ただ、配給会社としては、日本人にこの映画を見てもらう必要がある以上、「戦後の長崎を懸命に生きる人々の物語」だと語るしかないし（ナガサキを使ってそんな実験をしているのがこの作品ですよとはなかなか言えないし）、キャストもそういうものだとして演技しているかもしれないと思う。

その抽象的な問いについて、原作ではほんの少しほのめかされているだけなのだったが、イシグロ本人もかかわっているらしい映画では問いの部分が終盤にけっこう大々的に展開されていて、「戦後の長崎を懸命に生きる人々の物語」だと思って映画を見ている人にはかなり「？？？」となるのだと思う。
その感じは、この物語のなんというか結果ばかりが語られて原因や経緯がすっぽり抜け落ちている（それは映画も原作も）不自然さとも関係している。

琴櫻も豊昇龍も途中まで良かったと思うけど、理屈ではなく安青錦がノッちゃってる感じだった。ふたつとも土俵の真ん中で急にひっくり返すような勝ち方で、やることがみんなうまくいく感じ。来場所は豊昇龍優勝してください。

ずっと文句言いながら豊昇龍の応援をしている。

戦国時代といえば聞こえはいいが、さいきんは優勝のレベルが下がって12勝3敗がちらほらある。2敗がいなくなった時点でその場所はもう該当者なしでいいんじゃないのかいと思うけど。

アミメアリ。道に落ちた飴玉とかにたかっている、赤茶色のちいさいアリです。虫の死骸とかの動物性たんぱく質より糖分が好き。女王蟻がおらず、働き蟻がおのおの卵を産む。いわゆる蟻の巣をつくらず、みんなで隠れ家に暮らしているのだが、掃除が苦手なので住処が汚れてくると大集団で移動する。公園や庭で見かける蟻の行列というのは実はアミメアリのことが多い。いつもわちゃわちゃしている。