美しき島
沖永良部島
2025.6.26〜
美しき島
沖永良部島
2025.6.26〜
沖永良部島
2025.6.26〜
沖永良部島
2025.6.26〜
3.17
3.17
2025 2月
別府鉄輪、佐賀関⇔愛媛伊方町
2025 2月
別府鉄輪、佐賀関⇔愛媛伊方町
集落の坂道から森の御嶽を通り過ぎると直ぐに舗装道路が途絶え草の細道になる。クワズイモ、アダン...草木は透明な水滴をたたえ、無数の蝶が飛び交う。葉を打つ雨の音、渡りの鳥の囀り、遠い波音。島は天国の匂いがする。北の浜に向かう私は白い狼を連れている。
集落の坂道から森の御嶽を通り過ぎると直ぐに舗装道路が途絶え草の細道になる。クワズイモ、アダン...草木は透明な水滴をたたえ、無数の蝶が飛び交う。葉を打つ雨の音、渡りの鳥の囀り、遠い波音。島は天国の匂いがする。北の浜に向かう私は白い狼を連れている。
外出中、友人の訃報が届く。一瞬で世界は色や音を失う。「嘘だ信じない」と声に出し呟いてはよろよろと電車を降り、何とか部屋に辿り着く。悲しいのか泣いているのか、止まぬ耳鳴りのなか残された言葉や写真の断片に溺れ、強い酒を流し込み倒れるように眠った。
明け方の夢。白い狼を見た。巨大な体躯はズブ濡れで低く唸っているが不思議と怖くない。濡れた顔と身体を拭いてやると鋭い爪の手足を差し出すのでまた拭く。ふかふかの温かい胸に顔を埋めると思いがけず美しい狼が喋った。それは胸が苦しい程に優しい言葉だったが朝にはかき消えてしまった。
外出中、友人の訃報が届く。一瞬で世界は色や音を失う。「嘘だ信じない」と声に出し呟いてはよろよろと電車を降り、何とか部屋に辿り着く。悲しいのか泣いているのか、止まぬ耳鳴りのなか残された言葉や写真の断片に溺れ、強い酒を流し込み倒れるように眠った。
明け方の夢。白い狼を見た。巨大な体躯はズブ濡れで低く唸っているが不思議と怖くない。濡れた顔と身体を拭いてやると鋭い爪の手足を差し出すのでまた拭く。ふかふかの温かい胸に顔を埋めると思いがけず美しい狼が喋った。それは胸が苦しい程に優しい言葉だったが朝にはかき消えてしまった。