そして迎えたドラフト当日。
案の定、9巡目を過ぎても「高田 剛」の名前は呼ばれなかった。
「やっぱりダメだったかぁ…」
苦笑いを浮かべながら、帰り支度を始めたときだった。監督が全速力で走ってきた。
「高田!!港湾ドルフィンズが10巡目でお前を指名したぞ!」
「…え…?」
「よくやった!おめでとう!!」
監督は目一杯祝福してくれたが、そのときは実感が湧かなかった。
数日後、俺に声をかけてきたあのスカウトとともに、球団関係者が指名挨拶に訪れた。
初めてここで実感が湧いた。
こうして俺はプロ野球選手としてのスタートを切った。
そして、春季キャンプで最初の恩人と出会う。
そして迎えたドラフト当日。
案の定、9巡目を過ぎても「高田 剛」の名前は呼ばれなかった。
「やっぱりダメだったかぁ…」
苦笑いを浮かべながら、帰り支度を始めたときだった。監督が全速力で走ってきた。
「高田!!港湾ドルフィンズが10巡目でお前を指名したぞ!」
「…え…?」
「よくやった!おめでとう!!」
監督は目一杯祝福してくれたが、そのときは実感が湧かなかった。
数日後、俺に声をかけてきたあのスカウトとともに、球団関係者が指名挨拶に訪れた。
初めてここで実感が湧いた。
こうして俺はプロ野球選手としてのスタートを切った。
そして、春季キャンプで最初の恩人と出会う。
「…調査書?」
「そう!高田くんにはプロを目指してほしい!」
「でも…俺なんか指名されないでしょ…」
「いいや!『肥前工業の高田』は、高校球児の中でも屈指のスピードボーラーで有名なんだ!」
そうは言ってくれたが、はっきり言って確証は持てなかった。野球部の卒業生で同様の声掛けを受けたにも関わらず、結局指名されなかった前例も知っていた。
両親にも相談したが、「あなたのやりたいようにやりなさい」としか言われなかった。いや、今となればわざとそう言ってくれたのだとわかるのだが。
結局、三日ほど眠れない日を過ごし、「指名されなくて当たり前。チャンスがあるなら」と、プロ志望届を出すことに決めた。
「…調査書?」
「そう!高田くんにはプロを目指してほしい!」
「でも…俺なんか指名されないでしょ…」
「いいや!『肥前工業の高田』は、高校球児の中でも屈指のスピードボーラーで有名なんだ!」
そうは言ってくれたが、はっきり言って確証は持てなかった。野球部の卒業生で同様の声掛けを受けたにも関わらず、結局指名されなかった前例も知っていた。
両親にも相談したが、「あなたのやりたいようにやりなさい」としか言われなかった。いや、今となればわざとそう言ってくれたのだとわかるのだが。
結局、三日ほど眠れない日を過ごし、「指名されなくて当たり前。チャンスがあるなら」と、プロ志望届を出すことに決めた。
初めてマウンドに上がった日のことは忘れられない。だが、何をどうしたかは全く覚えていない。記憶にあるのはボールが先行し、球数が増えてバテてしまったところに集中打を喰らったことだけだ。
それでも監督は俺をマウンドに上げてくれた。
ボール先行は治らなかったが、元々の球速と、付け焼き刃で覚えた「割と曲がる」スライダーが上手くマッチした俺は、三年生最後の夏を「背番号1」で迎えた。
三年生夏の最速は145キロ。優勝候補相手に番狂わせを演じた試合もできたが、結果は県大会ベスト8。甲子園には行けなかったが、野球を精一杯やりきった…はずだった。
「スカウト」を名乗る男が、俺の前に現れた。
初めてマウンドに上がった日のことは忘れられない。だが、何をどうしたかは全く覚えていない。記憶にあるのはボールが先行し、球数が増えてバテてしまったところに集中打を喰らったことだけだ。
それでも監督は俺をマウンドに上げてくれた。
ボール先行は治らなかったが、元々の球速と、付け焼き刃で覚えた「割と曲がる」スライダーが上手くマッチした俺は、三年生最後の夏を「背番号1」で迎えた。
三年生夏の最速は145キロ。優勝候補相手に番狂わせを演じた試合もできたが、結果は県大会ベスト8。甲子園には行けなかったが、野球を精一杯やりきった…はずだった。
「スカウト」を名乗る男が、俺の前に現れた。