小説をチマチマ書いてます
「ありがとう」
了
「ありがとう」
了
「エレーナお姉ちゃんもお兄ちゃんも泣かないで……」
チビ助に、キャンディーをくれた子にそう言われ、二人は涙を拭った。そして、チビ助は、キャンディーをくれた子は、妙に膨れ上がったポケットから何を取り出した。取り出したのはキャンディーだった。そして、そのキャンディーを二人に差し出した。
「エレーナお姉ちゃん、お兄ちゃん、これあげる。あの日、渡せなかったから……」
「エレーナお姉ちゃんもお兄ちゃんも泣かないで……」
チビ助に、キャンディーをくれた子にそう言われ、二人は涙を拭った。そして、チビ助は、キャンディーをくれた子は、妙に膨れ上がったポケットから何を取り出した。取り出したのはキャンディーだった。そして、そのキャンディーを二人に差し出した。
「エレーナお姉ちゃん、お兄ちゃん、これあげる。あの日、渡せなかったから……」
「チビ助、助けてやれなくて、すまん……」
古株のスノーデビルは、そう言い終わるか終わらないかで、流すことを忘れて久しい物がひとりで流れていた。
フロストノヴァはキャンディーをくれた子をぎゅっと抱きしめながら、助けられなかったことを詫びた。
「ごめんね、助けてあげられなくて……」
フロストノヴァも何時の間にか泣いていた。
チビ助は、キャンディーをくれた子は、二人が泣いている理由が理解できなかった。
「チビ助、助けてやれなくて、すまん……」
古株のスノーデビルは、そう言い終わるか終わらないかで、流すことを忘れて久しい物がひとりで流れていた。
フロストノヴァはキャンディーをくれた子をぎゅっと抱きしめながら、助けられなかったことを詫びた。
「ごめんね、助けてあげられなくて……」
フロストノヴァも何時の間にか泣いていた。
チビ助は、キャンディーをくれた子は、二人が泣いている理由が理解できなかった。
「チビ助なのか?冗談だよな?そんな、こんなことが良い訳が無いだろう!」
古株のスノーデビルが絶叫するようにそう叫ぶと、チビ助が駆け寄って来て、思いがけないことを口にした。
「エレーナお姉ちゃんとお兄ちゃん達が、私の所に来たんだよ?」
まさか、それは有り得ないと、にわかには信じられなかった。だが、周りを見渡せばチビ助の言う事に偽りは無さそうだった。
「チビ助なのか?冗談だよな?そんな、こんなことが良い訳が無いだろう!」
古株のスノーデビルが絶叫するようにそう叫ぶと、チビ助が駆け寄って来て、思いがけないことを口にした。
「エレーナお姉ちゃんとお兄ちゃん達が、私の所に来たんだよ?」
まさか、それは有り得ないと、にわかには信じられなかった。だが、周りを見渡せばチビ助の言う事に偽りは無さそうだった。
そんなに何度も呼ばなくなくても聞こえているのに……
「姐さん、何でパトリオットの大旦那の所に居ないんですか……」
目を開けるとスノーデビル達は、搾り出すようにそう口にした。スノーデビル達の必死の願いを無碍にしてしまったことに罪悪感を覚えたが、アーミヤとか言ったロドスの黒ウサギ達とケリを付けない訳にも行かず……
「すまない……」
そう言うと、スノーデビル達は仕方が無いなと半ば呆れながらも、自分がした選択を受け入れて入れてくれた。
その時だった、聞き覚えがある声が聞こえたのは……
「エレーナお姉ちゃん!」
そんなに何度も呼ばなくなくても聞こえているのに……
「姐さん、何でパトリオットの大旦那の所に居ないんですか……」
目を開けるとスノーデビル達は、搾り出すようにそう口にした。スノーデビル達の必死の願いを無碍にしてしまったことに罪悪感を覚えたが、アーミヤとか言ったロドスの黒ウサギ達とケリを付けない訳にも行かず……
「すまない……」
そう言うと、スノーデビル達は仕方が無いなと半ば呆れながらも、自分がした選択を受け入れて入れてくれた。
その時だった、聞き覚えがある声が聞こえたのは……
「エレーナお姉ちゃん!」
だが、負けた以上は約束を違える訳にはいかないな。それに、このままだと、私の様に苦しんでしまうだろうから、たとえわずかな時間であれ、仲間になったと思わせてやらないとな……
「約束通り、お前たちの仲間になろう……」
だが、負けた以上は約束を違える訳にはいかないな。それに、このままだと、私の様に苦しんでしまうだろうから、たとえわずかな時間であれ、仲間になったと思わせてやらないとな……
「約束通り、お前たちの仲間になろう……」
それを聞いて、フロストノヴァは悪意と殺意に満ちたものを手にした男を止めようとしたが、キャンディーをくれた子が近すぎて巻き込んでしまうとためらった瞬間、悪意と殺意に満ちたものがキャンディーをくれた子の頭を目掛けて振り下ろされていた。
「kjhしkfげbr!?」
フロストノヴァの悲鳴が響き渡った瞬間、一面が氷に覆われていた。ただし、キャンディーをくれた子を避けるようにして……
それを聞いて、フロストノヴァは悪意と殺意に満ちたものを手にした男を止めようとしたが、キャンディーをくれた子が近すぎて巻き込んでしまうとためらった瞬間、悪意と殺意に満ちたものがキャンディーをくれた子の頭を目掛けて振り下ろされていた。
「kjhしkfげbr!?」
フロストノヴァの悲鳴が響き渡った瞬間、一面が氷に覆われていた。ただし、キャンディーをくれた子を避けるようにして……
そう言われたフロストノヴァは顔を真っ赤にしながら、それ以上何も言うなと言わんばかりに蹴りを入れて来た。蹴りを入れられたスノーデビルは、蹴られた所を摩りながら痛みを紛らわしていると聞き覚えがある声が後ろの方から聞こえて来た。振り返ってみると、昨日のチビ助だった。
「エレーナお姉ちゃん!」
チビ助は手を振りながらこちらに駆けて来ていた。しかし、背後には二人の男が居た。そして、その男の手には悪意と殺意に満ちたものが握られていた。このままではヤバいと思いチビ助に逃げろと叫んだ。
そう言われたフロストノヴァは顔を真っ赤にしながら、それ以上何も言うなと言わんばかりに蹴りを入れて来た。蹴りを入れられたスノーデビルは、蹴られた所を摩りながら痛みを紛らわしていると聞き覚えがある声が後ろの方から聞こえて来た。振り返ってみると、昨日のチビ助だった。
「エレーナお姉ちゃん!」
チビ助は手を振りながらこちらに駆けて来ていた。しかし、背後には二人の男が居た。そして、その男の手には悪意と殺意に満ちたものが握られていた。このままではヤバいと思いチビ助に逃げろと叫んだ。
「姐さん、何でチビ助に本当の名前を教えたんですか?」
古株のスノーデビルが、昨日のあのやり取りの理由を聞いて来た。しかし、フロストノヴァは理由を説明できなかった。自然と口にしてしまったのだから……
「わからない。思わず口走ってしまった」
姐さんから返って来た言葉を信じるしかなかったが、一時とは言えチビ助が姐さんをフロストノヴァからイレーナに戻したと言うのなら、チビ助が純真無垢な子供だったからなのだろうか。
「姐さん、何でチビ助に本当の名前を教えたんですか?」
古株のスノーデビルが、昨日のあのやり取りの理由を聞いて来た。しかし、フロストノヴァは理由を説明できなかった。自然と口にしてしまったのだから……
「わからない。思わず口走ってしまった」
姐さんから返って来た言葉を信じるしかなかったが、一時とは言えチビ助が姐さんをフロストノヴァからイレーナに戻したと言うのなら、チビ助が純真無垢な子供だったからなのだろうか。
「フロストノヴァは本当の名前じゃない。私の本当の名前はエレーナだ」
フロストノヴァは、思わずそう口走っていた。
「エレーナお姉ちゃん、またね!」
キャンディーをくれた子は、そう言い直すと茂みの向こう側に消えていった。
「フロストノヴァは本当の名前じゃない。私の本当の名前はエレーナだ」
フロストノヴァは、思わずそう口走っていた。
「エレーナお姉ちゃん、またね!」
キャンディーをくれた子は、そう言い直すと茂みの向こう側に消えていった。
そんなことを考えていると、キャンディーをくれた子が思い出したように膝の上から降りて、自分に防護服を着せた古株のスノーデビルに脱がせて言外に伝え、防護服を脱がさせていた。防護服を脱ぎ終えると、フロストノヴァの方を見て言う。
「フロストノヴァのお姉ちゃん、もう帰るね。またね!」
そんなことを考えていると、キャンディーをくれた子が思い出したように膝の上から降りて、自分に防護服を着せた古株のスノーデビルに脱がせて言外に伝え、防護服を脱がさせていた。防護服を脱ぎ終えると、フロストノヴァの方を見て言う。
「フロストノヴァのお姉ちゃん、もう帰るね。またね!」
「キャンディーのお礼に、面白い物を見せてあげよう」
そう言うと、力を使って色々な形の雪の結晶を作って見せた。キャンディーをくれた子は綺麗と言いながら、雪の結晶に見惚れていた。
「フロストノヴァのお姉ちゃん、凄い!もっと見せて!」
キャンディーをくれた子がそう言うと、フロストノヴァは凄く嬉しかった。
「キャンディーのお礼に、面白い物を見せてあげよう」
そう言うと、力を使って色々な形の雪の結晶を作って見せた。キャンディーをくれた子は綺麗と言いながら、雪の結晶に見惚れていた。
「フロストノヴァのお姉ちゃん、凄い!もっと見せて!」
キャンディーをくれた子がそう言うと、フロストノヴァは凄く嬉しかった。
「甘い……」
姐さんは、間違いなくそう言った。何も知らないチビ助はそれを聞いて不思議そうにしていたが、周りにいたスノーデビル達は姐さんの言葉を聞いて、色めき立っていた。姐さんが誰かを膝の上に乗せ笑っている上に、失われて久しい味覚が戻ったのだから。だが、周りのスノーデビル達の声がうっとうしくなり、フロストノヴァが周りを一睨みすると潮が引くように静かになっていった。
フロストノヴァは、失って久しい味覚が戻ったことが信じられなかった。
「甘い……」
姐さんは、間違いなくそう言った。何も知らないチビ助はそれを聞いて不思議そうにしていたが、周りにいたスノーデビル達は姐さんの言葉を聞いて、色めき立っていた。姐さんが誰かを膝の上に乗せ笑っている上に、失われて久しい味覚が戻ったのだから。だが、周りのスノーデビル達の声がうっとうしくなり、フロストノヴァが周りを一睨みすると潮が引くように静かになっていった。
フロストノヴァは、失って久しい味覚が戻ったことが信じられなかった。
「お兄ちゃんにもあげる……」
ムッとしたり、キャンディーをくれたり忙し奴だなと思いつつも、チビ助の頭を撫でてやりながらお礼を言う。
「俺にもくれるのか?ありがとうな」
キャンディーを貰ったスノーデビルは、チビ助みたいな非感染者ばかりだったらと夢物語の様な夢想をしてしまっていた。夢想を止め現実に戻ると、違和感を覚えた。何時もなら姐さんから漏れ出す冷気で、ひんやりとするのが今日限ってそれが弱い様な気がした。
「お兄ちゃんにもあげる……」
ムッとしたり、キャンディーをくれたり忙し奴だなと思いつつも、チビ助の頭を撫でてやりながらお礼を言う。
「俺にもくれるのか?ありがとうな」
キャンディーを貰ったスノーデビルは、チビ助みたいな非感染者ばかりだったらと夢物語の様な夢想をしてしまっていた。夢想を止め現実に戻ると、違和感を覚えた。何時もなら姐さんから漏れ出す冷気で、ひんやりとするのが今日限ってそれが弱い様な気がした。
舐めずにいるフロストノヴァの様子を見て、キャンディーをくれた子は甘い物が嫌いなのかなと不安そうな表情し、今にも消えてしまいそうなか細い声で尋ねて来た。
「フロストノヴァのお姉ちゃん、キャンディー嫌いなの?」
このままでは、この子を悲しませてしまうと、慌ててキャンディーは嫌いではないと言う。
「キャンディーは好きだよ」
フロストノヴァそう言うと、キャンディーをくれた子は安心したのか、笑顔になっていた。
舐めずにいるフロストノヴァの様子を見て、キャンディーをくれた子は甘い物が嫌いなのかなと不安そうな表情し、今にも消えてしまいそうなか細い声で尋ねて来た。
「フロストノヴァのお姉ちゃん、キャンディー嫌いなの?」
このままでは、この子を悲しませてしまうと、慌ててキャンディーは嫌いではないと言う。
「キャンディーは好きだよ」
フロストノヴァそう言うと、キャンディーをくれた子は安心したのか、笑顔になっていた。
「ありがとう」
フロストノヴァがそう言うと、キャンディーをくれた子は、すごく嬉しそうな表情をしていた。
「ありがとう」
フロストノヴァがそう言うと、キャンディーをくれた子は、すごく嬉しそうな表情をしていた。
「フロストノヴァのうさぎのお姉ちゃん、これあげる」
チビ助は姐さんにキャンディーを手渡そうとした。フロストノヴァは、自分にそれを受け取る資格があるのだろうかと逡巡し、中々受け取ろうとしなかった。どれほどの理由と言い訳を並べても、非感染者と争ってきた自分が、それを受け取って良いのかと……
しかし、子供の表情を見れば、受け取ってもらえると思っているのは容易に分かった。
「フロストノヴァのうさぎのお姉ちゃん、これあげる」
チビ助は姐さんにキャンディーを手渡そうとした。フロストノヴァは、自分にそれを受け取る資格があるのだろうかと逡巡し、中々受け取ろうとしなかった。どれほどの理由と言い訳を並べても、非感染者と争ってきた自分が、それを受け取って良いのかと……
しかし、子供の表情を見れば、受け取ってもらえると思っているのは容易に分かった。
スノーデビルは、チビ助に抱きつかれた姐さんの顔が困惑から何となく嬉しそうな表情に変わっていくのを見て、このチビ助は何ん何だと思った。パトリオットの大旦那の前でも中々見せない表情を意図も容易く引き出していくのだから……
スノーデビルは、チビ助に抱きつかれた姐さんの顔が困惑から何となく嬉しそうな表情に変わっていくのを見て、このチビ助は何ん何だと思った。パトリオットの大旦那の前でも中々見せない表情を意図も容易く引き出していくのだから……
子供は、何でそんなことを聞いてくるのかと不思議そうな顔をしていた。そして、屈託もなく笑いながら言う。
「フロストノヴァのうさぎのお姉ちゃんのこと怖くないよ?」
フロストノヴァもチビ助に防護服を着せた古株のスノーデビルも、その言葉を聞いて面食らった。スノーデビル小隊のフロストノヴァと聞いて怖くないと言い切れるのは、その恐ろしさを知らないか、そうでなければ……
「そうか、怖くないか……」
フロストノヴァは苦笑しながら、防護服越しに子供の頭を撫でた。
子供は、何でそんなことを聞いてくるのかと不思議そうな顔をしていた。そして、屈託もなく笑いながら言う。
「フロストノヴァのうさぎのお姉ちゃんのこと怖くないよ?」
フロストノヴァもチビ助に防護服を着せた古株のスノーデビルも、その言葉を聞いて面食らった。スノーデビル小隊のフロストノヴァと聞いて怖くないと言い切れるのは、その恐ろしさを知らないか、そうでなければ……
「そうか、怖くないか……」
フロストノヴァは苦笑しながら、防護服越しに子供の頭を撫でた。