しゃも@夢
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しゃも@夢
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霧島軍鶏の夢垢|age20↑|ic＆hd：自作|op→参謀総長|Ag（gntm）→三味線サングラス|fgo→霊基No.273|鋼→ハボ|kof→いおりん|wt→すわさん|bnst→重力遣い|非公式|
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ユナ原作開始時立ち絵
ユナ原作開始時立ち絵
January 3, 2025 at 1:31 PM
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初期立ち絵wip
夢主であるユナの立ち絵wip
January 3, 2025 at 7:03 AM
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ラフ〜
夢主のラフ
December 14, 2024 at 12:45 AM
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🎩夢
設定名前固定夢主
『きらきら輝く、ウィンターマーケット』
#OP夢
　しんしんと小さな雪の粒が降り積もる。ベルの音が鳴り響く。カツリカツリと靴音が聞こえる。 「──わぁっ」 　視界に広がったのは、数々のマーケット。無辜の人たちがそこにはいた。 「──すごい。これ全部、お店？」 　横にいるサボが、ああと頷いた。 「季節ものだな。冬だけじゃねェ、秋にもあるんだ」 「本当に？」 　きらきらと周りが輝いて見える。サボは鷹揚に頷いたあと、言った。 「ああ。そのときはまたおれと来よう」 「…………うん」 　手を繋ぐと、歩き出した。サボもゆっくりと歩いていた。数々のお店の品揃えに、つい目移りしてしまう。年明けのために皆一様に準備しているのだろう。ふと真っ白なオーナメントに目を取られた。 「……これ」 「ん？　どうした。気に入ったのか、それ」 「え、あ……うん」 　サボがそれを摘み上げて言う。それは雪だるまのオーナメントだった。 「買ってやろうか？」 「──待って！　他にも回りたい」 「いいよ、そんなの。買って、他回ればいいだろ？」 「でも………………」 　彼はにっこりと笑い、ぎゅうっと手を握り直した。 「さ、行こう」 　サボはオーナメントを買うと、包みを持って再び歩き出す。人波に紛れるように、そぞろ歩きをした。 「いい匂いだな」 　サボは顔を上げると、くんくんと漂ってきた香りを嗅いでいた。たしかに、肉の焼かれたいい香りがする。 「ちょっと食べちゃう？」 「──ああ、そうだな！」 　中継地に戻れば恐らくホリデーに入るため、ご馳走が待っている。──だが。 「こういう場所で食べるのも、楽しそう！」 　二人でチキンを売っているお店に並んだ。それを受け取ると、どうやらチキンにはタレが塗って焼かれていたようだ。美味しそう！　ベンチに二人座ってチキンを咀嚼する。甘辛くて、鶏肉の味が際立っており美味しい。無心でもぐもぐと食べていると、ふと視線を感じて顔を上げた。 「サボ？」 　彼がこちらを見ていた。チキンを食べながら。 「どうしたの？」 　どこか目元を和らげているような。そんな気がした。 「……いや。美味そうに食うと思ってよ」 「だって美味しいんだもん」 「そうだな」 　サボは軽く笑って二本目のチキンに齧りつく。 　チキンを食べ終わり、再びマーケット内を歩き出した。銀縁の鏡が滑らかで、きらきらと輝いて見える。鏡ゆえに、私たちを寸分違わず映し出していた。 「…………きれい」 「買うか？」 　財布を取り出しながら呟くサボに待ったをかける。 「自分で買いたいの！」 「そうか？」 　サボは渋々財布をしまう。ぽんやりと鏡を見ていると、店主が声をかけてきた。 「お嬢ちゃん、いい目をしてるね。その鏡、今日一の売りもんだ」 「…………本当に？」 　やや訝しげな視線を向けてしまう。この手のものは二束三文が相場だ。サボは口元を耳に寄せ、言った。 「別にいいだろ？　それがどんなものでも。お前が気に入ったんだからよ」 　たしかにそうかも、と思い私は店主に声をかける。 「じゃあ……この手鏡、ください」 「まいど！」 　赤と緑のリボンが巻かれた大きめの包みを手に、にこにことサボの隣を歩く。 「お、あそこ……クッキー売ってるぞ」 「うん。行ってみよう」 　クッキーの試食をさせてもらうと、どこかスパイシーな味と香ばしい匂いがした。 「これ……ジンジャークッキー？」 「そうだな。この季節になると、よく売ってるよ」 「そうなんだ……」 　……この世界のが同じとは限らないけれど、今はクリスマスなのかも。クッキーをコアラちゃんやハックさんの分も買って、再び歩く。そういえば。 「サボは買わないの？」 「ん？　買ったろ、肉」 「お肉だけじゃない。なにか残る物は買わないの？」 　そうだなァ……とサボは空いた手を顎に寄せる。そんな私はサボをマーケットのひとつの店までぐいぐいと引っ張った。 「ここ！　ここの物、よくない？」 　そこにあったのはネクタイやピン、カフスボタンたち。 「ん〜、そうだな。いいかもしれねェな」 「私ひとつ買うね」 「おれが……」 　再び財布を出すサボにいらない！　と叫ぶ。そうすれば彼は再び渋々と財布をしまった。 「この……青のカフスボタン、ひとつください」 　カフスボタンが入った袋をそっと懐へしまう。そうして再び歩を進めた。ウィンターマーケットも終盤。二人で高台へと登る。そこは海が見え、マーケットも一望できる場所だった。そこからはマーケットや針葉樹に飾り付けられたイルミネーションがきらきら輝いていた。 「きれいだね、サボ」 「…………ああ、綺麗だ」 　きっと隣のサボもこの風景を見ている。そう思い彼の横顔を盗み見ようとして、顔を上げるとサボとばっちり目が合った。 「……綺麗だ」 　再び、サボはそう呟く。 「ぇ………………」 「お前の笑顔が見たかったから──おれは……ここに、連れてきたんだ」
December 13, 2024 at 6:06 PM
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できた！
夢主人公 ユナの立ち絵
December 6, 2024 at 7:58 PM
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ベタ塗り
夢主人公立ち絵 工程：ベタ塗り
December 6, 2024 at 6:27 PM
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線画
オリジナル夢主人公立ち絵の線画
December 6, 2024 at 3:33 PM
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ラフ
オリキャラの立ち絵
December 6, 2024 at 9:45 AM
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ポケツイフレなって～
ID【crhnknp5】
ポケコロツインズの画面
November 22, 2024 at 1:57 AM
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Amazonのポイント産ベイプ
Amazonのポイントで購入したベイプ（eGo AIO） カラーはシノワズリ
September 30, 2024 at 2:52 AM
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#OP夢
🎩名前設定固定夢主
『流血・暴力・死（の間際の精神状態）！』
最悪の三原則がタイトルですが深い意味はないです
⚠️流血や痛そうなシーンがあります
⚠️また、これらは暴力を助長する意図はありません
『流血・暴力・死（の間際の精神状態）！』 椎九印・しゃも（@CQUEEN_19961114 ） 　──とある島、とある場所。寂れた港近く、廃材が捨て置かれたところ。そこで戦いが起きていた。 「……っ！」 　槍を手に戦う巨漢。そいつを相手に鉄パイプでいなしていた。 　捉えきれない。 　鉄同士ぶつかる甲高い音が厭に煩わしく聞こえる。 　こいつを倒すか、仲間が来るまでここに留めておく──しかない。 「貰ったァ！！」 　ずぶりと左脇腹に槍の穂先が沈む。しばしの痛みと出血。血が辺りに飛び散る。 　──これは、好機だ。 　戦いの中で熱くなった脳が冷やされる。そしてそのまま肉薄した。そのまま。刺された箇所を抜くことなく、貫通すらしていなかったそれをそのままに前に進んだ。再び血が飛び跳ねる。痛みはある、しかしそれすら気にならないほどに──夢中になっていた。戦うこと、仲間の任務を助けることに。 「なっ──」 　肉薄する前にナイフを投げ、近づいた頃に鉄パイプで殴りぬける。その場に残ったのは倒れた巨漢と、槍の半ばまで進んだ私の体。見やると血は、槍をしとどに濡らしていた。 「ふっ──うっ……！」 　槍に手をかけ力を入れる。そうして思い切り、得物を抜いた。そのままでは邪魔だし、なにより傷が塞がらない。 　早く、仲間と合流を……。 そう思い走るべく、足に力を入れた。数分走って、目の前がやけにぶれることに気がついた。汗が止まらない。冷える。力が……抜けていく。もう一歩、と踏み出そうとして転んだ。その際に頭を地面にぶつけ、余計に視界がぶれた。 「はっ……はっ、あ────？」 　感覚だけが鮮明になっていく。傷を受けた箇所が痛むような、そんな感覚。まさかと思い見ると左脇腹には血が滲み、服が大きく濡れていた。足の付け根はおろか、太腿にまで赤黒い染みが広がっている。反射的に手で押さえると手袋を貫通し、血の感触が指の腹にまで伝わった。息を吸おうと、呼吸しようと口を大きく開ける。すると腹の底から食道を震わせるものがあった。 「あ……っ、ぐっ、げほっ……」 　口端から、赤が垂れる。息がしづらい、鼻の奥がつんと生臭さを伴った鉄錆の臭いで充満した。 「────あ」 　思考が泥のように煩雑になって溶ける。先程まで冷えていた頭は、どうにも発熱したように回転する。しかし思考は形にならず、流れる汚泥のようだった。それでも前に進もうと、手を伸ばす。もう片方の手を地面につき、踏ん張って立ち上がろうとする。だが血でぬるついた地面から、赤いそれで滑り立ち上がることは叶わなかった。 「はっ、あっ──、くっ……」 　呼吸をする度に胃が熱くなる。口からはどろどろと、血が流れるように垂れた。血は顎をつたい、首をつたい襟首を汚す。 　あー、くそ。また服を買い直さないと……。 　甘やかな眠気が忍び寄る。眠れば意識が戻らないかもしれない。だが、それもいい。そうして意 識は微睡みに溶けた。 　§ § § 　ぱちりと目を開けるとそこは拠点らしき場所の天井だった。ぼんやり辺りを見回すと、黒い影が映る。なにか認識する前にそれが口を開いた。 「お前なあ！　また無茶しやがって……！　やめろって言っただろ！？」 　サボだった。気怠い体を起こそうとみじろぎすれば、彼はやめろと一言呟いた。そのまま不安定な状態のまま、静止する。立っていたサボはどかりとベッド脇のパイプ椅子に腰を下ろす。そして頬杖をついて見下ろした。 「………………なに」 　なにか、言いたいことがあるのだろう。それを促すと、彼は絞り出すように言う。 「任務が終わって、おれが最初に聞いたのはなんだと思う？　──お前が意識不明の重症を、負ったってよ」 　その通りだ。黙って続きに耳を傾ける。 「おれがどう思ったと思う？　心配して、ここまですっ飛んで来た」 「………………」 　バツが悪くて目を逸らす。 「目を逸らすな」 　サボに顔を掴まれ、無理矢理目線を合わされた。 「……わかってるよ」 「いいや、わかってない」 　目線が合ったところで解放される。サボは続きを目を合わせながら話す。 「……お前はまたやるだろ。同じこと」 「………………」 　堪え切れなくなってサボをほんの少しだけ睨むと、彼は幾分か冷たい瞳で返した。 「……おれの身になってみろよ。よくそんな怪我できるな」 「──でも私はすぐ怪我……」 「治るって？」 　先に言われ、黙り込む。 「治ってんなら今すぐ立ってみせろよ。ほら」 　どうせ槍に毒かなにか塗ってあったんだろう。今は塞がってるだろうし、そうでなくても薬が効いてるに違いない。そう思って立とうと、迷いなく腹部に力を入れた。 「──あっ」 　鋭い痛みとなにか漏れ出る感覚。サボはすぐさま私を支え、仲間を呼んだ。 「お前っ……バカか！？　縫い終わってすぐなんだぞ？！　いいから力抜け、ほら……」 　傷が開いたらしく、着替えさせられていた服に赤い染みがついた。サボにベッドへ横たえさせられ、傷口に手を置く。少し、血が出ていた。べっとりと掌に赤がつく。 「……もしかして縫っただけ、だった？」 「……ああ、そうだよ！　今ここは物資が足りなくて麻酔もねェ。お前が気絶していたから縫えたが……解毒剤もない」 「ああ……そっか。だからか」 　だからまだ、手足の感覚が鈍いんだ。 「……安静にしてろ」 「でも、物資が足りないなら……」 「いいから寝てろ！　今日はもう起きるな」 　そうして遠征任務は終わった。
September 24, 2024 at 9:53 PM
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Bluesky のユーザー数は現在 1,000 万人を超えており、私は #2,594,530 番目でした。
おっこんなんなんや
A virtual certificate with text "Celebrating 10M users on Bluesky, #2,594,530, しゃも@夢 ‪@cqueen1996.bsky.social‬, joined on 2023年12月19日"
September 24, 2024 at 10:04 AM
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サボ楽描き
February 6, 2024 at 4:11 PM
cqueen1996.bsky.social
迎春の夢カプ（サボ×女夢主）
迎春 ONEPIECEのサボと女夢主和服のツーショット
January 6, 2024 at 1:41 AM
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『聖夜のいちにちまえ』
サボ夢（Sabo X reader）
クリスマス・イブのはなし
プレゼント交換
甘め
December 24, 2023 at 11:21 AM
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『プレゼントはいつ貰ったって嬉しいの』
『I'm glad to receive the present』
OP/サボ夢小説（ONE PIECE Sabo X reader）
気持ち甘め
『プレゼントはいつ貰ったって嬉しいの』 椎九印/霧島軍鶏（@CQUEEN57235332） 「プレゼント？」 　そうだよ！　とコアラが声を上げた。 「ユナちゃんが幹部昇格して、一年でしょ？　サボくん恋人なんだから、なにかあげないの？」 　ふむ、と顎へ手を当てる。幹部昇格祝いはしたが、プレゼントなんてやれるハズもなかった。あの時はおれの一方的な片想いだったからだ。一年、一年祝いか……それもいいな。 「ねェ、聞いてるの？」 「聞いてるよ。プレゼントか、それもいいな……ありがとな、コアラ」 　そう言うと、コアラはえっへん！　と胸を張る。立ち話も程々におれは任務へと向かった。 　任務が終わり、三日が経過した。おれはコアラの言葉を反芻しながら、ショウウィンドウを眺める。ああでもない、こうでもないと百面相をしていると、店員が店から出て来た。 「なにか、お探しですか？」 「……あー、あァ。ちょっと恋人にプレゼントをな」 　そう言えば店員は両手を合わせ素敵！　と言った。 「恋人さんのご趣味とかおわかりになりますか？　お手伝いします」 「助かる」 　頷き、ユナの趣味を思い出す。彼女は、ＴＤやらレコードを聞くのが好きだ。あと、読書も。それだけ言うと、店員も首を傾げて考えているようだった。何拍か置き、店員は口を開く。 「でしたら、レコードケースはいかがでしょうか？」 　レコードケース。確かに最近嵩張ってきた、と 『プレゼントはいつ貰ったって嬉しいの』 椎九印/霧島軍鶏（@CQUEEN57235332） 言っていたような。 「じゃあ、それで頼む」 「はい！　こちらです」 　案内されて見れば一メートル程の高さで、少し大きめだった。 「……さすがにこれは大き過ぎるな…………」 「ご安心ください！　ホラ、この通り……」 　店員がレコードケースに手を掛けると部品が取り外し出来、いとも簡単に小さくなった。 「いいな。これにするよ」 「ありがとうございます！　……あと」 　幾らかベリーを支払い、バラされたレコードケースを手に持つ。今から出れば、明日には本拠地へと着くだろう。店員に言われたことを実践するのもいい。本拠地へ着けば愛しの子犬ちゃんが出迎えてくれた。 「……おかえり、サボ」 「あァ。ただいま、ユナ」 　きょろきょろと周囲を見渡し、人がいないか確かめる。そして、念の為被っていたシルクハットを手に取って目隠しのようにすると、彼女へ小さくキスを落とした。彼女はもう！　と抗議する。 「はは、怒るなよ。誰にも見られねェようにしたろ？」 　そうだけど……と彼女の言葉が尻窄みになる。それを狙って、再びキスをした。今度は後頭部をがっちりと掴んで深いものを。やがて息が切れたのか、ユナはおれの胸元をドンドンと叩く。つう、と銀糸がお互いの唇を這った。顔を赤らめる彼女に、おれはぺろりと己の唇をひと舐め。 「そう言えば、手に持ってるのは……？」 　おれは唇へ人差し指を当てる。 『プレゼントはいつ貰ったって嬉しいの』 椎九印/霧島軍鶏（@CQUEEN57235332） 「今はひみつ……な？」 　ユナはこくりと頷いた。彼女の腰を抱き、建物内へ入る。彼女は大人しく着いて来て、おれの進むままに歩く。それを見て優越感に浸ると共に、少し心配になった。 「お前……他のやつにはこういうこと、するなよ？」 「？　『こういうこと』って？」 「素直に男に着いてくなよってことだ」 　しないよ、と再び頬を紅くしてユナは目を逸らす。おれは自室へ向かわず、ユナの部屋へ歩を向けた。ドアノブを捻り、部屋へと入る。すると少し、ＴＤやらレコードやらが乱雑に置かれているのが目に入った。スン、と鼻を鳴らし匂いを吸い込んだ。ユナの香りがして、落ち着く。未だに腰を抱いたままのおれに、ユナは不思議そうに見上げて呟いた。 「どうしたの？　サボ」 「いや？　なんでもねェよ」 　おれは包み紙に覆われ、青いリボンの掛けられた箱を手渡す。 「これ……私に？」 「あァ。開けて見てくれ」 　うん、と頷いた彼女は素直に包み紙を丁寧に剥いでいく。すると、バラバラの部品と、四角い板が飛び込んできた。 「これ、って……？」 「レコードケースだ。おれが組み立ててやるから座ってろ、な？」 　再び頷いた彼女はすとん、と椅子へ座る。おれがレコードケースを組み立てるのを黙って見ていた。数分してレコードケースを完成させると、ユ 『プレゼントはいつ貰ったって嬉しいの』 椎九印/霧島軍鶏（@CQUEEN57235332） ナの表情はみるみるうちに明るくなった。頬を紅潮させ、大きく目を見開く。 「たくさん入りそう……！　ありがとう、サボ！」 「どういたしまして。お前が喜んでくれるなら買ってきた甲斐があった」 　でも、と彼女は前置きする。 「なんで今買ってきてくれたの…………？」 「…………コアラが」 「コアラちゃん？」 「あァ。あいつが──お前が、ユナが幹部昇格して一年経つからって。なんかやらねェのか、ってつつかれた」 　照れ臭さを踏み越えて吐露すると、ユナは柔和に微笑み近寄ってくる。しゃがんでいるおれの頬へキスをした。 「……報酬か？　もっとしてくれよ」 「うん、いいよ」 　ちゅ、ちゅっと室内へ響くリップ音。今度はおれから、と彼女の頬を掴み唇へとキスをする。ユナは素直に目を閉じ、キスを受け入れた。 「レコードケースに、今からレコード入れていい？　ＴＤも少しだけど、飾れそうだし……」 　頷いて勿論と言うと、ユナはおれからそっと離れてレコードを両手にケースへ近寄る。丁寧にレコードをしまっていく手付きは優しかった。五分くらい経ったか。そうすると、ぴっちりとズラリと並んだそれは街角のショウウィンドウを彷彿とさせた。 「……ありがと、サボ」 　少し照れたように彼女は言う。そんな彼女は、とんでもなく可愛い。彼女にすっ飛んで行ってキスをするのだった。
December 20, 2023 at 4:14 PM
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『覆水盆に返らず、取り零した水は手中に帰らず』
『The water that has been removed is not returned to the water』
OP/サボ夢小説（ONE PIECE Sabo X reader）
本作では自傷描写がありますが、それを推奨する意図はありません
There is a self wound description in this work
『覆水盆に返らず、取り零した水は手中に帰らず』 椎九印/霧島軍鶏（@CQUEEN57235332） 　──私は。私を、赦せそうにない。 　ふらふらと一人、彷徨うようにバルティゴへ帰還した。出迎えはなく、それが逆にささくれ立った心を安寧に導く。ここで、仲間と会ったら。仲間に見られたら。どうにかなってしまいそうだった。許可もなく、革命軍に二ヶ月戻らず。その挙句、恩人を救けられなかった体たらく。顔向け出来そうにない。だが、総司令官であるドラゴンさんに報告しなければならない。本当はドラゴンさんへ直に報告するのではなく、順を追って他の人間に報告した方がいいのだろう。しかしそれを私が許さなかった。──いや。これは私の身勝手だ。その身勝手の挙句……なにも、できなかった。それを聞いたらきっと落胆するだろう、嗤うだろう。そう思った。でも革命軍の仲間でそんなことをする者はいなかった。ただただ自身の無事に安堵する者がほとんどだった。──それが。建前という精神武装をする力もない心を。私の、剥き出しの心を傷つける。皆、心を我がことのように痛めて励ましの言葉をくれた。それが駄目だった。そう、それは私の勝手な言い分であり、仲間には伝えることなんて出来ないのだ。療養と銘打って、自室へ引き篭って数日。幾分か控えめなノック音で我に返った。 「……ユナ。いるんだろ」 　思わず手と息を止める。それから、口元を手で覆い隠した。肌をつたう温い感覚を取り戻す。シーツは赤く染まり、指先は冷たさに震えていた。もう一度、ノックがされる。 「ユナ」 　入って来ないで。そう言えれば良かった。でも、 『覆水盆に返らず、取り零した水は手中に帰らず』 椎九印/霧島軍鶏（@CQUEEN57235332） そうすれば在室を彼に知られることになる。それは避けたかった。だってこんな見苦しい姿、誰にだって見られたくない。特に、サボには。それが象徴する意味に蓋をして、そっと目を逸らす。 「ユナ……？　ユナ！！　っ、おい！！」 　鬼気迫る様子に何か言葉を探そうとして、言おうとした。遅かった。その結果、彼は部屋へ足を踏み入れる。そして。言葉を失った。 「──おい、お前……何を……！」 　よれたシャツに、ぼさぼさの金髪。その姿でこちらを見たと思った時には既に、サボは私の手を押さえていた。 「何してんだ！！」 　咄嗟に言葉を紡げず、口を閉ざす。それがいけなかったのか、彼は鋭い目付きで見た。そのまま視線を外した私は、やや鋭利な口調でやっと口にした。 「……出て行って」 「出来る訳ねェだろ！　何バカなことしてんだ、お前……！」 　掴まれた手首が軋む。サボはそのまま、袖を口でちぎって破いた。そして、傷口に当てる。思いの外深く切ったその傷は未だに塞がらず、赤を流していた。何故か頭の中はクリアで、どこか冷めた様子で状況を俯瞰している。手首を縛り終えた彼は私の頬を包むように掴むと、ぐりんと自身へ目を合わせるように動かした。真っ直ぐな視線に下を向くことも出来ず、途方に暮れる。いっそ、目を閉じてしまおうか。そう思った途端、サボは言った。 「目を閉じるな」 　そうして恐る恐るサボの目を見る。黒々とした 『覆水盆に返らず、取り零した水は手中に帰らず』 椎九印/霧島軍鶏（@CQUEEN57235332） 丸い虹彩。緩くウェーブのかかった今はぼさぼさの柔らかそうな金糸。サボの瞳に映る私は、どうにも泣きそうな顔をしているように見えた。 「──なにが、あったんだ」 「…………それは、もうドラゴンさんに報告した」 「おれは聞いてねェ」 「話すことでもないでしょ」 「……っ。おれは……！」 　何事か言おうとする前に先手を打つ。 「私とサボの関係ってなに？」 「おれは」 「上司部下。……ただ、それだけでしょ？　さっきも言った通り、ドラゴンさんには報告した。だから」 　だからそれでいいでしょ。 　無理矢理表情を笑みの形に造り上げる。そうして突き放した。 「っ……！　なんでだよ……！！」 　悔しそうな表情でサボは声を絞り出す。そのまま、彼は私を抱き締めた。抜け出す余裕も、力もない。そのまま抱き締められていると、彼はぽつりと漏らす。 「おれはお前と、ただの上司と部下だなんて思っちゃいねェ」 「………………」 「おれはお前が好きだ。前も言ったろ？　だから……傷ついたお前を捨て置くなんて、おれには出来ねェよ」 「………………なんで」 「言っただろ。おれはお前が好きなんだよ」 　もう、取り返しつかねェくらいに。 「…………バカだね」 『覆水盆に返らず、取り零した水は手中に帰らず』 椎九印\霧島軍鶏（@CQUEEN57235332） 「あァ。バカもバカ、大バカだ」 　じんわりと目の奥から熱いものが込み上げてくる。それが頬を伝った頃にはサボの背に手を回していた。 「……教えてくれ。マリンフォードで、なにがあったのか」 　主観であることを前提に、掻い摘んでサボへ話す。話し終わると、彼は泣きそうな顔でそっと笑った。 「……エースは、ルフィを護ったんだな」 「………………」 　そこで気が付いた。記憶喪失であったサボは、エースの……。そう思うと同時に自身の心へ堰き止めていた何かが決壊した。本当に泣きたいのは彼だろうに、涙も嗚咽も止めることが出来なかった。 「……ごめ、ごめんっ…………！　エース、エースを、救け、られなくって……！！」 「……お前が謝ることじゃ…………」 　それでも。ただひたすらに詫びた。そうすることで救われたかったのかもしれない、断罪されたかったのかもしれない。でも、サボは黙って私の背を撫でていた。涙は留まることを知らず、彼の肩口を濡らす。指先が食い込むくらい、サボの背を抱えた。 「私、私がいても、無駄だった。エースは殺されっ、殺された……！」 「無駄なことなんてねェよ」 「なんで！！」 「エースは、最期にどんな顔してた？」 　伝えればサボはそうか、と一言呟き、私の背を撫でた。
December 20, 2023 at 5:33 AM