淡那霧生(kuro)
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淡那霧生(kuro)
@kurokilly.bsky.social
イラスト描いたり、ゲームしたり、料理したり。
最近はFF14のchocoboでプレイ中。
どうぞよろしく~ ノシ
微笑むモドキの顔を見て、とある考えが頭を過る。
「容姿」のギフトはあるのか?
「容姿、ですか。魅了の応用範囲にはなりますがありますよ」
知識が必要ならもともと持っているし、あとは相手に対して有利な状況に立てるか。
July 7, 2024 at 3:41 AM
モドキの指先が薄く光を放ち、記号…何語か不明だが意味だけは伝わってくる文字が宙に浮かぶ。
「怪力」「加速」「看破」等々…。
「向こうの世界の現状管理に必要、かつ律を乱さない程度なら複数選んでいただいても」
July 7, 2024 at 3:37 AM
該当するのは私だけじゃない。
必要なのは物理科学の知識、か。
「管理者の恩恵、ギフトを差し上げているのですが、何かご希望はありますか?」
July 7, 2024 at 3:32 AM
「科学技術の発展が見込める期間にこちらの人材を適宜配置し、軌道に乗せるのが主な目的です」
つまり、私以外にもいる?
「はい。時期には多少誤差がありますが」
July 7, 2024 at 3:26 AM
「これから行っていただく世界では魔力の構成比率が高く、物理の比率が低い世界です」
所謂、剣と魔法の世界か。
「ええ。しかし、魔力の影響が大きくなりすぎていて、物理科学系を進めるべき文明が度々滅んでしまっています」
…つまり、人類が滅んでる?
June 23, 2024 at 4:47 PM
「わかった。提案を受け入れよう」
そう悩むことはない。
死ぬと分かっているなら選択肢はそう多くない。
モドキはにこやかに頷く。
「良かったです」
ほんと、顔だけはいいんだよな。
June 19, 2024 at 3:55 PM
提案、というのは。
「このまま再接続し、死亡。その後は魂が完全に霧散するか、しばらく地縛霊になるかといったところなのですが、使命を受けて別の世界に行っていただけるのであれば、肉体を再構築して魂を入れ直します。とりあえずではありますが、目の前の死は避けられます」
先ほどの映像もなかなかに悲惨だったが、何をやらされるのかもわからんのは不安ではある。
というか、霧散しないと地縛霊になるのか…。
June 19, 2024 at 3:52 PM
「死亡後は肉体と魂が解離し、魂が徐々に霧散していきます。その際、記憶や人格の損耗、欠損が避けられないのです」
モドキは腕を組み、指先でトントンと反対の肘をノックする。
それ、本人もやってたな。
「並行する世界に再配置した方々にはそれなりの行動が期待されます。なので、あまりに魂が劣化してしまえば運営に支障が出るのです」
June 19, 2024 at 3:24 PM
「現在、ワタクシの力で時間を止めています。正確に言うと、あなたの意識と時間の接続を切っている状態です」
つまり、再接続したらこうなる、と。
「ええ。通常でしたらお亡くなりになってから声をおかけするのですが…少々都合が悪いのです」
用の済んだ紙ナプキンのように、青ざめて痙攣する私の画像が折りたたまれて、お片付けされていく。
June 18, 2024 at 3:38 PM
糖分マシマシの缶コーヒーを選び、取り出し口に手を伸ばしたところでふらつき、そのまま倒れこむ。
息が出来ず、激しい胸痛に襲われ、そのまま数秒で動かなくなった。
死因は過労による心不全。
悲惨な最期だな。
吐きたくなってきた。
June 18, 2024 at 3:33 PM
「一条ユウリさん。残念ながらあなたは数秒後に転倒し、心不全により亡くなります」
なに?
驚く私の目の前に、ノイズ混じりの映像が浮かぶ。
自販機の明かりに照らされて、暗がりに立つスーツ姿の…自分だ。
June 17, 2024 at 3:48 PM
「察しが良くて助かります。そう、現在稼働している世界は複数あり、その世界間で人員を適所に配置することで滞りなく運用します」
つまり、調律者とはカミサマ的なもの?
こちらの疑問に対し、モドキは首を横に振った。
「神については定義がかなり別れてしまうのですが、調律者は世界に付随するシステムから二次的に生み出されたもの。権限はそれなりに限定されています」
本題に戻ります、とモドキは前置く。
June 17, 2024 at 3:36 PM
「ワタクシの仕事は世界の不具合を、主に人員の配置によって解決することです」
配置。
人事部みたいなものだろうか?
だとすると、部署としての世界が幾つもあるということだろうか?
June 17, 2024 at 3:24 PM

「お気づきですか。ああ、これはお知り合いの姿をお借りしてるだけです」
糞同期モドキ、とでも呼ぶべきソイツは緩やかに一礼をする。
「ワタクシは調律者、世界の運営を代行するものです。一条ユウリさん、あなたにご提案があって参りました」
礼儀正しいのは良いことなのだが、プレゼンやってるときの同期を思い出すので妙に腹が立つな。
June 16, 2024 at 11:59 PM

「随分と落ち着いていますね」
背後から聞き覚えのある声がして振り向く。
顔の良い糞同期が立っていた。
超過勤務でリアクションが湧いてこないだけだよ、クソが。
「確かに随分とお疲れのご様子」
誰のせいだよ。
ん?
誰だこいつ?
どう見ても糞同期なのだが、話し方がおかしい。
あいつはもっとこう「いちじょーさぁん、いぃですかぁ?」みたいな嘗めた態度というか。
June 16, 2024 at 11:51 PM

美しいな、と思った。
漂う光の粒は涼しげな輝きを放っている。
ラップトップで疲れた目にも優しい光。
多分、異常な事態なのだろう。
何故、と頭の中には疑問が次々浮かんでくるのだが、ひどい睡眠不足の状態では考えがうまくまとまらない。
June 16, 2024 at 11:42 PM
ボタンを押そうと手を上げ…そこで奇妙なことが起こった。
「え?」
炯々と明るい自販機が消えた。
ヤニで薄汚れた周囲の壁も、変色したリノリウムの床も、全て消えた。
どうなっている?
左右を見渡す。
天地の判別もない暗い空間に、蛍を思わせる光の粒が浮いている。
その只中に、視認できない床に私は立っていた。
June 16, 2024 at 11:32 PM

さて、どれにしようか。
カフェイン以上に糖分が優先だろうか。
昼にゼリー飲料を飲んでから食事を取っていない。
June 16, 2024 at 10:26 PM
軋む椅子から更に軋む体を起こし、ブースから出る。
エレベーターホールの前を通りすぎ、自販機コーナーへ。
薄暗い通路に燦然と輝くディスプレイ。
うう、明るすぎてしんどい。
June 16, 2024 at 6:30 PM

顔と要領だけは抜群の糞同期は上司と飲みに行き、私の目の前に書類が一つ積まれていく。
このやり取りが繰り返され、やり返す気力もなく片付ける。
「…コーヒー、買いに行こう」
目頭の鈍痛が限界だ。
カフェインと甘さがほしい。
June 16, 2024 at 6:25 PM

帰る時間はなさそうだ。
資料さえ出来上がれば、あとは上司が適当に話してくれるので仮眠くらいは取れるだろう。
そう前向きに思えるようになったのはまだ最近の話。
そもそも、このプレゼンは自分の担当じゃない。
糞同期の仕事を押し付けられた形だ。
June 16, 2024 at 6:17 PM

私こと一条ユウリは社畜である。
中小企業の小よりの我が勤め先。
零時を回って機械警備に切り替わり、オフィスには私一人だけ。
社畜に人権が無いとすれば、ある意味ここは無人と見なされるのだろうか。
そんなしょうもない事を考えつつ、型オチのラップトップで明日の…ああ、いや今日の朝までが締め切りのプレゼン資料を叩いている。
June 16, 2024 at 6:10 PM
こちらを普段使ってないので、思いつきを書き込む。
June 16, 2024 at 6:01 PM
Reposted by 淡那霧生(kuro)
掌編小説

『推敲世界』1/4
March 24, 2024 at 5:22 AM
母方の祖母よりいただいた柑橘類。九州ではこのように手榴弾の元となる果実が育てられ、冬の終わり頃には新鮮な手榴弾が市場に並ぶ。
沖縄のパイナップルが世界的には有名であるが、古式ゆかしいデコポン型を愛用するものも多いという。
February 14, 2024 at 3:33 PM