別の世界線では🐣👓
感覚戻すために短めの文をつぶやき中。
「ちぇ…なに?」
助手席から聞こえた声に咄嗟に反応しようとしたが、信号の切り替わりも相まって上手く聞き取れなかった。
「チェシャ猫」
特に感情の籠った様子は無い声がもう一度繰り返した。
はっきりと聞き取れたものの、内容は汲み取れない。
「チェシャ猫の口」
黙ってアクセルを踏み続ける横でまた声がする。
「猫の?口?」
「チェシャ猫の、ね」
「ふーん」
「不思議の国の」
「アリスか!あー!え?なにが?」
そこまで言って車を停めた。今度の信号は赤だ。助手席を見ると黙って空を指さしている。
空には月が。とても細く笑っている。
「なるほどね、確かにチェシャ猫だ」
「でしょ」
「ちぇ…なに?」
助手席から聞こえた声に咄嗟に反応しようとしたが、信号の切り替わりも相まって上手く聞き取れなかった。
「チェシャ猫」
特に感情の籠った様子は無い声がもう一度繰り返した。
はっきりと聞き取れたものの、内容は汲み取れない。
「チェシャ猫の口」
黙ってアクセルを踏み続ける横でまた声がする。
「猫の?口?」
「チェシャ猫の、ね」
「ふーん」
「不思議の国の」
「アリスか!あー!え?なにが?」
そこまで言って車を停めた。今度の信号は赤だ。助手席を見ると黙って空を指さしている。
空には月が。とても細く笑っている。
「なるほどね、確かにチェシャ猫だ」
「でしょ」
今日もきっとどこかでいい月夜が見れてるといいですね。
家の窓から月が見えないので、かわりにどなたか月を見上げてくださいな。
今日もきっとどこかでいい月夜が見れてるといいですね。
家の窓から月が見えないので、かわりにどなたか月を見上げてくださいな。
静かな夜がはじまったと思っていた。
気づけば朝だった。
誰も居ないその部屋はただずっと彼の居た痕跡を伝え続けてくれる。
この先もずっと。
だから部屋の隅に追いやった。彼の好きだったオレンジ色の堅い木製の丸椅子。
しかし、隅に追いやったはずなのにオレンジ色と言うのは主張が激しいものだ。
相変わらずずっとうるさく、煩わしいまま、こっちを見ているようだ。
彼が居た頃のように。
静かな夜がはじまったと思っていた。
気づけば朝だった。
誰も居ないその部屋はただずっと彼の居た痕跡を伝え続けてくれる。
この先もずっと。
だから部屋の隅に追いやった。彼の好きだったオレンジ色の堅い木製の丸椅子。
しかし、隅に追いやったはずなのにオレンジ色と言うのは主張が激しいものだ。
相変わらずずっとうるさく、煩わしいまま、こっちを見ているようだ。
彼が居た頃のように。
データは消えたけど、全然書けるんだよ。
頭から消えてくれないからな。
データは消えたけど、全然書けるんだよ。
頭から消えてくれないからな。