どちらかと言えば、相手はそこに居るけど、自分は居なくなる可能性がある感じ
シにとってチは、あった方が嬉しい存在
居なくても問題ないけど、居たほうが楽しいし、望む時に居てくれたら凄く嬉しいやつ
どちらかと言えば、相手はそこに居るけど、自分は居なくなる可能性がある感じ
シにとってチは、あった方が嬉しい存在
居なくても問題ないけど、居たほうが楽しいし、望む時に居てくれたら凄く嬉しいやつ
「痛い。いたいよ」
それからこちらへと手を伸ばし、腕を引かれる
重力に逆らわず落ちた先で、焦げ臭い匂いが鼻を掠めた
「君が僕を受け入れようとしてくれないから、痛いんだ」
背中へと回った腕に力が込められる
「君、フラれる気でいただろう。僕も好きだよ。君のことが」
ぎゅっと抱きしめられた身体がディルックの体温で少しだけ温まる
「なぁ、ディルック」
「なに、ガイア」
きっと却下されるだろうお願いだと分かっている
それでも言葉にするのだ
「離してくれないか?痛いんだ」
ディルックはニヤリと笑って言う
「やだ」
グッと強くなる力に苦笑するだけだ
「痛い。いたいよ」
それからこちらへと手を伸ばし、腕を引かれる
重力に逆らわず落ちた先で、焦げ臭い匂いが鼻を掠めた
「君が僕を受け入れようとしてくれないから、痛いんだ」
背中へと回った腕に力が込められる
「君、フラれる気でいただろう。僕も好きだよ。君のことが」
ぎゅっと抱きしめられた身体がディルックの体温で少しだけ温まる
「なぁ、ディルック」
「なに、ガイア」
きっと却下されるだろうお願いだと分かっている
それでも言葉にするのだ
「離してくれないか?痛いんだ」
ディルックはニヤリと笑って言う
「やだ」
グッと強くなる力に苦笑するだけだ
「うーん、同級生の弟はあんまり可愛くないんじゃないか?」
「確かに。俺も上の姉さんたちは年が近いから可愛くないかも」
「律哉のお姉さんって美人系だしね」
予行練習はバッチリだ
あとは完璧に位置調整して取るだけ
少しでもズレたら危ないので、慎重に見極める
そっとボタンに手を置き、手に力を込める
「あ!」
ズルっと手が滑り、思いっきり動いたアームは、見当違いの方へと空振りする
ゆっくりと落ちるアームを背景に、時が止まったような錯覚に陥る
「あっ!上戸くんじゃん」
律哉の楽しそうな声を後ろに聞きながら、下まで落ちたアームが登っていくのを眺めた
「うーん、同級生の弟はあんまり可愛くないんじゃないか?」
「確かに。俺も上の姉さんたちは年が近いから可愛くないかも」
「律哉のお姉さんって美人系だしね」
予行練習はバッチリだ
あとは完璧に位置調整して取るだけ
少しでもズレたら危ないので、慎重に見極める
そっとボタンに手を置き、手に力を込める
「あ!」
ズルっと手が滑り、思いっきり動いたアームは、見当違いの方へと空振りする
ゆっくりと落ちるアームを背景に、時が止まったような錯覚に陥る
「あっ!上戸くんじゃん」
律哉の楽しそうな声を後ろに聞きながら、下まで落ちたアームが登っていくのを眺めた
持ち上げるのはやめた方が良さそうだ
とは言え、狙うとしたら胴体が一番分かりやすい
少しアームを取り出し口に寄せて、ぬいぐるみを運べないか試してみる
「1000円はやり過ぎじゃない?」
「でも輝が欲しいって言ってたから」
「相変わらずブラコンだなぁ」
この方法なら少しずつだけれど動かせそうだ
もう2、3回くらい寄せてみよう
「弟が可愛くない兄は居ないよ」
「あはは、そうかもね。でもオレも海斗もひとりっ子だしな」
「なら俺が冬真の弟になってあげようか?」
よし、近づいてきた
位置もなかなか良さそうだ
持ち上げるのはやめた方が良さそうだ
とは言え、狙うとしたら胴体が一番分かりやすい
少しアームを取り出し口に寄せて、ぬいぐるみを運べないか試してみる
「1000円はやり過ぎじゃない?」
「でも輝が欲しいって言ってたから」
「相変わらずブラコンだなぁ」
この方法なら少しずつだけれど動かせそうだ
もう2、3回くらい寄せてみよう
「弟が可愛くない兄は居ないよ」
「あはは、そうかもね。でもオレも海斗もひとりっ子だしな」
「なら俺が冬真の弟になってあげようか?」
よし、近づいてきた
位置もなかなか良さそうだ
そんな話をしていると、ゲーセンに着いていた
律哉が案内してくれた先には、確かにデカいぬいぐるみがあった
ぬいぐるみと言えば可愛らしい見た目の物が大半な気がするが、これは……なんというか、前世の世界にいた遺跡守衛に似ている
愛らしいかと問われると分からないが、まぁ子供にはこういうのが好みなんだろう
とりあえずと、500円を入れる
「こいつ、変に腕が長くてバランス取りづらいんだよ」
「もうやってたんだ?」
「昨日の帰りにやって、1000円失くした」
胴体を掴むようにアームを調整すると、律哉が言った通り腕が変な方向に動いて取れない
そんな話をしていると、ゲーセンに着いていた
律哉が案内してくれた先には、確かにデカいぬいぐるみがあった
ぬいぐるみと言えば可愛らしい見た目の物が大半な気がするが、これは……なんというか、前世の世界にいた遺跡守衛に似ている
愛らしいかと問われると分からないが、まぁ子供にはこういうのが好みなんだろう
とりあえずと、500円を入れる
「こいつ、変に腕が長くてバランス取りづらいんだよ」
「もうやってたんだ?」
「昨日の帰りにやって、1000円失くした」
胴体を掴むようにアームを調整すると、律哉が言った通り腕が変な方向に動いて取れない
律哉や冬真よりは上手いし、無料で遊べてラッキーなくらいだ
「やったことないけど、取れると思う」
「本当!?今回もお願いして良い?」
ガバっと起き上がって距離を詰めてくる律哉をベリっと引き剥がす
「やってみなきゃ分かんないけどね」
俺が保険をかけて言うと、2人は顔を見合わせてからキラリと目を光らせた
「かっこいい〜!」
「オレも1回はそういうセリフ言ってみたいな」
ただの保険を格好良いセリフと解釈したらしく、大盛りあがりだ
内容は格好良くないなにな
律哉や冬真よりは上手いし、無料で遊べてラッキーなくらいだ
「やったことないけど、取れると思う」
「本当!?今回もお願いして良い?」
ガバっと起き上がって距離を詰めてくる律哉をベリっと引き剥がす
「やってみなきゃ分かんないけどね」
俺が保険をかけて言うと、2人は顔を見合わせてからキラリと目を光らせた
「かっこいい〜!」
「オレも1回はそういうセリフ言ってみたいな」
ただの保険を格好良いセリフと解釈したらしく、大盛りあがりだ
内容は格好良くないなにな
意図的に目に留まらない風にしているのだから良いのだけど、目の前の2人が目立つせいで結果的に意味がなくなっている気がする
まぁこちらに変な視線が来ないのならそれで良い
「あ、そうだ!海斗ってでっかいぬいぐるみ取ったことある?」
「ん?…あぁないけど」
「マジかぁ…」
急に律哉が後ろを振り返り、聞いてくる
どうやら回答がお気召さなかったらしく、ガクっと肩を落としていた
「もしかして前言ってやつ?」
「そう!弟がどうしても欲しいって言うから取ってあげたかったんだけど難しくてさぁ。海斗ならわんちゃん取れたりしないかなって」
意図的に目に留まらない風にしているのだから良いのだけど、目の前の2人が目立つせいで結果的に意味がなくなっている気がする
まぁこちらに変な視線が来ないのならそれで良い
「あ、そうだ!海斗ってでっかいぬいぐるみ取ったことある?」
「ん?…あぁないけど」
「マジかぁ…」
急に律哉が後ろを振り返り、聞いてくる
どうやら回答がお気召さなかったらしく、ガクっと肩を落としていた
「もしかして前言ってやつ?」
「そう!弟がどうしても欲しいって言うから取ってあげたかったんだけど難しくてさぁ。海斗ならわんちゃん取れたりしないかなって」
だから最初から有無を言わせぬように、拒否権などないと
口籠るガイアに、頷いて席を立つ
「帰るよ」
手を差し伸べれば、数秒の後、そっと手が重なった
それをしっかりと握って店を出る
帰る先はアカツキワイナリーだ
君がこの先の未来で敵であろうとしても
帰りを待つ者は、いくらでも居て
僕もその1人だと
「もしまた迷った時は、いつでも誘ってくれ」
例え回りくどくても良い、最初から勝つ気のないチェスだったとしても
自分から帰って良いのか分からなくても
そう言ってくれたらいつでも迎えに行くから
「…あぁ、また」
控えめに頷く弟に、手をもう少しだけしっかり握って返した
だから最初から有無を言わせぬように、拒否権などないと
口籠るガイアに、頷いて席を立つ
「帰るよ」
手を差し伸べれば、数秒の後、そっと手が重なった
それをしっかりと握って店を出る
帰る先はアカツキワイナリーだ
君がこの先の未来で敵であろうとしても
帰りを待つ者は、いくらでも居て
僕もその1人だと
「もしまた迷った時は、いつでも誘ってくれ」
例え回りくどくても良い、最初から勝つ気のないチェスだったとしても
自分から帰って良いのか分からなくても
そう言ってくれたらいつでも迎えに行くから
「…あぁ、また」
控えめに頷く弟に、手をもう少しだけしっかり握って返した
例えばもし、駒の意味通りなら
キングを取って勝利を手にした所で、残ったクイーンは仇討ちに来るかもしれない
ビショップは聖職者だ
例え国の王が変わっても、教会や信仰を入れ替えるのは難しい
弾圧すればする程反発が強くなるだろう
ルーク、ナイト、ポーン
どれが残っているかは重要であり
どれもが残さなければいけない駒だ
キング1人追い詰めたところでゲームは終了
では、その後は…?
さて、本当に勝ったのはどちらでもなかったのかもしれない
それは片付けてしまった今、何一つ分からなくなってしまったけど
「ガイア」
「ん、なんだ?」
「今日は一緒に帰るだろう?」
例えばもし、駒の意味通りなら
キングを取って勝利を手にした所で、残ったクイーンは仇討ちに来るかもしれない
ビショップは聖職者だ
例え国の王が変わっても、教会や信仰を入れ替えるのは難しい
弾圧すればする程反発が強くなるだろう
ルーク、ナイト、ポーン
どれが残っているかは重要であり
どれもが残さなければいけない駒だ
キング1人追い詰めたところでゲームは終了
では、その後は…?
さて、本当に勝ったのはどちらでもなかったのかもしれない
それは片付けてしまった今、何一つ分からなくなってしまったけど
「ガイア」
「ん、なんだ?」
「今日は一緒に帰るだろう?」