静寂を沈めた海が、満月を映している
白い泡を浮かべた幾度目かの波が、
今夜も踊らない砂浜を濡らして、
ひとりの足跡が、塔のある岬までつづいた
打ち寄せる羽ばたく声と、
幼い飛沫が果てのない海へと誘う
遠い海の果ては、月の砂漠と繋がっている
沖合に一艘の小舟が浮かんでいた
純白のドレスを着た女が、ひとり櫂を漕ぐ
見るがいい、キャメロットの騎士たち
あれは幻。歌いながら櫂を漕ぐ哀しみの女
やがて沖へと飛沫をあげて走る馬、
水の上を駆ける影、王妃とランスロット。
そして小舟の女を掠うように馬の背に乗せると、
かくて幻は、憂愁を湛えた波間へ消えた
静寂を沈めた海が、満月を映している
白い泡を浮かべた幾度目かの波が、
今夜も踊らない砂浜を濡らして、
ひとりの足跡が、塔のある岬までつづいた
打ち寄せる羽ばたく声と、
幼い飛沫が果てのない海へと誘う
遠い海の果ては、月の砂漠と繋がっている
沖合に一艘の小舟が浮かんでいた
純白のドレスを着た女が、ひとり櫂を漕ぐ
見るがいい、キャメロットの騎士たち
あれは幻。歌いながら櫂を漕ぐ哀しみの女
やがて沖へと飛沫をあげて走る馬、
水の上を駆ける影、王妃とランスロット。
そして小舟の女を掠うように馬の背に乗せると、
かくて幻は、憂愁を湛えた波間へ消えた
youtu.be/ydkljAaPshQ?...
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むごたらしく息を吐き、
憎しみから焼け残った街をゆく、
風が死んで、
血溜まりの匂う道に、
柔らかな非情の陽が射して、
子らが走り抜ける路地をさ迷い、
幾度か 女の影を犯し、
鉄錆の味を舐めながら、
突撃銃を抱え、
新しい地獄へとつづく、
果てのない淵を覗いては、
また一歩、
前進し、
自由という
名
の
赤黒い
、
薔薇の花を想いつつ、
また一歩、
前進し、
すべてを
殲
滅
し
、
焼け残った、
哀しみの果てをゆく
、
ただ、
泣き叫ぶ
老婆を黙らせるために、
引き金を引き、
ありふれた 無惨な日々が、
今
、
こ
こ
に
横
た
わ
る
むごたらしく息を吐き、
憎しみから焼け残った街をゆく、
風が死んで、
血溜まりの匂う道に、
柔らかな非情の陽が射して、
子らが走り抜ける路地をさ迷い、
幾度か 女の影を犯し、
鉄錆の味を舐めながら、
突撃銃を抱え、
新しい地獄へとつづく、
果てのない淵を覗いては、
また一歩、
前進し、
自由という
名
の
赤黒い
、
薔薇の花を想いつつ、
また一歩、
前進し、
すべてを
殲
滅
し
、
焼け残った、
哀しみの果てをゆく
、
ただ、
泣き叫ぶ
老婆を黙らせるために、
引き金を引き、
ありふれた 無惨な日々が、
今
、
こ
こ
に
横
た
わ
る
鼾がやたら五月蠅くて
ふと目が覚めたが、
身体はまだ眠っていた
どうやら幽体離脱したようだ
真夜中の瓦屋根はよく冷えていた
窓から自分の鼾が聞こえる
空をボクの同類たちが飛んでいた
手を振ると、大勢がこっちへやって来る
――君たちも自分の鼾で目が覚めたのかい?
皆は同時に頷いて、耳の穴を塞いだ
ガオウウウウウ、グルルルル‥‥
鼾がやたら五月蠅くて
ふと目が覚めたが、
身体はまだ眠っていた
どうやら幽体離脱したようだ
真夜中の瓦屋根はよく冷えていた
窓から自分の鼾が聞こえる
空をボクの同類たちが飛んでいた
手を振ると、大勢がこっちへやって来る
――君たちも自分の鼾で目が覚めたのかい?
皆は同時に頷いて、耳の穴を塞いだ
ガオウウウウウ、グルルルル‥‥