さまなし
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さまなし
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さまようななし、略してさまなし。20↑
ゼン蛍中心ほた©受け（特に長身男子）多し。
作品タグ→ #3m74ss （無断転載・無断使用禁止）
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キィ蛍140字SSまとめ。
#キィ蛍 #kinilumi #蛍受け #3m74ss

①逃がしはしない
②彼氏気取りかよ
③見てしまった
④優しくしないで

①④140文字で書くお題ったー
shindanmaker.com/375517
②140文字SSのお題
shindanmaker.com/587150
③140文字で書くSSお題
shindanmaker.com/a/320966
「なぁ、お前ってあいつのことが好きなんだよな？」 「なんだいきなり」 「いや、だってよぉ」 　向こうで懸木の民と話す蛍をちらりと見てキィニチに視線を戻す。先ほどからずっと蛍を見てるキィニチの視線は、どう見ても愛しい者を見る目ではない。 「自覚してんのか？」 「だからなんなんだ」 「無自覚かよ」 　時に危ないと手を引き腰を抱き、時に不埒な声掛けをしてくる野郎どもを牽制のごとく睨みつけ。 　かと思えば見たこともないような笑顔を向けて優しい声色で話をする。 「けっ、彼氏気取りかよ」 　思わず悪態をつけば何故か虚を突かれたような顔をして。 「彼氏だが？」 「はぁ？！」 　何だそれ、聞いてねぇぞ！ 　これ以上は駄目だと頭の片隅で思うのに、それはとても心地よくて強欲にももっと欲しいとさえ思ってしまう。 　私にはまだやるべきことがあるの。 　だからそんな風に扱わないで。 ――優しく、しないで。 「嫌だ」 　抱き締められて思わず泣きそうになった。 　どんな代償を払えば、私は貴方と一緒にいられますか？
April 13, 2025 at 8:37 AM
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リオ蛍140字SSまとめ。
#リオ蛍 #wriolumi #蛍受け #3m74ss

①Be mine forever
②勘違いしてくれ
③幸せにするよ
④「とりあえず殴っておく？」

①④140文字SSのお題
shindanmaker.com/587150
②140字SSお題ってみたー
shindanmaker.com/a/776155
③140文字で書くお題ったー
shindanmaker.com/375517
　初めての快楽に最後は気を失うように少女は眠ってしまった。 　頬にかかる髪を避けキスを送ると小さく漏れる声。 　再度反応してしまいそうになる自身を戒め少女を抱き上げシャワールームへ。 　ようやく手に入れた。 　自分だけの。 　もう何があろうと手放す気など無い。 　例えそれが少女自身の願いであったとしても。 　用意されたドレスに身を包み、腰に回った腕に導かれ、高価そうなディナーを公爵と二人きりで。 　まるで恋人にでもなったようなひと時。 「私だからいいけど気を付けないと勘違いさせちゃうよ」 「あんたにその勘違いとやらをしてほしいと言ったら？」 「そ、れって」 「俺は最初からそのつもりだってことだ」 「私があなたを幸せにするよ」 　だから私に愛されて。 　そう言って伸ばされた手を思わず取ろうとして慌てて引くと、少女はその小さな手ですかさず掴んだ。 「蛍ちゃん、俺は」 「資格がないなんて言わないでね」 　見透かされた言葉に両手を上げて降参する。 「その言葉に甘えても？」 　少女は満面の笑みで答えた。 　珍しく怒っている少女に理由を聞けば、特別許可証でとんでもない物を買おうとした奴がいるらしい。 「それで？　そいつは何を買おうとしたんだ？」 「……私」 「は？」 「私の事、いくらだって」 　ぐっと詰まった息を大きく吐き出し、無意識に握り締めた拳を見てぽつりと呟く。 「……とりあえず殴っておくか？」
April 13, 2025 at 8:24 AM
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放蛍140字SSまとめ。
#放蛍 #wanlumi #蛍受け #3m74ss

①甘えることを教えたのは、貴方だから
②貴方の心臓が欲しい
③震えてる
④惚れ直した？

①140字SSのお題
shindanmaker.com/587150
②④140文字で書くお題ったー
shindanmaker.com/375517
③CP向け140字・SSお題
shindanmaker.com/570790
　後ろから抱き締めて肩に顔を埋めると、小さく体を跳ねさせた後ふふっと笑う声。 「……何？」 「ううん。何でもないよ」 　見なくたって分かるその顔は、きっとムカつくくらい喜色満面で。 　君の思惑通りみたいなのが気に入らなくて抱き締める腕に力を込める。 　誰のせいでこんなに触れたくなってると思うんだ。 「貴方の心臓が欲しい」 「それ、本気で言ってるわけ？」 　そんなものが僕にはないことを知らないはずがない。 　けれどその表情は真剣そのもので。 「本気だよ」 　左胸に添えられる手。 「貴方だけの、これが欲しいの」 　まるで祈るように目を閉じた彼女に胸がざわつく。 　響くはずのない音が耳を掠めた気さえした。 「まさか、震えてるのかい？」 「寒いんだから当たり前だよ」 　雪山で寒さに震えるのは至極当然。でも人形である彼にそれが当然じゃないことも事実。 　だから早く任務を終えてここを去ろう。そう思ったのに。 「ひぇ！」 　突然抱き締められて変な声が出た。 「寒い時はこうするんだろう？」 　いったい誰がそんなこと！ 「惚れ直した？」 　得意げに笑う彼女に溜息を一つ。 「惚れ直す？　それは元々惚れてる人間に使う言葉だろ」 「え？　私の事好きでしょ？」 　さもありなんと言い放たれ思わず言葉を失う。 「そんなわけないだろ」 「なら今好きになったでしょう？」 「……自惚れるにも程がある」 　本当、どこからその自信が来るんだ。
April 13, 2025 at 8:14 AM
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ゼン蛍140字SSまとめ。
#ゼン蛍 #hailumi #蛍受け #3m74ss

①『知りたくなかったなぁ』
②手を繋いでもいいですか
③薄れゆく残り香
④気付かないふりはもう出来ない

①③④140字SS向けのお題（日常系・恋愛系）
②140字SSお題ってみたー
　少し考えれば当然だと思った。 　眉目秀麗に容貌魁偉。 　これでモテないなんて普通あり得ない。 　そこに高い地位とくればいわゆる政略結婚だってあり得るわけで。 　見た目に惹かれた女性が噂している。 　娘の結婚を足掛かりに己が地位を高めようと権力者が画策している。 　アルハイゼンの事、何も知らないくせに。 　恋人同士になって、でも今までと何も変わらなくて。 　じゃあ恋人らしいことをすれば、と考えて出てきたのが手を繋ぐこと。 　でも直接言えなくて視線の先で揺れる手をただ見つめるだけ。 　先を行く彼が振り返る。 「さっきから何か言いたいようだが」 　気付かれてた。でも言うなら今だ。 「アルハイゼン、あのね」 　羽織った瞬間鼻腔を掠めた香りに小さく鼓動が跳ねる。そういえば最後に羽織ったのは彼の家でだっけ。 　懐かしく思うと同時に随分と長く彼に会えていないことに寂しさが募る。袖口を近付けもう一度息を吸えば先程よりも薄く感じる香り。 　ぎゅっと自分を抱き締めるけど、物足りない。 「……会いたいなぁ」 　思わず逃げた。 　違うと言い聞かせても激しい鼓動はまるで目を背けることを許さないかのよう。 　それでもとにかく逃げて。 　逃げて。逃げて。 　目的地なんてない。とりあえず彼から一度距離を置きたかった。 　それなのに。 　突然掴まれた手に思わず振り返り、瞬間ぶつかった瞳に囚われる。 　駄目、これ以上はもう。
April 12, 2025 at 4:04 PM
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キィ蛍140字SSまとめ。
#キィ蛍 #kinilumi #蛍受け #3m74ss

①ご機嫌取りも楽しみの一つ
②啄むようなキス
③御馳走様でした。
④腰を抱く

①140文字で書くお題ったー
shindanmaker.com/375517
②④140文字で書くSSお題
shindanmaker.com/a/320966
③140文字SSのお題
shindanmaker.com/587150
「私、怒ってるんだからね」 　その言葉通りぷくりと頬を膨らませてツンとそっぽを向く。その原因が俺が彼女に手を出し過ぎたせいなのは棚に上げて、絵に描いたような怒る姿につい笑みそうになるのを耐える。 「そうだな。俺が悪かった。俺に出来ることならなんでもしよう」 「……何だか、楽しんでない？」 　蛍からのキスが欲しい。 　その願いに彼女がくれたのは、掠める程度の、下手をすればキスと言えないようなもの。 「足りない」 「うぅ……じゃぁ、こう？」 　軽く啄むように触れた唇。観察するように見続ければ躊躇いながらもう一度。 　それはそれで可愛いが、欲しいのはそうじゃないと我慢できずに唇を奪った。 「あ、キィニチ！　これ凄く美味しいよ。一口どう？」 　ちょっと揶揄うつもりで『はいあーん』と近付けてみる。 　流石に食べないかな、と思っていたら躊躇うことなく口に運んで咀嚼。したかと思えば流れるようにキスされた。 「御馳走様」 「え」 　あっという間に去っていくキィニチ。ちょっと待って。今の何？ 　出合い頭、隣に立ったかと思えば腰に腕が回りぴったりと寄り添う。驚きに目を丸くしていると耳元で囁かれた。 「合わせてくれ」 　その言葉で何か起きているんだと分かる。それと同時に軽く締め付けられる胸。 　少しだけ期待してしまったのだ。キィニチが、私の事を憎からず思ってくれてるんじゃないかって。
April 12, 2025 at 3:18 PM
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今期も無事に。
フレの強い子いなかったら終わらなかったよ。本当フレンド様様です。
April 12, 2025 at 2:08 PM
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へへ、ゼほが並んでるだけで嬉しい🥰
April 12, 2025 at 8:41 AM
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カヴェ蛍140字SSまとめ。
#カヴェ蛍 #kavehlumi #蛍受け #3m74ss

①本気にしないよ、それでいい？
②無理をするのは得意
③好き、大好き
④花束を抱えて

①140文字SSのお題
shindanmaker.com/587150
②④140文字で書くお題ったー
shindanmaker.com/375517
③CP向け140字・SSお題
shindanmaker.com/570790
「い、今のは違う、間違いなんだっ」 　勢い余って告白してしまい慌てて否定する僕を彼女はじっと見つめてくる。 「本当に？　ならこの先また告白してくれても……本気にしないよ、それでいい？」 「そ、れは……困る」 　ええいままよ！　と再度想いを伝えれば、私も、と彼女は満面の笑みで答えた。 「蛍、そろそろ行かないと……」 「駄目。絶対に行かせない」 　高熱で歩くのも覚束ないカーヴェを布団に押し込んだのはさっきのこと。 　無理をするのは得意な彼はそれでも依頼人に会おうとする。仕事が大事なのもわかるけど、誰よりも彼自身が大切だから。 「治るまで外には出られないと思ってね」 「カーヴェ！」 　全速力で駆け寄り振り返った瞬間その胸に飛び込むと、不意打ちにも関わらず私をしっかりと抱き止める。 「っ、蛍？」 「あのね、カーヴェ」 好き、大好き 「は？　え？」 　突然の告白に目を白黒させた後カッと顔を真っ赤にするカーヴェに満足した私はぎゅうっと力強く抱き付いた。 　その腕から零れ落ちそうなほどの花束を抱えて、少女はその花に負けないくらい綺麗に満面の笑みを浮かべていた。 　少しだけ顔が赤いのは見間違いか。 　そんな顔で目の前の男と話している話の内容は何だ。 　ぐつぐつと腹の奥が煮えるような感覚に視界が霞んでくる。 　気付けば僕は二人の間に割って入っていた。
April 6, 2025 at 2:49 PM
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ゼン蛍140字SSまとめ。
#ゼン蛍 #hailulmi #蛍受け #3m74ss

①不釣り合いな私
②立ち向かえ男ども！
③願ったのは貴方の幸せ
④記憶にない

①②140文字SSのお題
shindanmaker.com/587150
③140字SSお題ってみたー
shindanmaker.com/a/776155
④140文字でお題ったー
shindanmaker.com/1017946
　一目で釣り合っていると思った。彼の隣に立つ女性は誰が見ても大人の女性らしさがあって、教令院の学生だから頭だっていいはずで。 　それに比べて私は大人の女性とは言えず、専門的な話はからっきし。けれど。 「……やだなぁ」 　チリッと胸に走る痛みに呟いた言葉にハッとする。 　この感情は何から生まれた？ 　珍しく一人でいる旅人に今ならお近づきになれるかもしれないと声をかけようとして突然現れた男に邪魔をされる。 　なんだコイツは。 「おい、今俺が」 「何か用か」 　一言文句を言おうとして男の纏う雰囲気に硬直する。 「あ、いや、何でもない、です」 　なんだあの男！　あんな奴がいたら誰も旅人に近付けないだろ！ 「アルハイゼンにはね、幸せになって欲しいの」 「ならば君がずっとそばにいればいい」 　いつか俺の元を去るつもりなのだろう、その言葉に蛍の瞳が揺れた。 　その手を取り指を絡め、まだどこか戸惑いを見せる彼女を抱き寄せる。 　手放す気など一切ない。もうすでに俺の世界は彼女がいることが自然なのだから。 「アルハイゼン！」 　騒がしく部屋に入ってきた蛍は顔を真っ赤にして首元を押さえていた。すぐに手を離し次に指差す先にはキスマーク。 「これ！　あなたが付けたんでしょ！」 「記憶にないな」 「他に誰が付けるの！！」 　確かにと手招きし無防備に近付いた彼女にキスをすれば「ごまかさないで！」と怒られた。
March 20, 2025 at 2:57 PM
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ガチでコントローラー投げ出したくなるくらい大変だった😵
今回ほどやり直したことはないよ……。フレのつよつよ甘©のおかげです。ありがとう。
March 20, 2025 at 2:23 PM
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キィ蛍140字SSまとめ。
#キィ蛍 #kinilumi #蛍受け #3m74ss

①もっと、触って
②寝惚けてた、寝惚けてたんです！
③何も聞こえない
④オオカミさんの味見

①③140文字で書くSSお題
shindanmaker.com/a/320966
②④140文字SSのお題
shindanmaker.com/587150
「蛍、ちょっと待った」 　いつの間にか付いていた彼女の頬の汚れを指で拭き取る。 　綺麗になった頬に満足して手を離すと蛍は少し困ったような顔をした。 「悪い、断りもなしに」 「え？　あっ、と……」 　今度はもじもじとする蛍に首を傾げると。 「その……もっと、触って、とか思っちゃって」 　思わず空を仰いだ。 　傍で何か聞こえる。大方アハウが飯を寄越せと騒いでいるんだろう。 　まだ起きる気がせず「うるさい」と虫を払うように手を払った。 　けれどいつもと違う感触におや、と目を開けるとそこには唖然とした彼女の姿が。 「あ、と、ごめんね」 　そう言って走り去った彼女にハッと我に返ると慌ててそのあとを追った。 　伸びてきた手が私の両耳を塞ぐ。何をされるのか分からなくて見つめていると同じくこちらを見つめた彼は口をパクパクと動かした。 「キィニチ？　なんて言ったの？」 　聞こえなくてそう問いかけると彼は困ったように眉尻を下げる。 　どうしてそんな顔をするの？ 　思わず頬に触れると困った顔が泣きそうに歪んだ。 　首筋を這う舌に思わず声が漏れる。時折歯を立てられ身を捩れば逃がさないと抱き締める力が強くなるのに、それ以上の事はしてくれない。 「ね、ぇ、きぃにち」 　はやく、つぎを。 　お願いと名前を呼ぶけどちらりと視線を動かすだけ。 「っ……いじわる」 「こんなに美味そうなのにすぐに食べたら勿体ないだろ？」
February 9, 2025 at 1:18 PM
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ゼン蛍140字SSまとめ。
#ゼン蛍 #hailumi #蛍受け #3m74ss

①だいたいあいつのせい
②自分だけ知ってればいい
③50/50
④ご愁傷様、

①②③140文字で書くお題ったー
shindanmaker.com/375517
④140文字SSのお題
shindanmaker.com/587150
「アルハイゼン、寝不足？」 　珍しく欠伸をしている彼に問う。 「あぁ……大体はあいつのせいだ」 　その一言でピンときて洞天で眠ることを提案してみると。 「そうだな。……いや、君が共に寝てくれればいい。それであいつも配慮するだろう」 「そう、だね？　……ん？」 　あれ？　今サラッと凄いこと言わなかった？ 　ビクリと跳ねた体に一瞬近付くべきか迷った。 　けれどその頬を伝った涙に真っ直ぐ足を進め無言で抱き締める。 　隠してしまえるほど小さな体。小さく漏れる声がどうか誰の耳にも届かぬように。 　彼女の相棒は知っているのだろうか。 　願わくば自分だけが知っていればいい。そして二度と見ることが無いことを。 「旅人に告白したら勝率どれくらいだと思う？」 「お前なんか相手にされないって」 「悪くても……五分五分だと思うんだ」 「ないない」 　背後の会話に思わず鼻で笑うとマスターがこちらを不思議そうに見た。 「面白いことでもあったのか？」 「いや、これほど分かり切った結果もないだろうと思っただけだ」 「あれ、蛍？」 　視線の先にいるのは蛍と見知らぬ学生。何やら不穏な雰囲気に声を掛けようとして隣の男が足早に近付いていく。 「君はこんなことをしている場合ではなかったはずだが？」 　突然声を掛けられた学生は狼狽える。言い訳も全て説き伏せられる様に思わず。 「御愁傷様、ってやつかな」 　と声に出た。
January 26, 2025 at 3:49 PM
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リオ蛍140字SSまとめ。
#リオ蛍 #wriolumi #蛍受け #3m74ss

①逃げるものは追うしかない
②欲しいのは、そっちじゃない
③お静かに
④愛されるのに臆病すぎて、

①④140文字で書くお題ったー
shindanmaker.com/375517
②③140文字SSのお題
shindanmaker.com/587150
「鬼ごっこは終わりかい？　お嬢ちゃん」 　背後からの声にビクリと体が跳ねる。逃げ切ったはず、他に道なんてなかった。それなのに紛うことなく彼は私を捕まえた。 「それで？　何故逃げた」 「……逃げてない。公爵が追いかけるから」 「あんたが逃げたから追ったのさ。逃げる者は追う、そうだろ？」 　ケーキの味さえ分からないくらい、じっと見つめられて落ち着かない。でも食べていいって言ったのは公爵なのに。 「……公爵も食べる？」 　限定商品だしやっぱり欲しくなったのかな、とフォークを差し出せば。 「いや、俺はこっちがいいかな」 　口の端をぺろりと舐められ思わずフォークを落とした。 「看護師長、ほ」 「シーッ」 　蛍ちゃんを知らないかと聞こうとして人差し指を唇に当てた看護師長に制される。そのまま指差す方向にはベッドで眠る彼女の姿。 「……連れて行っても？」 「止めても連れて行くくせに」 　呆れたように言われ静かに笑い返すと、起こさないようその軽い体を抱き上げた。 「あんたの気持ちを疑ってるわけじゃないんだ」 　かつての幻想が、私欲を満たすための偽りの愛が、誰がお前なんかを愛するのかと囁いてくる。 　知らず握り締めた手に小さな手が添えられた。 「それならずっと伝えるよ。あなたが好きだって、ずっと」 　そうして微笑む少女に思わず泣きそうになった。
January 19, 2025 at 3:14 AM
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カヴェ蛍140字SS・SSまとめ。
#カヴェ蛍 #kavehlumi #蛍受け #3m74ss

①暖かいベッド
②甘えてよ
③恋人だった
④臆病者

①④CP向け140字・SSお題
shindanmaker.com/570790
②140文字で書くお題ったー
shindanmaker.com/375517
③140文字SSのお題
shindanmaker.com/587150
　やっと仕事が終わり寝支度を済ませてベッドに近寄れば、先に横になった少女は小さな寝息を立てていた。起こさないように潜り込んだ布団は少女の体温で心地よい。 　冷たく孤独を思い出させるような今までとは違う、まるで春の暖かさに似たそれに心まで満たされながら、少女を抱き締め眠りについた。 「僕は君に甘えてばかりだ」 　彼女の膝を枕に見上げて言えば、そうかな？　と彼女は小首を傾げた。 　上体を起こし逆に僕の膝を枕にすると驚いた顔が僕を見上げる。 「今日は君を甘やかしたい」 「いつも甘やかしてくれてるよ？」 「それならもっと。僕に甘えて」 　僕が居ないと駄目なくらい、もっと。 「彼女とはその後どうなんだ？」 　久々に会った知り合いにそう問われ誰のことか逆に問えば。 「旅人って呼ばれてた子だよ。恋人だったんだろ？」 「あぁ……恋人だったよ」 　途端表情を曇らせ謝る相手に思わず笑って種明かし。 「かつては恋人だった。でも今は違う。だって今は僕の奥さんだからね」 「ッ、駄目だ蛍、それ以上はっ」 　馬乗りになって無理矢理服を剥ごうとしてるのに、それでも彼は私を傷付けないよう最低限の力で手首を掴んで動きを止める。突き飛ばされてもおかしくないことを私がしているのにだ。 　その優しさが彼らしくて、でも今は憎らしくて。 　ちゃんと加減が出来る人だって分かってる。だから傷付けられるなんて思ってないのに、私を傷付けたくないと先に進んでくれない。 「……臆病者」 　本当はそんな風に思ってない。それでも勢いに任せて挑発するように言えば、彼の瞳の色が更に濃くなった気がした。
January 13, 2025 at 2:28 PM
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ゼン蛍140字SSまとめ。
#ゼン蛍 #hailumi #蛍受け #3m74ss

①さよなら、好きでした
②忘れてなんかやらない
③夢が覚めても
④なにもかも間違い

①②④140字SSお題ってみたー
shindanmaker.com/a/776155
③CP向け140字・SSお題
shindanmaker.com/570790
　もうすぐこの世界を去る。彼と会うのも今日が最後。 　だから最後にと思ってしまった。 「あなたのこと、好きだったよ」 　返事を聞くつもりはなくて逃げるように去ろうとした時。 「それを聞いて俺がこのまま君を送り出すと思ったのか？」 　折れるかと思うほど強く掴まれた手首。気付けば私は彼の腕の中にいた。 　それは事故だった。 　高所で足を滑らせて、わっと思ったときには顔が目の前にあって。 　唇が――ぶつかって。 「ご、ごめん！」 「いや……」 　慌てて離れて謝る。 「その、忘れてっ」 「何故？」 　何故？　答える前に彼が言う。 「俺は頼まれても忘れるつもりはないが」 　逆に何故と問うた私に彼は答えをくれなかった。 　穏やかな寝息を立てる少女は良い夢でも見ているのか時折頬を緩ませる。 　そんな姿を眺めていると目を覚ました少女は男の姿を認めてまたふにゃりと頬を緩ませた。 「どうした？」 「夢でアルハイゼンと一緒にいたのに、起きても側にいたから」 　嬉しいと微笑んだ少女がただ愛しくて抱き寄せるとキスを送った。 「旅人さんは僕のものだ！」 　瞬間、叫んだ男が壁際へと吹き飛ぶ。痛みに悶え蹲る男に近付いたアルハイゼンは胸倉を掴み顔を近付けた。 「一つだけ言っておこう。君の言うことはなにもかもが間違いだ」 　普段と変わらない声だった。それなのに男は反論する言葉さえ紡げず、ただ震えることしか出来なかった。
December 29, 2024 at 12:17 PM
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ゼン蛍SS（ほた©視点）
#ゼン蛍 #hailumi #蛍受け #3m74ss
　まだ夜も明けきらぬ朝方。愛しい人の腕から抜け出してベッドの縁に座る。投げ出した衣類を拾い上げ身にまとっていると、突然腰に腕が回ってきて思わず「アルハイゼン？」と愛しい人の名前を呼んだ。 「起こしちゃった？」 「……まだ、随分と早いだろう」 「今日は朝早くに依頼人に会うって言ったでしょう？」 　まだ寝惚けているのだろうか。昨日は事に及んだにしては早いけれど、それでも普通に寝る日よりは遅い時間に眠りについた。 　元々泊まる予定は無かった。けれどいつもなら翌日朝から依頼がある日は避けてくれるアルハイゼンが珍しく求めてくるから。朝が早いからと断ったけど、一度だけでいいと言う彼をそれ以上は断れなかった。久々の行為を期待したのは嘘じゃない。 　一度だけでいいと言った彼はその言葉の通り一度だけで終わらせてくれた。だけど残ったのは物足りなさだった。今もこのままその腕の中に戻ってしまいたい。一度しか出来なかったのも、これからこの場を離れるのも私のせいなのに、なんて我儘。 　私が物足りないくらいだから、アルハイゼンもそうなのかもしれない。腰に回った手が少しも離れていこうとしないから。もしそうならちょっとだけ嬉しくて、少しだけ笑いが零れてしまう。 　それでもいつまでもこうしていられないから心を鬼にして、彼の腕に手を添え引きはがす。簡単に動かせた腕はアルハイゼン自身によって引っ込められて、上体を起こすためにベッドにつかれた。 「寝ててもいいのに」 「目が冴えた。朝食はとっていくんだろう？」 　言いながらアルハイゼンはシャツを手にするといつもよりゆったりとした動きで身にまとう。思わずその動きを目で追ってしまった。いつ見ても綺麗な体だと思う。彫刻のような筋肉はどうしたって私には身につかないものだ。羨ましく思うこともある。けれど私が同じような体になるのはまた違う。彼だから良いのだと。 　見入って動けないままでいると、下も履き終えたアルハイゼンと目が合う。そのまま顔が近づいたかと思えば口付けられ、ぽっと顔が赤くなって思わず口元を手で隠した。 　先に部屋を出て行ったアルハイゼンのあとを追って洗面所で朝の身支度を終わらせキッチンに向かうと、彼はさっそく食材を手にしていた。邪魔にならないよう手伝いながら二人で朝食を作り机に並べる。向かい合って席に着けば、いつもと変わらない朝の風景だ。 「今日の依頼は時間が掛かりそうなのか？」 　食事の途中でそんなことを聞かれる。今日の依頼は朝が早いだけで遠出はしないからそう時間が掛かるものじゃないと思う。アクシデントがあっても昼までには終わるはずだ。 「そんなに掛からないと思うよ。遅くても昼までには帰れると思う」 「そうか」 　言ったきり、黙り込んでしまったアルハイゼンに何だったんだろうと思いながらも食事を続ける。そのまま静かな食事を続けた後、先に食べ終えたアルハイゼンは口を開いた。 「戻ってきた後、君を抱きたい」 　パンを食べようとして口を開いたまま動けなくなってしまう。あまりにも直接的なお願い。ゆっくりと口を閉じて何か言わなきゃとは思っても思考は止まったままだ。 「蛍？」 「え？　あっ、うん」 　ハッと我に返って知らず俯いていた顔を上げればアルハイゼンと視線がぶつかった。いつもと変わらない表情。けれど彼はさっきはっきりと「抱きたい」と言った。性欲とは無縁にさえ思えるアルハイゼンだけど、今みたいに直接的に求められたことがないわけじゃない。でもこんな、朝一番に言われたことは初めてだ。だからなのか、抱かれること自体初めてでもないのに、むしろ抱かれたばかりなのに酷く恥ずかしく感じる。どう答えるべきかすぐには言葉が出てこなくて思わず視線を逸らす。 「無理をさせるつもりはない。嫌なら」 「嫌じゃない！」 　食い気味に答えてしまい慌てて口を閉じた。どうしよう、と視線が泳いでしまう。でも嫌ではないのだ。そこだけは勘違いしないでほしかった。 「その、本当に、嫌なわけじゃないの。ただ、いつもと違うから」 　ぽつぽつと零す私の言葉をアルハイゼンは黙って聞いてくれている。 「びっくりしただけで、その」 「俺は君の帰りを心待ちにしていればいいんだな？」 　アルハイゼンの言葉に泳がせていた視線を戻すと無言ながらしっかりと頷いた。 　言ってしまった。いや言ってはいないけどどう考えてもいいですと答えた私の思考は、そうか明るいうちから抱かれるのかとぐるぐるしている。 「そうか」 　そう一言零してアルハイゼンは立ち上がり食べ終えた食器を手にした。 「時間はいいのか？」 　続いた言葉に時計を確認して慌てて残りの食事を胃に流し込む。慌ただしく食器をシンクに置いて「帰ったら洗うね！」と外に出ようとしてアルハイゼンに手を掴まれた。 「パイモンには明日戻ると伝えておけ」 　そう耳元で囁かれ背を軽く押されると、その言葉の衝撃に私は茫然として少し覚束ない足取りで部屋を出た。パタンと背後で扉が閉まる。 　明日戻る。それは一日中抱かれるってこと……？　いや、そうと決まったわけじゃない。けれど今度は別の事に気付いてしまった。結果的に抱かれるためにここに戻ってくるという状況に。だからゆっくりしている場合じゃないのに、今更ながら凄いことを約束してしまったとその場にしゃがみこみ音にならない叫び声を上げた。
December 18, 2024 at 3:41 PM
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ゼン蛍SS（ゼン視点）
#ゼン蛍 #hailumi #蛍受け #3m74ss
　腕の中でもぞもぞと動く感覚と、衣擦れの音がして意識が浮上する。いつも目覚めると腕の中にいるはずの愛し子は温もりだけを残してベッドの縁に座って身支度をしていた。腕を伸ばし腰へと回すと、「アルハイゼン？」と驚いた様子で名前を呼ばれる。 「起こしちゃった？」 「……まだ、随分と早いだろう」 「今日は朝早くに依頼人に会うって言ったでしょう？」 　そういえばそんなことを言っていた、とまだ眠気の残る頭で思い出す。 　元々彼女が泊まる予定は無かった。それでも昨日は彼女に触れたくて仕方がなく、朝が早いから今日は駄目だと断る彼女に一度だけという約束を取り付けて事に及んだ。 　分かってはいても久々の睦事は約束通り一度終わらせたものの物足りず。彼女を困らせたいわけではなくとも、腰に回した腕をすぐに離す気になれなかった。 　少しして蛍が小さく笑うのが聞こえた。大方、俺のことを可愛いなどと思っているのだろう。大の大人、しかも男の俺を可愛いと彼女はよく言う。けれどどう見ても彼女の方がその言葉にふさわしい。ただ彼女にそう言われて悪い気がしないのが性質が悪い。 　少し暖かい手が俺の手に添えられ、腰に回した手をゆっくりと引きはがされる。彼女も物足りなさを感じているのだろうか。しかしいつまでもこうしてはいられないのは分かっているのでそのまま腕を引き、上体を起こすためにベッドに手をついた。 「寝ててもいいのに」 「目が冴えた。朝食はとっていくんだろう？」 　いつもよりは緩慢な動作でシャツを手にして身にまとう。下も履き終えたところで蛍を見ると、こちらをじっと見ていたようで視線がぶつかる。零れそうな瞳が少しだけ揺らいで何かを求めているようにも思えた。時間さえあればこのまま再びその身を抱いてしまえるのに。そう思ったところで叶わぬ望みだと、それでも無防備にこちらを見る彼女にそのまま軽く口付けると、きょとんとした表情を見せた後うっすらと頬を赤らめ口元を隠す蛍に知らず口角が上がった。 　先に部屋を出て洗面所で朝の身支度をした後キッチンに立つ。パンと簡単なサラダ、あとはソーセージあたりを焼いてしまえばいいだろうか。コーヒー用に湯を沸かしながらその他を用意する。すぐにあとを追ってきた蛍と二人朝食を作って机に並べる。向かい合って席に着けば、いつもと変わらない朝の風景だ。 「今日の依頼は時間が掛かりそうなのか？」 　食事の途中で尋ねる。朝が早い場合遠出の依頼が多い。 「そんなに掛からないと思うよ。遅くても昼までには帰れると思う」 「そうか」 　その先を言うべきか。一度口を噤んで食事を続ける。この後行く依頼が終われば請け負った依頼が一旦全て片付くのだと昨日言っていた。しばらく休もうかという話をパイモンとしているとも。幸い自分も明日まで休みだ。黙々と食事を続け、最後の一口を流し込んだ後口を開く。 「戻ってきた後、君を抱きたい」 　今まさにパンを口に運ぼうとしていた蛍は口を開けたまま動かなくなった。回りくどい言い方など時間の無駄だと直接的に言い過ぎたせいだろうか、彼女の思考が追い付いていないのかもしれない。返答はなくゆっくりと口を閉じたかと思えば顔を俯かせてしまった。 　直接的に求めることが無いわけじゃない。けれどまだ一日が始まったばかりのこんな朝のうちから求めたのは初めてかもしれない。思春期の子供でもあるまいに、まるで性欲に振り回されるような感覚に内心自嘲する。それでも彼女を求める感情が悪いとも思わない。だからと言って負担がかかるのは彼女の方で自分の欲のままに動くわけにはいかない。 「蛍？」 「え？　あっ、うん」 　パッと顔を上げた蛍と視線がぶつかった。しかし顔を赤らめ当然だが困ったように視線を逸らした。 「無理をさせるつもりはない。嫌なら」 「嫌じゃない！」 　食い気味に答えた蛍は慌てて口を閉じて今度は忙しなく視線を泳がせた。ひとまず嫌ではないという返答は貰ったものの、それは抱いていいという許可にはならないと彼女の言葉を待つ。 「その、本当に、嫌なわけじゃないの。ただ、いつもと違うから」 　少ししてそうぽつぽつと零し始めた蛍の言葉を黙って聞く。 「びっくりしただけで、その」 「俺は君の帰りを心待ちにしていればいいんだ な？」 　俺の言葉にこちらを見た蛍は無言だがしっかりと頷いた。 「そうか」 　ならば彼女が戻ってくるまでに終わらせられるものは終わらせておかなければいけないだろう。立ち上がり食べ終えた食器を手にする。一方、蛍は食事を再開する様子がない。しかし時計を見ればそろそろ出なければいけない時間のはずだ。 「時間はいいのか？」 　その言葉に時計を確認した蛍は慌てて残りの食事を胃に流し込んだ。そんな様子を傍目に自身の食器をシンクに置くと、食べ終えた蛍が続いて慌ただしく食器をシンクに置き「帰ったら洗うね！」と出ていこうとする。その前にと手を掴んで引き留めると耳元に顔を寄せた。 「パイモンには明日戻ると伝えておけ」 　時間はいくらあっても困らない。そのままその背を軽く押して行くように促すと、彼女は少し覚束ない足取りで部屋を出ていった。パタンと扉が閉じる音を確認して、まずはシンクの食器に手をかけた。
December 18, 2024 at 3:39 PM
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キィ蛍140字SSまとめ。
#キィ蛍 #kinilumi #蛍受け #3m74ss

①瞼に口づけ
②（そんな不意打ち、ずるくないですか）
③濡れた唇
④濡れた唇（同名2作目）

①140文字でお題ったー
shindanmaker.com/1017946
②お題ひねり出してみた
shindanmaker.com/392860
③④140文字で綴るSS小説お題
shindanmaker.com/386208
　思いの外大きな音を立てた焚火に隣で眠る蛍が目を覚ます。ゆらりと上体を起こすがまだ半分寝ているようだ。 　そんな姿に忍笑い「まだ朝には早い」と軽く瞼に口づけ眠るように促せばぽすりと肩に凭れ掛かりそのまま眠りだす。 　仕方ないなとブランケットに巻き込めば少女の体温はあっという間に溶け込んだ。 「あ！　あったよ、キィニチ！」 　目的の物を見つけて振り返ると想像以上に近くにキィニチの顔があってドキリとする。 　なんで、と考える間もなく視界はキィニチの顔でいっぱいになって唇が重なった。 「ん、あれで間違いないな」 　そう言って何事もなかったかのように先を行くキィニチに私は暫く動けなかった。 「っ、は」 　一気に水を呷って漏れ出た声に私は無意識に視線を向けた。 　勢い余って零れたのか、僅かに濡れた唇を舐めたキィニチから目を離せなくなる。 「どうかしたのか？」 「え？　あ、な、何でもない！」 　慌てて顔を背ける。 　言えない。この前のキスの後、同じように唇を舐めた姿を思い出していたなんて。 　普段から艶やかな彼女の唇は二人の唾液で濡れてさらに目を惹きつけた。 ――まだ、足りない。 「キィニチ？」 「……悪い、もう一度」 　返事を聞かずに唇を重ねる。満たされる、なのに満たされない。 　漏れ出る吐息すら奪うように口付ければ苦しいのか胸を叩かれようやく唇を離す。 　けれどその手は離せなかった。
December 8, 2024 at 5:48 AM
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ゼン蛍140字SSまとめ。
#ゼン蛍 #hailumi #蛍受け #3m74ss

①恋に落ちた音がした
②あなたと一緒にいたいんだもん
③運命？必然？偶然？どれでもいいさ
④小さな独占欲

①③④140字SSお題ってみたー
shindanmaker.com/a/776155
②140文字で書くお題ったー
shindanmaker.com/375517
　ふっと笑っただけなのだ。それなのに途端に目が離せなくなって心音が激しくなる。 「蛍？」 「ひゃいっ！」 　裏返った声に一瞬驚いた顔を見せたもののすぐに柔らかい表情を作る彼に私はどうしたらいいのか分からない。 　無自覚？ 　わざとやってるの？ 　いやそれどころじゃない。どうしよう、これはどうしたって。 「もう遅い。送ろう」 　立ち上がるアルハイゼンの手を掴みまだ帰りたくないと告げると、何故と返される。 「……あなたと一緒にいたいんだもん」 　言ってしまった。途端迷惑だったかなと不安に襲われる。すると手を掴み返され。 「今日はもう帰せなくなるがそれでもいいのか？」 　答えなんて一つしかなかった。 「君が俺を選んだのは運命や必然だと思うか？」 　運命の出会いとか惹かれ合うのは必然とか？ 「私は私の意思であなたを選んだの」 　澱みなく答えれば満足する返答だったのか顔中にキスが降る。 「アルハイゼンは？」 「偶然だろうが必然だろうがなんでもいい。重要なのは今君が側にいるかどうか、それだけだ」 　わざわざ彼の隣に座らなくたって空いた席は沢山ある。 　話をするわけでもなく、隣に座らなければいけない理由もない。それでも彼の姿を見つけた時は必ず隣へ。 　だって、そこに女性が座ったら？　考えてモヤっとする。 （……？　どうしてモヤっとするの？） 　それが小さな独占欲だと気付くのはもう少し後のこと。
December 8, 2024 at 5:35 AM
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ほた©ちぃこいなぁ、と長身男子が出るたびに思う。そしてこの身長差がいい（大好物）
November 20, 2024 at 4:41 PM
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キィ蛍SS。
#キィ蛍 #kinilumi #蛍受け #3m74ss
　決して遠くない所で聞きなれた喧騒が聞こえるのに、それに似合わない声が合わさる唇から時折漏れる。両手の指を絡ませたまま壁に縫い留められ、背中に感じた冷たさはいつの間にか気にならぬほどの温かさを持っていた。 「ふ……っ、ん」 「……は、っ」 　じわじわと浸食する快楽はいつの間にか周りの音をかき消しもうお互いの漏れ出る声しか聞こえない。こんなところで、と思っていた気持ちはもうとっくのとうに消えていた。逃げるつもりは無い。けれどキィニチの首に腕を回したくて絡めた指を解こうとした瞬間。 「蛍ー？　どこにいるんだー？」 　聞こえてきたパイモンの声にビクリと体が跳ねた。さすがにキィニチの動きも止まって二人の唇は離れる。それでもお互いの息が当たる距離でパイモンの気配を追った。 「おかしいな、さっきまでこの辺にいたはずなのに」 　声は聞こえど、空を飛ぶパイモンに当然足音は無い。だからこちらに向かっているのかハッキリとは分からなかった。 　ハァ、とキィニチが小さく息を吐いて首筋に顔を寄せた。これ以上は危ない。残念な気持ちを抱きつつ寄せられた頭に小さく擦り寄る。ゆっくりと体が離れていき、まだ冷めやらぬ熱を持った視線とぶつかった。 「……続きは、また後だ」 「……うん」 　約束、と言うように軽く唇を重ねて私はすぐにパイモンの元に向かった。
November 4, 2024 at 3:30 PM
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ゼン蛍140字SSまとめ。
#ゼン蛍 #hailumi #蛍受け #3m74ss

①おさえた首元（誤字修正版）
②君にだけは教えない
③手遅れ
④頑なに拒む両手

①④140文字で書くお題ったー
shindanmaker.com/375517
②140字SSお題ってみたー
shindanmaker.com/a/776155
③CP向け140字・SSお題
shindanmaker.com/570790
「首でも痛めたのかい？」 　さっきからずっと首元をおさえる蛍にそう問えば、さっと顔を赤らめ歯切れの悪い返答。 　まさかと隣の男に視線を投げれば素知らぬ顔で珈琲を飲んでいる。 　何かあったならこの男が黙っていない。となれば。 「君、彼女を困らせるなよ」 「許可は得たぞ」 「そういう問題じゃないだろ」 「好きな人がいるって本当？」 　好奇心を隠せない様子の蛍に素直に答えるか考える。 「誰からそんな話を聞いたのかは知らないが、君にだけは教えるつもりは無い」 「え、何で？！」 「よく考えてみるといい」 　すると蛍は素直に考え始める。その言葉の裏に気付いた時の彼女を想像して密かに笑みを漏らした。 「アルハイゼンに私を諦めてもらうにはどうしたらいいと思う？」 　予想だにしなかった相談に思わず咽かける。困った表情をする彼女を出来れば助けてあげたい。けれど。 「もう何をしても手遅れだと思うよ」 　それだけの執着をもたれたからとかじゃない。 　きっとあいつに興味を持たれてしまった時にはもう。 　口付けようとその頬に触れていると両手が真っ赤になった顔を隠す。 　その腕を引きはがすのは簡単だ。けれどそれは望む形ではない。 「蛍」 　その手をどけて欲しいと名前を呼ぶが小さく振られる首。けれどもう一度呼べばゆっくり両手が開かれる。 　その隙を逃さず口付ければ、今度こそその両手は頑なに拒んだ。
November 3, 2024 at 5:18 AM
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ゼン蛍140字SSまとめ。（タグ付け再掲）
#ゼン蛍 #hailumi #蛍受け #3m74ss

①不意打ちキス！（同名2作目）
②とろけるくらいに愛して
③結局は、君に辿り着く。
④ハグミー！

①物書きさんへ140字SSのお題！
shindanmaker.com/521654
②④140字SSお題ってみたー
shindanmaker.com/a/776155
③140文字SSのお題
shindanmaker.com/587150
「それでね、その時カーヴェが、っ」 　私は普通に話をしていて、アルハイゼンだってそれを普通に聞いていたはず。なのに突然のキスが言葉を奪った。 「今話ししてたよね？」 「そうだな」 「何でキス？」 「さぁ、どうしてだろうな」 　はぐらかしてる、わけじゃなさそうだけど。 ……まさか、ね。 　もう、触れてない所なんてないくらい全身に口付けや手が触れて、この先を知る体は早く早くと与えられる快楽を求め続ける。 　触れ合った肌の熱はもうどちらのものなのかすら分からなくて。 「ある、はいぜんっ」 　彼の名に全ての想いを込める。 　ねぇ、欲しいの。もっと、とろけるくらいに愛して。 「例えばの話。私を選ばなかったら、アルハイゼンはどんな人を選ぶの？」 「考えるだけ無駄だ」 　呆気なく一蹴される。少しくらい考えてくれてもいいのに。 「考えたところで結局は、君に辿り着く」 　一拍置いて理解して、顔が熱くなる。言葉を失った私に小さく笑った彼は軽く口付けて読書に戻った。 「蛍ー！」 　飛びついてきたパイモンをぎゅうっと抱き締めお互い笑いあう。そのままぎゅうぎゅうしてたらアルハイゼンが目の前で立ち止まった。 「え、と？」 「次は俺じゃないのか？」 「えぇ？！」 　まさかのハグ待ち。そのまま動きそうにないので抱き締めてあげたら逆にぎゅうぎゅう抱き締められた。
November 2, 2024 at 12:22 PM
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タル蛍140字SS・SSまとめ。（タグ付け再掲）
#タル蛍 #chilumi #蛍受け #3m74ss

①心が満たされない
②君でなきゃダメ
③君にだけは教えない
④つないだ手

①②④CP向け140字・SSお題
shindanmaker.com/570790
③140字SSお題ってみたー
shindanmaker.com/a/776155
　出会うなり「抱き締めさせて」と言うが早いか、私を抱き締めたタルタリヤは先程から動かない。 　一戦交えないのも、静かなのも、らしくなくてどこか居心地が悪い。 「……調子が悪い？」 「いいや？　すこぶる元気だよ」 　どこがだろう。それでもこれで彼が満たされるのなら、少しならこのままで。 　女の子ってだけでいいなら他にもいるんだ。 　けど、俺を楽しませられるほど強くて、でもそれ以上に気になって、戦いたいから以外で会いたいなんて思う子なんて他に居ないと思うんだ。 「つまり、何が言いたいの？」 「君でなきゃダメってこと」 　後は君も同じように思ってくれたら最高なんだけど。 「え？　公子、好きな人いるの？」 「俺にだって好きな子くらいいるよ」 「誰？　私の知ってる人？」 「君にだけは教えない」 　途端にむっとする顔も可愛いけど、どんな顔をしたって教えてあげる気はない。 「手合わせしても？」 「手合わせしても」 　だって不公平じゃないか。俺だけ好きだなんて。 　手を引かれ彼女の後ろを歩く。俺の手を掴む手は、俺のなんかより全然小さくて。それなのにさっきまで得物を握って俺と対等に戦っていたのだ。 　それが何だか不思議に思えてつい指を絡ませてみた。途端驚きにビクリと震えて立ち止まった彼女に合わせて歩みを止める。 「……何してるの？」 「君の手、凄く小さいなって思って」 　指の隙間から見える彼女の指以外全部隠れてしまう。ついでににぎにぎと動かせばハァと溜息が一つ。 「特別小さくなんてないよ。あなたの方が大きいからそう見えるだけでしょ」 　ほら行くよ、と絡まる指を解かれそうになるけどそれを拒んで手に力を入れると小さく首を傾げる君。 「このまま行こう」 「なんで？」 「なんとなく。嫌？」 「……別に、いいけど」 　つれなく顔を逸らされさっさと歩きだす。可愛くないなぁなんて同じく歩き始めてすぐにその考えは間違っていたと知る。 　繋いだ手がさっきよりも温かい。蛍、と声をかけようとして向けた視線の先、真っ赤に染まった耳が見えて驚きに目を見開くと同時に思わず笑いが漏れた。
November 2, 2024 at 11:58 AM
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リオ蛍140字SSまとめ。（タグ付け再掲）
#リオ蛍 #wriolumi #蛍受け #3m74ss

①自分のモノには名前を書きましょう。
②花言葉で愛を告ぐ
③夢だったらよかったのに
④あの子が欲しい

①③140文字で書くお題ったー
shindanmaker.com/375517
②④140文字SSのお題
shindanmaker.com/587150
　ポンと背中を叩かれ振り返ればご機嫌な彼女の姿。どうかしたのかと問えば「自分のモノには名前を書くんだって」と謎の返答。そのまま去り行く彼女を見送ってふと、上着を脱いでみれば。 　メリュジーヌが描いた、どう見ても彼女にしか見えないステッカー。気付いた時には彼女を追っていた。 　見慣れぬ花が飾られるようになったのは何時からだったか。どうも少女が訪れるたびに生けていくらしい。 「あら、今日は随分と熱烈なのね」 　その言葉に何がと尋ねれば、気付いていないの？　と驚かれた。 　気付いていない？　花の何に……思い当たるそれを確かめるため辞書を求めて立ち上がった。 　これがいっそ夢だったならば。何も考えずに抱き締め返して、この想いすらぶつけることだって出来たのに。 「お嬢ちゃん、それは冗談が過ぎるぜ」 　ピクリと小さく跳ねた体が離れていく。 「なんだ、少しぐらい動揺してくれるかと思ったのに」 　そんな泣きそうな顔をさせることだって無かったのだ。 「公爵、顔が怖いわよ？」 　その言葉におっと、と我に返りニッとしてみせれば呆れたような溜息。 「そんなに欲しいならさっさと手に入れちゃえばいいのに」 　視線の先、少女は囚人と笑いあう。 「順序ってものがあるのさ」 　そう言えばまた溜息を吐かれた。 「ならその顔は止めて欲しいものね」
November 2, 2024 at 11:34 AM