ぜんざいなり
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Reposted by ぜんざいなり
「たこきちのさんぽ」は #国立国会図書館デジタルコレクション で見られます

いかこさんはとてもやさしい、いいこ
dl.ndl.go.jp/pid/1168934/...
January 18, 2025 at 8:25 AM
壊れゆく人間の異常心理スリラーでありつつ、さまざまな凶事・凶兆が世界の終わりをも示しているザ・黒沢映画なんですが、吉岡睦雄という虚ろな核を得てこれまでになくソリッドに仕上がった傑作でした。みんなは劇場で見てくれ!
August 12, 2024 at 3:15 AM
他の役者も良いんだよな…ゲスト的な田畑智子や渡辺いっけいも良いが、階段の踊り場で話す女子二人(ぎぃ子・川添野愛)、鶏をさばくのが嫌な生徒・菱田(天野はな)とか。

美術も照明も音響音楽も決まってましたね。昔中野に住んでたので線路脇のあの料理学校のあたりはよく知ってるんだけど、中央線の音と光が無機質なステンレスで覆われた教室にもたらす効果にも痺れました。
ちなみにあそこを西へ少し行った並びに黒沢清の旧作「893タクシー」のロケ地がある(豆知識)。
August 12, 2024 at 3:15 AM
なのに、甲高い声と言葉の間合いと感情のない目が全てを裏切る。
「チャイムのような変な音が聞こえる…先生には聞こえませんか?」と言われた後の吉岡の反応。ごく普通の芝居なのに、上の空のはずの生徒ですら「自分の訴えが無下にされた」と気づくくらいの心の無さが確実に見えるの、何気にすごい。

松岡すごいですよ

老舗ビストロのシェフ採用面接を受けて教室とは打って変わって生き生きする(ただし目は死んだままの)松岡

教室で凶事が起こりさすがに腰を抜かすんだけどそのままスッと無表情に戻る松岡

チャイムが鳴って玄関に出ようと姿勢を正すとその広い肩幅が完全に案山子にしか見えない松岡
August 12, 2024 at 3:15 AM
そして吉岡睦雄の、これまでの映画ではおもに異物感として扱われていたポテンシャルを引き出す、端的で無駄のない脚本と演出が素晴らしいですね。(黒沢清クラスに何を言ってんだという話だけど、演出のフォーカスがいちいちビシッと決まってるという意味では近年出色だと思う)

たとえば冒頭、料理教室講師の主人公・松岡の、指導に従わない様子のおかしい生徒・田代(小日向星一。彼もとても良いです)への対応とか。
やりとりだけを抜き出せば困った生徒への講師の対応としてはなんの問題もない。相手の言動を一旦は受けて、深入りはせずに授業へ戻るよう誘導してる。
August 12, 2024 at 3:14 AM
空っぽの人間とはどういうものか、説明無しでそこにいる感じなの凄いです。
たとえば役所広司には「真人間の心の奥でじわじわ腐り広がる空洞」を想像したり、哀川翔に「内面を失った人間だからこそ可能な軽やかな動き」を見たりしてたんだな、と改めて思いました。本作はそこら辺を「読む」必要がない。

まあそういった読みにいざなう描写こそが魅力だし映画の厚みを作るものなんですけど、「今回はそういうのはないです」っていきなり原液で出された感あります。
August 12, 2024 at 3:13 AM