シャワー室でうずくまるようにして泣き続けるエリザベス。エリザベスから髄液を抜きまくるスー。デートを前に化粧や服装が決まらなくて苛立つエリザベス。やっと掴んだ夢の舞台を台無しにされて怒りまくるスー。なんだか彼女の孤独がつらくて泣けてきた映画だった。まさか泣くとは思ってなかったし、このまま感傷的なラストを迎えるかと思いきや、とてもロックで心のなかで拍手喝采してしまった。事前にちらっと『キャリー』みたいというレビューを読んでたので、これかぁと。最後、清掃員がエリザベスのWalk of Fameを踏まずにいてくれたことで安心した。
シャワー室でうずくまるようにして泣き続けるエリザベス。エリザベスから髄液を抜きまくるスー。デートを前に化粧や服装が決まらなくて苛立つエリザベス。やっと掴んだ夢の舞台を台無しにされて怒りまくるスー。なんだか彼女の孤独がつらくて泣けてきた映画だった。まさか泣くとは思ってなかったし、このまま感傷的なラストを迎えるかと思いきや、とてもロックで心のなかで拍手喝采してしまった。事前にちらっと『キャリー』みたいというレビューを読んでたので、これかぁと。最後、清掃員がエリザベスのWalk of Fameを踏まずにいてくれたことで安心した。
導入の仕方からやられた。塀の向こう側は映像では描かない。何かがおかしいのに、誰もそれを口にしない。妻の歩き方が気になっていたら、彼女の母親が登場したところで合点がいく。階段をくだるヘスのシーン、終わらせ方としてすごい。彼の嘔吐は何を意味するのだろう。頭から終わりまで、映像がだれない。音楽が良すぎる。
導入の仕方からやられた。塀の向こう側は映像では描かない。何かがおかしいのに、誰もそれを口にしない。妻の歩き方が気になっていたら、彼女の母親が登場したところで合点がいく。階段をくだるヘスのシーン、終わらせ方としてすごい。彼の嘔吐は何を意味するのだろう。頭から終わりまで、映像がだれない。音楽が良すぎる。
事情聴取のシーンは『ワンダフルライフ』の手法に顕著な、ドキュメンタリー的なフィクションなだけに、とりわけ安藤サクラさんの、台詞の僅かな、母親をめぐる葛藤の描写が生々しくて、泣いてしまった。
家族が海で遊ぶ場面は、樹木希林さんの空気に溶けてゆくような存在感が、次の場面における突然の死を予感させるものになっていて、死そのものを描かない死の描写がすごいなぁ。
松岡茉優さんの目がすさまじい。
百合が行政によって地獄に戻され、その後どうなるのか考えるときついんだけれど、踏み台を使って手すりを越え、自分から外の世界を見つめるショットで終わったから、微かな希望は感じる。
事情聴取のシーンは『ワンダフルライフ』の手法に顕著な、ドキュメンタリー的なフィクションなだけに、とりわけ安藤サクラさんの、台詞の僅かな、母親をめぐる葛藤の描写が生々しくて、泣いてしまった。
家族が海で遊ぶ場面は、樹木希林さんの空気に溶けてゆくような存在感が、次の場面における突然の死を予感させるものになっていて、死そのものを描かない死の描写がすごいなぁ。
松岡茉優さんの目がすさまじい。
百合が行政によって地獄に戻され、その後どうなるのか考えるときついんだけれど、踏み台を使って手すりを越え、自分から外の世界を見つめるショットで終わったから、微かな希望は感じる。
原作未読。直感的に、谷崎潤一郎の「卍」を読み返したくなったけれど、それよりお嬢様とスッキに救いがある(ようでないのかもしれない)終わりがよかった。『アデル、ブルーは熱い色』もセックスシーンの描写にうーん?ってかんじで『お嬢さん』もうーん??って感じだったけど、詐欺師の拷問シーンとてもよかった。ああいうかんじて描けばいいのに。メイン3人の役者さんの存在感でおもしろく最後まで見終わった。いい大晦日。時代背景と国際関係についてはいろいろ思ったけどね。
原作未読。直感的に、谷崎潤一郎の「卍」を読み返したくなったけれど、それよりお嬢様とスッキに救いがある(ようでないのかもしれない)終わりがよかった。『アデル、ブルーは熱い色』もセックスシーンの描写にうーん?ってかんじで『お嬢さん』もうーん??って感じだったけど、詐欺師の拷問シーンとてもよかった。ああいうかんじて描けばいいのに。メイン3人の役者さんの存在感でおもしろく最後まで見終わった。いい大晦日。時代背景と国際関係についてはいろいろ思ったけどね。
「ベイビーわるきゅーれ」シリーズすべて鑑賞してからの『ある用務員』なので、役名違うけれども、まひろ&ちさとだー❤️嬉しくなってしまった。伊澤さんのアクションがほんとにかっこいい。
阪元監督の脚本、個々の登場人物たちのバックグラウンドを強く感じさせるのに、切り取られた物語のなかで浮かないからすごい。短い話のなかに物語の奥行きが生まれていて好き。
「ベイビーわるきゅーれ」シリーズすべて鑑賞してからの『ある用務員』なので、役名違うけれども、まひろ&ちさとだー❤️嬉しくなってしまった。伊澤さんのアクションがほんとにかっこいい。
阪元監督の脚本、個々の登場人物たちのバックグラウンドを強く感じさせるのに、切り取られた物語のなかで浮かないからすごい。短い話のなかに物語の奥行きが生まれていて好き。
入江さんが商業デビューされた後かされる前かは覚えてないのだけれど(たぶん同人時代かな)、「あり胡同」はお気に入りの個人サイトで。色々あってブクマが消失したのち、職場の同僚が貸してくれた漫画で十数年ぶりの再会を果たし、こういう奇跡ってあるのだなぁと驚いた。『乱と灰色の世界』がとくに大好きです。なので、原稿を一枚一枚じっくり見ることができて、嬉しかった。図録がないようなのでまた行きたい。
森薫さんももちろん『エマ」など大好きで、物語の作り方としてエーコの小説講座を参考にされていたのが、とても興味深かった。人様の本棚を見るのが好き。
入江さんが商業デビューされた後かされる前かは覚えてないのだけれど(たぶん同人時代かな)、「あり胡同」はお気に入りの個人サイトで。色々あってブクマが消失したのち、職場の同僚が貸してくれた漫画で十数年ぶりの再会を果たし、こういう奇跡ってあるのだなぁと驚いた。『乱と灰色の世界』がとくに大好きです。なので、原稿を一枚一枚じっくり見ることができて、嬉しかった。図録がないようなのでまた行きたい。
森薫さんももちろん『エマ」など大好きで、物語の作り方としてエーコの小説講座を参考にされていたのが、とても興味深かった。人様の本棚を見るのが好き。
夫である「私」や実の家族に理解されず、ヨンへ(妻)がゆるやかに死に向かってゆくなかで、けれども彼女は死を望んでいたわけでなく、生きたいわけでも死にたいわけでもなく、ただ生かされているような存在として、寂寞というか孤独というか、言葉にし難い空洞を抱え込む様子に、最後の一文で感極まって泣いてしまった。
夫である「私」が語り手で、途中ヨンへの内面が挿入され、なんだか不思議な感覚に陥る。「私」に感情移入できず、「私」から徹底的に他者という記号として語られるヨンへに、苦しいほど同化してしまう。
夫である「私」や実の家族に理解されず、ヨンへ(妻)がゆるやかに死に向かってゆくなかで、けれども彼女は死を望んでいたわけでなく、生きたいわけでも死にたいわけでもなく、ただ生かされているような存在として、寂寞というか孤独というか、言葉にし難い空洞を抱え込む様子に、最後の一文で感極まって泣いてしまった。
夫である「私」が語り手で、途中ヨンへの内面が挿入され、なんだか不思議な感覚に陥る。「私」に感情移入できず、「私」から徹底的に他者という記号として語られるヨンへに、苦しいほど同化してしまう。
神楽坂、カジュアルなお店が増えて、若い人で賑わってた。
神楽坂、カジュアルなお店が増えて、若い人で賑わってた。
Twitterで見かけた「MIUぜんぜん出てない」ツイートの人は何を見たんだろう。そういうアカウントだったのかな。
いつ爆発するんだろうっていうテンションの持続がうまくて長い割にあっという間だったのと、社会の構造的欠陥に翻弄される人たちの人間模様に考え込んでしまった。
相変わらずキャスティングの力をひしひし感じるなか、メインのお2人も魅力的だったんだけど、火野さんが年を重ねて余計に渋みが……息子役との掛け合いがよかった。
冒頭の、満島ひかりさんの横顔が、凛とした美しさで、とても引き込まれた。物語が終わってから見ると、あの表情にいろいろ読み込める。
Twitterで見かけた「MIUぜんぜん出てない」ツイートの人は何を見たんだろう。そういうアカウントだったのかな。
いつ爆発するんだろうっていうテンションの持続がうまくて長い割にあっという間だったのと、社会の構造的欠陥に翻弄される人たちの人間模様に考え込んでしまった。
相変わらずキャスティングの力をひしひし感じるなか、メインのお2人も魅力的だったんだけど、火野さんが年を重ねて余計に渋みが……息子役との掛け合いがよかった。
冒頭の、満島ひかりさんの横顔が、凛とした美しさで、とても引き込まれた。物語が終わってから見ると、あの表情にいろいろ読み込める。