Lightnews — Scholar-powered news

帆津見

@bg-sou.bsky.social

12/21のお品書きを公開いたします✨
当日は辰見コウさん（ @kou1146.bsky.social ）
）、ノコリ・モノさん（ @nocorizannen.bsky.social ）と三人合同のサークル「カラメル残念ギア」で参加しています‼️
新刊やペーパーの詳細情報はそれぞれのSNSやpixivをご確認ください🙇
#いたふつ新刊
#いたふつペーパー

December 15, 2025 at 11:49 AM

帆津見

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2025年12月21日妖言41内開催有志主催虎伏プチオンリー「いたって普通の恋をした」にサークル参加します！
itfs2025petit.wixsite.com/2025/
#いたって普通の恋をした_サークル参加
本部と隣接の当サークルは【西１ホールイ38ab】です！
辰見コウさん・ノコリ・モノさんとの三人合同サークルになります！

November 27, 2025 at 1:11 PM

帆津見

@bg-sou.bsky.social

続く、かもしれない。

して。
　そのままもう一生会うことはないと思っていた。
　それなのに、また会えた。
　それだけでもうれしいのに、なんとなく習慣になっていたブログが好きだと言ってもらえて、出版の話までもらえた。
　教育実習のときのことは覚えてなさそうだったけど、高校生のときに興味を持ったのがきっかけだと言っていたのは、伏黒の進路に影響を与えたかもしれないと、自惚れてもいいのだろうか。
　そうして、どこか前世の記憶よりも幸せそうな伏黒を見てほっと胸をなでおろすのと同時に、どうしても焦燥が沸き上がる。
　――俺は、伏黒の近くにいるべきじゃない。
　実の兄たちが前世では九相図だったことを知っている。一度は敵対し、下の兄二人を殺め、一番上の兄が犠牲になった姿を見ている。殺した瞬間に手に伝わってきた感触も、目の前で犠牲になった姿も、目に焼き付いている。
　でも、今の兄たちにその記憶はない。虎杖をごく普通の、血のつながった普通の弟だと信じてくれている。前世でそんなことがあったなんてつゆ知らず、当たり前の顔で愛してくれている。
　その顔を歪めたくない。知らないなら、思い出してほしくない。俺のせいで前世を思い出してつらい顔をさせるなんて、もってのほかだ。
　それは兄だけでなく、伏黒も同じ。
　いや、伏黒のほうがよっぽど。
　スマートフォンを無くしたことがきっかけではあるけど、連絡を取っていないのはそれが理由だった。メッセージアプリを立ち上げることはできなくても、メールなら少しネットカフェにでも行けば使えると分かっているけど、近づいてもいない。ブログも二週間放置しっぱなしだ。

いつまでもそのままではいけないことはわかっている。そもそもビザの関係上、それほど長くは留まっていられない。だが、少しでも長くと悪あがきをしている。
　じわじわと日が差しこみ始めた室内で、虎杖は膝を抱えたまま、ゆっくりと息を吐き出した。

April 2, 2025 at 3:18 PM

帆津見

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5月に出るかもしれない現パロ虎i伏第4話①
https://bsky.app/profile/bg-sou.bsky.social/post/3llluqhrso72j

印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「@bg-sou」と記載されています。
以下は本文の内容です。

　　４

　子どもの頃は平凡だった。
　いや、訂正。やんちゃな悪ガキだったと思う。祖父の手はだいぶ焼かせた。頑固おやじって言葉まんまの祖父に育てられた悪ガキ。
　両親は早くに亡くした。父親の記憶だけはギリギリ残っている程度。
　でも寂しいと思ったことはない。生まれたときから、兄が三人もいて、悪いことをしたら元気にげんこつを落としてくる祖父がいて。寂しいと思う暇なんてなかった。
　そのまま何事もなく、平々凡々な人生を過ごしていくものだと、子どもながらに考えていた。
　そんな平凡だったはずの悪ガキの人生が変わったのは、高校一年生のとき。祖父が亡くなった。その頃には入退院をずっと繰り返していたから、驚きはなかった。少し、寂しくはあったけど、それだけなら何も変わることはなかった。
　変化したのは、祖父が亡くなった日の夜から。
　ひどい悪夢で目が覚めるようになった。
　ただ寝て見ただけの夢なのに、すさまじい吐き気に襲われて、夜中にトイレで何度も吐いた。朝起きると、まつ毛がくっついて離れないぐらい泣いた跡があって、顔を洗っても引かないぐらい目がパンパンに腫れあがっていることもあった。うなされているのを心配した一番下の兄が起こしに来るほどだった。
　それぐらいひどい夢。
　でも、それはたぶん夢じゃない。
　歴史の教科書で読んだことがある。むかし、東京は壊滅した。今の東京はそこから復旧した後の存在で、今での壊滅した名残がそこかしこに残っているらしい。
　壊滅の理由については〝呪霊〟と呼ばれる存在だと

書かれていた。それからその〝呪霊〟が視える体質の人がいることも、そのときから認識されるようになった。悪い〝呪霊〟を祓える〝呪術師〟という職業もあるし、視える人だって多くはないけど普通にいる。
　それが今の日本。
　そのきっかけである、東京壊滅。
　それを毎晩のように夢に見る。それも、巻き込まれて死んだ人間としてじゃなく、壊して、殺した側として。原因の〝呪霊〟と共存していた記憶を。
　夢を見始めた直後に、図書館やインターネットで何度も調べた。俺が見ているのは、たしかにあの壊滅した東京だった。ネットでも文献でも、曖昧にぼかされていることを全部記憶している。
　歴史書と辻褄の合わないところもあるが、それ以外のことは、すべて一致する。都合の悪すぎる事実は隠ぺいされた、と考えれば、矛盾は何もない。
　それがただの幻覚だったら、どれだけよかっただろう。スプラッター映画の見過ぎかな、なんて笑っていられたら、どれだけよかっただろう。
　でも俺は、テレビでもネットでも、どこでも見た覚えのない当時の東京の景色を覚えている。壊滅した直後の、更地の渋谷を覚えている。
　そのあとに続いた呪術師同士の争いも。
　大切だった仲間が死んでいく様も。
　仲間が大事にしていた人が、死んでしまったことも。
　俺が――俺がさっさと死んでおけば。

　◇　◇　◇

　勢いよく起き上がって、周りを見回した。視界に真っ先に映るのは、長いカーテン。このあたりでも一番安い宿は、壁が薄いどころか個室のドアがただの

カーテンだった。
　耳をすませなくても、思った以上に近くから、見知らぬ誰かの寝息が聞こえてくる。
　ゆっくりと息を吸い込むと、鼻腔をくすぐる香りが何となくスパイシーな気がしてしまうのは、タイという国に虎杖が持っている印象のせいもあるだろう。空気も何もかも、慣れた日本とは違う。
　まだ日が昇り切っていない時間帯なのか、薄暗い室内で枕元を手で探る。習慣でスマートフォンを探しかけて、手元にないことを思い出した。
　二週間ほど前、市場を覗きまわっているときに落としたか掏られたかしてしまったらしい。一応現地の警察に行ったけど、あの反応では出てはこなさそうだったし、遠隔のセキュリティロックはかけたけど、きっともう本体は売りさばかれた後だろう。
　不幸中の幸いは、なくなったのがスマートフォンだけで、パスポートやデジカメ、財布が無事なこと。あと、帰国の航空券は紙で発行してもらったから、スマートフォンがなくなっても大慌てせずに済んでいること。
　問題は、何かあったら連絡してきそうな兄や、仕事で連絡をしないといけないはずの伏黒と、もう二週間、連絡を取っていないこと。
「伏黒……」
　隣の部屋にも聞こえないぐらい小さな声で、名前を呼んで、静かに口を閉じた。舌の上で転がった名前は、自分で思っていたよりも、ひどく苦く突き刺さる。
　夢の中でも散々口にした名前だ。
　何度も助けられて、何度も傷つけて。助けろと言われたのに、俺ができたことなんて、ほとんどなくて。でもそんなこと、伏黒は気にしてなくて。
　大事な、大事な、友だち……だった。
　前世の記憶を取り戻した後に真っ先に探した。きっと近くにいるはずだと、なぜか確信していた。

でもいなかった。
　俺なんかよりもっと頭のいい学校にいると思って、いろんな学校の生徒に探りを入れてみたけど、それらしい人は全然見つからなかった。
　そして、半分諦めかけていた大学三年生のとき、ついに出会った。
　教育実習先の高校の生徒として。
『なんだ、歳が離れてたのか。それは考えてなかったわ』
　そう気楽に話しかけようとして、虎杖はすぐに気づいた。
　伏黒が虎杖の顔を見ても、何も反応しない。教育実習生の〝虎杖悠仁〟と名乗っても、全く興味を示そうともしない。声は聞こえてるだろうけど、〝教育実習生〟という肩書だけしか認識していない。
　伏黒は〝呪術師〟だったことも、東京壊滅の中心地にいたことも、大切な姉を失ったことも、なにも覚えていない。なにも知らない。虎杖のように夢にだって見ていない。
　至って平和な、ただの高校生の姿がそこにはあった。
　――よかった。
　視線すら合わせようとしない伏黒を見て、虎杖は心の底からそう思った。
　――一人で背負うにはつらい前世を覚えているのが、俺だけでよかった。
　相変わらず仏頂面や怒った顔ばかりが多いけど、記憶にあるよりも、ずっとマシな表情をしている。それだけで救われたような気がした。
　でも全然こっちを見ない目に焦れて、つい図書室で話しかけたのは少し反省してる。他の生徒に話してたエジプトの本なんて持っていたから、調子に乗ってしまったのだ。すぐに逃げられて、さすがに堪えた。
　その後の教育実習期間中は、あまり近づきすぎないように、他の生徒と差をつけないように気を付けて接

April 2, 2025 at 3:18 PM

帆津見

@bg-sou.bsky.social

まだ続きます。

の立つニヤニヤ笑いのスタンプが送られてきたので無視することにした。
　きちんと進めているから煽ってくることはないが、昨日もあの後チラチラと五条が視界に入ったかと思えば、妙にニヤついた顔を向けられた。絶対にわざとだ。
　大人しく見守ってくれるつもりのない上司にイラつきながら、社用のスマートフォンをしまい込む。
　個人のスマートフォンを確認すると、メッセージアプリに一件新着があった。ドキドキしながら開いて、送り主に少しだけ落胆する。

　恵、次いつ帰ってくる？

　今も実家にいる姉の津美紀は、定期的にこうして伏黒の帰省予定を確認してくる。それほど遠いところに住んでいるわけではないし、忙しくなければこのメッセージをもらったときに帰るようにしているが、今回はそういうわけにはいかない。
　津美紀は伏黒の表情に敏感だ。津美紀に紹介された旅ブログのブロガーと仕事をしていることを悟られるわけにはいかない以上、しばらく帰省は控えるしかない。

　悪い。しばらく忙しいんだ。
　帰れそうなときに連絡する。

　実際、旅行記の仕事が増えて、通常よりも忙しい。嘘ではない言い訳を打ち込んで送信ボタンをタップする。
　少し時間を置いて既読がつき、すぐに『ＯＫ』とスタンプが送られてきた。
　ほんの少し罪悪感を覚えながら、個人用のスマートフォンもポケットに入れて、車窓から流れていく景色に視線を向ける。

虎杖が物珍しげに見ていた景色は、伏黒にとっては見慣れた景色だった。
　素早く消えていく近くの建物に、ゆっくりと視界を流れていく山と空。それらは妙にぼやけて、曖昧な境界線を描いていた。

「恵ー、これまだぁ？」
「今日中にはあがってくるはずなんでちょっと待ってくださいってさっきから言ってますよね⁉　他も確認してるとこなんで、そこは差し替えでもなんとかしますから、ちょっと五条さん黙ってもらっていいですか！」
「だってぇ、落としたら、飛ぶの僕のクビだよ？」
「アンタこれ落ちたぐらいで飛ばされるようなタマしてねぇだろ！」
　姉への連絡がまるで予言だったかのように、仕事が突然忙しくなった。
　依頼していたカメラマンの写真が大規模なインターネット障害に見舞われて届かず、コラムを依頼していたコラムニストが締め切り直前で音信不通。代打を頼んだ人間が電話の向こう側で号泣している声を聞きながら、カメラマンはデータを保存したＵＳＢを手に新幹線に飛び乗って向かっているという一報を視線の片隅で追う。
　雑誌の締め切り直前というこの時期、担当箇所以外でもいくつかトラブルが発生しているらしく、オフィスの中はバタバタと騒がしい音が響いていた。
　締め切りまでに出てこない原稿文。山積みになった校正待ちの文章。
　まさに修羅場だ。
　向かいのデスクに並べられた栄養ドリンクの空ボトルから視線を外し、書類や原稿が山積みになったデス

クに戻った。未読のままになっているメールから自分宛てのものを探し出して、優先的に読んでいく。
　少し先の予定の確認については、一旦保留。後で返信するのを忘れないようにフォルダ分けだけしておく。
　締切よりも随分前に先方確認まで終わった取材先からの丁寧なお礼にも、あとで返信が必要だ。
　メールを開いて瞬時に判断して右に左に分けていく中に、綺麗な風景の写真が添付されたメールが混ざっていた。

　言われてた使えそうな写真、いくつかピックアップして添付しました。
　前にお伝えした通り、これから東南アジアに行ってきます。
　飛行機乗ったり、ネットが使えない環境に行く関係で、返信遅くなるかもしれません。
　でも、メッセージアプリもメールも、二日以内には返信するようにします！

　虎杖らしい元気な宣言を見ながら、少しだけ息を吐き出した。吐き出した分だけ吸い込んだ空気が頭を巡り、わずかに落ち着きを取り戻させていく。
　メールが届いていたのは、今日の午前。依頼した書き直しについても数日前に受け取りは済んでいる。きっと今頃、空の上で映画でものんきに楽しんでいるだろう。
　急ぎではないことがわかっているから、そのメールも後で返信する方のフォルダに振り分けておく。
　帰ってきたら、修正部分を含めた二度目の打ち合わせ。それに、まだ本決まりではない掲載内容の詰めをしていかなければいけない。こちらの締め切りはまだずっと先とは言え、決めることもやることもまだまだたくさんある。
　ファンとしての楽しみと、編集者としての不安と、

元生徒としてのわずかな期待。
　この旅行記が出るまでに、虎杖は思い出すだろうか。
　あんな多数いた生徒の、それもほとんど喋ったことすらない生徒のことを。
　……きっと覚えてもいないだろうけど。
「恵ー、めーぐみー」
「……ハイ」
　しつこすぎる上司の声にため息交じりの返事をする。視線の先にあるあのニヤついた笑みは、きっとまたトラブル発生の合図だ。
　旅行記の件は、一度頭から追い出しておく。今大切なのは目の前まで迫ってきたトラブル続きの雑誌のほうだ。

　最初は気にしていなかった。
　相手は海外にいるのだから。本人が二日以内に返信するとは言っていても、状況によっては難しいこともあるだろうと。
　だがそれが三日、四日、五日。だんだんと指折り数える日付だけが増えていき、両の手では足りなくなってしまえば、心配しないほうが無理というものだ。
　虎杖からの返信が途絶えた。
　二週間。
　メールも、メッセージアプリも返信がないまま、更新されることがないブログの画面だけを見つめている。

March 30, 2025 at 12:45 PM

帆津見

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タイトルをいい加減確定させたいと思いながら、現パロ虎i伏3話目
前→ https://bsky.app/profile/bg-sou.bsky.social/post/3lljo77f7ij2e

印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「@bg-sou」と記載されています。
以下は本文の内容です。

　　３

　◇　◇　◇

　にぎやかな声が教室から響いている。制服の袖を直しながらガラリとドアを開くと、にぎやかな声はさらに大きくなった。
「センセー、じゃあエジプトとかも行ったの？」
「エジプトかぁ。行った行った。はじめての一人海外はエジプトだったよ」
「マジで⁉　一人で初がエジプト⁉」
「マジ。やっぱり考古学やるならエジプトは外せねぇし、一回現地でピラミッド見てみたくて。知ってる？　ピラミッドの石って結構でかくて、階段みたいに気楽には登れねぇの」
「どのくらいあんの？」
「うーん、でかいのだと俺の胸の高さぐらいかな」
「うわっ！　でっか！」
　教室の中心、生徒に囲まれて喋っているのは教育実習生だった。楽しげな様子は、スーツさえ着ていなければ生徒と大差ない。
　生徒も物珍しい教育実習生の存在と、彼が話す体験談の面白さに普段よりもはしゃいでいるようだった。
　それらを遠目に見ながら、教室の後ろを通って自分の机に近づいていく。
　大勢の中に溶け込むのは、もともと苦手だった。協調性がないと教師に言われても、それがそんなに大事なことなのかと疑問ですらあった。群れるやつらの気持ちなんて、理解する気もなかった。
　だから、このときも教育実習生の話に混ざらず、用だけ済ませてさっさといなくなるつもりでいた。
　誰も気づかないほうが都合がいいと思っていたのに、

教育実習生の話を聞いていた女子が振り返った。
「伏黒くんもセンセーの話聞きにきたの？」
「荷物取りに来ただけだ」
「聞いてけば？　面白いよ」
「いや、いい」
　そう言うと鞄を掴んですぐに引き返した。一瞬だけ視界に映った教育実習生が、俺を見て少し悲しそうな顔をしているのには、気づかないふりをした。

　窓が締め切られた図書館は、学校の中でも比較的静かな場所だった。校庭から聞こえてくる元気な運動部の声は微かに聞こえるものの、室内で喋っている人はほとんどいない。
　部活に入っていない伏黒は、放課後はもっぱら図書館で過ごしていた。自宅に帰ったところで勉強がはかどるとは思えなかったし、何よりもこの静かな空間が好きだった。
　勉強の息抜きに蔵書を眺めるのも面白かった。創作された物語にはあまり興味がわかなかったが、図書館にはノンフィクション作品も多く、気晴らしをするにはちょうど良かった。
　ぎっしりと本棚に詰め込まれた本の背表紙を一つ一つ眺める。色褪せて読めなくなっている背表紙には、ステッカーで書名が貼られていた。比較的新しいノンフィクションの文庫本ばかりを見ているから、こういうボロボロになった表紙は物珍しく映る。
　普段なら読まないその中の一冊を手に取った。理由はとくにない。なんとなく、その日だけは目についた。
　本を持ったまま鞄を置きっぱなしにした机に戻ると、先ほどまではひと気がなかった隣の席に人が座っていた。他にも空いている席はあるというのに、わざわざ伏黒が選んだひと気の少ない席の隣。

先に取っていたから移動するのも癪で、顔をしかめつつ席に座る。ちらりと見た隣の席は、さっきまで教室で囲まれていた教育実習生だった。その手元には伏黒の学年の世界史の教科書が広げられていた。
　じっと見つめていると、教育実習生が視線に気づいたのか顔を上げた。普段のにこやかな表情から想像していなかった強い視線に驚いてかたまっていると、教育実習生は伏黒の顔を見てから、手にしている本に視線を向けた。
「エジプト、好きなの？」
　古代エジプトの研究書だった。普段なら読まない本を手に取ったきっかけが目の前の彼だとは言えず、咄嗟に開いた口からはまともな声が出なかった。
「…………」
　小さな声で言った言葉はほとんど聞こえなかったはずだ。
　けれど、その教育実習生は伏黒を見て、嬉しそうに笑っていた。
　差しこんでくる夕日に照らされたピンクがかった薄い色の髪があまりにも綺麗で、伏黒の目にしっかりと焼き付いていた。

　◇　◇　◇

　けたたましい音に驚いて、勢いよく目蓋を持ち上げた。急いで目覚ましを止めると、時刻は朝の七時になったばかり。バクバクとうるさい胸を押さえて、ゆっくりと息を吐き出した。
　ノロノロと起き上がってスマートフォンを確認しておく。
　開く気のおきないダイレクトメールが数件届いているだけで、メッセージアプリの新着はなにもなかった。

念のため、アプリを開いてもう一度確認したが、一番上のアイコンは昨日のやり取りで終わっている。
　――やっぱ覚えてねぇか。
　アプリに表示されたアイコンは、相変わらず本人の写っていない綺麗すぎるウユニ塩湖の写真。昨日の打ち合わせ以降、メッセージアプリは沈黙を保ったままだった。
　吐き出したため息は、小さなワンルームの部屋の中に溶け込んで消えていく。
　スマートフォンを通勤用の鞄にしまい込んで、洗面所へと向かった。いつもと何も変わらない朝の支度を済ませて出社する。
　今日の予定は観光雑誌用の取材だった。昨日の虎杖との打ち合わせがまだ気にかかっているものの、予定通り取材先の店へと向かっていく。
　その道すがら開いた社用のスマートフォンにメールが届いていた。
　送り主は虎杖。ブログで公開されている記事から抜粋内容と書き直し、書籍用の書き下ろしの話。伏黒からの提案はほとんどすべて通った形だ。
　メールの末尾に次の出国予定の話が書かれていた。一か月ほど日本で過ごして、次は東南アジアに向かうらしい。
　できれば日本滞在中に書き直しの件だけでも進めたいということと、それを受け取ってからもう一度打ち合わせをしておきたいという話を返信しておく。
　メールを閉じて、会社のチャットアプリを開くと、五条から旅行記の進捗状況の確認が入っていた。

　順調です。今のところ問題ありません。

　そのあとに虎杖から返信が来たばかりの詳細を記載しておく。
　そのチャットにすぐに既読がついたと思ったら、腹

March 30, 2025 at 12:45 PM

帆津見

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たぶんこれを予告編として12月に出すか迷っていたから。

「割れ物とか入ってるから、見た目より重いかも。預ける荷物に入れると結構割れてることあんだよね」
　説明しながら、虎杖がスーツケースもトランクから降ろしていく。あれだけ重い荷物を背負ったままだというのに、手間取る様子もない。
「スーツケースは着替えとか石鹸とか、盗られてもそこまで困らないもんばっかだから、軽いんだけど」
「はぁ……。やっぱり盗られるんですか」
「国によるけど、まぁわりと。トランジットあるときは荷物が届かないってことも多い。あと、トランジットの飛行機が遅れて一泊とかになったりすると、荷物は預けっぱなしになっちゃうし」
「なるほど……でも重すぎますよそれ」
「そう？」
　怪訝な顔をしているが、重いと思ってないんだろうか。米袋を買って帰るときでも、そこまで重くはならないのに。
　伏黒は大きな荷物を背負った男をじっと見つめる。大きな荷物を持っていてもそれほど大きくは見えないガタイの良さが目に入り、そっと目を逸らした。
　持って生まれた体格が違いすぎる。
「……ご案内します」
「はーい」
　虎杖は気負うことなくゴロゴロとスーツケースを引っ張ってついてくる。
　正面入り口を入ってすぐ、いくつも並んでいる小部屋に入っていった。カチッと音を立てて、電気をつければ、白い壁と焦げ茶の大きなテーブルが目に飛び込んでくる。少しテーブルを動かして荷物を置くスペースを作った。
　後から入ってきた虎杖が物珍しそうに周りを見回していた。
「へー。こんなんなってんだ普通の会社って」
「失礼ですが、お勤め先ってどちらですか？」

「あー……元は高校教師だったんですけど、今は定職にはついてないです。貯金やりくりして海外行って、帰ってきて兄貴のとこ手伝って、また海外行って……っていう生活してるんで」
「そうなんですか」
　海外に行っている頻度や期間を見ていて、予想していたとおりだった。普通に会社勤めをしていたら、あそこまで好き勝手に動き回ることはできない。
　ただ真っ白な壁に囲まれているだけの部屋を一通り見回して、虎杖が椅子に座った。伏黒も向かいの席に腰を下ろす。
「なんで正直出版のお話いただけて、めちゃくちゃうれしいです。海外歩き回ってんのは完全に趣味なんで、これでお金もらえるってなるとは思ってなかったんで」
　嬉しそうに頬を緩めて、ふわりと笑みを浮かべる。
「そう、ですか……」
　なぜか、その笑顔に胸が締め付けられたような感覚を覚えた。
　必死に平静を保ちながら、脇に置いていた鞄からタブレット端末を引っ張りだして、作っていた企画書を開く。虎杖の視線は、伏黒が出したタブレットに向いているから、多少表情がおかしくてもおそらく気づきはしない。
　ゆっくりと息を吐き出し、頭を切り替えた。
「では、旅行記出版にあたってのご説明を、」
「あっ！」
　大きな声に驚いて手を止めた。スクロールしかけた手を中空に浮かせたまま、虎杖を見つめる。
　目を見開いている伏黒を見て、虎杖は恥ずかしそうに頭をかいた。
「すみません、お土産渡していいっすか？　説明聞いてたら、渡すの忘れそうなんで」
「え？　あ、はい」
　反射的にうなずいた。

虎杖が重いバックパックを開き、ごそごそと中身を引っ張り出し始めた。酒と思しき瓶が出てきたと思ったら、やわらかなタオルと共に横に積み重ねられる。ほとんどが袋に入れられているが、そのどれもが日本では見たこともないお店のロゴが入っていた。
　チリの公用語はたしかスペイン語だったな。
　英語ではない文字の羅列を見ていると、突然視界が遮られた。手前に焦点を合わせると、くしゃりと潰れかけた紙袋が目の前にあった。
「これどうぞ！」
「あ……ありがとうございます」
　突き出された紙袋を受け取って、中を確認した。少し重量のある中身はチラシのようなもので覆われていて、どんなものか想像もつかない。
　一言断ってからチラシを剥がしていく。数枚のチラシを剥がすと、中から黒っぽい丸い塊が顔を出した。少しざらりとした手触りに、固く丸いフォルム。
「これは……」
「えーっとたしかチャンチート？って言ってたかな」
　どう見てもブタだった。
　その顔つきは日本のものと少し異なるが、日本でもたまに見るブタの貯金箱。塗装のない黒い焼き物に愛嬌のある顔がつけられている。
　まん丸なそのブタを手に持ったまま視線をやると、虎杖はポンと手を打った。
「あ、気に入らんかった？　他のなら、マブーチェって原住民族が使ってる楽器があんだけど」
　そう言ってバックパックから出したのは南米らしい木管楽器だった。ケーナかサンポーニャという名前の木製の笛は見たことがあるが、それらともまた違う。
　じっとそれを見つめて、ゆっくりと頭を横に振った。
　ブタの貯金箱も飾るぐらいしか用途がないが、吹き方もわからない笛をもらっても少し、いや、だいぶ困る。

「こっちもダメ？　あとなんかあったかな……俺一回着ちゃったけど現地の民族衣装ならスーツケースの中、」
「これで大丈夫です」
「え？　でも、」
「豚でいい」
　またおかしなものを出される前に言い切った。少し強い声で言ったせいで、虎杖が目に見えて落ち込んでいく。
「変なもの押し付けてごめん……」
「あ、いや、かわいいブタなので、大丈夫……」
「兄貴が、どんな変なもの渡しても絶対喜ぶから、まともなお土産がわからんくて……」
「ほ、本当に大丈夫なんで……」
　必死にフォローをしながら、視線を落とした。さっき準備したタブレットが目の前で光っている。
　虎杖に差し出して、作り笑いを浮かべた。
「ご説明、はじめてもいいですか？」
「はい、お願いします……」

March 29, 2025 at 3:43 PM

帆津見

@bg-sou.bsky.social

12月時点で書き終わっていたはずなのに、どうして公開していないのかわからない

「あ、笑った？　笑った今」
「……笑ってません」
「いや笑ったっしょ？　いやぁ、伏黒さんお堅い人なのかと思ってたから、これで笑ってくれんだなってわかって安心したー」
　そう言って、またキュッと肩を縮めて見せる。せっかく咳で誤魔化したのに、不意を突かれたせいで、どうしても口元が緩んだ。
「……伏黒さんて、実は笑いの沸点低い？」
「気のせいです」
「いや、笑ったじゃん今も」
「そんなことより、車行きましょう。ご案内します」
　早口で話しながら歩きはじめると、ユージがゴロゴロ音を響かせながらついてくる。歩きながら後ろを向いて手を差し出した。
「気づかず、すみません。お荷物お持ちします」
「や、荷物は自分で持つよ。重いし、俺は慣れてるし」
　ユージはバックパックを揺すって、軽く背負い直している。伏黒よりも恵まれた体格のせいか、かなり大きな荷物だというのに、重く感じているようには見えなかった。
「そうですか。わかりました。車はこちらです」
　来たのと同じ道をたどって、空港ロビー近くの駐車場へと案内していった。
　止めていた車はある程度の大きな荷物まで収納できるワンボックスタイプ。トランクの扉を開くと、ユージがすぐにスーツケースを入れる。大きなバックパックもその上に積み込まれた。
「伏黒さんの車？」
「会社の社用車です」
　伏黒が運転席へ座る。ユージは迷うことなく助手席に乗り込んできた。
　シートベルトを締めようと引っ張ったところで、金具に当たったポケットの中身がカツンと高い音を立て

る。すっかり存在を忘れていたそれを引っ張りだして、虎杖に差し出した。
　アルミ製のケースに入っているのは、会社から支給されている名刺だ。
「すみません。遅くなりましたが、名刺お渡ししておきます」
「あ、ご丁寧にすみません。俺は名刺持ってないので、もらうだけになっちゃうんですが」
「かまいません」
　ユージはシートベルトを締めてから、名刺をじっと見つめていた。名刺に記載されているのは、基本的な情報だけ。メールの署名欄に入っている内容と大差はない。さして目新しい情報もないだろうと思いながら、ゆっくりと車を発進させた。
　高速道路に乗って、まっすぐ都内の会社を目指す。平日昼間の時間帯のせいか、渋滞にはまることもなく、緑の多い景色をスムーズに駆け抜けていく。
　もっと話しかけられるかと思っていたが、ユージは意外にも静かに正面を見ていた。
「ところでメッセージアプリのお名前って」
「あ、本名です。イタドリユウジ。イタドリは動物の虎に杖って書いて、ユウは悠長の悠、ジはにんべんに漢数字の二」
「虎杖悠仁さんですか。ブログも本名なんですね」
「はい。友だちへの近況報告がてら書いてただけなんで、そのまんまですね。いつの間にか読んでる人が増えてたのにはびっくりしましたけど」
　ユージ――虎杖はそう言って、ほんの少しだけ頬を緩めた。
「だからリアルタイムで更新されてたんですね」
「完全にリアルタイムってわけでもないっすよ。何日分か溜め込んでから書くときもありますし、行った国によってはまともにネットにアクセスできない時もあるんで」

ブログに載っていた国を思い出して、伏黒は納得した。
　日本人もよく行く観光に特化した場所もあれば、かなりマイナーな国の記録もあった。さすがに注意喚起が出ているような国はなかったが、ブログの内容でも危ないと思える場所はいくつも。
　近隣のアジアからヨーロッパ、アフリカ、オセアニア、アメリカ大陸。行く国の縛りもなく、様々な場所に訪れているのは読んでいれば伝わってくる。
「今回は南米でしたよね」
「あ、最近の読んでくれてたんすね。はい、今回はチリを縦断してきました」
　日本は今冬だというのに、肌が焼けているように見えるのは、南半球の真夏を過ごしてきたからだ。
　旅行と呼ぶには長い時を過ごし、少しだけ異国の匂いを漂わせている男は、フロントガラスから窓の外を興味深そうに見つめたまま口を開いた。
「聞きたかったんすけど、今回俺のブログを本にしたいって言いだした人って伏黒さんですか？」
「そうですけど、なにか気にかかることでも？」
「いや、ただ単純に、なんで俺のブログだったんだろとか、どこから見つけてくれたんだろとか、ちょっと知りたかっただけです」
　なんの変哲もない日本の風景から運転席へと視線を移し、虎杖は伏黒に笑顔を向けた。
　伏黒は正面を向いたまま、前を走る車に合わせてアクセルを踏み込む。
「……きっかけは姉からの紹介ですね」
「お姉さん？」
「はい。今俺一人暮らしなんですけど、たまに連絡が来るので。そのときに雑談で、俺が好きそうなブログがあるって言われたんです。それがユージさん……虎杖さんのブログだったんで」
　本人に面と向かって『ファンです』とは言いづらく

て、言葉を濁しながら説明していく。言いたいことの半分も伝えられていないけれど、虎杖は嬉しそうに話を聞いていた。
「好きなんですか？　海外旅行」
「海外旅行が好きってわけじゃないです。海外の文化や歴史の面白さを高校の時に教えてくれた人がいて、今もそういう話を聞くのが好きってだけで。今の会社に入社したのもそれがきっかけです」
「へぇ。そうだったんだ。じゃあ俺が声かけてもらえたのも、伏黒さんにそういうこと教えてくれた人のおかげっすね」
　嬉しそうに笑っている男の顔を横目に見ながら、伏黒は口を噤んだ。
　正面を走っていた車はさらに加速していく。少し速すぎるそのスピードに合わせるのをやめ、だんだんと遠ざかっていく車の後姿を見送った。
「……そうですね」

　伏黒が運転する車は滑るように会社の駐車場へと入っていった。正面玄関近くのスペースへと車を止め、助手席に声をかける。
「着きました」
「ありがとうございます！」
　長時間のフライトの疲れを感じさせない元気な声が響いた。もたもたとシートベルトを外しているのを見ながら、先にトランクのほうへと回り込んだ。
　バックドアを開いて、虎杖のバックパックを持ち上げようとした。
「重ッ……⁉」
「あっ！　だから自分で持つって言ってたんだって！」
　思わぬ重さに目を白黒させていると、慌ててやってきた虎杖が、横からヒョイッとバックパックを持っていく。重さを感じさせない仕草に、本当に同じ荷物かと目を疑った。
「重すぎません？」

March 29, 2025 at 3:43 PM

帆津見

@bg-sou.bsky.social

https://bsky.app/profile/bg-sou.bsky.social/post/3lci5yo3q3y2k
上記の２話目を公開するの忘れていました。
現パロ虎i伏、ブロガー×編集

印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「@bg-sou」と記載されています。
以下は本文の内容です。

　　２

　一週間後、そわそわする気持ちを抑えて、伏黒は空港の到着ロビーに立っていた。
　ユージが乗る飛行機は予定よりも一時間遅れで離陸することになると、乗る直前の本人からメッセージが入っていた。添えられていた飛行機の便名から運航状況を確認して、余裕を持って到着したのがついさっきのこと。
　上司の五条にはユージを迎えに行って、そのあと打ち合わせをすると伝えてある。来客対応用の部屋もきちんと押さえた。五条がやたらとにやついていたのが気にかかるが、さすがに来客の前で揶揄ってくることはない……はず。
　到着ゲートが見える範囲のベンチに座っていると、ポケットの中でスマートフォンが鳴り始めた。引っ張り出して確認すれば、ユージからのメッセージが届いていた。

　飛行機着きました！　荷物受け取ったら出ます！

　電光掲示板を見上げると、教えられた飛行機が到着していると表示されていた。今は預けられた荷物の運搬中だろう。
　もう少し時間がかかると認識しつつ、ベンチから立ち上がった。
　本当に面白いと思ったブロガーに会う上に、はじめて担当する旅行記だ。浮足立っていないと言えば嘘になる。
　顔には出さないようにしていたが、普段通りと言うには少々無理がある落ち着きのなさだ。だから五条があんな顔をしていたんだろう。
　顔に力を入れすぎてしかめ面にならないように気を

付けながら、到着ゲートの脇に立った。同じように乗客を待っているのか、家族連れが一組、楽しそうに喋りながらゲートの出口近くに立っている。あとは旗や乗客の名前が書かれた紙を掲げたツアーガイドが三人。伏黒だけが場違いな気がして、余計に落ち着かなくなっていく。

　到着ゲートのすぐ脇に立っています。
　グレーのスーツです。

　メッセージを打ち込んで送信した。すぐに既読がつくことはなかったが、おそらく出てくる荷物を探すのに忙しいのだろう。出てくる前に読んでもらえれば、すれ違うことはない。
　スマートフォンに視線を落としていると、パラパラと乗客が出てき始めた。ツアーガイドに声をかけている人もいれば、電車の表記を見ながらまっすぐ地下へ向かっていく人もいる。出口のすぐ近くにいた家族連れの元には旅行帰りらしい若い女性が駆け寄って行って、明るい声で喋っている。
　一気に周りがにぎやかになったかと思えば、波が引くように人が減っていく。家族連れやツアーガイドたちがいなくなり、いつの間にか到着ゲートに立っているのは伏黒一人になっていた。
　そわそわとスマートフォンに視線を落とすと、送っておいたメッセージにいつの間にか既読がついていた。一呼吸も置かずに新規のメッセージが届く。

　荷物受け取ったから、そっち行きます！

　ハッとして顔を上げれば、数人の乗客が自動ドアを通って、到着ゲートに出てきた。
　伏黒と同じようなスーツのサラリーマンは、スマートフォンを耳に当てたまま、脇に立っている伏黒に目

もくれず去っていく。男女二人組は楽し気に話しながら伏黒を一瞬見て、すぐに視線を外していった。
　その奥に視線をやると、じっとこちらを見ている男に気づいた。深めに被ったキャップ、カジュアルなデザインのスタジャンに、少し汚れの目立つジーンズ姿。鳶色に近い明るい色の瞳がじっと伏黒を見ている。
　男はゲートの出口を通り過ぎる前に伏黒のもとに近づいてきた。
「あの、伏黒サン、ですか？」
　思ったよりも長身の男に目を見開いた。伏黒自身も長身に数えられるほうだが、目の前の男も同じぐらいはある。ゆとりのあるスタジャンでわかりにくいが、体格は伏黒よりも確実に上だ。
「はい、ジュジュ出版の伏黒です。ユージさんですか？」
「はい、ユージです。この度はお世話になります！」
　メッセージの文面に劣らない元気な声が降ってくる。キャップを取って勢いよく下げられた頭は、瞳の色よりもさらに明るい。男にしては珍しいピンクベージュのような色に伏黒は目を見開いた。
「綺麗な、色ですね……」
　驚きのあまり、率直な感想が口をついて出てしまった。
　慌てて口を塞いでいると、ユージは数度瞬きをして、自らの短い髪を掴んで、確かめるように引っ張っている。短く刈り込まれた髪は掴んだ程度では見えなかったのか、角度を変えて何度も確認して、そこまでしてもダメだったようで、諦めたように手を離していた。
「ありがとうございます！　ちょっと変わった色なんで、頭の色で人に覚えてもらいやすくて助かってます！」
「地毛なんですか？」
「そうです。ガキの頃の写真見てもこの色ですよ」
　答え慣れた様子に今まで何度も言われたのだとわか

る。申し訳ないことをしてしまったと思いながら、気づかれない程度に頭に視線を向ける。
　美容院で染めたとしても、ここまで見事なピンクベージュにするのは難しいだろう。伏黒の髪は、光を通してもなお黒としか呼べないぐらい真っ黒だ。おそらく同じ色にするのは不可能だ。
　綺麗なピンクベージュの髪はキャップの中に隠されて、すぐに見えなくなった。ユージが引いていたスーツケースを掴み直す。
「いつまでも通路で話してんのもあれなんで、今そっち行きます」
　周りを見回すと、いつの間にか通路から人がいなくなっていた。
　ユージは通路を早足で通り抜け、伏黒のすぐ近くまでやってきて足を止める。
　ゴロゴロと引っ張ってきたスーツケースはところどころに傷が入っていて、使い古されたものだとよくわかる。貼られすぎたのか、空港で貼られるシールの跡がいくつか残ってしまっていた。
　背負っているバックパックは、そのまま登山でも行けそうなほどには大きい。数日分の着替えはこっちに入っているのだろう。
「移動って電車ですか？」
「荷物が多いかと思ったので、車で参りました。駐車場に止めてあります」
「よかったぁ。荷物でかくて、電車だと邪魔になんなって思ってたんで、たすかります」
「いつもはどなたか迎えにいらっしゃるんですか？」
「いえ、いっつも荷物抱えたまま、こう……キュッて縮めて乗ってます」
　荷物を手に持ったまま、ユージは肩を縮める仕草をしている。それで縮むのは体だけだろ、と笑いたいのを堪える羽目になった。誤魔化すように口を押えて咳をしていると、わざわざ背中を丸めて覗き込まれる。

March 29, 2025 at 3:42 PM

帆津見

@bg-sou.bsky.social

こちら誕プレにたまきさん（ @am3i2tmk.bsky.social ）からいただきましたー！！見てー！！いたふし色紙ー！！！

December 16, 2024 at 11:39 AM

帆津見

@bg-sou.bsky.social

アフター楽しかったです！円陣を組む🐯🐺たちと、バースデーケーキ(ハニトー)を撮影会。
あと🐯🐺かみしもゲームでタイトルを作る会
#恵BD一週間前パーリィ

December 16, 2024 at 11:22 AM

帆津見

@bg-sou.bsky.social

虎i伏お品書き(？)が出来ました。明日はシ51bにいます。

December 14, 2024 at 2:22 PM

帆津見

@bg-sou.bsky.social

December 10, 2024 at 8:16 AM

帆津見

@bg-sou.bsky.social

そんな情けない状態ですが、感想と応援はいくらでも受け付けております！！
https://wavebox.me/wave/d3n6tqn8kpuqzxmv/

れているアドレスを打ち込んでいく。自動的に立ち上がったアプリの画面にはローマ字で『Ｙｕｊｉ　Ｉｔａｄｏｒｉ』の名前が表示されていた。アイコンはウユニ塩湖の美しい青空と、人の姿が豆粒のように写り込んでいる。
　友だち登録をしつつ、メッセージを打ち込んだ。

　お世話になります。メールでご連絡した伏黒です。
　ユージさんで合っていますか？

　ブログで見たことのあるウユニ塩湖の写真に、ブロガー名と一致する本名らしき名前の表記。これで別人なんてことはないだろうが、万が一を考えて入れた確認のメッセージを送る。
　一分も経たす、すぐに既読がついた。慌ててアプリを閉じた直後、画面上部に新規メッセージの通知が入る。

　はいユージです！
　このたびはお世話になります！

　体裁はギリギリビジネス用だが、先ほどのメールと同じような気安さを感じさせる文面だった。
　普段の伏黒であれば、直接本人に言わないまでも、文句の一つでも口に出す。だが、今日だけは元気さの滲み出る文章を見つめ、口元を押さえて笑い出すのを堪えた。

　よろしくお願いいたします。

　返信があったら伝えようと思っていたことも、

すべて吹っ飛んでしまった。愛想も何もない、短すぎる返事を送って、スマートフォンを伏せる。
　気を抜いたら笑ってしまう顔を普段通りの無表情にするのに必死で、さっきまで集中できていた雑誌の編集作業が手につかない。前倒ししておかないと迎えに行く日に作業が残るとわかっているのに、気づいたらスマートフォンをじっと見つめてしまう。
　そんな集中力が消え失せた中でバイブレーションの音が鳴りはじめた。その瞬間、勢いよくスマートフォンを手に取っていた。

　こちらこそよろしくお願いします！
　一週間後、空港で会いましょう！

　二度、三度と画面を確認して、静かに画面を伏せた。
　ゆっくりと息を吐き出して、今度こそパソコンの画面に集中し始めた。

December 4, 2024 at 12:33 PM

帆津見

@bg-sou.bsky.social

タイトルも決まっていない

書ききった。断られたとしても後悔はない。
　一旦頭から旅ブログのことを追い出し、いつも通り刊行予定の旅行雑誌の編集をしていた翌日。伏黒の元に一通のメールが届いた。

　はじめまして。ユージと申します。
　ご連絡いただいた内容を見て、驚きました。
　俺のブログの内容を出版していただけるんですか？
　本当だったらうれしいんですが、詐欺じゃないかと正直ビビっています。
　もう少し詳しいお話が聞きたいので、出来れば詳細を送っていただけないでしょうか。

　ブログの文体よりも少しだけ丁寧だが、どこかフレンドリーな様子はユージ本人からのメールだと確信できる。
　旅行雑誌の編集を急いで切り上げ、急いでメールを返す。詐欺ではないから安心してほしいということと、出版するにあたってのこちらからの条件、ビデオ通話でも構わないから一度顔を合わせて直接話をさせてほしいということをできるかぎり丁寧に書いた。
　その返信は、一時間もしないうちに届いた。

　顔を合わせて、というお話、ぜひお願いしたいんですが、すみません、今俺、海外にいます。
　今使ってるＷｉＦｉが弱くて、ブログ更新もめちゃくちゃ時間かかるぐらいなので、ビデオ通話はちょっと難しそうです。
　一週間後に帰国予定なので、その時に対面でお願いできないでしょうか。

またすぐに出国するので、予定を合わせられるかわかりませんが。

　まさか、あのブログ、リアルタイムなのか？
　内容には目を通したが、リアルタイムだとは思っていなかった。日付の情報はなく、日時がわかりやすい祭事の話が出ることは稀。少し前に行った話を帰国してからまとめているとばかり。
　一週間後という言葉を見つめて、手帳を開く。今のところ一週間後は、会社で編集作業の予定だった。取材や打ち合わせは入っていない。そのあとは俺自身が取材で地方に行く予定になっている。
　チャンスがあるとすれば、帰国したその日。
　そして、そのチャンスを逃した瞬間、この話は立ち消える予感がした。

　もしよければ、空港までお迎えにうかがってもいいですか。

　思いついた瞬間、メール画面の本文に打ち込んでいた。
　たった一文しかない画面を見つめて、ゆっくりと日程の調整がしたい旨と、問題なければ空港から本社に案内する旨を付け足していく。
　体裁の整った文章を二度読み直して、そっと送信ボタンを押す。
　送信中の画面を見つめていると、全力疾走した後のように心臓が脈動していた。耳元でドキドキと大きく響く音はあまりにもうるさい。柄にもなく緊張していたらしい。
　送信済と表示された画面を前に、伏黒は「なんでだ」と一人ごちる。

やっていることは、いつもの取材依頼と同じ。ただ、内容が普段の旅行雑誌ではなく、はじめて伏黒自身が主担当として進める旅行記ということだけ。断られたとしても、上司がウザがらみしてくる程度の実害しかないはずなのに。
　動かない画面の前で送信したばかりの文章を眺めながら、ハッと息を飲み込んだ。
　なるほど、これはきっとファン心理というやつだ。姉の友人がテレビドラマの俳優にキャーキャー言っていたのと同じもの。あまり経験はなかったが、個人的にも面白いと思っていたブロガー本人に会いたいと伝えるのだから、緊張して当たり前。断られる心配ばかりしているのも、そういうことだと思えば納得がいく。
　一人で納得したところで、止まってしまっていた手を動かし始める。
　伏黒が抱えている仕事はユージの旅行記だけではない。そちらが確定していない以上、メイン業務は今までと同じ旅行雑誌の編集で、ユージのことばかりに気を取られているわけにはいかない。
　予定していた作業日が潰れることも考え、今のうちにできるだけ進めるつもりで、遅れた分も巻き返すようにパソコンを睨みつける。もし作業が滞っていたら、あの上司が確実に絡みにやってくるからだ。
　深々とため息を吐き出していると、またメール着信のポップアップがポンッと表示された。ユージのアドレスからだった。
　先ほどよりも随分早い。もしや『あまり時間がない』というのは遠回しな断りだったんだろうか。
　再び心臓が早鐘を打ち始めた。進めていた作業を止めて、きちんと保存をかけてから、少しもた

つく手で何とかメール画面を開く。

　空港まで迎えに来てくれんの⁉
　ひさしぶりに日本の電車乗ると迷いそうだから、迎えに来てもらえたらめちゃくちゃ助かります！
　予定は全然大丈夫！　家帰る前のほうが都合いいし！
　あと連絡なんだけど、空港まで来てくれんならメールよりメッセージアプリにもらえた方がやりとりしやすいんで、よかったらこっちに連絡もらえませんか？
　→　ｈｔｔｐ：／／ｍｅｓｓａｇｅｃｈａｔ．ｍｅ～

　あまりにも気の抜けた文章に力が抜けていった。断られると思って身構えていたことすら馬鹿らしくなるほど、文章から喜んでいる様が伝わってくる。
　ほとんど素が丸出しになっている文章もだが、気楽な調子でメッセージアプリのＩＤを書いてくる警戒心のなさも、うれしいどころか頭が痛い。詐欺を心配してたんじゃなかったのかと、こっちのほうが本人に問い詰めたくなってくる
　指摘してやるべきかとキーボードに両手を置いて、そのまま手を横に滑らせる。
　キーボードの代わりに触れたのは、会社契約の者ではなく、個人のスマートフォン。生憎、会社用のスマートフォンにはメッセージアプリがインストールされていない。新規にインストールするなら許可を取るまでに時間がかかる。だから仕方ない。
　頭の中で言い訳を重ねながら、メールに表示さ

December 4, 2024 at 12:33 PM

帆津見

@bg-sou.bsky.social

今から間に合う虎伏新刊があるんですか!?
（間に合わないかもしれない）

印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「@bg-sou」と記載されています。
以下は本文の内容です。

　　１

「なんか面白いことない？」
　あまりにも唐突すぎる言葉だった。言葉にしないまでも、『はあ？』と顔全体で表した伏黒は決して悪くはない。
　上司の五条悟は、少々突飛なところがある。唐突に「美味しい餡子が食べたい」と言い出して、新幹線に飛び乗って東京から京都まで行ってしまう。そのぐらい突飛な人だ。
　ただ、そんな突飛な行動をすべて仕事に還元する。唐突な甘味欲は、いつの間にか京都の甘味処本に変換され、旅行誌コーナーでも人気の一冊に仕上げていた、と言えば、五条の仕事に対する勘の良さが伝わるだろう。
　あの唐突な京都までの旅費が経費申請されていたのは、呆れて口が塞がらなかったが。
　そんな上司からの突然の無茶ぶりだ。伏黒の顔は見えているはずなのに、言葉を撤回することもなく笑みを浮かべている。
「ありません」
　そもそも五条の言う『面白いこと』というのがわからない。
　伏黒恵は平凡で面白みに欠けた人間だと、自分で思っている。
　それなりに頭はいいほうだが、小中高と公立のごく一般的な学校を出て、それなりの大学を出て、この編集部に配属された。休日は家で本を読む等インドアな趣味が多く、たまに自主的に外に出るときは、近所のドッグカフェで犬を眺めて過ごしている。

餡子が食べたいからと唐突に新幹線に乗る人に話せるほど『面白いこと』なんてない。伏黒が出せる『面白い話』の九割は、この上司の突飛な行動だ。
「そんなバッサリ切らないで、なんか捻りだせないの？」
「五条さんほど話題に溢れた生活してないんですよ、こっちは」
「だったら、探しておいでよ。仕事だよ？」
　言われてやっと理解した。仕事の話だったらしい。完全に雑談と判断して、返事をしていた。もう少しわかりやすく話を振ってほしい。
　苦情を言ったところで受け付けてくれるとは思えない上司をひと睨みし、思考を巡らせた。
　この編集部は、旅行雑誌や旅行関連本の刊行を担当している。インドアであまり旅行をしない伏黒がこの編集部にいるのは、国文科出身ながら地理・歴史への造詣の深さと、高校時代のある出来事がきっかけだった。と言っても、世界史の授業中に面白い現地の話を教えてくれる人がいたというだけの話だが。
　高校時代に聞いた軽快な語り口が頭に蘇るのと同時に、少し前に姉が言っていたブログのことを思い出した。
「旅ブログ……」
「ブログ？」
「ちょっと面白い旅のブログを書いてる人がいて」
　手元のノートパソコンを操作して、ブログを表示してみせる。
　タイトルは『ユージの旅ブログ』。タイトルはなんの捻りもないが、軽快な語り口と、差しこまれる旅先の写真、旅のスパイスと呼ぶにはあまり

にも色々と事件が起きすぎている内容に、じわじわと閲覧数が増えているブログだ。
　伏黒が見ても読み応えのある内容で、いくつか記事を遡って読んでいた。家に帰ってからゆっくりと読んでいるので、まだすべて読み終えてはいないが、あの旅の話が本になったらそれなりに売れるのではないか。
　そうぽつぽつ話すと、五条さんは日本人にしては薄すぎる色をした目を細め、ゆっくりと口角を上げた。
「じゃあやってみなよ」
「は？　やってみな、って……。五条さん読んでないでしょ？」
「読んでないけど、恵はいけると思ったんでしょ？　だったら、いいんじゃない？　頭が固い生粋のインドア派も読みたくなる旅行記本」
　揶揄っているとしか思えない言葉にムッとする。だが五条が言う内容を否定できない。
　入社してから三年。今まで担当したことがあるのは、定期的に刊行される旅行雑誌ばかり。大ゴケするようなこともなければ、大ヒットとも無縁の代物の担当は、この編集部の中でも安全牌だ。だからこそ、そろそろ別のものも挑戦してみろということだろう。
　目の前で優雅に座っている白髪の上司を見つめ、静かに目を細めた。
「……コケるかもしれませんよ」
「大丈夫でしょ」
「なにを根拠に……」
「それぐらいの嗅覚は鍛えたつもりだよ」
　鍛えたつもりも何も、突然新幹線に飛び乗ったり、大量の甘味を職場に持ち込んだりしている姿

しか見ていない気がする。インパクトのありすぎる奇行の数々に、多少もらったことのあるアドバイスがどれだったかも思い出せない。
　返事をせずにいると、五条は伏黒を見たままわずかに眉を寄せた。
「そっかぁ。ダメかぁ。できないんなら仕方ないよねー。もったいないけど、挑戦するのも嫌だって言うなら無理強いはできないしぃ」
　妙に間延びした腹の立つ口調だ。眉を寄せているのに、明らかに目が笑っている。
「そんなこと言ってないでしょ」
「無理しないでいいよ、恵チャン」
　完全に煽っている。
　こんなわかりやすい挑発に乗ると思われているのも腹が立つ。腹は立つが、ここで「やりません」と言ったら、しばらくこの口調でおちょくられるのも目に見えている。
　目の前にいるのは上司だと認識しながら、伏黒は相手に聞こえるように思いきり舌打ちをした。
「やります」

　ブログのメール機能からメッセージを送信して、深く息を吐き出した。
　送る直前に一気に読んだブログの内容は、やはり面白く、本になってもきっと楽しく読んでもらえると思った。せっかくならもっとじっくり読みたいのに、仕事だからそこまで時間をかけられないのが惜しいところだ。
　先輩からもらった定型文を元に、伏黒自身が感じた内容も盛り込んでいる。書けることはすべて

December 4, 2024 at 12:33 PM

帆津見

@bg-sou.bsky.social

12/1 愛しの教え子DR2024 お品書き
スペースNo.ウ51a 低速ギア
五伏新刊『転生令嬢・伏〇恵は脱ヒロインを目指したい』
詳細はpixivへ→ www.pixiv.net/novel/show.p...

November 30, 2024 at 11:55 AM

帆津見

@bg-sou.bsky.social

12/1五伏新刊『転生令嬢・ｲ犬〇恵は脱ヒロインを目指したい』
ヨーロッパ風の異世界に"ご令嬢"として転生してしまった伏の話。
R18/A5/p30/400円（会場価格）
スペース：東１ホールウ51a『低速ギア』
※通販はイベント終了後開始予定です
※長めのサンプルはpixivでご確認ください
pixiv：https://pixiv.net/novel/show.php?id=23508405
トリオキニ：https://triokini.com/circle/item/182197（誰でも可）

今回のかわいいご令嬢伏の表紙はのの様（ @brancesca.bsky.social ）です！

November 30, 2024 at 10:30 AM

帆津見

@bg-sou.bsky.social

埋まり気味ディグダと、パンケーキに刺さるおじさん

November 11, 2024 at 7:53 AM

帆津見

@bg-sou.bsky.social

某体育館のプールの写真めちゃくちゃ載せたいんだけど、載せていいか大変微妙なので、これしか投稿できる写真がない。

November 4, 2024 at 2:55 AM

帆津見

@bg-sou.bsky.social

めぐにゃんさんの顔色がちょっと違う気がする。
ヴァンパイアにゃんが賽さんちのにゃんで、雨仕様にゃんがうちのにゃん。

November 2, 2024 at 10:44 AM

帆津見

@bg-sou.bsky.social

本垢並みにカオスなアカウントにしていきたいので、こっちでも流す。
ショコラとマリアージュする会員制シャンパンバーの会員になりまして、ちょっと行ってきたんですよ！見てこの箱！宝箱みたい！
かなり高級なので、人を気楽には連れていけないんですが、店長らしきお兄さんは漫画・アニメ・特撮の話に乗ってくれる程度にはこっち寄りの人です。