同じ年のうちに2人の親族を亡くした。残るのは、認知症を患った叔父1人だ。なんとかしなければならないが、途方に暮れている。

祖母は何人かの名前を挙げた。「みんな死んでしまった、自分は長生きしすぎてしまった」と繰り返した。
そんなことはない、まだ生きてほしいと語りかけたが、首を振るばかり。特に、母が亡くなったことがショックだったようだ。
面会時間は長く取れなかった。長く起きて話し続けることは難しい様子だった。
大阪万博以降、関西方面への飛行機代とホテル代は高騰していた。私は翌日の便で帰宅した。

祖母はそれから4日間持ち堪えた。病院から、「このまま心臓が弱っていく可能性があります」と電話がかかってきた。夜中の8時を回っていた。
チケットを探している間に、心臓が止まったことを知らせる2度目の電話を受けた。

司法書士に依頼し、他に相続人がないことを証明する書類を法務局に届け、法定相続情報証明書を作った。母が加入していた保険会社（おそらく母が友人から勧められて加入したもの）は、これを認めなかった。戸籍謄本しか認めないというのだ。これには司法書士も困惑していた。

あちらではAの書類がいるというし、こちらではBの書類がいるという。私はカフカの迷宮に迷い込んだかのようだった。

ようやく一段落ついた。ぶじ風邪をひいた。

なんでも捨てずに残しておく母は、一度は検討したけれど結局契約しなかった保険のような不要な書類も全て、特に整理しないまま残してあった。母のスマートフォンは結局どこにも見当たらなかった。認知症になってしまった伯父がどこかへ失くしてしまったのだ。
光インターネットを解約したあと、契約中のポケットWi-Fiを棚の奥から発見した時は冷や汗をかいた。U-Nextのメモが見つかったけれど、契約中かどうか分からなかったので、結局、全部の銀行口座を凍結させた。

今回の結果はいいことばかりとは思っていない。
特例法はジェンダーバイナリを解体するものではないし、強制異性愛に変革を迫るものでもない。
むしろ既存の秩序を強化する側面も強いので、今後の展開によっては、「トランスノーマティヴ」とでもいうような潮流に回収されないとも限らないと思っている。
誰もが先駆的な医師や裁判官に当たるとも限らないし、手続き費用を支払えるわけでもない。私たちは僥倖としか言いようのない機会や縁に恵まれたのだと思う。
私たちは相変わらず仕事探しに疲れ、なんとか生きている。文章を書くのも久しぶりだ。
それでもまるで自分のことのように喜んで支えてくれた友人たちには深く感謝します。

そうですね。業界全体で呼称を変わらないと、「プラグ／ジャック」と言ってるんですが、だいたい伝わらなくて、悩ましいです。
でも、「デコボコ」はいいかもしれませんね。「これをデコ側に、こっちをボコ側に差して…」なら伝わるかな…。今度機会があったら言ってみます。

このようにしてジェンダー、すなわち人間を分類する指標のひとつは、個々人が生活を送る中で、誰かから選択を迫られたり勝手に判断されることで、社会的に再生産されていく。指標のなかに分類されることで、私は自分自身の一部分を切り取られ、繰り返し否定される。

「な？そう思うやろ？」という感情と、「見た目で判断しないでもらえますか？」という感情と、「セクマイ見るの初めてか？お？」という感情と、「なんでこんなふうに感情を掻き乱されないといけないのか？」という感情などがこんがらがっている。

私は自分の声にユーフォリアを感じることがあまりない（時々ある）ので、こうしたボカロ的なものは比較的表現しやすいではある。
一方で、多くのボイスバンクがキャラクター化されていて、いちいちジェンダリングだけでなく変な記号がたくさん付属しているので（キャラクターの年齢・身長・体重とかその情報いる？）、ウェッ…てなりながら使っている。