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2025年11月25日、ドイツのルーセン造船所(Lürssen Kröger Werft)で建造している前澤友作さんのメガヨット「COSMOS」の海上公試(SEA TRIAL)が開始されました。
前澤友作さんのメガヨット「COSMOS」海上公試開始
前澤友作さんのメガヨット「COSMOS」海上公試開始 2025年11月25日、ドイツのルーセン造船所(Lürssen Kröger Werft)で建造している前澤友作さんのメガヨット「COSMOS」の海上公試(SEA TRIAL)が開始されました。 AIS情報によると、メガヨット「COSMOS」はキール運河沿いのシャハト=アウドルフにあるルーセン造船所を11月25日09時ごろ出港。キール運河を通り、キール湾に出て海上公試を実施。いつまでの予定なのか不明ですが、11月30日時点ではまだ海上公試を実施中でした。 メガヨット「COSMOS」の船体寸法は長さ114.2m、幅18m。 引き渡しは、2026年春の予定。 Lürssenの150周年を記念する特別な「Project Cosmos」 出典:Lürssen 前澤友作さん向けとなるメガヨット建造は「Project Cosmos」と呼ばれており、建造をおこなうルーセン造船所にとっても、150周年を記念する特別なプロジェクトだという。 「Project Cosmos」は、ルーセン造船所で建造する船舶として水素燃料電池を搭載した初めてのメガヨット。従来の内燃機関モードでの航行に必要なディーゼル発電機に加えて、500kWの水素燃料電池2基を搭載。水素からエネルギーを取り出す燃料電池は、水素と酸素の電気化学反応から電気エネルギーを直接取り出すため発電効率が高く、反応時に出る熱を有効利用することで、高い総合エネルギー効率を得ることが可能。さらに、利用段階では二酸化炭素を排出しないという地球環境に優しいという特徴。 船体デザインは、オーストラリアのデザイナーであるマーク・ニューソン氏(Marc Newson)が手掛けている。全長114.2mというボリュームのある船体で特徴的なのは、テラスに面した位置のプライベート書斎として設計された上部の大きなガラスドーム。複雑なガラス工学の技巧を凝らし、厚いガラスの大きな部分を曲げるという特注品のガラスドームは遮るもののない360度のパノラマビューを実現するという。 ガラスのコンセプトはキャビンデッキにも引き継がれ、上層階全体を連続したガラスの帯で覆い、遮るもののない眺望を実現。船首前方にあるヘリポートの下はガラス張りの展望ラウンジがあり、ガラスの手すりが付いたオープンバルコニーから船尾方向へメインデッキを見渡すことが出来る。船尾側の後部デッキには、スイミングプールとジャグジーが備えられている。 【動画】海上公試へ向かうメガヨット「COSMOS」 The brand-new Lürssen megayacht PROJEKT COSMOS from Rendsburg, owned by Japanese multimillionaire Yusaka Maezawa. 📹ships_from_kiel_canal pic.twitter.com/SSj0fWBTkM — Moments that Matter (@_fluxfeeds) November 28, 2025
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December 1, 2025 at 1:01 AM
2025年11月27日18時20分ごろ、山口県防府市野島南方の周防灘でタンカーとプッシャーバージの衝突事故が発生。
周防灘でタンカー「誠徳丸」と「SPINNER II」の衝突事故
周防灘でタンカー「誠徳丸」と「SPINNER II」の衝突事故 テレビ山口の報道情報【2025年11月28日13:46掲載】 5人をヘリでつり上げ救助 野島沖でタンカーとプッシャーパージが衝突 山口・防府 出典: 2025年11月27日18時20分ごろ、山口県防府市野島南方の周防灘でタンカーとプッシャーバージの衝突事故が発生。 テレビ山口の報道情報によると、衝突によりプッシャーバージは押船とバージが切り離され、押船に乗っていた船長を含む5人の乗組員はヘリで救助されたという。切り離されたプッシャーバージの押船とバージは、それぞれが別の山口県内の島に漂着。 タンカーには4人が乗船していましたが、けがはなく、浸水や油の流出も確認されていない。タンカーは自力航行が可能で徳山下松港まで航行。 タンカーの船首とみられる視聴者提供の画像を見ると、衝突により船首部分の外板が破損して内部が見える状態になっており、衝突の激しさが見受けられます。 報道情報およびAIS情報から衝突した船舶を特定 テレビ山口の報道情報では、衝突した2隻の船名は公表されていません。報道情報で明らかになっている2隻に関する情報は以下の通り。 衝突した2隻に関する情報 タンカー:総トン数325トン、長さ約50m、徳山下松港へ航行 プッシャーバージ:押し船は総トン数134トン、長さ約26m。バージには石炭約1050トンを積載。 タンカーは徳山下松港へ航行したという情報があったので、AISで徳山下松港にいるタンカーの総トン数および長さを1隻ずつ調べていくとプロダクトタンカー「誠徳丸」がヒット。 プッシャーバージの方は押船が19トンの小型船舶ではなく、総トン数134トンという情報だったので、押船にAISが搭載されている可能性が高く、衝突事故が起きたエリア周辺で割とすぐに報道情報と合致する押船「SPINNER II」を特定。 プロダクトタンカー「誠徳丸」と押船「SPINNER II」の航跡 プロダクトタンカー「誠徳丸」と押船「SPINNER II」のAIS情報から航跡を調べてみると、報道されている2025年11月27日18時20分ごろ、山口県防府市野島の南方で衝突していました。 確認できる衝突直前の2隻の速力は、プロダクトタンカー「誠徳丸」が7ノット、押船「SPINNER II」が11.2ノット。 正面衝突のようにも見える航跡。海の上では右側通行が原則で2隻の船が真向かいに行き合う場合、”行き合い船の航法” を考えると互いに針路を右へ変更して相手船の左舷側を通過するのがルール。なぜ衝突に至ったのか、それぞれの船でどのような判断をしていたのか、事故原因が気になるところ。 行会い船の航法出典:国土交通省 海難審判所 | 海の交通法規 | 行会い船の航法、横切り船の航法 押船「SPINNER II」 押船「SPINNER II」は衝突後、1~3ノットの速力で東へ漂流。衝突から約9時間後の日付が変わった11月28日03時ごろ、山口県光市沖の大水無瀬島おおみなせじまに漂着して乗揚げ。離礁作業に向けて日本サルヴェージの救助船「早潮丸」が現場に到着し、同日09時ごろ離礁。 「早潮丸」は、約90km(約50海里)離れた福岡県北九州市門司から現場に駆けつけており、基地港の門司を出港したのは27日23時ごろ。事故発生からおよそ4時間40分後には出港という迅速な対応で救難にあたっていました。 バージ 押船から切り離されたバージは、山口県熊毛郡上関町の叶島かのうじまへ漂着、乗揚げ。第六管区海上保安本部は、11月28日13時35分に乗揚げていたバージが撤去されたことを発表。 プロダクトタンカー「誠徳丸」 プロダクトタンカー「誠徳丸」は、事故後に笠戸湾へ航行し、湾内に停泊。テレビ山口の記事に掲載されていた画像は船首アンカーを打っていたので、笠戸湾に停泊した後に撮影されたものと思われます。 第六管区海上保安本部発表の緊急情報 押船の乗揚げ、撤去に関する緊急情報 【緊急情報】【情報更新】乗揚げ船撤去_周防灘(徳山下松港 大水無瀬島付近)(2025年11月28日11時00分 発表)出典:海上保安庁 | 第六管区海上保安本部 バージの乗揚げ、撤去に関する緊急情報
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November 29, 2025 at 1:01 AM
2025年11月27日、ロサンゼルス港の防波堤沖に移動していたコンテナ船「One Henry Hudson」が港内のコンテナターミナルへ移動。
コンテナ船「One Henry Hudson」港内のターミナルへ移動
コンテナ船「One Henry Hudson」港内のターミナルへ移動 2025年11月27日、ロサンゼルス港の防波堤沖に移動していたコンテナ船「One Henry Hudson」が港内のコンテナターミナルへ移動。 アメリカ沿岸警備隊(USCG,United States Coast Guard)は、11月26日にコンテナ船「One Henry Hudson」をロサンゼルス港内のターミナルへ移動させる準備を進めていることを明らかにしていました。港への帰港準備として船体の安定性を評価し、積載しているコンテナのラッシング作業を完了。26日発表の情報によると、ターミナルへ到着した後、「One Henry Hudson」に積まれているコンテナの荷降ろしと消火活動で船内に溜まった水を除去する作業がおこなわれる予定。消火で使用した水はすべて貨物室内に封じ込められており、船内の使用済み消火用水は沿岸警備隊の監督下で降ろされ、バージやトラックで廃棄物受容施設へ運ばれ処理されるという。 消火活動で船内に溜まった水出典:U.S. Coast Guard コンテナ船「One Henry Hudson」のAIS情報によると、防波堤沖の停泊場所から移動が始まったのは11月26日22時ごろ(現地時間)。23時ごろ、ヴィンセント・トーマス橋を通過。火災発生時に係留していた場所から北東へ約900mの位置へ到着したのは、日付が変わった27日04時ごろ。 火災は封じ込められた状態(鎮圧) 出典:U.S. Coast Guard 11月25日に発表されたアメリカ沿岸警備隊のプレスリリースでは、”fire contained(火災は封じ込められた)” と記載されています。日本語で言うと「鎮火」ではなく「鎮圧」という意味合いのようです。 というのも、コンテナを開けて確認することが出来ないため、”fire is completely out(火は完全に消えた)” ことを確認できず、リスクは残っているという。 11月25日09時に火災を「鎮圧」し、消火活動を停止。再点火や熱信号が検出されないことを確かめるため、待機期間を設けるとしていました。「鎮圧」確認からコンテナ船「One Henry Hudson」移動開始までの時間は37時間。 「鎮圧」と「鎮火」の違い 「鎮圧」:火の勢いが弱まり制御可能になった状態 「鎮火」:火が完全に消え、消火活動が不要になった状態 コンテナ船「One Henry Hudson」 コンテナ船「One Henry Hudson」出典:MarineTraffic | Vincent de Koning 日本海事協会(ClassNK)に登録されているコンテナ船「One Henry Hudson」のRegister of Ship…
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November 28, 2025 at 1:00 AM
ドイツ沖の北海に建設中の洋上風力発電所「Nordseecluster A」で洋上変電所基礎2基の設置が完了しました。これにより風力タービン基礎のモノパイル全44基を含む「Nordseecluster A」の基礎設置作業が完了。
ドイツ沖の「Nordseecluster A」洋上変電所基礎2基設置
ドイツ沖の「Nordseecluster A」洋上変電所基礎2基設置 洋上変電所基礎の設置作業(左)ジャケット式 と(右)モノパイル式のトランジションピース出典:LinkedIn | Sven Utermöhlen(CEO of RWE Offshore Wind) ドイツ沖の北海に建設中の洋上風力発電所「Nordseecluster A」で洋上変電所基礎2基の設置が完了しました。これにより風力タービン基礎のモノパイル全44基を含む「Nordseecluster A」の基礎設置作業が完了。 「Nordseecluster offshore wind project」は、15MWの風力タービン44基で構成される660MWの「Nordseecluster A」および60基で構成される900MWの「Nordseecluster B」という2段階で建設が計画されている。 「Nordseecluster A」に洋上変電所を1基ではなく2基設置する理由は、エリアが離れているためだと思われます。基礎構造がジャケット式とモノパイル式で異なっているのは、トップサイドの重量や形状、設置場所の地盤条件によるものだと思いますが、定かではありません。 設置を完了した洋上変電所基礎(左)ジャケット式 と(右)モノパイル式出典:LinkedIn | Sven Utermöhlen(CEO of RWE Offshore Wind) 世界最大のクレーン船「Sleipnir」による設置作業 出典:Heerema Marine Contractors 「Nordseecluster A」で洋上変電所基礎のジャケットとモノパイル式のトランジションピースを設置したのは、Heerema Marine Contractorsが所有する世界最大の20,000トン吊りクレーン船「Sleipnir」。 Heerema Marine Contractorsの情報によると、ジャケット重量は1,950トン、トランジションピースの重量は830トン。冬季の厳しい海象条件の中、困難な気象状況の合間を縫って作業を進め、スケジュール通りに設置を完了したという。LinkedInに投稿された画像では、雪かみぞれのようなものが降る甲板上を作業関係者が歩く様子を紹介しています。見ているだけで寒そう。お疲れさまでした。 「Sleipnir」による洋上変電所基礎設置で作業にあたった作業員は約290人。2基の洋上変電所トップサイドは、2026年に設置予定。 出典:Heerema Marine Contractors Nordseecluster offshore wind project…
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November 27, 2025 at 1:01 AM
2025年11月18日、江蘇省揚中市にある江蘇大津重工で煙台サルベージ局(Yantai Salvage Bureau)向けとなる5,000トン吊りクレーン船の着工式がおこなわれ、建造を開始しました。
煙台サルベージ局の5,000トン吊りクレーン船建造着工
煙台サルベージ局の5,000トン吊りクレーン船建造着工 出典:天海融合防务装备技术股份有限公司 2025年11月18日、江蘇省揚中市にある江蘇大津重工で煙台サルベージ局(Yantai Salvage Bureau)向けとなる5,000トン吊りクレーン船の着工式がおこなわれ、建造を開始しました。 式典には、煙台サルベージ局、中国船舶集団有限公司第七0八研究所、中国船級協会江蘇支社、中国船級協会鎮江事務所、武漢船用机械有限責任公司、天海融合防務装備技術股份有限公司など、関係各社の幹部が出席。 江蘇大津重工と武漢船用机械は、これまでに1,300トン吊りクレーン船「铁建大桥起2」や1,800トン吊りSEP起重機船「港航平5」の建造で協力体制を構築しており、今回のプロジェクトを強力に支えているという。 建造スケジュール、完成・引き渡し時期は不明。 サルベージ作業以外に洋上風力関連の作業も可能 煙台サルベージ局向け5,000トン吊りクレーン船(完成イメージ)出典:天海融合防务装备技术股份有限公司 建造を開始した5,000トン吊りクレーン船の船体寸法や詳細性能などは公表されていない。完成イメージを見る限り、際立った特長は見受けられませんが天海防務の掲載情報には ”最大揚重能力6,000トン” という記載があるので船尾固定吊りだと5,000トンを超えるクレーン能力があるのかも。 基本的には救助を含むサルベージ作業を目的に建造されるようですが、石油・ガス産業や洋上風力発電産業におけるモジュール、ジャケット、モノパイル、洋上変電所などの設置に関する施工要件を満たしており、プラットフォーム運用支援や潜水支援などの機能も備えているという。
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November 27, 2025 at 1:01 AM
2025年11月22日、Dajin Heavy Industry(大金重工)はSkyborn Renewablesとドイツ沖の「Gennaker Offshore Wind Farm」向けトランジションピース供給について、契約を締結したと発表。
大金重工がドイツ沖「Gennaker」のトランジションピース供給契約締結
大金重工がドイツ沖「Gennaker」のトランジションピース供給契約締結 出典:Dajin Heavy Industry 2025年11月22日、Dajin Heavy Industry(大金重工)はSkyborn Renewablesとドイツ沖の「Gennaker Offshore Wind Farm」向けトランジションピース供給について、契約を締結したと発表。 「Gennaker Offshore Wind Farm」は、ドイツのフィッシュラント=ダルス=ツィングシュト半島から北へ約15kmのバルト海でSkyborn Renewablesが開発を進めており、Siemens Gamesa製の風力タービン「SG 14-236 DD」63基と洋上変電所2基を設置する計画。総発電容量は976.5MW。運転開始予定は2028年。 大金重工は、発表情報でSkyborn RenewablesのCEO Patrick Lammers氏のコメントを掲載。「大金重工と共に建設段階を進めることを大変嬉しく思います。同社の実績ある製造経験と安定した信頼性の高い納入実績は、Gennakerプロジェクトの成功を確実なものにしてくれるでしょう」と述べている。 Gennaker Offshore Wind Farm 名称 Gennaker Offshore Wind Farm 設置位置 ドイツ フィッシュラント=ダルス=ツィングシュト半島から北へ約15km 発電容量 976.5MW 基礎構造 着床式、モノパイル タービンメーカー Siemens Gamesa 風力タービン 9MW → SG 14-236 DD 設置基数 103基 → 63基 運転開始 2028年 事業者 Skyborn Renewables その他 洋上変電所2基
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November 26, 2025 at 1:01 AM
2025年11月19日、天海融合防務装備技術股份有限公司の子会社にあたる江蘇大津重工有限公司が湛江湾実験室向けに建造した養殖プラットフォーム「湛江湾1号」(ZhanJiang Bay 1)の引き渡しがおこなわれました。
DPSを搭載した養殖プラットフォーム「湛江湾1号」引き渡し
DPSを搭載した養殖プラットフォーム「湛江湾1号」引き渡し 出典:天海融合防务装备技术股份有限公司 2025年11月19日、天海融合防務装備技術股份有限公司の子会社にあたる江蘇大津重工有限公司(Jiangsu Dajin Heavy Industry)が湛江湾実験室(Zhanjiang Bay Laboratory)向けに建造した養殖プラットフォーム「湛江湾1号」(ZhanJiang Bay 1)の引き渡しがおこなわれました。 養殖プラットフォーム「湛江湾1号」の船体寸法は全長154m、幅44m、深さ24.25m。船内には12の独立した養殖エリアを備えており、複数種の同時養殖も可能。養殖水域は8万m3で年間生産能力は2,000トン。 建造が開始されたのは、2024年4月。その後、2025年3月に船体の進水式がおこなわれていました。建造期間は約1年7カ月。 出典:天海融合防务装备技术股份有限公司 DPSと自律航行システムを搭載 出典:天海融合防务装备技术股份有限公司 養殖プラットフォーム「湛江湾1号」は、船首にトンネルスラスター2基、船尾にアジマススラスター2基を装備しており、自航式でDP-1のDPS(Dynamic Positioning System:自動船位保持装置)を搭載。さらに、自律航行システムを備えているという。 DPS搭載により、アンカーを使用して係留する従来のプラットフォームでは困難だった水深の深い海域でも長時間運用が可能となり、養殖可能海域の拡大を実現。自航式という特長から洋上を巡航して養殖することも可能で、従来のプラットフォームのように長期間一定の場所で養殖するために係留することもできる。 船上には太陽光発電パネルと垂直軸風力タービンが設置されており、発電したクリーンエネルギーは船内電力として最大限活用。 船級登録されている船名は「粤坡渔养90001」 理由は分かりませんが、「湛江湾1号」というのは公式の船名ではないようです。 養殖プラットフォーム「湛江湾1号」(ZhanJiang Bay 1)は中国船級社(China Classification Society)で船級登録されており、登録されている船名は「粤坡渔养90001」(YUE PO YU YANG 90001)。 何なんでしょうね?10万トン級スマート漁業養殖船「国信1号」の時も「鲁即渔养60616」(LU JI YU YANG 60616)という船名で登録されていました。不思議。 養殖プラットフォーム「粤坡渔养90001」の概要 出典:X | Charming Zhanjiang(@ZhanjiangCN) 中国船級社に登録されている養殖プラットフォーム「粤坡渔养90001」のRegister of Ship Owner(船主):Southern Marine Science and Engineering Guangdong Laboratory(Zhanjiang) Manager(管理会社):Zhanjiang Longwang Bay Sea Farming Technology Co., Ltd. Shipbuilder(建造):Jiangsu Dajin Heavy Industry Co., Ltd. 登録情報で船主に記載されているSouthern Marine Science and Engineering Guangdong Laboratory(Zhanjiang)(南方海洋科学与工程广东省实验室(湛江))は、湛江湾実験室(Zhanjiang Bay Laboratory)の正式名称。 船名 粤坡渔养90001
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November 26, 2025 at 1:01 AM
2025年10月23日、DENZAI 株式会社(本社:東京都港区)は2台目となるドイツのLiebherr製クローラークレーン「LR12500-1.0」の購入決定を発表しました。
DENZAIがリープヘル2,500トン吊りCC2号機を発注
DENZAIがリープヘル2,500トン吊りCC2号機を発注 出典:DENZAI 2025年10月23日、DENZAI 株式会社(本社:東京都港区)は2台目となるドイツのLiebherr製クローラークレーン「LR12500-1.0」の購入決定を発表しました。 今回導入する2号機は、Liebherr社がCometto社と共同開発したバラストワゴン(MBW)仕様の世界初の機体であり、DENZAI専用に設計されている。このMBW仕様により、DENZAIはCometto社製MSPE 60トン自走式多軸台車(SPMT)をバラストワゴンとして運用可能になるという。 DENZAIはプレスリリースで重量物吊り上げ能力をさらに強化し、日本国内外における洋上風力発電プロジェクトや大規模発電所建設において、競争力を高める一助になると述べています。 2号機のクローラークレーン「LR12500-1.0」は、2026年3月に日本納入予定。 出典:DENZAI 1号機は韓国のS-Oil Shaheenプロジェクトで稼働中 2024年4月に導入が発表されたLiebherr製クローラークレーン「LR12500-1.0」の1号機。 2024年9月に輸送のためパーツに分解した状態で韓国に到着。現地での組立後、2024年11月からS-OIL Shaheenプロジェクトで稼働を開始。 DENZAIはSNSにS-OIL Shaheenプロジェクトで作業するクローラークレーン「LR12500-1.0」を多く投稿していて、これまでの作業で最も重量が大きかったのは、1,160.5トンのリアクター。韓国でクローラークレーンによる据付作業として過去最重量だという。 クローラークレーン「LR12500-1.0」によるリアクター設置(重量:1160.5トン)出典:DENZAI プロピレン分留塔の吊り上げ(重量:938トン) DENZAIのLR12500が938トンのプロピレン分留塔を持ち上げる迫力のシーンをお届け。#ドローン と #タイムラプス でとらえた映像をどうぞご覧ください。#DENZAI #重機 #クレーン pic.twitter.com/ZbEcBrcH9U — DENZAI【公式】 (@DenzaiGroup) July 31, 2025 秋田県沖の洋上風力発電事業へ向けて秋田支店を開設 出典:DENZAI 2025年10月14日、秋田県は洋上風力発電事業が進展する秋田県での建設工事参入に加え、将来的に日本海側における風車建設やO&Mの拠点とするべくDENZAIを誘致企業に認定し、立地協定締結を発表。 秋田県が公表している誘致企業の概要によると、秋田港(秋田市飯島古道下川端)に開設するDENZAI秋田支店の操業開始時期は2026年4月1日。用地約36,000m2、建物約500m2、総投資額は約85億5,000万円。 報道されている情報では、秋田港内に2,500トン吊りクローラークレーンを設置し、風力タービンのタワーやブレードを組み立てをおこなう予定であることが報じられており、2号機の「LR12500-1.0」は秋田に配置される可能性が高そう。日本国内で活躍が見られるのは嬉しい。
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November 25, 2025 at 1:00 AM
2025年11月19日、CNOOD Wechong Heavy Industries(CWHI)はスコットランド沖の「Inch Cape Offshore Wind Farm」向けとなるトランジションピース15基の出荷を発表しました。
CWHIが「Inch Cape」向けトランジションピース15基出荷
CWHIが「Inch Cape」向けトランジションピース15基出荷 出典:CWHI 2025年11月19日、CNOOD Wechong Heavy Industries(CWHI)はスコットランド沖の「Inch Cape Offshore Wind Farm」向けとなるトランジションピース15基の出荷を発表しました。 「Inch Cape Offshore Wind Farm」は、スコットランドのアンガス海岸から15km沖合の北海にVestas製の15MW風力タービン72基を設置する計画で総発電容量は1.1GW。風力タービン基礎はモノパイル基礎54基、ジャケット基礎18基という2種類の基礎を採用している。 「Inch Cape Offshore Wind Farm」の事業者であるRed Rock PowerとESBの合弁会社 Inch Cape Offshore Limitedからトランジションピース製造を請け負っているのは、CWHIとCOOEC Fluor Heavy Industries(CFHI)。CWHIはトランジションピース30基の製造を担当。 トランジションピースは外径8.3m、最大高さ28m、重量約600トン。15基分で約9,000トン、輸送架台などを含めると10,000トン以上あるかもしれない巨大なトランジションピースを中国からスコットランドへ輸送するのは、広州サルベージ局(Guangzhou Salvage)の半潜水式運搬船「HUA SHENG LONG」(华盛龙)。大時化に遭遇してしまうと架台ごと倒れてしまいそうで少し心配。 出典:CWHI 半潜水式運搬船「HUA SHENG LONG」(华盛龙) 半潜水式運搬船「HUA SHENG LONG」出典:CWHI
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November 25, 2025 at 1:00 AM
2025年11月18日、アメリカのNTSB(国家運輸安全委員会)はコンテナ船「DALI」がフランシス・スコット・キー橋へ衝突して橋を崩落させた事故について、コンテナ船内の配線1本の緩みが原因で停電が発生したと報告。
橋を崩落させたコンテナ船「DALI」衝突事故、原因は配線の緩み
橋を崩落させたコンテナ船「DALI」衝突事故、原因は配線の緩み 出典:National Transportation Safety Board 2025年11月18日、アメリカのNTSB(National Transportation Safety Board:国家運輸安全委員会)はコンテナ船「DALI」がフランシス・スコット・キー橋へ衝突して橋を崩落させた事故について、コンテナ船内の配線1本の緩みが原因で停電が発生したと報告。 11月18日にNTSB本部でおこなわれた公開会議。そこで調査官は、一連の出来事が起こるきっかけとなった原因について、船内電気系統の緩んだ配線によりブレーカーが予期せず作動したことを挙げ、その結果、フランシス・スコット・キー橋付近でコンテナ船「DALI」が全灯火停止し、推進力と操舵力の両方を失ったと述べた。 なぜ、配線が緩んだのか? 配線が緩んだ原因については、配線ラベルのバンドが端子台のスプリングクランプゲートへの配線の完全な挿入を妨げ、接続不良を引き起こしたという。 配線ラベルのバンド配置が端子台への配線固定方法に及ぼす影響 (左)配線ラベルバンドの正しい取り付け方法 と(右)コンテナ船「DALI」における配線ラベルバンドの取り付け方法出典:National Transportation Safety Board NTSBはプレスリリースで ”配線ラベルバンドの配置が端子台への配線固定方法に及ぼす影響を示す図” を公表しています。 図に示されている配線ラベルバンドの取り付け位置は、正しい方法だとカラーより上の位置になっているのに対して、コンテナ船「DALI」の方はカラーの大部分を覆うように配線ラベルバンドが取りけられているため配線がスプリングゲートへ完全に挿入されていない状態。 注釈を日本語に翻訳した ”配線ラベルバンドの配置が端子台への配線固定方法に及ぼす影響を示す図” 【日本語翻訳 Ver.】(左)配線ラベルバンドの正しい取り付け方法 と(右)コンテナ船「DALI」における配線ラベルバンドの取り付け方法出典:National Transportation Safety Board NTSBの委員長Jennifer Homendyは、”私たちの調査員は日常的に不可能を可能にしており、今回の調査も例外ではありません” と述べた上で ”コンテナ船「DALI」は全長約300メートルで、エッフェル塔の高さと同じくらいの長さがあり、何マイル(1国際マイル=1609.344m)もの配線と何千もの電気接続部があります。この1本の配線を見つけるのは、エッフェル塔の緩んだリベットを探すようなものでした。” と述べており、途方もない調査だったことを表現している。 委員長Jennifer Homendyはコンテナ船「DALI」の事故に関して、NTSBが調査するすべての事故と同様に防ぐことができた事故だったとして、今回の調査においてNTSBの勧告を実施することで、将来同様の悲劇を防ぐことができると述べています。 調査の一環として、NTSBは3月にアメリカ全土の橋梁における大型船舶の衝突に対する脆弱性に関する初期報告書を発表。報告書によると、メリーランド州運輸局をはじめとする外航船舶が航行する水路に架かる橋梁所有者の多くは、米国全州道路交通運輸行政官協会(AASHTO,American Association of State Highway and Transportation Officials)が長年にわたり大型船舶の衝突に対するリスク評価を実施するよう推奨してきたにもかかわらず、船舶の衝突が自らの構造物に及ぼす潜在的なリスクを認識していなかった可能性が高いことが判明。 NTSBは、初期報告書で特定された30の橋梁所有者に書簡を送付し、橋梁のリスク評価と必要に応じてリスク低減計画を策定するよう促したという。その後、すべての受領者から回答があり、各勧告の状況はNTSBのウェブサイトで公開されています。 調査の結果、NTSBは米国沿岸警備隊(US Coast Guard)、米国連邦道路局(US Federal Highway Administration)、米国州間道路交通局(AHSA)、日本海事協会(ClassNK)、米国国家規格協会(ANSI,American National Standards Institute)、ANSI認定建設解体作業安全基準委員会A10、HD Hyundai Heavy Industries、Synergy Marine、電気部品メーカーのWAGO Corporation、そして全米の複数の橋梁所有者に対し、新たな安全勧告を発行。
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November 24, 2025 at 1:00 AM
2025年11月21日、アメリカ西海岸のカリフォルニア州ロサンゼルス港に停泊していたコンテナ船「One Henry Hudson」で火災が発生。
ロサンゼルス港でコンテナ船「One Henry Hudson」火災発生
ロサンゼルス港でコンテナ船「One Henry Hudson」火災発生 出典:Los Angeles Fire Department 2025年11月21日、アメリカ西海岸のカリフォルニア州ロサンゼルス港に停泊していたコンテナ船「One Henry Hudson」で火災が発生。 ロサンゼルス市消防局(LAFD,Los Angeles Fire Department)の発表情報によると、火災発生は11月21日18時38分。火災はデッキ下の複数の階層で発生し、そのほとんどはアクセス不可能な場所だったという。同日20時ごろ、船体中央部で爆発が発生して船内照明とクレーン電源を喪失。船体は傾くことなく安定した状態でしたが、爆発および火災の影響を受けた複数の区画で危険物質が検出されたため、LAFDの危険物処理チームが継続的な大気監視を実施。煙の測定値は正常範囲内に留まっていましたが、万全を期すために統合司令部はサンペドロとウィルミントンの住民に対し、予防的な屋内退避命令を発令。船内状況が悪化したため、統合司令部は全消防隊員に船外への退避を命じ、消火活動はマスターストリームと呼ばれる長距離放水が可能な先端ノズルを用いて安全な距離から継続。 11月22日03時ごろ、統合司令部の各機関はコンテナ船「One Henry Hudson」をロサンゼルス港からヴィンセント・トーマス橋を通過して沖合へ曳航するための作業を調整。その間も消火活動や監視作業は継続。同日04時43分、コンテナ船「One Henry Hudson」はエンジェルズ・ゲート灯台(Angel's Gate Lighthouse)付近の岸から約1マイル(約1.6km)に移動を完了。まだ火災は鎮火していないため、消火活動は継続される見込みだという。 火災による負傷者は報告されていない。コンテナ船「One Henry Hudson」が港外へ移動したことにより周辺住民に対する屋内退避命令はすべて解除されている。 コンテナ船「One Henry Hudson」で火災が発生する前の動静は、11月7日に東京を出港し、11月19日にロサンゼルス港到着。火災原因はまだ特定されていませんが、つい2週間前に東京を出港した船舶で火災が起きていることから、日本国内の港で同様の事故が起こる可能性は十分考えられる。 沖へ移動した後も消火活動をおこなう様子 出典:U.S. Coast Guard 出典:U.S. Coast Guard 出典:U.S. Coast Guard コンテナ船「One Henry Hudson」 コンテナ船「One Henry Hudson」出典:MarineTraffic | Vincent de Koning 日本海事協会(ClassNK)に登録されているコンテナ船「One Henry Hudson」のRegister of Ship Owner(船主):F.J. LINES INC.
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November 24, 2025 at 1:00 AM
2025年11月19日現地時間20時ごろ、韓国南西部の全羅南道新安郡でフェリー「QUEEN JENUVIA II」(全長169.9m)が無人島に座礁する事故発生。
韓国で乗員乗客267人を乗せたフェリーが座礁、約6時間後に離礁
韓国で乗員乗客267人を乗せたフェリーが座礁、約6時間後に離礁 2025年11月19日現地時間20時ごろ、韓国南西部の全羅南道新安郡でフェリー「QUEEN JENUVIA II」(全長169.9m)が無人島に座礁する事故発生。 フェリー「QUEEN JENUVIA II」は、済州港を出港して木浦港へ向かって航行中に座礁。事故当時、船には乗客246人、乗員21人の合わせて267人が乗船しており、重傷者はでなかったものの乗客27人が頭痛や腰痛などの軽傷を負い、病院に搬送された。その他の乗客も韓国海洋警察の救助艇などを通じて全員が座礁したフェリーから救助。事故後の対応は迅速で最初の救助船は20分以内に到着し、23時15分ごろ(事故発生から約3時間後)までに乗客全員が避難したという。 座礁したフェリー「QUEEN JENUVIA II」を離礁させるため、複数のタグボートが現場へ投入され、日付が変わった11月20日02時35分ごろ、深夜の満潮時刻に合わせて離礁に成功。座礁による大きな船体損傷や浸水が確認されなかったことから、20日05時44分ごろ自力航行で木浦港へ入港。 自動操舵で携帯電話を見ていたことが座礁原因とみられている フェリー「QUEEN JENUVIA II」が座礁した周辺海域をGoogleマップで見てみると、大小いくつかの島々が点在している。さらに事故海域は沿岸旅客船の航路が密集する狭い水路となっており、韓国海洋警察はフェリーの変針が遅れたことで事故が起きたとみている。 事故当時、操舵室にいた一等航海士が携帯電話を見ていたため、自動操舵から手動に切り替える操作が遅れたことが海洋警察の捜査で判明。一等航海士は当初、操舵機が動かなかったと虚偽の説明をしていましたが、現在は「携帯電話でニュースを見ていた」と容疑を認めている。 韓国海洋警察は一等航海士と操舵手を重過失致傷の疑いで拘束したという。 フェリー「QUEEN JENUVIA II」 フェリー「QUEEN JENUVIA II」出典:SEAWORLD EXPRESS FERRY 船名 QUEEN JENUVIA II 総トン数 26,546トン 載貨重量トン数 6,499トン 長さ 169.9m 幅 26m 深さ 14.45m 旅客定員 1,010人 速力 23ノット 船籍 韓国 建造年 2021年11月 Korean Register(韓国船級協会)に登録されているフェリー「QUEEN JENUVIA II」の情報 Owner(船主):KOREAN COSTAL FERRY S.A. Manager(運航会社):SEAWORLD EXPRESS FERRY CO., LTD. Shipbuilder(建造):HYUNDAI MIPO DOCKYARD CO., LTD.
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November 21, 2025 at 1:00 AM
2025年11月19日18時30分ごろ、豊後水道でオレンジフェリーの「おれんじ四国」(全長119.9m)とパナマ船籍のばら積み貨物船「RUBINA」(全長229m)が衝突する事故発生。
豊後水道でフェリー「おれんじ四国」と貨物船「RUBINA」衝突
豊後水道でフェリー「おれんじ四国」と貨物船「RUBINA」衝突 両船のAIS情報による航跡 2025年11月19日18時30分ごろ、豊後水道でオレンジフェリーの「おれんじ四国」(全長119.9m)とパナマ船籍のばら積み貨物船「RUBINA」(全長229m)が衝突する事故発生。 事故当時、フェリー「おれんじ四国」は17時35分に大分県の臼杵港を出港して愛媛県の八幡浜港へ向かっており、ばら積み貨物船「RUBINA」は11月3日にオーストラリアのニューカッスルを出港して山口県の宇部へ向かっていた。 報道されている情報によると、フェリー「おれんじ四国」には乗客32人、乗組員11人が乗っており、ばら積み貨物船「RUBINA」には20人が乗船していましたが、ケガ人はいないとう。両船ともに衝突による浸水や油の流出は確認されていない。 AIS情報によると、ばら積み貨物船「RUBINA」は衝突した海域近くに留まっており、フェリー「おれんじ四国」は21時ごろに八幡浜港へ到着。 運航する九四オレンジフェリー株式会社は、事故後に公式サイト上でお知らせを発表しており ”トラブルのため” とした上で「おれんじ四国」と「おれんじ九州」の2隻が1日14便運航している八幡浜港-臼杵港の定期航路を一部発着時刻変更と6便休航する旨を発表しています。 両船のAIS情報 フェリー「おれんじ四国」の航跡出典:marinetraffic ばら積み貨物船「RUBINA」の航跡出典:marinetraffic marinetrafficで両船の航跡を確認。そして、航跡画像を重ね合わせ。 両船の航跡画像を重ね合わせたもの 衝突したと思われる両船の航跡が重なる時刻は、11月19日18時25分。その時点の速力はフェリー「おれんじ四国」が17.1ノット、ばら積み貨物船「RUBINA」が11ノット。 フェリー「おれんじ四国」は衝突前に針路の変更はほぼ確認できません。一方、ばら積み貨物船「RUBINA」は18時00分ごろ(衝突25分前)に右舷方向へ舵を切り北西進から北東進へ、さらに18時12分ごろ左舷方向へ舵を切って北東進から北進へと針路を変更。北進するまでは6~8ノットでしたが、北進し始めてから速力をあげているのが確認できました。 衝突した2隻以外にも周辺を航行していた船舶が関係している可能性もありそうですが、衝突原因およびどのような経緯で衝突に至ったのかは現段階では分かりません。 大分海上保安部が事故の原因を調べているそうです。 フェリー「おれんじ四国」 フェリー「おれんじ四国」出典:marinetraffic | kawasaki 船名 おれんじ四国 総トン数 2,918トン 長さ 119.9m 幅 16.4m 深さ 6m 搭載能力 (乗用車) 37台 (8t積みトラック)37台 旅客定員 485人 速力 19.85ノット 船籍 日本 建造年 2008年4月 ばら積み貨物船「RUBINA」 ばら積み貨物船「RUBINA」出典:marinetraffic | ultrabarqueros 船名 RUBINA 総トン数 44,618トン 載貨重量トン数 82,384トン 長さ 229m 幅 32.26m 深さ 20.2m 船籍 パナマ 建造年 2022年4月 日本海事協会(ClassNK)に登録されているばら積み貨物船「RUBINA」のRegister of Ship Owner(船主):EVER BRIGHT SHIPPING, S.A. Manager(運航会社):TOSHIN KISEN CO., LTD. Shipbuilder(建造):JAPAN MARINE UNITED CORPORATION, TSU SHIPYARD
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November 20, 2025 at 1:02 AM
2025年11月13日、ポーランド沖に建設が進められている「Baltic Power offshore wind farm」でポーランド国内製造のナセルを搭載したVestasの15MW風力タービン「V236-15.0MW」3基が設置されました。
「Baltic Power」でポーランド国内製造のナセル設置
「Baltic Power」でポーランド国内製造のナセル設置 (左)設置完了したポーランド国内製造のナセル と(右)シュチェチンにあるVestasのナセル組立工場出典:Baltic Power 2025年11月13日、ポーランド沖に建設が進められている「Baltic Power offshore wind farm」でポーランド国内製造のナセルを搭載したVestasの15MW風力タービン「V236-15.0MW」3基が設置されました。 ナセルが製造されたのはポーランド北西部の西ポモージェ県シュチェチン(Szczecin)にあるVestasの生産施設。バルト海に面し、ドイツとの国境沿いに位置するシュチェチンのナセル組立工場では「Baltic Power offshore wind farm」に設置する76基の風力タービンのうちいくつかのナセルを供給する予定。 Vestasがシュチェチンでナセル組立工場の建設を発表したのは、およそ3年前にあたる2022年10月。ポーランド初となるVestasのナセル組立工場では、600人以上の従業員が雇用されている。この他にVestasはシュチェチンに2026年操業開始予定のブレード製造工場設立計画を明らかにしていましたが、2025年10月に計画中止を発表しています。 Baltic Powerの掲載情報によると、シュチェチンの工場で製造したナセル以外にも「Baltic Power offshore wind farm」の主要部品を現地製造しているという。洋上変電所の上部構造、陸上ケーブル、トランジションピースなどを現地製造しており、プロジェクト期間全体における現地調達率は21%を超えると見込まれている。 風力タービン設置は2025年7月に開始 出典:Baltic Power ポーランド国内製造のナセル設置は今回が初めてですが、風力タービンの設置作業はCadelerの1,600トン吊りSEP起重機船「Wind Osprey」により2025年7月から開始されています。 風力タービン基礎のモノパイル設置作業は、Van Oordの特殊杭打ち船「Svanen」で施工がおこなわれ、2025年2月に最初の設置作業が完了。 【動画】シュチェチンのナセル組立工場からの出荷 15MW風力タービンのナセルとハブを近くで見るとその巨大さが伝わってくる。 シュチェチンの工場で製造したナセルを場内の門型クレーンを使用してUNITED WIND LOGISTICSの重量物運搬船「VESTVIND」へ積み込む様子を見ると、整った設備で安全に作業しているという印象を受けます。 Baltic Power Offshore Wind Farm 名称 Baltic Power Offshore Wind Farm 設置位置 ポーランド沖合23kmのバルト海 発電容量 1,140MW 基礎構造 着床式、モノパイル タービンメーカー Vestas 風力タービン 15MW「V236-15.0MW」 設置基数 76基 運転開始 2026年 事業者 PKN ORLENとNorthland Powerの合弁会社 その他 洋上変電所2基(モノパイル基礎)
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November 19, 2025 at 1:01 AM
2025年11月14日、Ørstedはドイツの大手エネルギーインフラ資産運用会社Luxcaraと新技術の高圧ジェットを使用した低騒音モノパイル設置工法「Osonic」について優先サプライヤー契約を締結したと発表しました。
高圧ジェットを使用した低騒音モノパイル設置工法「Osonic」
高圧ジェットを使用した低騒音モノパイル設置工法「Osonic」 2025年11月14日、Ørstedはドイツの大手エネルギーインフラ資産運用会社Luxcaraと新技術の高圧ジェットを使用した低騒音モノパイル設置工法「Osonic」について優先サプライヤー契約を締結したと発表しました。 Ørstedによると、低騒音ジェット式モノパイル設置工法「Osonic」にとって初の優先サプライヤー契約であり、同技術の商用展開に向けた第一歩になるという。この設置工法は水中騒音を大幅に低減し、ドイツ湾の暗騒音をわずかに上回るレベルを実現するとともに、コスト削減も実現。Luxcaraがドイツで展開する洋上風力発電ポートフォリオ全体の洋上風力タービン基礎に使用される予定。 油圧ハンマー、バイブロハンマーを使用しないモノパイル設置工法 出典:Ørsted 低騒音ジェット式モノパイル設置工法(low-noise jetting-based monopile installation method)という「Osonic」では、油圧ハンマーやバイブロハンマーといった一般的なモノパイル設置で使用する打設機械を使わず、高圧ジェットにより海底地盤の抵抗を一時的に低減してモノパイルの自重で所定の高さまで下げるという驚くべき工法。 従来の杭打ち工法に代わる低騒音の代替工法として過去数年にわたりØrstedは技術開発を進め、2024年7月にドイツ沖の洋上風力発電所「Gode Wind 3」で風力タービン23基のうち3基のモノパイル設置に低騒音ジェット式モノパイル設置工法「Osonic」を導入したと発表。結果は最も一般的な設置工法と比較して、水中騒音レベルが99%低減されたという。 Luxcaraはプレスリリースの中で、2022年に様々な低騒音洋上設置方法の検討を開始し、今回Ørstedとの優先サプライヤー契約締結について大変嬉しく思うとした上で、ドイツ沖の北海という「Gode Wind 3」での導入実績がLuxcaraの進めるプロジェクトと同等条件下での実証済み性能であるということが決定的な要因になったと述べています。 Luxcaraは、ドイツで1.5GWの「Waterekke」と300MWの「Waterkant」洋上風力発電プロジェクトを開発中。 【動画】「Gode Wind 3」での「Osonic」によるモノパイル設置 モノパイルの運搬・建て込みをおこなったのは、Jan De Nulの5,000トン吊りクレーン船「Les Alizés」。そして、モノパイル設置場所で搭載したパイルグリッパーにより相番をおこなっているのは、1,000トン吊りSEP起重機船「JB 117」。
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November 18, 2025 at 1:01 AM
韓国のHanwha Oceanは、Cadeler向けに建造しているM-class2隻目のSEP起重機船「Wind Mover」(建造番号 No.3307)が海上公試(SEA TRIAL)を完了したと発表しました。2025年第4四半期に引き渡し予定なので完成間近。
韓国で建造中のSEP起重機船「Wind Mover」海上公試完了
韓国で建造中のSEP起重機船「Wind Mover」海上公試完了 SEP起重機船「Wind Mover」出典:Hanwha Ocean 韓国のHanwha Oceanは、Cadeler向けに建造しているM-class2隻目のSEP起重機船「Wind Mover」(建造番号 No.3307)が海上公試(SEA TRIAL)を完了したと発表しました。2025年第4四半期に引き渡し予定なので完成間近。 SEP起重機船「Wind Mover」のAIS情報によると、2025年10月24日に韓国南部の巨済市にあるHanwha Ocean 巨済造船所を出港し、対馬沖周辺で海上公試を実施。そして、11月5日に帰港。対馬にかなり接近した位置で海上公試をおこなっていたことに少し驚き。確認できるAISの航跡と日本の領海(12海里、22.224km)範囲の図を重ね合わせてみると、ギリギリ領海には入っていないようでした。無害通航権の範囲に該当すると思われるので領海内を航行しても問題は無いんでしょうけど・・たぶん。 領海、排他的経済水域などの範囲 領海等に関する用語の範囲 領海:基線から12海里(22.224km) 接続水域:基線から24海里(44.448km) 排他的経済水域(EEZ):基線から200海里(370.4km) 公海:領海、排他的経済水域に含まれない海洋のすべての部分。すべての国に開放され、すべての国が航行,上空飛行、漁獲、海洋の科学的調査など公海の自由を享受する 排他的経済水域とは?  排他的経済水域(EEZ,Exclusive Economic Zone)とは、海洋法に関する国際連合条約に基づいて設定される自国の基線(海)から200海里(370.4km)の範囲。海上・海中・海底、及び海底下に存在する水産・鉱物資源並びに、海水・海流・海風から得られる自然エネルギーに対して、探査・開発・保全及び管理を行う排他的な権利(他国から侵害されない独占的に行使できる権利)を有する。 無害通航とは?  無害通航(Innocent passage)とは、沿岸国の平和・秩序・安全を害さない事を条件として、沿岸国に対して事前通告無しで沿岸国の領海を外国船舶が通航する事を指す。当然の権利として国際海洋法においては、内陸国を含め全ての国の船舶は、他国の領海において無害通航権を有するものとされる。 SEP起重機船「Wind Mover」 SEP起重機船「Wind Mover」出典:Hanwha Ocean CadelerのM-class2隻目として建造中のSEP起重機船「Wind Mover」。 「Wind Mover」の船体は「NG-16000X」というGusto MSCによる設計を採用。船体寸法は長さ194m、幅56m、深さ11.5m、レグ長さ109m、最大作業水深65m。メインクレーンはHuisman製で最大吊り上げ能力2,600トン、甲板面積は5,000m2、甲板強度は10トン/m2。DP2のダイナミックポジショニングシステムを搭載。 船名 Wind Mover クレーン能力 2,600トン 長さ 194m 幅 56m 深さ 11.5m レグ長さ 109m 最大作業水深 65m プロペラ (船尾)アジマススラスター 3.5MW×4基(船首)トンネルスラスター 3MW×1基(船首)格納式アジマス 3.5MW×2基 速力 9.5ノット DPS DP2 メインデッキ 5,000m2、10トン/m2 宿泊設備 84室、最大130人 船籍 マーシャル諸島 CadelerのSEP船 建造状況 船名 建造番号 クレーン能力 着工 起工 進水 引き渡し(予定) Wind Peak(P-class①) N1063 2,600トン 2022年6月 2023年7月 2024年1月 竣工 2024年8月 Wind Pace(P-class➁) N1064 2,600トン 2023年2月 2024年2月 2024年6月 竣工 2025年3月 Wind Ally(A-class①) N1130 3,300トン 2023年9月 ? 2025年1月 竣工 2025年9月 Wind Ace(A-class➁) N1131 3,000トン以上 2024年7月 2025年9月 ― (2026年第3四半期) Wind Apex(A-class③) N1149 未公表 2025年7月 ― ― (2027年上半期) Wind Maker(M-class①) No.3306 2,600トン ? 2024年3月 2024年6月 竣工 2025年1月 Wind Mover(M-class➁) No.3307 2,600トン ? 2024年11月 ? (2025年第4四半期) P-calssの2隻およびA-classの3隻は、中国のCOSCO SHIPPING HEAVY INDUSTRYで建造。M-classの2隻は、韓国のHanwha Ocean(旧 大宇造船海洋:DSME)で建造。
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November 17, 2025 at 1:02 AM
2025年11月11日、RWEはデンマーク沖の「Thor offshore wind farm」で全72基のモノパイル設置が完了したことを発表しました。
デンマークの「Thor」でモノパイル全72基設置完了
デンマークの「Thor」でモノパイル全72基設置完了 出典:RWE 2025年11月11日、RWEはデンマーク沖の「Thor offshore wind farm」で全72基のモノパイル設置が完了したことを発表しました。 「Thor offshore wind farm」は、デンマークのユトランド半島西部にあるトースミンデ沖 約22kmの北海でSiemens Gamesaの14MW風力タービン「SG 14-236 DD」72基を設置する予定。 RWEのプレスリリースによると、「Thor offshore wind farm」では全72基のモノパイル設置完了に加えて、2次鋼構造物(secondary steel structures)、洋上変電所の設置が完了。 モノパイル設置作業は、Jan De Nulが所有する5,000トン吊りクレーン船「Les Alizés」によっておこなわれ、2次鋼構造物設置は1,000トン吊りSEP起重機船「MPI Adventure」、洋上変電所はScaldis Salvage & Marine Contractors NVが所有する4,000トン吊り起重機船「Gulliver」により施工を実施。
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November 17, 2025 at 1:02 AM
2025年11月10日、RWEはイギリス沖の北海で建設している「Sofia Offshore Wind Farm」で設置を予定している風力タービン100基のうち62基の設置完了を発表。50基分に採用しているリサイクル可能なブレード150枚については設置が完了したという。
Sofia洋上風力で50基分150枚のリサイクル可能なブレード設置
Sofia洋上風力で50基分150枚のリサイクル可能なブレード設置 出典:RWE 2025年11月10日、RWEはイギリス沖の北海で建設している「Sofia Offshore Wind Farm」で設置を予定している風力タービン100基のうち62基の設置完了を発表。50基分に採用しているリサイクル可能なブレード150枚については設置が完了したという。 「Sofia Offshore Wind Farm」は、RWEによってイングランド ノース・イーストの海岸から195km沖で建設が進められており、Siemens Gamesa製の14MW風力タービン「SG 14-222 DD」100基と洋上変電所1基を設置する計画。総発電容量は1,400MW。2026年9月に運転開始予定。 リサイクル可能なブレード150枚は、イギリスのハル(Hull)にあるSiemens Gamesaのブレード製造施設で製造しており、英国の洋上風力発電所における大規模導入は初めてだという。リサイクル可能なブレードには独自の樹脂を使用しているため、運用寿命終了時に各ブレードの構成材料を容易に分離することができるというのが大きな特長。分離した材料は車両部品、自転車ヘルメット、スーツケースなどの製品に再利用することで、価値の高いリサイクルを可能する。 RWEはプレスリリースで、ドイツの「Kaskasi offshore wind farm」における世界初のリサイクル可能なブレード設置をベースに「Sofia Offshore Wind Farm」での50基分ブレード150枚の設置は持続可能なプロジェクトと真に循環型の低炭素経済の実現という明確なコミットメントを裏付けていると述べています。さらに、RWEはデンマーク沖合の「Thor Offshore Wind Farm」で一部の風力タービンにリサイクル可能なブレードを設置する予定。 2,600トン吊りSEP起重機船「Wind Peak」による風力タービン設置 出典:RWE 現時点で100基のうち62基の設置が完了している14MW風力タービン「SG 14-222 DD」。この風力タービン設置作業をおこなっているのは、Cadelerの2,600トン吊りSEP起重機船「Wind Peak」。 SEP起重機船「Wind Peak」の建造場所は、中国のCOSCO Shipping。2024年8月に引き渡しされた後、中国からオランダへ72日間かけて回航。「Sofia Offshore Wind Farm」で最初の風力タービン設置完了が発表されたのは、2025年3月27日。1度に自船甲板上へ14MW風力タービン部材6基分を積み込んで作業を進めています。 SEP起重機船「Wind Peak」の概要 SEP起重機船「Wind Peak」出典:Cadeler 船名 Wind Peak クレーン能力 2,600トン 揚程 180m(甲板上) 長さ 162m 幅 60m レグ長さ 119m 最大作業水深 70m レグ昇降速度 レグ:1.2m/分船体:0.8m/分 スラスター アジマス 4MW×4基格納式 2.2MW×2基
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November 14, 2025 at 1:01 AM
2025年11月7日、RWEは「Nordseecluster A」で風力タービン基礎となる全44基のモノパイル設置が完了したことを発表しました。
ドイツ沖の「Nordseecluster A」モノパイル44基設置完了
ドイツ沖の「Nordseecluster A」モノパイル44基設置完了 出典:RWE 2025年11月7日、RWEは「Nordseecluster A」で風力タービン基礎となる全44基のモノパイル設置が完了したことを発表しました。 「Nordseecluster offshore wind project」は、15MWの風力タービン44基で構成される660MWの「Nordseecluster A」および60基で構成される900MWの「Nordseecluster B」という2段階で建設が計画されている。モノパイル設置が完了した「Nordseecluster A」では、2026年初頭に約70kmのケーブル敷設作業がおこなわれ、2026年夏に風力タービン設置を開始する予定。 モノパイルは平均長さ約85m、1本当たりの重量は約1,500トン。モノパイル打設後に風力タービンのタワーと接続するTP(トランジションピース)設置が不要で、より迅速な設置とコスト削減が可能となるTPレスモノパイルという仕様。 SEP起重機船「Boreas」竣工後の初作業 モノパイル設置作業をおこなったのは、Van OordのSEP起重機船「Boreas」。 中国のYantai CIMC Rafflesで建造、2025年1月に引き渡しされ、2025年6月にオランダで命名式がおこなわれた後、竣工後の初作業として「Nordseecluster A」のモノパイル設置作業に従事。船体寸法は長さ175.1m、幅63m、深さ13.2m。メインクレーンの最大吊り上げ能力は3,200トン。 最初のモノパイル設置完了が発表されたのは2025年7月28日。「Nordseecluster A」の設置作業では、1度の航海で4本のモノパイルを自船に積載して輸送・設置をおこないました。 SEP起重機船「Boreas」 SEP起重機船「Boreas」出典:Van Oord 船名 Boreas 総トン数 47,617トン 載貨重量トン数 20,000トン クレーン能力 主:3,200トン
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November 13, 2025 at 1:01 AM
2025年11月10日、両備グループのRヨット株式会社(本社:東京都港区)は、日本初のヨットスタイル客船として2027年就航予定の新造クルーズ船の船名を「SEFU」に決定したと発表しました。
ポルトガルで建造中、両備グループのクルーズ船「SEFU」船名発表
ポルトガルで建造中、両備グループのクルーズ船「SEFU」船名発表 出典:Ryobi Group 2025年11月10日、両備グループのRヨット株式会社(本社:東京都港区)は、日本初のヨットスタイル客船として2027年就航予定の新造クルーズ船の船名を「SEFU」に決定したと発表しました。 2023年12月に両備ホールディングス株式会社(本社:岡山市北区)は、ポルトガルの造船所West Seaとクルーズ船建造契約を締結、2025年6月末にWest SeaのViana Shipyardで起工式(Keel Laying Ceremony)をおこない、ドック内での建造を開始。竣工予定は2027年。 クルーズ船「SEFU」は全長約110m~120m、総トン数 約9,000~10,000トン、客室数は約60室で乗客数は約120人。サイズ的に大型客船ではなく、ヨットスタイル客船と呼ばれる乗客100名~150名程度のスモールラグジュアリー船となっており、まるでメガヨットのオーナーになったかのような気分を味わえる贅沢な空間で最高のパーソナルサービスを提供。船尾には新造船で日本初となるマリーナを備え、マリンアクティビティや小型ボートでの離島上陸を楽しむなど、一味違ったクルーズライフが体験できるという。 Rヨット株式会社は、両備ホールディングス株式会社が新規クルーズ事業として2024年1月に設立したクルーズ船の運航会社。 クルーズ船「SEFU」建造タイムライン 2023年12月 建造契約締結 契約時の建造費用は約1億ユーロ、日本円で約160億円 2025年6月 起工式 ポルトガルの造船所West Sea 11月 クルーズ船の船名「SEFU」発表 2027年 竣工(予定) 船名 SEFU 総トン数 約9,000~10,000トン 長さ 約110~120m 幅 約19m 喫水 約4.7m 客室数 約60室(予定) 乗客数 約120人(ツイン利用時) 乗組員数 約100人 速力 約15ノット 「瀬戸内」「風」に由来する船名「SEFU」 発表されたクルーズ船の船名「SEFU」。“SE” は「瀬戸内」を、“FU” は「風」を表しているという。 スモールラグジュアリー船という船体サイズの特性を活かし、大型クルーズ船では寄港できない瀬戸内や南西諸島の島々を巡る船旅が魅力の1つとなっていることから「瀬戸内」に由来する船名が付けられたようです。 豊かさと変化をもたらす瀬戸内の風をまとい、“SEFU” は日本各地へ新たな物語を届ける。時に穏やかに寄り添い、時に人々の歩みを進めてきた「風」への想いが込められていると説明されています。 ファンネルマーク、ティザーサイト公開 クルーズ船「SEFU」のファンネルマーク出典:Ryobi Group クルーズ船の船名「SEFU」とともに発表されたのは、ファンネルマークおよびティザーサイトの公開。 ファンネルマークは、運航を担うRヨット株式会社のブランド「R YACHT(アール・ヨット)」のブランドロゴを採用。このマークは、ヨットスタイルの船体から着想を得た5本のラインをモチーフに、海と風の流れ、そして人と人とのつながりが波紋のように広がる様子を表現している。 11月10日にティザーサイトを公開。「SEFU」の世界観やコンセプトを映像とともに紹介。デザイナー、シェフ、キャプテンなど各分野のスペシャリストが語る想いを通じて、「SEFU」が目指すヨットスタイルのクルーズを感じることが出来るという。 ティザーサイトとは、商品やサービスのリリース前にユーザーの期待感を高める目的として、段階的に商品やサービスの情報を告知するホームページのこと。「ティザー」(teaser)は ”焦じらす人” という意味みたい。 リンク先 クルーズ船「SEFU」ティザーサイト: 【動画】2025年6月末に実施したクルーズ船「SEFU」起工式の様子
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November 12, 2025 at 1:01 AM
2025年11月5日、広東省深圳にある招商局重工有限公司(CMHI,China Merchants Heavy Industry)の孖洲島基地でAsso.subsea向けとなるケーブル敷設船「Althea」の鉄鋼切断式(Steel Cutting Ceremony)がおこなわれ建造が開始されました。
スパッド4基搭載、Asso.subseaのケーブル敷設船建造開始
スパッド4基搭載、Asso.subseaのケーブル敷設船建造開始 ケーブル敷設船「Althea」の鉄鋼切断式出典:Asso.subsea 2025年11月5日、広東省深圳にある招商局重工有限公司(CMHI,China Merchants Heavy Industry)の孖洲島基地でAsso.subsea向けとなるケーブル敷設船「Althea」の鉄鋼切断式(Steel Cutting Ceremony)がおこなわれ建造が開始されました。 ケーブル敷設船「Althea」の船体寸法は長さ175m、幅41.8m。12,000トンと4,000トンの容量を持つケーブルカルーセルを備えており、同時に3本のケーブル敷設が可能。ケーブル敷設船としては珍しく、4基のスパッドを搭載している。SEP船のように自船の船体を持ち上げることは出来ませんが、水深の浅い海域で船体位置を保持するために使用するという。 完成・引き渡しは2027年第2四半期の予定。 水深の浅い海域でも喫水4.5mで動作可能 大型ケーブル敷設船「Althea」の主な特長 容量12,000トンと4,000トンのケーブルカルーセル マルチセクション操作により同時に3本のケーブル敷設が可能 ケーブル積載量が最大容量の50%の状態でフルDP-2モードおよび喫水4.5mで動作可能 9つのスラスターによるDP2制御と水深の浅い場所で使用する4つのスパッドを搭載 IMO Tier III NOx排出基準に準拠するメタノール対応エンジン搭載 Asso.subseaが画期的な新型ケーブル敷設船と紹介する「Althea」には上記のような主な特長がある。 その中でも注目すべきは、水深の浅い海域での施工性能。最大容量の50%を超えるケーブル積載量でフルDP-2モードによりケーブル敷設が出来るという。船体の喫水は4.5mで従来の大型ケーブル敷設船だと施工が困難なエリアでも施工が可能。 一般的なケーブル敷設船で水深の浅い海域にケーブル敷設をおこなう場合はアンカーによる係留で位置を保持しますが、「Althea」には4基のスパッドでスピーディーに係留することで高いパフォーマンスを実現するという。 ケーブル敷設船「Althea」の概要 大型ケーブル敷設船「Althea」(完成イメージ)出典:Asso.subsea 船名 Althea 長さ 175m 幅 41.8m ケーブルカルーセル 12,000トン×1基4,000トン×1基 DPS DP-2 宿泊設備 120人 【動画】ケーブル敷設船「Althea」の紹介動画
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November 11, 2025 at 1:00 AM
青森港の油川地区で進められている国際物流ターミナル(-12m)整備事業。
洋上風力建設の拠点港湾として青森港油川地区で進む整備事業
洋上風力建設の拠点港湾として青森港油川地区で進む整備事業 青森港の油川地区で進められている国際物流ターミナル(-12m)整備事業。 青森港は、2024年4月に海洋再生可能エネルギー発電設備等拠点港湾(基地港湾)として指定されています。海洋再生可能エネルギーの導入促進を図るため、洋上風力発電設備の効率的な輸送・建設、重厚長大な風車部材の組立・積出等の機能を有した拠点港湾として、岸壁や背後用地の地耐力強化、航路・泊地の浚渫等の港湾施設の整備が進められている。 青森港の油川地区では2024年度から拠点港湾の整備に着手。既設護岸を撤去し、新たに延長230m、水深12mの地耐力強化岸壁新設に加えて、水深12mの航路・泊地浚渫などをおこなう。2025年10月11日に岸壁を新設する本格的な現地施工開始に合わせて着工式典を開催。事業期間は2024年度(令和6年度)~2027年度(令和9年度)、総事業費123億円。 2025年11月7日、国土交通省 東北地方整備局 青森港湾事務所は報道関係者向けに青森港事業説明会として、基地港湾整備の進捗状況について理解を深めてもらうべく施工状況を公開。現在、岸壁本体構造の工事を大型作業船2隻が同一区域でおこなっているという。説明会の案内に掲載されている画像には2隻の作業船が並んで鋼管矢板を打設する様子が映されています。 作業船2隻のうち、フライングで鋼管矢板を打設しているのは株式会社 細川産業(本社:青森県青森市)の250トン吊りクレーン船「てっかい丸」。もう1隻のリーダーを搭載した杭打ち船は、外観から推測するとシーテック株式会社(佐賀県)と信幸建設株式会社(本社:東京都千代田区)の共有船である「てんざん号」のように見えるけど確定情報ではありません。 青森港油川地区岸壁(-12m)本体外工事は2025年4月14日に入札がおこなわれ、東亜・大本特定建設工事共同企業体が25億9,500万円で落札。予定価格は28億1,533万円、調査基準価格は25億8,909.5万円。入札した5業者の金額はいずれも調査基準価格と予定価格の間に収まっており、最大差額で590万円という僅差。凄まじい見積り精度。 2027年度の完成予定を目指している。 出典:国土交通省東北地方整備局 青森港湾事務所 | 【プレスリリース】~報道関係者向け青森港事業説明会のご案内~ 基地港湾工事が本格化され、取材機会の情報提供 鋼管矢板打設の施工状況 東奥日報社がYouTubeに投稿した動画では、250トン吊りクレーン船「てっかい丸」による鋼管矢板打設の様子が紹介されています。 巨大なバイブロハンマーを使用した鋼管矢板の打設作業。鋼管矢板は直径1.2m、長さ25.5m~29.0m、接手はL-T型。見てて気持ちいいい程、瞬く間に鋼管矢板が下がっているので簡単な施工のように見える。しかし、その裏には正確な導材、クレーンオペレーターの技術や経験、立ちを誘導する測量、鋼管矢板の製品精度など職人技と呼ばれる技術に加えて、鋼管矢板の規格や施工場所の地盤に対する適正な施工機械の選定、ウォータージェット併用という施工方法などが合わさってスムーズな施工が実現しているものと思われます。 航跡波やちょっとした波でも足元が濡れてしまいそうな導材高さは気になりますけど、鋼管矢板の打ち止め高さから吊りピースの干渉が考えられるので仕方なさそう。でも、最終的な岸壁高さが少し低すぎるような気もするけど大丈夫でしょうか。 250トン吊りクレーン船「てっかい丸」 250トン吊りクレーン船「てっかい丸」出典:Hosokawa Sangyo Co., Ltd. 船名 てっかい丸 クレーン能力 250トン 長さ 56.9m 幅 22.0m 深さ 3.65m 杭打ち船「てんざん号」 杭打ち船「てんざん号」出典:SHINKOKENSETSU Co,.Ltd.
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November 10, 2025 at 1:01 AM
2025年10月29日、インドネシアのバタム市にあるPaxOcean Batamで五洋建設向けとなる自航式ケーブル敷設船(cable laying vessel)の鉄鋼切断式(steel cutting ceremony)がおこなわれ建造が開始されました。
五洋建設の10,000トンを積載するケーブル敷設船建造開始
五洋建設の10,000トンを積載するケーブル敷設船建造開始 出典:PaxOcean 2025年10月29日、インドネシアのバタム市にあるPaxOcean Batamで五洋建設向けとなる自航式ケーブル敷設船(cable laying vessel)の鉄鋼切断式(steel cutting ceremony)がおこなわれ建造が開始されました。 五洋建設は2025年11月6日にSeatriumで建造を開始した5,000トン吊り大型基礎施工船(HLV,Heavy Lift Vessel)と合わせて自航式ケーブル敷設船の建造開始を発表。ケーブル敷設船の設計や建造は計画通り順調に進捗しており、2028年2月に完成・引き渡し、2028年度上期に稼働開始を予定している。 2024年12月10日に発表された建造契約時の情報によると、船体の建造費は約310億円。トレンチャー及びワークROVの建造費用である約55億円を加えた合計は約365億円。船体については大型基礎施工船と同様に設立予定の子会社(保有比率50%)と芙蓉総合リース株式会社(50%)で共同保有、ケーブルトレンチャーおよびワークROVについては設立予定の子会社(65%)と株式会社小島組(35%)で共同保有し、ケーブル敷設船の運航についても株式会社小島組に運航管理を委託する予定。 5,000t×2基のケーブルタンクを搭載 自航式ケーブル敷設船の特長 5,000t×2基のケーブルタンクを搭載し、大型ウィンドファームに対応可能 着床式および浮体式の風車間ケーブル、揚陸ケーブルの敷設・埋設に対応可能 海底直流送電ケーブルの敷設・埋設に対応可能 最新型のトレンチャー、ワークROVを搭載し、効率の良いケーブル敷設・埋設を実現 自動船位保持装置(Class NK DPS2)(7基のスラスター、合計出力16,000kW以上)を搭載し、高い位置保持能力を有する CN対応として、バッテリー蓄電システムの搭載、メタノールレディー仕様 船体寸法などは明らかにされていませんが、ケーブル敷設船としての主要スペックとなるケーブルタンク容量は5,000トン×2基。着床式および浮体式のアレイ間ケーブル、揚陸ケーブルの敷設・埋設に対応しており、最新型のトレンチャー、ワークROVを搭載。 洋上で自船位置を保持するDPS(自動船位保持装置)階級は、日本海事協会(ClassNK)のDPS2。合計出力16,000kW以上というスラスター7基により高い位置保持能力を有する。 自航式ケーブル敷設船(CLV) 大型自航式ケーブル敷設船出典:PENTA-OCEAN CONSTRUCTION 船籍 日本 船級登録 ClassNK 電力ケーブルタンク容量 5,000トン×2 DPS DPS2 カーボンニュートラル対応 バッテリー蓄電システムメタノールレディー 基本設計 Salt Ship Design(ノルウェー) 船体建造 PaxOcean Group(シンガポール) トレンチャー(埋設機)ワークROV SMD(イギリス) 風車建設工事から電力ケーブル敷設工事へと事業を拡大するため、一般海域はもとより将来のEEZにおける洋上風力建設を見据えて、世界最大級かつ最新鋭の大型ケーブル敷設船(CLV)を建造。
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November 7, 2025 at 1:01 AM
江蘇大洋海洋装備が华夏金融租賃および德京集団向けに建造しているケーブル設置船「华夏德京108」(Hua Xia De Jing 108)の海上公試(SEA TRIAL)がおこなわれました。
積載能力15,000トンのケーブル設置船「华夏德京108」海上公試
積載能力15,000トンのケーブル設置船「华夏德京108」海上公試 出典:龙de船人 江蘇大洋海洋装備が华夏金融租賃および德京集団向けに建造しているケーブル設置船「华夏德京108」(Hua Xia De Jing 108)の海上公試(SEA TRIAL)がおこなわれました。 AIS情報によると、海上公試は2025年10月31日から11月4日にかけて実施。建造開始時点で完成予定は2025年6月、德京集団のウェブサイトに掲載されている情報では2025年8月完成予定となっており、建造スケジュールは少し遅れているようです。 ケーブル設置船「华夏德京108」の船体寸法は長さ171m、幅38m、深さ12.8m。船体中央部には同軸ダブルドラムシステムを採用したケーブルドラムがあり、ケーブル最大積載容量は15,000トン。単一ケーブルドラムとしては世界最大の積載容量になるという。この他に3,000トンの光ファイバーケーブルを積載することが出来る。DP2のダイナミックポジショニングシステム(DPS:自動船位保持装置)を搭載し、過酷な海況下でも正確な位置保持が可能。ケーブルトレンチャーやROVも搭載しており、それらを昇降する80トン吊りのAフレームクレーンが船尾に備えられている。 ケーブル設置船「华夏德京108」 出典:德京集团有限公司 船名 华夏德京108Hua Xia De Jing 108 ケーブル積載容量 15,000トン 長さ 171m 幅 38m 深さ 12.8m プロペラ アジマススラスター 3MW×3基サイドスラスター 2.8MW×2基
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November 6, 2025 at 1:01 AM
中国のDajin Heavy Industry(大金重工)は、スコットランド沖の「Inch Cape Offshore Wind Farm」向けとなるモノパイルの最終バッチ8基が蓬莱生産基地(Penglai facility)を出航したと発表しました。
大金重工が「Inch Cape」向けモノパイル全22基を出荷
大金重工が「Inch Cape」向けモノパイル全22基を出荷 出典:Dajin Heavy Industry 中国のDajin Heavy Industry(大金重工)は、スコットランド沖の「Inch Cape Offshore Wind Farm」向けとなるモノパイルの最終バッチ8基が蓬莱生産基地(Penglai facility)を出航したと発表しました。 「Inch Cape Offshore Wind Farm」は、スコットランドのアンガス海岸から15km沖合の北海にVestas製の15MW風力タービン72基を設置する計画で総発電容量は1.1GW。風力タービン基礎はモノパイル基礎54基、ジャケット基礎18基という2種類の基礎を採用している。 最終バッチのモノパイル8基を輸送するのは、公開された画像とAIS情報から推測すると、甲板輸送船「FAN ZHOU 8」(泛洲8)。AIS情報によると、2025年10月29日に山東省 煙台市 蓬萊区の蓬莱生産基地を出港。仕向先はスエズ運河となっており、11月24日に通過予定。 モノパイルは最大で長さ110m、重量2,700トン 甲板輸送船「FAN ZHOU 8」に積まれた最終バッチのモノパイル8基出典:Dajin Heavy Industry 「Inch Cape Offshore Wind Farm」で使用するモノパイルは最大で直径11.5m、長さ110m、重量2,700トン。モノパイルを運ぶ甲板輸送船「FAN ZHOU 8」は全長256m、幅51mで甲板スペースの大きさは長さ230m、幅51m。甲板スペースの余裕を見ると最終バッチの8本は最大長さのモノパイルでは無いのかもしれませんが、画像に映る人間の大きさと比較して、とんでもない大きさであることは一目瞭然。 甲板輸送船「FAN ZHOU 8」(泛洲8) 甲板輸送船「FAN ZHOU 8」(泛洲8)出典:江苏泛洲船务有限公司 江蘇泛洲船務有限公司(Jiangsu Fanzhou Shipping Co., Ltd.)が所有、運航する甲板輸送船「FAN ZHOU 8」(泛洲8)は、2024年12月に竣工。船体寸法は長さ256m、幅51m、深さ13m。貨物を積載する甲板スペースは、230m×51m、11,700m2あり、甲板強度は25トン/m2。
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November 5, 2025 at 1:00 AM