銃撃戦で相棒を亡くした刑事スコットが、事件の真相を追うために、同じく相棒を亡くした軍用犬マギーとコンビを組むお話。
これは良すぎでしょう。
人も犬も銃撃されたトラウマがあるので、警察の一員として動くには、本当は難しい。でもちょっとずつ絆を深めていき、事件に立ち向かう姿が胸にくる。まあ、上手くいきすきで、途中暴走気味だったけど。
事件の真相に迫るほどに、自身が追い詰められていく展開はまさに「容疑者」なわけですが、そんなスコットの不安を敏感に察するマギーという犬視点の語りも良くて、これは間違いなく「相棒」のお話でした。
続編も楽しみだ。
銃撃戦で相棒を亡くした刑事スコットが、事件の真相を追うために、同じく相棒を亡くした軍用犬マギーとコンビを組むお話。
これは良すぎでしょう。
人も犬も銃撃されたトラウマがあるので、警察の一員として動くには、本当は難しい。でもちょっとずつ絆を深めていき、事件に立ち向かう姿が胸にくる。まあ、上手くいきすきで、途中暴走気味だったけど。
事件の真相に迫るほどに、自身が追い詰められていく展開はまさに「容疑者」なわけですが、そんなスコットの不安を敏感に察するマギーという犬視点の語りも良くて、これは間違いなく「相棒」のお話でした。
続編も楽しみだ。
30年前、女児暴行殺人で終身刑となった老は、癌で余命わずかとなったため、介護施設に移された。大学の課題として、彼にインタビューするジョーは、老人の臨終の供述から事件に疑問を覚えて……と言うお話。
面白かった。
事件の関与を否定しながらも、判決には従った老人の真意が何なのか。調べていくうちに、そして臨終の供述として語られていく真意が、あまりにも重い。助けられなかった命というのは、ずっと心に残るんだろうなあ。
30年前、女児暴行殺人で終身刑となった老は、癌で余命わずかとなったため、介護施設に移された。大学の課題として、彼にインタビューするジョーは、老人の臨終の供述から事件に疑問を覚えて……と言うお話。
面白かった。
事件の関与を否定しながらも、判決には従った老人の真意が何なのか。調べていくうちに、そして臨終の供述として語られていく真意が、あまりにも重い。助けられなかった命というのは、ずっと心に残るんだろうなあ。
124人連続殺人犯の父に育てられたジャズが、父とは違うことを証明するため、町の連続殺人事件に挑むお話。
父の呪縛から逃れたいのに、父に育まれた洞察力が生きてしまうというのは皮肉。
犯人の思考がわかっても、殺人を止められないことで、次第に追い詰められていく重い話だけど、暗くなりすぎないのは、青春ものでもあるからかな。
親友ハウイーは、身体の問題があるけど、それに負けない明るさがあり、何より恋人コニーが素敵だった。彼女がいなかったら間違いなく堕ちてた。
序盤は独りよがりさにイラッとしたけど、中盤以降は良かった。そして最後がすごい。この引きは続編を読みたくなる。
124人連続殺人犯の父に育てられたジャズが、父とは違うことを証明するため、町の連続殺人事件に挑むお話。
父の呪縛から逃れたいのに、父に育まれた洞察力が生きてしまうというのは皮肉。
犯人の思考がわかっても、殺人を止められないことで、次第に追い詰められていく重い話だけど、暗くなりすぎないのは、青春ものでもあるからかな。
親友ハウイーは、身体の問題があるけど、それに負けない明るさがあり、何より恋人コニーが素敵だった。彼女がいなかったら間違いなく堕ちてた。
序盤は独りよがりさにイラッとしたけど、中盤以降は良かった。そして最後がすごい。この引きは続編を読みたくなる。
行き遅れ令嬢の事件簿シリーズ第三弾。公爵への想いを頭から追い出すため、知り合いが巻き込まれた殺人事件に挑むお話。
めっちゃ楽しかった。主人公のベアトリスに振り回される公爵さまにニヤニヤが止まらない。
そりゃ公爵さまからしたら、危ないことするなといったそばから殺人事件に関わろうとする彼女を放って置けなくなるよなあ。
読者からは、公爵が彼女に興味を持ってるのはわかるけど、ベアトリスは身分違いだし勘違いしちゃダメと思ってるというすれ違いが大変良かった。
三部作としてきっちりまとまってたので、これで終わりかと思ったらまだ続くみたいなので、楽しみに待ってる。
行き遅れ令嬢の事件簿シリーズ第三弾。公爵への想いを頭から追い出すため、知り合いが巻き込まれた殺人事件に挑むお話。
めっちゃ楽しかった。主人公のベアトリスに振り回される公爵さまにニヤニヤが止まらない。
そりゃ公爵さまからしたら、危ないことするなといったそばから殺人事件に関わろうとする彼女を放って置けなくなるよなあ。
読者からは、公爵が彼女に興味を持ってるのはわかるけど、ベアトリスは身分違いだし勘違いしちゃダメと思ってるというすれ違いが大変良かった。
三部作としてきっちりまとまってたので、これで終わりかと思ったらまだ続くみたいなので、楽しみに待ってる。
リンカーンライムシリーズ第3弾。ノースカロライナ州の田舎で起きた女子学生連続誘拐事件に、たまたま訪れていたライムとアメリアが挑むお話。
普段と違う環境、いわゆる「陸に上がった魚」状態のもどかしさたるや。一人で捜査できない以上、チームワークの大事さが浮かび上がってきますね。
ただ事件が必要以上に拗れてしまったのは、ライムとアメリアの関係の変化で。手術に関しての立場の違いが、事件の判断にも影響するあたりに、二人の関係性に関する想いを感じる。
事件の結末で、ああいうのでも司法取引できちゃうあたり、なんていうか、アメリカって感じだ。
リンカーンライムシリーズ第3弾。ノースカロライナ州の田舎で起きた女子学生連続誘拐事件に、たまたま訪れていたライムとアメリアが挑むお話。
普段と違う環境、いわゆる「陸に上がった魚」状態のもどかしさたるや。一人で捜査できない以上、チームワークの大事さが浮かび上がってきますね。
ただ事件が必要以上に拗れてしまったのは、ライムとアメリアの関係の変化で。手術に関しての立場の違いが、事件の判断にも影響するあたりに、二人の関係性に関する想いを感じる。
事件の結末で、ああいうのでも司法取引できちゃうあたり、なんていうか、アメリカって感じだ。
ブラック企業で心身が病んでいたところを、妹に勧められてvtuberになるお話。VTuberの世界はぜんぜん知らないけど、面白かった。気づいたら最新の4巻まで買ってた。
感想書いてたら長くなったので、続きはブログで。
ブラック企業で心身が病んでいたところを、妹に勧められてvtuberになるお話。VTuberの世界はぜんぜん知らないけど、面白かった。気づいたら最新の4巻まで買ってた。
感想書いてたら長くなったので、続きはブログで。
前世でFPS廃人だった主人公が転生した先は、前世の知識など役に立たない本物の戦場だった……というお話。
これは過酷。死がこんなにも間近で、同僚も仲良くなったら、あるいはなる前に死んでいく。衛生兵としてほんの少しだけ優遇されてるけど、生き残ってるのはたまたまと言ってもいい。前世チートなんてまるでない。
一番キツいのは、この戦争に終わりが見えないことですね。
今日生き残れても、一ヶ月先はわからない。そして10年続いてるなら、10年続くかもしれない。そりゃ諦めの境地になるわ。
まだ、どういう感じに話が進むのかぜんぜんわからないので、続きは読んでみたい。
前世でFPS廃人だった主人公が転生した先は、前世の知識など役に立たない本物の戦場だった……というお話。
これは過酷。死がこんなにも間近で、同僚も仲良くなったら、あるいはなる前に死んでいく。衛生兵としてほんの少しだけ優遇されてるけど、生き残ってるのはたまたまと言ってもいい。前世チートなんてまるでない。
一番キツいのは、この戦争に終わりが見えないことですね。
今日生き残れても、一ヶ月先はわからない。そして10年続いてるなら、10年続くかもしれない。そりゃ諦めの境地になるわ。
まだ、どういう感じに話が進むのかぜんぜんわからないので、続きは読んでみたい。
同級生のゴシップを暴いて恨みを買っていたサイモンが亡くなり、教室に残っていた四人の生徒が容疑者となるお話。
面白い。
容疑者全員が語り手になるので、何かを隠していることはわかるので、それがバレたらというドキドキがもう。
他人から評価されることの価値が、SNS等によって強くなってしまった現代は、レールから外れることに対するプレッシャーが大きいですよね。
でも、爪弾きにされていく彼ら彼女らが、周囲の圧に負けず、手を取り合って前を進む姿は、大変良かった。
最後の方には、お前らのうちの誰かが犯人とか絶対やめてくれと願いたくなるぐらい、好きになっちゃったもんなあ。
同級生のゴシップを暴いて恨みを買っていたサイモンが亡くなり、教室に残っていた四人の生徒が容疑者となるお話。
面白い。
容疑者全員が語り手になるので、何かを隠していることはわかるので、それがバレたらというドキドキがもう。
他人から評価されることの価値が、SNS等によって強くなってしまった現代は、レールから外れることに対するプレッシャーが大きいですよね。
でも、爪弾きにされていく彼ら彼女らが、周囲の圧に負けず、手を取り合って前を進む姿は、大変良かった。
最後の方には、お前らのうちの誰かが犯人とか絶対やめてくれと願いたくなるぐらい、好きになっちゃったもんなあ。
文化祭の出展場所を、抽選ではなくゲームで争うというお話から始まる連作短編5編。
ゲームと言っても難しいものではなく、既存のものに一捻り加えたものばかり。
地雷グリコでは、じゃんけんの「グリコ」に10段下がるという地雷を設置できるというルールが追加されるんだけど、それだけでこんな心理戦になるとは。絶妙な匙加減。マジでカイジ。
坊主めくりの神経衰弱や、じゃんけんにもう一つの手を加える自由律じゃんけんなど、どのゲームもいかに相手を自分のルールに乗せるかというお話で面白い。相手を読み切ったと思った後の逆転に次ぐ逆転劇が痛快だった。
文化祭の出展場所を、抽選ではなくゲームで争うというお話から始まる連作短編5編。
ゲームと言っても難しいものではなく、既存のものに一捻り加えたものばかり。
地雷グリコでは、じゃんけんの「グリコ」に10段下がるという地雷を設置できるというルールが追加されるんだけど、それだけでこんな心理戦になるとは。絶妙な匙加減。マジでカイジ。
坊主めくりの神経衰弱や、じゃんけんにもう一つの手を加える自由律じゃんけんなど、どのゲームもいかに相手を自分のルールに乗せるかというお話で面白い。相手を読み切ったと思った後の逆転に次ぐ逆転劇が痛快だった。
面白い。
何ら情報入れないで読んだので、こんな話になるとは予想外だった。解決らしい解決がないから、最後はモヤっとするけど、とはいえ面白いことに変わりはない。ストーリーテリングだったなあ。ミステリーではなく、SFですね。
何を言ってもネタバレになるので、続きはブログで。
面白い。
何ら情報入れないで読んだので、こんな話になるとは予想外だった。解決らしい解決がないから、最後はモヤっとするけど、とはいえ面白いことに変わりはない。ストーリーテリングだったなあ。ミステリーではなく、SFですね。
何を言ってもネタバレになるので、続きはブログで。
サトリと呼ばれるほどの観察眼を駆使して医師を目指す主人公・蒼を描くシリーズの第二弾。
天涯孤独で差別されながら生きてきた前作とはまったく違う。その反動たるやもう。
城ヶ崎家に嫁ぎ、夫婦となった二人は、お互いがお互いを思って動き、そしてそのことに感謝と感動を覚える。これは側で見る執事の微笑みが止まらなくなるわけですよ。
今回は、吸血鬼騒動に始まり、温泉旅行でほんわかしたと思ったら、蒼の両親に関する事実が見えたりと盛り沢山。どの謎も真実の苦さが痛いけど、立ち向かう蒼の覚悟が素晴らしかった。
これは続けてほしいなあ。
サトリと呼ばれるほどの観察眼を駆使して医師を目指す主人公・蒼を描くシリーズの第二弾。
天涯孤独で差別されながら生きてきた前作とはまったく違う。その反動たるやもう。
城ヶ崎家に嫁ぎ、夫婦となった二人は、お互いがお互いを思って動き、そしてそのことに感謝と感動を覚える。これは側で見る執事の微笑みが止まらなくなるわけですよ。
今回は、吸血鬼騒動に始まり、温泉旅行でほんわかしたと思ったら、蒼の両親に関する事実が見えたりと盛り沢山。どの謎も真実の苦さが痛いけど、立ち向かう蒼の覚悟が素晴らしかった。
これは続けてほしいなあ。
真面目な姉を鬱陶しく思う妹。趣味で反発し合う姉と弟。うまく息子と話せない父。娘の考えていることが理解できない母などなど、家族を描く7編の短編集。
どのお話も価値観とコミュニケーションのズレが、ギクシャクを生んでいていたたまれない。
家族というのは、一番近くにいる他人なわけで、その距離感の難しさたるや。相手を思っていても伝わるとは限らず、相手が何を考えているかわからない。かといって、通じないわけじゃないから、おかしなものですね。
真面目な姉を鬱陶しく思う妹。趣味で反発し合う姉と弟。うまく息子と話せない父。娘の考えていることが理解できない母などなど、家族を描く7編の短編集。
どのお話も価値観とコミュニケーションのズレが、ギクシャクを生んでいていたたまれない。
家族というのは、一番近くにいる他人なわけで、その距離感の難しさたるや。相手を思っていても伝わるとは限らず、相手が何を考えているかわからない。かといって、通じないわけじゃないから、おかしなものですね。
PTSDで休職中の警察官コロンバと、誘拐され11年監禁されていた過去を持つ失踪人捜索のエキスパート・ダンテのコンビが、子どもの失踪事件の調査に駆り出されるお話。
めちゃくちゃ面白かった。
どちらも心に抱えてるものが大きすぎて、捜査どころか日常生活を送ることも難しいのに、そのふたりがコンビを組むんだから、うまくいくわけがない。序盤のすれ違いのじれったさといったら。でも次第にいいコンビになってくるんですよねぇ。
それにしても、上下巻でこんなに話の展開が変わるかね。
PTSDで休職中の警察官コロンバと、誘拐され11年監禁されていた過去を持つ失踪人捜索のエキスパート・ダンテのコンビが、子どもの失踪事件の調査に駆り出されるお話。
めちゃくちゃ面白かった。
どちらも心に抱えてるものが大きすぎて、捜査どころか日常生活を送ることも難しいのに、そのふたりがコンビを組むんだから、うまくいくわけがない。序盤のすれ違いのじれったさといったら。でも次第にいいコンビになってくるんですよねぇ。
それにしても、上下巻でこんなに話の展開が変わるかね。
震災で9人が地下に閉じ込められた矢先に、殺人事件がおきた。脱出の機械を動かすには、犠牲者が必要。ならば犯人が犠牲になるべきでは…という犯人探し。
こんな状況に陥るか?と思いながら読み続けること間違いなし。いや、地下建築に入るという状況以外は、無くはないかもしれないけど、うーん。
というか、ミステリーのお約束を逆に使っているから、ツッコミどころを感じるのかも。
無理を感じるお話なのに、謎はロジカルに解かれていく。最後のどんでん返しが見事。
これは最後の展開を作り出すために、設計されたお話だよなあ。
震災で9人が地下に閉じ込められた矢先に、殺人事件がおきた。脱出の機械を動かすには、犠牲者が必要。ならば犯人が犠牲になるべきでは…という犯人探し。
こんな状況に陥るか?と思いながら読み続けること間違いなし。いや、地下建築に入るという状況以外は、無くはないかもしれないけど、うーん。
というか、ミステリーのお約束を逆に使っているから、ツッコミどころを感じるのかも。
無理を感じるお話なのに、謎はロジカルに解かれていく。最後のどんでん返しが見事。
これは最後の展開を作り出すために、設計されたお話だよなあ。
亡くなった大物政治家の別荘から10億分の外国紙幣が見つかった。どこから入手したものなのか極秘調査するよう依頼を受けたヴィスティング警部だが、その直後に別荘が放火されて……というお話。
「特定の鍵穴に合う鍵を見つける作業が捜査である」とはよく言ったもので、ひとつひとつ可能性を潰し、積み上げたもののおかげで謎が解けるという展開が大変良かった。特に中盤以降、サスペンス展開も加わって目が離せない。もっとセキュリティ意識持てよとは思うけど。
お金の話から犯罪絡みは想像していたけど、思ってもいない方向に話が進んでいって、最後まで面白かった。このシリーズはいいな。
亡くなった大物政治家の別荘から10億分の外国紙幣が見つかった。どこから入手したものなのか極秘調査するよう依頼を受けたヴィスティング警部だが、その直後に別荘が放火されて……というお話。
「特定の鍵穴に合う鍵を見つける作業が捜査である」とはよく言ったもので、ひとつひとつ可能性を潰し、積み上げたもののおかげで謎が解けるという展開が大変良かった。特に中盤以降、サスペンス展開も加わって目が離せない。もっとセキュリティ意識持てよとは思うけど。
お金の話から犯罪絡みは想像していたけど、思ってもいない方向に話が進んでいって、最後まで面白かった。このシリーズはいいな。