金凌が夜狩で少年達と料理をしてると噂になってるから、宗主がそんな事をするなと叱ったんだ。
そんなに料理がしたければ、俺の生誕祝いに料理してみろと言われたからといって、本当に料理してくる奴があるか。
嗚呼、この汁物は姉さんの味に似てる。
江家の家宴では、門弟も宗主も自分で料理するのが慣いだった。
けど俺は、料理なんて私達のする事じゃない、と怒鳴る母さんが怖くて、父さん達と料理しなかった。
あぁ、江家の家風に馴染まなかった俺に料理は出来ない。
魏無羨の料理の腕は終わってる。あんなに食べ慣れたものだって、奴は絶対に再現出来ない。
なのに、どうして今、この汁物は出来てるんだ?
金凌が夜狩で少年達と料理をしてると噂になってるから、宗主がそんな事をするなと叱ったんだ。
そんなに料理がしたければ、俺の生誕祝いに料理してみろと言われたからといって、本当に料理してくる奴があるか。
嗚呼、この汁物は姉さんの味に似てる。
江家の家宴では、門弟も宗主も自分で料理するのが慣いだった。
けど俺は、料理なんて私達のする事じゃない、と怒鳴る母さんが怖くて、父さん達と料理しなかった。
あぁ、江家の家風に馴染まなかった俺に料理は出来ない。
魏無羨の料理の腕は終わってる。あんなに食べ慣れたものだって、奴は絶対に再現出来ない。
なのに、どうして今、この汁物は出来てるんだ?
温寧が作ってくれた汁物が、師姐が作ってくれてた汁物にそっくりで、俺はすごく驚いた。
そういえば昔、師姐は温寧にも汁物をあげて、温寧はその汁物を阿苑達に食べさせて、感想を詳しく聞いてたっけ。
俺は温寧達に助けられた後でさえ、そもそもお前達温氏のせいで、と恨めしい気持ちもあった。なのに師姐は、恩があると知らないのに、温若寒の従兄弟甥の温寧に汁物をあげた。
俺は温氏を全員憎んで、彼等の親兄弟の遺体まで操り復讐した。なのに温寧は、自分達を害した金子勲の従兄弟に嫁ぐ師姐に、丁寧に汁物の礼をした。
2人はすごいな。
嗚呼、温情と思追に御礼を言いたいけど、今はまだ藍湛に顔を隠してもらいたい。
温寧が作ってくれた汁物が、師姐が作ってくれてた汁物にそっくりで、俺はすごく驚いた。
そういえば昔、師姐は温寧にも汁物をあげて、温寧はその汁物を阿苑達に食べさせて、感想を詳しく聞いてたっけ。
俺は温寧達に助けられた後でさえ、そもそもお前達温氏のせいで、と恨めしい気持ちもあった。なのに師姐は、恩があると知らないのに、温若寒の従兄弟甥の温寧に汁物をあげた。
俺は温氏を全員憎んで、彼等の親兄弟の遺体まで操り復讐した。なのに温寧は、自分達を害した金子勲の従兄弟に嫁ぐ師姐に、丁寧に汁物の礼をした。
2人はすごいな。
嗚呼、温情と思追に御礼を言いたいけど、今はまだ藍湛に顔を隠してもらいたい。
高い山に登り、茱萸の実を食べて、邪気を祓う
高い山に登り、茱萸の実を食べて、邪気を祓う
瓦で作った塔に、芋を入れて火をつけ、瓦を壊す、送芋鬼
柿と林檎を並べれば、万事平安の祈願になる
瓦で作った塔に、芋を入れて火をつけ、瓦を壊す、送芋鬼
柿と林檎を並べれば、万事平安の祈願になる
聶宗主は私を丁重に扱っていたが、彼等が数千人を犠牲に力を得ているのを、私は止めずに加担した。
阿瑶を虐待する金家を咎めない藍家の私を、阿瑶は匿ってくれたが、私は彼を逃さなかった。
皆私には優しかったが、私は彼等に優しかっただろうか。
幼少期、藍家の躾に背けば母と面会出来なかった私は、藍家の良い子であろうと努めた。
母を軟禁から逃がそうなどとはしなかった。
そして母を失った。
その後も藍家の都合の良い子のまま、温若寒や金光善、世人や年長者に追従する生き方は、私から故人を失わせ続けた。
私はもう藍家の都合の良い子で居られなくとも構わない。
私はもっと躊躇して居たい。
聶宗主は私を丁重に扱っていたが、彼等が数千人を犠牲に力を得ているのを、私は止めずに加担した。
阿瑶を虐待する金家を咎めない藍家の私を、阿瑶は匿ってくれたが、私は彼を逃さなかった。
皆私には優しかったが、私は彼等に優しかっただろうか。
幼少期、藍家の躾に背けば母と面会出来なかった私は、藍家の良い子であろうと努めた。
母を軟禁から逃がそうなどとはしなかった。
そして母を失った。
その後も藍家の都合の良い子のまま、温若寒や金光善、世人や年長者に追従する生き方は、私から故人を失わせ続けた。
私はもう藍家の都合の良い子で居られなくとも構わない。
私はもっと躊躇して居たい。
霧が集まる収穫の候
新米で作ったお酒を飲む
霧が集まる収穫の候
新米で作ったお酒を飲む
温先輩と一緒に夜狩したのを藍先生に咎められた。
思追は、温先輩は自分が呼んだと言って、独りで罰を受けようとしたけど、俺もかってでた。
温先輩と夜狩するのを悪事と叱られるのは馬鹿らしいし、罰は辛いから受けるのは嫌だけど、
思追独りに罰を負わせるのも嫌だし、自分で望んでやった事だから。
そしたら魏先輩が来て、
俺の同年代の宗主達は、禁止された飲酒をしたってだけの事でも、俺独りに罰を押し付けて黙りしてたのに、お前ときたら、含光君並の気概だな。
なのに、力も知識も足りないんじゃ、どうやって生き残るんだ?
って言うんだ。
力も知識も、これからついてくるんだよ。
温先輩と一緒に夜狩したのを藍先生に咎められた。
思追は、温先輩は自分が呼んだと言って、独りで罰を受けようとしたけど、俺もかってでた。
温先輩と夜狩するのを悪事と叱られるのは馬鹿らしいし、罰は辛いから受けるのは嫌だけど、
思追独りに罰を負わせるのも嫌だし、自分で望んでやった事だから。
そしたら魏先輩が来て、
俺の同年代の宗主達は、禁止された飲酒をしたってだけの事でも、俺独りに罰を押し付けて黙りしてたのに、お前ときたら、含光君並の気概だな。
なのに、力も知識も足りないんじゃ、どうやって生き残るんだ?
って言うんだ。
力も知識も、これからついてくるんだよ。
私は負けず嫌いだから。
あの温宗主にも、許可されると思えた諫言は、ちゃんとしてきた。
江家も含めた他家への侵攻は、諫められなかった。
温宗主が何度も弱小仙家を侵攻しても、権力も武力も持ってる藍家や聶家の宗主達は黙従したまま。
武力も無く、温宗主の「恩情」頼みの権力しかない私独りが、温宗主の横暴を諫めるなんて、無理としか思えなかった。
負けず嫌いも路線を捻じ曲げてた。
なのに貴方は、権力は私と相似たりで、武力も仙門百家を制圧出来る程ではないのに、
私達を仙門百家から守るなんて無理を、頑張ってくれた。
そんな貴方と居ると、私やっぱり、
貴方に負けていられないと思えてきたわ。
私は負けず嫌いだから。
あの温宗主にも、許可されると思えた諫言は、ちゃんとしてきた。
江家も含めた他家への侵攻は、諫められなかった。
温宗主が何度も弱小仙家を侵攻しても、権力も武力も持ってる藍家や聶家の宗主達は黙従したまま。
武力も無く、温宗主の「恩情」頼みの権力しかない私独りが、温宗主の横暴を諫めるなんて、無理としか思えなかった。
負けず嫌いも路線を捻じ曲げてた。
なのに貴方は、権力は私と相似たりで、武力も仙門百家を制圧出来る程ではないのに、
私達を仙門百家から守るなんて無理を、頑張ってくれた。
そんな貴方と居ると、私やっぱり、
貴方に負けていられないと思えてきたわ。
豊作と疫病退散を祈願して、大暑船を送る。
木造の船にお供えを載せて街を歩き回った後、海に送り出して焼灼する。
豊作と疫病退散を祈願して、大暑船を送る。
木造の船にお供えを載せて街を歩き回った後、海に送り出して焼灼する。
7歳の俺を裏切り轢いた常慈安と、
仙士の常慈安の暴行には諂って、孤児の俺を腹いせに殴った町人を恨んでいる。
破落戸の風体の俺と町人の諍いだと見做せば問答無用で俺に殴りかかり、金氏の客卿と町人の諍いだと聞けば剣を下ろす暁星塵、
連座で温情一族を鏖した仙門宗主達には媚び諂って、俺が常一族を連座で鏖すと極刑を強訴した暁星塵、
手前勝手に剣を振り回す暁星塵に怒り復讐したのは、俺の人生の道理だ。
なのに、
無理だと痛感するばかりなのに、
飴をくれた道長にまた会いたいと、
どうしようもなく思っている。
7歳の俺を裏切り轢いた常慈安と、
仙士の常慈安の暴行には諂って、孤児の俺を腹いせに殴った町人を恨んでいる。
破落戸の風体の俺と町人の諍いだと見做せば問答無用で俺に殴りかかり、金氏の客卿と町人の諍いだと聞けば剣を下ろす暁星塵、
連座で温情一族を鏖した仙門宗主達には媚び諂って、俺が常一族を連座で鏖すと極刑を強訴した暁星塵、
手前勝手に剣を振り回す暁星塵に怒り復讐したのは、俺の人生の道理だ。
なのに、
無理だと痛感するばかりなのに、
飴をくれた道長にまた会いたいと、
どうしようもなく思っている。