主は写真に写りたがらないお人であった。俺たち刀の写真は撮るくせ、頑なに写ろうとはしなかった。
昔、一度だけと、誉の褒美として一枚だけ主と写真を撮った。ひらひらと舞い落ちる桜の花びらが、光の粒のようにキラキラと輝いていた。
主は「ごめんな、長谷部」と何故か寂しそうな顔で笑っていた。
ある日、主が消えた。主は、歴史改変の影響で生まれた人間なのだと、こんのすけは言った。
こんのすけの話も途中に呆然とする仲間の波を掻き分けて自室へと逃げ帰り、引き出しの中からクッキーの缶を引き摺り出して蓋を開けた。
「あるじ」
色褪せた桜の木の下に佇んでいるのは、俺だけだった。
主は写真に写りたがらないお人であった。俺たち刀の写真は撮るくせ、頑なに写ろうとはしなかった。
昔、一度だけと、誉の褒美として一枚だけ主と写真を撮った。ひらひらと舞い落ちる桜の花びらが、光の粒のようにキラキラと輝いていた。
主は「ごめんな、長谷部」と何故か寂しそうな顔で笑っていた。
ある日、主が消えた。主は、歴史改変の影響で生まれた人間なのだと、こんのすけは言った。
こんのすけの話も途中に呆然とする仲間の波を掻き分けて自室へと逃げ帰り、引き出しの中からクッキーの缶を引き摺り出して蓋を開けた。
「あるじ」
色褪せた桜の木の下に佇んでいるのは、俺だけだった。
私っぽい主へし過去漫画を再掲
私っぽい主へし過去漫画を再掲