たくみ
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たくみ
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🥷🥚伊雑伊同軸リバを描きます
苦手な方はご注意ください

支部
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かわいいッッッ！！！！！！！！！！やだもうかわいい！！！！ふたりしてもう！！、！！！これだからッッッいざついは！！！ありがとうございますありがとうございます😂❤️‍🔥RP
November 14, 2025 at 11:28 AM
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14.【オマージュ】伊雑伊
14．オマージュ 「最近領内に侵入しては辻医療行為をして去っていくものが確認されております」 「何て？」 　聞き慣れない言葉に思わず書類から顔を上げ、報告してきた押都の顔を凝視する。 「しかも曲者と名乗ってるとか」 　黒鷲隊の小頭は表情を変えない。雑面を被っているからではない。あの雑面は押都の感情で自由に表情を変えるのだ。タソガレドキ忍軍七不思議の一つである。 　如何なされますか、と問われても答えようが無い。というか、何だ辻医療行為って。普通に怪我人を助けるだけでは無いのか？ 「まあ、医療行為自体はきちんとしているんでしょ？　毒を塗られたりではないんだよね？　じゃあとりあえず放っておいて。私が対応するから」 　怪我人に近付く白い影。テキパキと薬を塗り、包帯を巻く。「ありがとうございます。貴方様は？」と怪我人が問えば「曲者です」と答えてすぐにその場から去っていく。常人には追いつけない足の速さで。 「著作権の侵害じゃない？　伊作くん」 「やだなーこれはオマージュですよ」 　そう言って辻医者は笑った。
November 14, 2025 at 10:01 AM
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次の漫画キャラデザどうしようとか
ペンどうしようとか装丁どうしようとか
考えることいっぱいで「困る〜」なんていいながら楽しい
November 14, 2025 at 1:11 AM
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🥷してる….
雑さんも弱ってるのに周りのことを真っ先に考えてるのがもう、もう…！！
November 13, 2025 at 12:13 PM
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伊くんかっこいい………ありがとうございます😭好きですRP
November 13, 2025 at 12:12 PM
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13.【最適解】伊雑伊
13．最適解 　ぐらり、と地面が揺れた。 　——くそ、やはり毒剣だったか。 　脚が痺れる。太ももを縛り、すぐさま傷口の肉を抉って、血を抜くが、しばらくはまともに動けそうもない。 　——部下たちは逃した。敵はおそらく私を追ってくるだろう。それでいい。問題はこの状態で一人で何処まで凌げるかだ。 「雑渡さん！」 「伊作くん、どうしてここに？」 　なんて間の悪い。これでは彼まで巻き込んでしまう。どうにかしてここから離さないと。 「私のことはいいから、ここから早く離れなさい。この文を山本か押都、もしくは君の知っているタソガレドキの者に渡してくれ」 「嫌です」 　伊作は雑渡の容態を見つつ、文を受け取るのを固辞した。 「雑渡さん脚が動かなくても手は動きますよね？　以前教えた治療手順は覚えていますか？」 　そう言いながら伊作は箱笈の中から薬を取り出す。　 「伊作くん！」 「僕は忍者ではなく医者です。僕の仕事は患者を無事に生かすことです。だから——」 　そう言って伊作は錫杖に手を掛けて、スラリと抜いた。柄の部分には直刀が仕込まれていた。 　雑渡の隣で仕込み刀を構える。 「露払いは僕がします。その間に止血して薬を。これが最適解です！」 　高らかに伊作は宣言した。
November 13, 2025 at 11:43 AM
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白い紙を前に漫画の書き方を忘れたネズミが一匹
November 12, 2025 at 1:23 PM
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12.【片時も】伊雑伊
　十二．片時も 　 　この腕に貴方を抱ける喜びを貴方は知っているでしょうか？　遠く、儚い存在だった貴方を。 　細い、細い糸を切らぬように慎重に関係を紡いで、ようやく貴方の懐に潜り込めたそのときの歓びを。 　皆はさも当然と思っていたようですが、貴方と僕だけがそうではない事を知っていた。 　貴方は何度も僕を優しく突き放し、その度に僕は食らいついた。貴方と共にある事を望んだから。そして、貴方自身が本当に心から拒絶をしているわけではないと信じていたから。 　それでも、何度も心は折れかけて、何度も自信を失って、その都度糸は切れそうになった。 　学園を離れてしまえば出会うことすら難しく、度々貴方を探しました。山の中で、戦場で。 　タソガレドキに就職してしまえばもう少し話は簡単だったのかもしれません。しかし、僕には夢があったし、理想があった。それを曲げる事はたとえ貴方のためといえどもできなかった。きっと貴方もそんな僕は望まなかったでしょう。僕が理想を曲げたら、きっと貴方は僕の前から完全に姿を消したと思います。だから何とか周りを懐柔し、細いながらも繋がりを持ち続けた。 　貴方の諦めた顔を今でも鮮明に覚えています。「私なんぞの何処がいいのか」と何度も問われましたが、僕は貴方が良いのです。貴方以外欲しいと思わなかった。 　だから、貴方をこの腕に抱いたとき、思ったのです。もう片時も離したくないと。 　貴方は誰のものでもなく、貴方自身のものなの に、片時も離したくないだなんて。なんて傲慢で恐ろしい。 　だけど、僕は心の底から思いました。今も思っています。貴方をこの腕に抱く度に、片時も離したくない、と。 　貴方が思っているよりも、僕は貴方に夢中なのです。ずっとずっとこれからも。
November 12, 2025 at 10:49 AM
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11.【遊色】伊雑伊
　十一．遊色 　 　タソガレドキ領内近くの山で伊作を見かけた。頭に葉っぱがつき、服は土で汚れている。それでも平然とした足取りで背負い籠に道端の薬草を摘んでいた。 「今日はどうしたの？」 「雑渡さん！」 　振り返った伊作の顔がぱあっと明るくなった気がした。その笑顔が眩しくて僅かに目を細める。 「薬草を探しに来たんですが、崖から落ちたところに子連れの猪がいて、母猪に追いかけられてたら地盤が急に崩れて地下道に落ちてしまって」 「相変わらずだね」 　ははは、と眉を下げて笑う伊作の頭に付いた葉っぱを取ってやる。 　本当に不運な子だ、と思う。それと同時に強い子だとも思う。それだけの目に遭いながらも微かな擦り傷のみで、その擦り傷すら自分で適切に処理ができる。菌が入って膿んでしまう事もない。凡人では死んでしまうような不運と付き合いながらも逞しく生き残っている。不運を相殺するために幸運が働いて死ぬ事はない、と言ってしまうのは憚られる。それは彼の努力の結果である。 「でも穴が繋がってた先に欲しかった薬草の群生地があったんです」 　伊作はとても嬉しそうに言う。先の不運など無かったかのように。「それに雑渡さんにも会えましたし」と目を細められたので、僅かに瞠目する。 　驚く雑渡の事など眼中に無いように「あ、そうだ」と伊作は急に懐に手を突っ込んで何かを探しだす。 「落ちた穴の中で見つけたんです。綺麗なので雑渡さんにあげます」 　差し出された掌には小さな石が乗っていた。 　受け取って陽の光に照らせば石の表面がその色と表情を変える。赤、青、緑……。石の中に虹が閉じ込められていた。 「すごいね」 「石の中で虹色の炎が揺れているようではないですか？　僕初めて見ました」 「蛋白石のように見えるけど、こんなに綺麗に色が変わるのは見たことがない」 　おそらくかなり貴重なものではなかろうか？　磨いて加工するには小さいかもしれないが、このままでも十分に綺麗だ。 「本当に貰っていいの？　売ったら結構いいお金になると思うけど」 　保健委員会は万年予算が足りていない。それでなくても伊作が必要な薬草や生薬を買う金にすればいい。 「僕が雑渡さんに差し上げたいと思ったので、よろしければもらってください」 　伊作は何事もなく言う。本当に面白い少年だ。 「鴉みたいだね」 　思わず出た言葉がそれだった。馬鹿だなぁ、と自分でも思う。もっといい言葉があるはずなのに。伊作も「カラス……」と呟いて目を丸くしている。 　ふふ、と笑いが込み上げる。 「ありがとう。大切にするね」
November 11, 2025 at 12:18 PM
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イベントの原稿に集中する期間に入ります✏️しばらくはゆっくりになりますが、これからも伊雑伊描いていくので、見守ってもらえたら嬉しいです🌙
November 10, 2025 at 2:05 PM
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くみがしら
November 10, 2025 at 1:40 PM
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9.【翻訳】伊雑伊
　九．翻訳 　 「え？　本当に？」 　黙々と薬草の選別をしていた伊作が急に後ろを振り返って驚いたような声を上げた。そして天井を疑い深げに見上げて声をかける。 「雑渡さんいらっしゃってますか？」 　見つかった？　気配は完璧に消していたはずなのに。 　訝しみながらも天井裏から伊作の前に降りて姿を表す。　 「よく分かったね。気配はちゃんと消していたはずだけど」　 「コーちゃんが教えてくれました」 　掌を上にして示された指の先には忍者服を着た骸骨が佇んでいた。骨格標本のコーちゃん、と伊作は言うが何処の何奴なのだろうと思う。雑渡と同じくらいの背丈で、骨もしっかりしている。傷も無く、欠けも無い、完璧な成人男性の骨格。死因不明の伊作の友達。その上言葉まで喋ると言うのか。本当に何なのだろう。 「コーちゃんって喋るの？」 「喋りはしませんね」 　伊作は首を僅かに傾げる。どういう事なのだろうか。言葉以外で意思疎通をしているという事だろうか？ 「えっと、実際にコーちゃんが声を出しているわけではなくて、脳内に直接言葉が浮かぶというか、概念的な声が聞こえるというか……」 　伊作自身もよく分かっていないらしいが、それがコーちゃんの言葉でコーちゃんが伊作に語りかけているのだと言うのはわかるらしい。しかもそ れは普段使う言葉、書き文字とも違うという。 「伊作くんはそのコーちゃんの言葉がわかるってこと？」 「何となくですがわかりますよ。初めは全然わからなかったんですけど、だんだんとわかるようになってきました」 「へーすごいね」 　えへへ、と伊作は何処か嬉しそうに、恥ずかしそうに、はにかんで頭を掻いた。 「今は何か言っている？」 　伊作はチラリとコーちゃんに視線を動かした後、僅かに目を見開いて顔を赤らめた。 「折角だからもう少しゆっくりしていけばいいのに、と」 　伊作は視線を泳がせてそう言った。 　どうも違う言葉を言われたらしい事は雑渡にも分かる。何を言われたのかは開目分からないが。 　コーちゃんに視線を移す。骸骨は虚な眼を雑渡に向けていた。しかし雑渡には何故だか面白そうに笑っているように見えた。 　どうやら敵とは見なされていないらしい。今の所は。 「ふふ、じゃあお茶でもいただいて行こうかな」
November 9, 2025 at 12:42 PM
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触れ合わないけど
伊雑伊
November 9, 2025 at 3:49 PM
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次のイベントを意識して、そろそろネームを考えていきたいなと思っているので、こっそり続けていた毎日伊雑伊計画は終了しようかなと思っています
ブルスカでもXでもほぼ毎日1ヶ月続けたのですが、すごく勉強になりましたし、続けることの大変さを痛感しました
なんとなく「趣味だから義務になったら苦しくなって良くないかも」と思っていましたが、自分で課した義務感がなんとか続けさせてくれたようにも思います
楽しかったです！本当に楽しかった　こっそり始めたのに、なんとなく気づいてくれる方もいたり、反応くださる方や毎日見てくれる方もいらっしゃってとても嬉しかったです
またいつかやれるといいなと思います
November 9, 2025 at 9:12 AM
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今日は本当に人として形が保ててなくてほぼうつらうつらしてて、大変でした…(現在進行形)出かけた後の反動がすごい……昨日楽し過ぎました😇
今日のいざつい描けるといいな
November 9, 2025 at 9:02 AM
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わふッッッ！！！！かん、かんわ
好きです！！！！！！！！！ふわふわ！！！由さんのケモ本当に好きです！！
ケモ以外ももちろん大好きですけれども！！！！ありがとうございますありがとうございます！！！！！！🙏🙏🙏😂❤️‍🔥❤️‍🔥❤️‍🔥RP
November 9, 2025 at 3:54 AM
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🐶
November 9, 2025 at 1:42 AM
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「あと曲者に背中は見せちゃダメだよ」
伊雑伊
November 8, 2025 at 2:15 PM
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まき乃さんに連れてきてもらいました🚗自然に触れた…
November 8, 2025 at 12:13 PM
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わくわく……します……ッッッRP
November 7, 2025 at 3:37 PM
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7.【一組】伊雑伊（女装ネタ）
　七．一組 　 「何でその格好なの？」 　目の前の伊作は女物の小袖を着ていた。 「男女じゃ無いと先入出来なくて……」 　伊作は恥ずかしそうに頬を掻いた。 「何で私？　同室の留三郎くんとかでも良いのでは？　他にもいっぱいいるでしょ？」 　紅が濃すぎるな、と思う。白粉も塗り過ぎだ。まだ若いのだし、元も悪くないのだからもっと薄化粧の方が映える。 　大体、服装が庶民の町娘なのだから化粧も殆どしなくても良いように思う。顔だけ公家の姫君のようだ。 「そう言われると思っていたので黙っていました……」 「なるほどねぇ。『お礼とおっしゃるなら外で会っていただきたい。武士の格好をしてきてください』なんて文に書いてたから何かしらの忍務だとは思ってたけど」 「騙すような事をしてすみません……」 「でもあそこ普通の茶屋のふりしてるけど、出会茶屋でしょ？　いいの？」 　茶屋と言っても茶と団子を出す店では無い。それは伊作も承知の上だろう。だから雑渡に武士の格好をさせ、自分は女に見える装いをしている。 「どうしてですか？　雑渡さんは何もなさらないでしょ？」 「そりゃあね。でもよく知らない大人にこんな事を頼むのは感心しないな」 「先生の許可は取っています！」 「ああ、なるほどねぇ」 　雑渡は視線を伊作の後ろの木に動かした。忍術学園の先生方が付いてきている。雑渡だけが気付く程度の気配だけを漂わせ、牽制している。見ているぞ、と。どうも信用がない。いや、本来はこうあるべきなのだ。今は利害関係が一致しているとは言っても、同盟を組んでいるわけではないのだから。 「それに、雑渡さんはよく知らない大人ではないですよ？」 　不思議そうに伊作はこてんと首を傾げる。 「お前やっぱり忍者に向いていないねぇ」 　そう言いながら雑渡は親指で伊作の唇を拭い、紅を落とす。 「とりあえず化粧し直させてくれる？」 「僕ダメですか？」 「その変装授業で合格したの？」 「一応再試験にはなりませんでしたが……」 　忍術学園の教師陣は変装の場合何故か女装をしている事が多く、その技術力はかなり高い。 　山田殿などは完全に女性になりきられているのに……試験監督では無かったのであろうな、などと雑渡は一人納得した。 「道具持ってる？　持ってないなら落とすだけでも良いけど」 「一応紅だけはあります」 「それだけでいいよ」 「それだけだと男に見えませんか？」 「その格好していたら別に店側は気にしないと思うけどね。ガタイの良い女性も、化粧をしない女性もいるし。何より別に男同士で出会茶屋に入るのがダメってわけでもないしね」 「え、そうなんですか？」 「そうだよ。男女の組が多いのは事実だろうけど」 　伊作はきょとんとした表情で何度か瞬きして雑渡を見つめた。 「とりあえず、直そうか」 　雑渡の言葉に伊作は素直に従った。 　目的の茶屋から離れた場所で化粧を落とし、唇に紅だけを塗る。やはりこの方が似合っている。 「恋人のふりするんでしょ？」 　僅かに離れて歩く伊作に向かってそう揶揄うと、腕が伸びてきて胸をくっつけるように組まれた。 　これは、あまりよろしくないかなぁ、と先生方の気配を探る。だいぶ警戒心が上がっているが、忍務上お目溢しをいただいた。 　二人連れ立って暖簾をくぐる。 　茶屋の親父に部屋を借りたいと申し出る。 「ご新規様お一組ですね。此方へどうぞ」 　何をするのかまだ聞いてはいないが、面白い一日になりそうだ。
November 7, 2025 at 10:29 AM
ta9mi.bsky.social
「それはこちらの台詞だよ」
伊雑伊
November 7, 2025 at 2:24 PM
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6.【滴る】伊雑伊前提タソ忍
６．滴る 　ぽたり、と雫が落ちる。ぽたり、ぽたり、と絶え間なく、鋼の上を流れ落ちる。闇の中でそれは黒く、僅かに粘り気があることだけが分かる。 　雫は同じ色の水溜りに跳ねて消える。土に染み込むのが追いつかないほどの液体が流れ出ていた。体内から。 　皮膚を突き破った骨の間から、反対側に曲がった脚から、陥没して中身がとび出た頭から。 　血溜まりは一つではなく、あちこちにある。今は動かない、元人間だった物もいたるところに。 　雑渡は大きく息を吐いた。 「お疲れ様です、組頭」 　押都の声がしてそちらを振り返る。 「終わった？」 　雑渡は鋼鉄製の六尺棒を大きく振り、滴る血痕を払った。 　足下に横たわる死体を跨いで部下の元へと赴く。 「はい。支城に潜入していた忍びは逃げた者も含めて全て始末いたしました。偽書と偽情報を流布。今回の混乱に乗じて黒鷲隊を敵本隊へ数人潜入させる事にも成功いたしました」 「そう。じゃあ後はアレ片付けさせておいてね」 「……えらく機嫌が悪かったのですね」 　損壊の激しい死体の事を言っているのだろう。確かに、もっと血を流さずに処理することも出来た。だが今日はちょっとむしゃくしゃしていたのだ。 「今晩久しぶりに伊作くんに会いにいく予定だったんだよねぇ」 「急にお呼びだてして申し訳ありません」 　山本が本当に申し訳そうに言った。そして「既に屋敷に湯の準備は整えてあります」と続けた。流石気が効く。 「今からそのまま行けば良いのでは？　善法寺なら包帯も巻き直してくれるでしょうし」 　尊奈門が心底不思議そうに言った。どうせ着物は脱ぐのだし、伊作の手当ても受けるのだから、とでも思っているのだろう。 　わかってないなー、という複数の視線が尊奈門に突き刺さる。 「お前が先走ったせいで組頭に迷惑がかかっているんだぞ」 　高坂の鉄拳が尊奈門の頭に落ち、尊奈門が呻きながら頭を抱えた。 「えー？　でも今夜私が気付いて仕掛けなかったら危なかったと思いますよ？」 　尊奈門の言い分も一部正しい。敵は後数日は動かないと雑渡は読んでいた。山本、押都の見解も同様で、それは今でも正しかったと思う。 　だが、尊奈門が勘違い——本当に勘違いだった。押都からの報告で確認済みだ——したおかげで敵は虚をつかれて総崩れ。予想より遥かにタソガレドキ有利で事が進められた。 　当初の作戦とは違ったが、きちんと完遂させたのだから文句はない。成長も見て取れた。 「いいよいいよ、代休はまたもらうし」 　どうせ一刻会えるかどうかだったのだ。あとで文だけ出そう。 　それに、このまま会いに行ったら確実に怒られるんだよな、と雑渡は恋人の顔を思い浮かべる。怪我はしておらず、全て返り血だといっても、雑渡の身体が汚れる事を伊作は良く思わない。特に他人の血液はダメだと言う。すぐに洗い流し、清潔な包帯を巻き直せと。 　このまま会いに行ったら時間の許す限り詰められるのは目に見えていた。笑顔のまま怒られるのが一番怖い。 　首筋に嫌な汗が滴って、雑渡は僅かに震えた。 　山本が本当に申し訳そうに言った。そして「既に屋敷に湯の準備は整えてあります」と続けた。流石気が効く。 「今からそのまま行けば良いのでは？　善法寺なら包帯も巻き直してくれるでしょうし」 　尊奈門が心底不思議そうに言った。どうせ着物は脱ぐのだし、伊作の手当ても受けるのだから、とでも思っているのだろう。 　わかってないなー、という複数の視線が尊奈門に突き刺さる。 「お前が先走ったせいで組頭に迷惑がかかっているんだぞ」 　高坂の鉄拳が尊奈門の頭に落ち、尊奈門が呻きながら頭を抱えた。 「えー？　でも今夜私が気付いて仕掛けなかったら危なかったと思いますよ？」 　尊奈門の言い分も一部正しい。敵は後数日は動かないと雑渡は読んでいた。山本、押都の見解も同様で、それは今でも正しかったと思う。 　だが、尊奈門が勘違い――本当に勘違いだった。押都からの報告で確認済みだ――したおかげで敵は虚をつかれて総崩れ。予想より遥かにタソガレドキ有利で事が進められた。 　当初の作戦とは違ったが、きちんと完遂させたのだから文句はない。成長も見て取れた。 「いいよいいよ、代休はまたもらうし」 　どうせ一刻会えるかどうかだったのだ。あとで文だけ出そう。 　それに、このまま会いに行ったら確実に怒られるんだよな、と雑渡は恋人の顔を思い浮かべる。怪我はしておらず、全て返り血だといっても、雑渡の身体が汚れる事を伊作は良く思わない。特に 他人の血液はダメだと言う。すぐに洗い流し、清潔な包帯を巻き直せと。 　このまま会いに行ったら時間の許す限り詰められるのは目に見えていた。笑顔のまま怒られるのが一番怖い。 　首筋に嫌な汗が滴って、雑渡は僅かに震えた。
November 6, 2025 at 12:26 PM
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5.【隠れ家】伊雑伊
５．隠れ家 　潮騒が聞こえる。 　切り立った崖の上にポツンと立った一軒家は何処の道とも繋がっておらず、どの町とも遠い。鳥の目を持っていれば繁った森の中、断崖絶壁のその前に急に開けた土地と建物を確認できるだろう。 　国の領地として認識はされているが、そこに人が住んでいるとは誰も思うまい。それだけ不便で、難解な土地だった。 　そこに家がある事を知る者は僅かに二人。 　時折荷物を持って険しい山を登り、その岸壁の家へとやってくる。数日、あるいは十数日滞在したのち別々の方角へと去っていく。 　大地を駆ける狼も、大空を飛ぶ黒鷲も未だその場所を知ることは無い。 　
November 5, 2025 at 12:11 PM
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布越しの体温
伊雑伊
November 4, 2025 at 5:29 PM