「急に元気じゃん」
「🦾くんのおかげだね。あなた、最高だよ」
「なんかよくわからんけど、褒めてんだよな?」
「うん、めちゃくちゃ褒めてる」
「んじゃいいや」
そうして2人で、ゆっくりと🦾の家に向かった。結局そのままなし崩しに同棲して、社長に頼んで新しい部屋を見繕ってもらうまで、あと2週間。
「急に元気じゃん」
「🦾くんのおかげだね。あなた、最高だよ」
「なんかよくわからんけど、褒めてんだよな?」
「うん、めちゃくちゃ褒めてる」
「んじゃいいや」
そうして2人で、ゆっくりと🦾の家に向かった。結局そのままなし崩しに同棲して、社長に頼んで新しい部屋を見繕ってもらうまで、あと2週間。
ぽろりと出る本音。今独りになれば、全部が夢になってしまうんじゃないかと思うと離れられなかった。そろりと抱き締め、そのまま🦾の返事を待つ。
「いいよ。大したもんないけど、それでもいいなら」
「大丈夫、🦾がいるでしょ」
あぁ、キスしたい。そう思うけど、顔がない。
「…やっぱり、早くアニマトロニクス手に入れよ」
ふふ、と笑う。今は言葉でお腹いっぱいだけど、きっと足りなくなる。
「どしたん、急に」
「んーん、俺が欲張りってだけ。…ほら、早く行こ。🦾んち連れてって」
パッと体を離して、手を握る。子供のように軽く揺らして、
ぽろりと出る本音。今独りになれば、全部が夢になってしまうんじゃないかと思うと離れられなかった。そろりと抱き締め、そのまま🦾の返事を待つ。
「いいよ。大したもんないけど、それでもいいなら」
「大丈夫、🦾がいるでしょ」
あぁ、キスしたい。そう思うけど、顔がない。
「…やっぱり、早くアニマトロニクス手に入れよ」
ふふ、と笑う。今は言葉でお腹いっぱいだけど、きっと足りなくなる。
「どしたん、急に」
「んーん、俺が欲張りってだけ。…ほら、早く行こ。🦾んち連れてって」
パッと体を離して、手を握る。子供のように軽く揺らして、
少し顔を離し、そのまま甘えるように肩を埋めてみる。母親を亡くしてから初めてのことで、不安がふっと浮上する。でも、🦾の手が📺の頭を撫でた。くしゃ、と髪が乱されるが、少しも気にならなかった。
「いいよ、いつでも。俺は多分キャンディやめらんないけど、それでもい?」
「いいよ。たまには必要でしょ、そういうのも」
傷の舐め合いかもしれない。他から見たら、ただの依存だと言われるかもしれない。でも、それでよかった。他人なんてどうでもいい。自分たちが立って歩けるなら、それで。
少し顔を離し、そのまま甘えるように肩を埋めてみる。母親を亡くしてから初めてのことで、不安がふっと浮上する。でも、🦾の手が📺の頭を撫でた。くしゃ、と髪が乱されるが、少しも気にならなかった。
「いいよ、いつでも。俺は多分キャンディやめらんないけど、それでもい?」
「いいよ。たまには必要でしょ、そういうのも」
傷の舐め合いかもしれない。他から見たら、ただの依存だと言われるかもしれない。でも、それでよかった。他人なんてどうでもいい。自分たちが立って歩けるなら、それで。
「お前が俺のこと認めてくれるんなら、見捨てない」
「俺もう🦾の事とっくに認めてるよ」
「俺だって、見捨てるつもりはさらさらねえよ」
こつりと重なる額。くすくすと笑い合う。
あぁ、欲しいものってもう手に入ってたんだな。
そう思うと、久しく感じていなかった幸福感が脳を揺らす。
「俺、砂糖やめよっかな」
唐突な呟きに、🦾が目を見開く。
「マジで?」
「うん。なんか、辞めれる気がした。…俺がべそべそしてても、🦾は俺のこと見捨てないんだよね?」
「聞くくらいしかできんけど、それでもいいなら」
「お前が俺のこと認めてくれるんなら、見捨てない」
「俺もう🦾の事とっくに認めてるよ」
「俺だって、見捨てるつもりはさらさらねえよ」
こつりと重なる額。くすくすと笑い合う。
あぁ、欲しいものってもう手に入ってたんだな。
そう思うと、久しく感じていなかった幸福感が脳を揺らす。
「俺、砂糖やめよっかな」
唐突な呟きに、🦾が目を見開く。
「マジで?」
「うん。なんか、辞めれる気がした。…俺がべそべそしてても、🦾は俺のこと見捨てないんだよね?」
「聞くくらいしかできんけど、それでもいいなら」
ぎゅっと、ちょっと強めに抱き締めて、📺の足が浮いてるのを自覚しながら軽く左右に揺さぶる🦾。まるでクマのぬいぐるみにでもなった気分を味わいながら、📺も🦾の頭を抱きしめる。
「誰にも盗られたくないから、付き合いたい。今すぐ俺のものにしたい」
誰もいないけれど、誰にも聞かせたくなくて。🦾の耳元で囁くようにそう言うと、すとんと足が地面につく。
「お前が俺のものになってくれるんなら、いいよ」
体から離れた手が、📺の顔を包む。
ぎゅっと、ちょっと強めに抱き締めて、📺の足が浮いてるのを自覚しながら軽く左右に揺さぶる🦾。まるでクマのぬいぐるみにでもなった気分を味わいながら、📺も🦾の頭を抱きしめる。
「誰にも盗られたくないから、付き合いたい。今すぐ俺のものにしたい」
誰もいないけれど、誰にも聞かせたくなくて。🦾の耳元で囁くようにそう言うと、すとんと足が地面につく。
「お前が俺のものになってくれるんなら、いいよ」
体から離れた手が、📺の顔を包む。
「…🦾って、すごいね」
ようやく📺が出した声は🦾の問いかけに何一つ噛み合ってなくて、もちろんカートは首を傾げるけれど、その声がなんだか煌めいていたから、まぁいいかと思う。
「…🦾って、すごいね」
ようやく📺が出した声は🦾の問いかけに何一つ噛み合ってなくて、もちろんカートは首を傾げるけれど、その声がなんだか煌めいていたから、まぁいいかと思う。
はは、と🦾の溢した渇いた笑いが、📺の身体にも響いた。
「親ってだけで、こんなにも人の心に食い込んでくるんだから、マジでクソだなって思う。…でも、お前と過ごしてるとそういうの、全部忘れられるから。こんな俺でもいいんかなって思えるから…俺にとってお前は、隣にいてくれるだけで価値があるよ。顔なくても、📺が📺として隣にいてくれたら、俺は十分なんだけど」
お前は?俺、ちょっとはお前の役に立ててねえ?
腕が緩んで、顔を覗き込まれる。
はは、と🦾の溢した渇いた笑いが、📺の身体にも響いた。
「親ってだけで、こんなにも人の心に食い込んでくるんだから、マジでクソだなって思う。…でも、お前と過ごしてるとそういうの、全部忘れられるから。こんな俺でもいいんかなって思えるから…俺にとってお前は、隣にいてくれるだけで価値があるよ。顔なくても、📺が📺として隣にいてくれたら、俺は十分なんだけど」
お前は?俺、ちょっとはお前の役に立ててねえ?
腕が緩んで、顔を覗き込まれる。
全部全部吐き出してしまった。きっと順序もぐちゃぐちゃで、日本語もおかしくて、泣けもしないのに嗚咽が漏れて、どうにかなってしまいそうだった。でも、少しだけ、軽くなった気がした。
「そっか」
🦾が溢したのは、たった一言。表情は見れなかった。俯いたまま黙っていると、視界に🦾の手が入り込む。
「触ってい?」
いつもの乱暴さに似合わない、甘い声だった。もう声を出す気力もなくて、📺は小さく頷く。するとすぐさま抱き寄せられた。とと、と📺の足がもつれる。それすらも支えるように、腕に力が籠る。
全部全部吐き出してしまった。きっと順序もぐちゃぐちゃで、日本語もおかしくて、泣けもしないのに嗚咽が漏れて、どうにかなってしまいそうだった。でも、少しだけ、軽くなった気がした。
「そっか」
🦾が溢したのは、たった一言。表情は見れなかった。俯いたまま黙っていると、視界に🦾の手が入り込む。
「触ってい?」
いつもの乱暴さに似合わない、甘い声だった。もう声を出す気力もなくて、📺は小さく頷く。するとすぐさま抱き寄せられた。とと、と📺の足がもつれる。それすらも支えるように、腕に力が籠る。
話してもいいのだろうか、嘆いてもいいのだろうか。
ぐるぐると喉元で渦巻く、声に乗せたことのない気持ち。
「…言えるんなら言ってみ。聞くくらいしかできんけど」
そう言って、自分と同じ色の瞳が、📺を射抜いた。限界だった。
顔があるから自分には価値があったこと。今の自分には、軍で培った知識と体しかないこと。老いなければ、誰にも見捨てられないと思っていたこと。なのに、深く考えることもせず軽率に顔を捨ててしまったこと。この世が憎くて憎くて堪らないこと。母親と似たような道を辿ってしまっていること。きっとこのまま、寂しく死ぬんだ。だから、
話してもいいのだろうか、嘆いてもいいのだろうか。
ぐるぐると喉元で渦巻く、声に乗せたことのない気持ち。
「…言えるんなら言ってみ。聞くくらいしかできんけど」
そう言って、自分と同じ色の瞳が、📺を射抜いた。限界だった。
顔があるから自分には価値があったこと。今の自分には、軍で培った知識と体しかないこと。老いなければ、誰にも見捨てられないと思っていたこと。なのに、深く考えることもせず軽率に顔を捨ててしまったこと。この世が憎くて憎くて堪らないこと。母親と似たような道を辿ってしまっていること。きっとこのまま、寂しく死ぬんだ。だから、
少々お待ちください🫶💞💞
少々お待ちください🫶💞💞
そう言いきって、やっぱり少し緊張した面持ちで、付き合ってくれん?って確認してくる🦾。そんなところが、📺は好きだなと思った。
「…顔がないのに、いいの?」
勇気を出して聞いてみる。するとやっぱり🦾は不思議そうな顔で首を傾げた。
「顔なくたって表情はわかるじゃん。今はなんか、泣きそうな顔してるよな、お前」
なんで?と柔らかな声が問いかけてくる。
そう言いきって、やっぱり少し緊張した面持ちで、付き合ってくれん?って確認してくる🦾。そんなところが、📺は好きだなと思った。
「…顔がないのに、いいの?」
勇気を出して聞いてみる。するとやっぱり🦾は不思議そうな顔で首を傾げた。
「顔なくたって表情はわかるじゃん。今はなんか、泣きそうな顔してるよな、お前」
なんで?と柔らかな声が問いかけてくる。
違った?と悲しさを滲ませたような声に、思わず首を振る。
「好き」
出てきた言葉は二文字。ずっとずっと、顔を手に入れた時は、ってたくさん考えていたのに、その言葉は全部思い出せなかった。
「お前、俺の顔だけが好きなん?」
そう言われて、そんなわけない!と声を大きくする。思いつく限りの好きなところを喋り倒して、その間🦾は黙って聞いていた。そうして喋り終えて📺が黙った時、🦾は笑った。
「お前も俺の中身が好きなんじゃん。じゃあ俺の気持ちわかるっしょ」
そう言って一つ一つ、宝物のように大切に話してくれる。
違った?と悲しさを滲ませたような声に、思わず首を振る。
「好き」
出てきた言葉は二文字。ずっとずっと、顔を手に入れた時は、ってたくさん考えていたのに、その言葉は全部思い出せなかった。
「お前、俺の顔だけが好きなん?」
そう言われて、そんなわけない!と声を大きくする。思いつく限りの好きなところを喋り倒して、その間🦾は黙って聞いていた。そうして喋り終えて📺が黙った時、🦾は笑った。
「お前も俺の中身が好きなんじゃん。じゃあ俺の気持ちわかるっしょ」
そう言って一つ一つ、宝物のように大切に話してくれる。
「こんな見た目なのに…?」
なんとか絞り出した言葉に、🦾は首を傾げる。
「見た目ってなんか関係あんの」
「俺はお前の中身が好きって話してんだけど」
「中身は、お前自身だろ?…それともお前、もしかしてアンドロイドなん」
立て続けにぶつけられる言葉。
「いや、アンドロイドではない、けど、」
顔がないのに?やっぱりそこで、📺の思考は止まってしまう。顔があるから好きになってもらえる。それが彼の中での常識だった。だから顔のない自分は誰からも好きになってもらえない。そう思っていた。
「こんな見た目なのに…?」
なんとか絞り出した言葉に、🦾は首を傾げる。
「見た目ってなんか関係あんの」
「俺はお前の中身が好きって話してんだけど」
「中身は、お前自身だろ?…それともお前、もしかしてアンドロイドなん」
立て続けにぶつけられる言葉。
「いや、アンドロイドではない、けど、」
顔がないのに?やっぱりそこで、📺の思考は止まってしまう。顔があるから好きになってもらえる。それが彼の中での常識だった。だから顔のない自分は誰からも好きになってもらえない。そう思っていた。