、出会えました」
October 25, 2025 at 3:20 PM
「色のない、海」

人気のない海岸。奥に広がる水平線。黒だけで描かれたそれは、普段のあいつからは想像できないほどに繊細で、でも、同時にあいつらしいなとも思う。それで完成だと、胸を張れるほどには。

でも、あたしは知っている。それが完成形ではないことを。

「また、夏がくるね。ユキト」
October 24, 2025 at 3:47 PM
走った勢いでずれていたフードが全て落ちる。そこから、ふんわりと銀色の長い髪がこぼれた。

涙に濡れる紫の瞳をまっすぐに見つめ、シルクは言う。

「本当に君なのかい、マリア」
「はい、兄様。お久しぶりです」

マリアは名前を呼んでもらえたことに、再び感極まりそうになるのをこらえていた。
October 23, 2025 at 3:43 PM