だけど貧しいにんげんにとってミルクはぜいたく品でした ミルクを買おうにもそのためのお金がないのです にんげんは商店に駆け込み、店主の奥さんに訴えました これまで長く伸ばしていた母親譲りのうつくしい髪を売るかわりに、ミルクをわけてほしいのだと
November 19, 2025 at 2:49 PM
だけど貧しいにんげんにとってミルクはぜいたく品でした ミルクを買おうにもそのためのお金がないのです にんげんは商店に駆け込み、店主の奥さんに訴えました これまで長く伸ばしていた母親譲りのうつくしい髪を売るかわりに、ミルクをわけてほしいのだと
それ見て息を呑むちみ研 土埃や怪我で薄汚れながらも元はふわふわだったことのわかる白いからだをいちど震わせ、だけどちみ研は泣きませんでした ちみ研はにんげんを見上げて言いました「ミルクはある？ おねがい ミルクがほしいんだ」それでにんげんはつよく頷くとショールを巻きつけ、麓の街まで駆け出すのでした
November 19, 2025 at 2:45 PM
それ見て息を呑むちみ研 土埃や怪我で薄汚れながらも元はふわふわだったことのわかる白いからだをいちど震わせ、だけどちみ研は泣きませんでした ちみ研はにんげんを見上げて言いました「ミルクはある？ おねがい ミルクがほしいんだ」それでにんげんはつよく頷くとショールを巻きつけ、麓の街まで駆け出すのでした
ひときれの黒パンを抱えたちみ研は、薄赤く燃える暖炉の前、ぬのきれにくるまったまま動かないちみ黒のところへと一目散に駆け寄り、くろ、ごはんだよ、これを食べて元気になって、とその口元にパンのかけらを差し出しますが、ちみ黒には咀嚼する元気が残っていないためパンのかけらは転がり落ちる
November 19, 2025 at 2:41 PM
ひときれの黒パンを抱えたちみ研は、薄赤く燃える暖炉の前、ぬのきれにくるまったまま動かないちみ黒のところへと一目散に駆け寄り、くろ、ごはんだよ、これを食べて元気になって、とその口元にパンのかけらを差し出しますが、ちみ黒には咀嚼する元気が残っていないためパンのかけらは転がり落ちる
ふたちみを抱き抱え家に連れ帰ったにんげん、なにかたべるものをとちみ研に乞われ、バスケットから黒パンを取り出しひときれ分けてくれるんです 裕福ではないにんげんにとっては貴重な食料を
November 19, 2025 at 2:38 PM
ふたちみを抱き抱え家に連れ帰ったにんげん、なにかたべるものをとちみ研に乞われ、バスケットから黒パンを取り出しひときれ分けてくれるんです 裕福ではないにんげんにとっては貴重な食料を
傷がひどく痛むのでしょう。黒いちみは脂汗を浮かべ、ぶるぶると震えていました。しかしここで何よりだいじなのは、そんな状態であるにもかかわらず彼がつがいである白いちみを、じぶんよりもはるかにずうたいのおおきないきものから必死に守ろうとしていることでした。そのすがたはにんげんから言葉を奪うのには十分でした。
November 19, 2025 at 2:36 PM
傷がひどく痛むのでしょう。黒いちみは脂汗を浮かべ、ぶるぶると震えていました。しかしここで何よりだいじなのは、そんな状態であるにもかかわらず彼がつがいである白いちみを、じぶんよりもはるかにずうたいのおおきないきものから必死に守ろうとしていることでした。そのすがたはにんげんから言葉を奪うのには十分でした。
そうなんだ 叫ぶ穴がないならじぶんで掘るしかないんだ
November 18, 2025 at 1:47 PM
そうなんだ 叫ぶ穴がないならじぶんで掘るしかないんだ
この話を考えてここ２日はしばしば涙ぐむ 地産地消
November 18, 2025 at 1:45 PM
この話を考えてここ２日はしばしば涙ぐむ 地産地消
つがいの献身的な看病とにんげんの力添えのおかげで、ひとつきも経つ頃にはちみ黒はすっかり元気になりました
November 18, 2025 at 1:43 PM
つがいの献身的な看病とにんげんの力添えのおかげで、ひとつきも経つ頃にはちみ黒はすっかり元気になりました
くろ、にんげんがあったかいミルクをくれたよ、と ちみ研はじぶんのふわふわのおててをミルクに浸し、そのあとそのおててでちみ黒の口元を濡らしてあげるのです するとちみ黒のおくちがむにゃむにゃと動き、ぺろりとミルクを舐めとったではありませんか
November 18, 2025 at 1:42 PM
くろ、にんげんがあったかいミルクをくれたよ、と ちみ研はじぶんのふわふわのおててをミルクに浸し、そのあとそのおててでちみ黒の口元を濡らしてあげるのです するとちみ黒のおくちがむにゃむにゃと動き、ぺろりとミルクを舐めとったではありませんか
それでにんげんが戸棚の奥から欠けたショットグラスを探し出し、そこに注いでやると、ちみ研はにんげんの厚意にちいさくおじきをし、そのショットグラスを寝床から動けないちみ黒のために運んでいく
November 18, 2025 at 1:38 PM
それでにんげんが戸棚の奥から欠けたショットグラスを探し出し、そこに注いでやると、ちみ研はにんげんの厚意にちいさくおじきをし、そのショットグラスを寝床から動けないちみ黒のために運んでいく
ちみは気位がたかいので、子猫にするようににんげんがひらたい小皿にほんのりとあたためたミルクを注いで差し出してやると、気を引かれたようすを見せながらもぷいっとそっぽを向いてしまう
November 18, 2025 at 1:36 PM
ちみは気位がたかいので、子猫にするようににんげんがひらたい小皿にほんのりとあたためたミルクを注いで差し出してやると、気を引かれたようすを見せながらもぷいっとそっぽを向いてしまう
児童書を書くときにつぎから気をつけようと思っていること 翻訳がスムーズにできるような文章を書くこと
November 18, 2025 at 1:34 PM
児童書を書くときにつぎから気をつけようと思っていること 翻訳がスムーズにできるような文章を書くこと
大丈夫だよ、ただ助けたいだけだよ、とにんげんが口にするより早く、それまで倒れ込んでいた黒いちみがなんと起き上がったではありませんか 黒いちみは折れた腕を庇いながらも毛を逆立て、白いちみをじぶんの背後に隠そうとしました
November 18, 2025 at 1:32 PM
大丈夫だよ、ただ助けたいだけだよ、とにんげんが口にするより早く、それまで倒れ込んでいた黒いちみがなんと起き上がったではありませんか 黒いちみは折れた腕を庇いながらも毛を逆立て、白いちみをじぶんの背後に隠そうとしました
草木のしげみの奥でちみのつがいをみつけたにんげん どうやら黒い方の個体は怪我をしているらしく倒れ込んで動けない それでにんげんが手を伸ばそうとするんだけど、そうすると白い方のちみが慌てて黒い方に覆い被さる「だめっ おねがいだから、くろにひどいことをしないで」
November 18, 2025 at 1:30 PM
草木のしげみの奥でちみのつがいをみつけたにんげん どうやら黒い方の個体は怪我をしているらしく倒れ込んで動けない それでにんげんが手を伸ばそうとするんだけど、そうすると白い方のちみが慌てて黒い方に覆い被さる「だめっ おねがいだから、くろにひどいことをしないで」
密猟者の手から命からがら逃げてきたつがいのちみ黒研をひとりのにんげんが助けるところからはじまる、そういう児童書が書きたい
November 18, 2025 at 1:26 PM
密猟者の手から命からがら逃げてきたつがいのちみ黒研をひとりのにんげんが助けるところからはじまる、そういう児童書が書きたい