本年もよろしくお願いいたします
2025.1.1
本年もよろしくお願いいたします
2025.1.1
ふた口だけ吸い込むと、飴色の灰皿の窪みに差して
時間が灰になっていくのをただ眺めていた。
取り留めのない、遠い日の煙の記憶。
ふた口だけ吸い込むと、飴色の灰皿の窪みに差して
時間が灰になっていくのをただ眺めていた。
取り留めのない、遠い日の煙の記憶。
そう決めて、ポケットにあったコインを宙に放った。
落ちてきたコインを左手の甲で受け、右の掌で叩き止めた。
重ねていた右手をそっと離してコインを眺めた。
考えてみれば、そのコインのどちらが表でどちらが裏なのかを俺は知らなかった。
まずはそこから決めなければならなかった。
そう決めて、ポケットにあったコインを宙に放った。
落ちてきたコインを左手の甲で受け、右の掌で叩き止めた。
重ねていた右手をそっと離してコインを眺めた。
考えてみれば、そのコインのどちらが表でどちらが裏なのかを俺は知らなかった。
まずはそこから決めなければならなかった。