がいこつ/楽志
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がいこつ/楽志
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過激にして愛嬌あります。
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新作小説をアップしました。
休憩中に遭遇した事態を落語家さんが語ります。
「見果てぬ先の先」 - カクヨム kakuyomu.jp/works/766760...
月刊『らい・らっく』9月号より - 見果てぬ先の先(山本楽志) - カクヨム
どうぞ最後まで目を離さないでください
kakuyomu.jp
「次はイタリア抜きでやろうぜ」
というドイツ人ジョークを実際に聞いたという旨が書かれた本を読みましたので、そのあたりについてのあれやこれやを。
イタリア抜き発生論序説|山本楽志 @ga1k0t2 note.com/ga1k0t2/n/n1...
イタリア抜き発生論序説|山本楽志
以前からネットで散見されるドイツ人ジョークとして、  海外旅行中親切にしてくれたドイツ人から、 「次に戦争する時はイタリア抜きでやろうぜ」  と言われた。  というものがあります。  もちろん、第二次世界大戦の日独伊三国同盟を前提として、その中からイタリアが最も早く脱落したことを諧謔としているものです。  私は匿名掲示板で、もうずいぶん昔に目にして、以来、ありがちな特に実際の発言か否かを...
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November 10, 2025 at 2:13 PM
本日読んだ本
東野圭吾『宿命』(講談社文庫)1993
大企業の息子として生まれ文武両道に秀で医学者の道に進んだ男と、刑事の家に生まれやはり文武に恵まれつつも貧しさの故に道を閉ざされ親と同じ刑事に進まざるを得なかった男が、一つの事件を契機に再会し対峙することとなる。
本格ミステリは世界観が収縮しがちなのですが、物語を読み進めてゆくほどに、かえって視覚の広がりを感じさせる構成は本当にすごい。
登場人物も実際にいそうな生々しさを持っていて、それがまた粘つく肌感覚を与えてきて、作品世界に絡め取られてゆく感じを味わわされます。
November 9, 2025 at 12:30 PM
本日読んだ本
伊坂幸太郎『首折り男のための協奏曲』(新潮文庫)2016
道具などを使わず自分の腕力だけで被害者の首を捻り絶命させる連続殺人犯首折り男を舞台装置の一つとして、多くの人物と物語が交錯していく群像劇。
なんとも説明がしにくい作品ですが、軽妙な会話の連続でストーリーが展開してゆく伊坂節を堪能するのには最適な一冊です。
他の伊坂作品にもしばしば登場する泥棒黒澤が登場するのもほっとします。
November 6, 2025 at 11:47 AM
「押田くん、こっそり服を引っ張るのはやめてくれないか?」
(な、なにをいうんだ!
わたしは君がなにかへまをしそうになったら、知らせてあげようと思って備えてあげているんだぞ!)
「生地が伸びるかもしれないだろう。
だったら手を握るとか他の方法もあるじゃないか」
(そ、そんなことできるわけないだろう!
君みたいながさつな人間に引っ張られたら、わたしの手の方が先に伸びてしまう!)
「でも、いつだって手が出るのは君の方からだろう」
November 3, 2025 at 1:48 PM
本日読んだ本
一柳廣孝『〈こっくりさん〉と〈千里眼〉・増補版』(青弓社)2021
明治時代に流行したこっくりさん、催眠術、千里眼の受容の差を考察することによって、日本における精神科学・心霊学の成り立ちとその変容を語ってゆく。
そこには西洋的な科学では解明できない、日本人的な霊や魂の存在を取り上げることで、西洋を乗り越えようとする意図が見え隠れし、「近代の超克」へとつながる一つの経路として非常に興味深かったです。
個人的にはこっくりさんの明治・大正・昭和の受容史みたいなものを期待したのですが、そちらは残念ながらかなえられませんでした。
October 31, 2025 at 12:14 PM
本日読んだ本
佐々木譲『制服捜査』(新潮文庫)2009
刑事から、捜査権を持たず住民の不安を取り除くことを第一の目的駐在勤務となった警察官の目を通して、一見何も事件らしい事件の起こらない村の、それこそが一見に過ぎない小規模共同体でのがんじがらめの有様を、少しずつのほころびから描いてゆく。
近年因習村という言葉が盛んに使われるようになりましたが、オカルトなどのフィルターを通さない、まさに生々しい因習に染まる村の姿を見せつけられます。
October 29, 2025 at 11:58 AM
本日読んだ本
椎名誠『地球上の全人類と全アリンコの重さは同じらしい。』(角川文庫)2018
「SFマガジン」に連載されたエッセイをまとめた一冊。
科学的な話題を扱うなかでも、自然科学や動植物学がメインになってくるのが椎名誠らしいところでしょう。
逆にいうと、こういうところで取り扱われがちな機械工学や物理学系統の話題からは一切距離をおいているのは潔く、作家としての信頼を感じます。
基本的にはその時に読んだ本を紹介し、それに関する自分が世界中を旅した体験談を語るというもので、案外と椎名誠の全体像を知るのにも適した本になっています。
October 28, 2025 at 11:56 AM
本日読んだ本
奥泉光『桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活』(文藝春秋)2011
とにかく器用な一冊です。
ユーモアに全振りで、教訓や社会批判なんてこれっぽっちもない。
読もうと思えばもちろん読み取れるわけですが、どうしようもない准教授が送る、どうしようもない日常生活のどうしようもなさが、これでもかと詰め込まれていて、そういう気持ちを根こそぎ奪っていってもう笑うしかなくなります。
それでいて扱うミステリは芯がしっかりしている(扱っているのはどうしようもない事件なのはもちろんです)。
コメディかくあるべしというお手本で、よほど器用じゃないとここまで書ききれません。
October 21, 2025 at 12:32 PM
本日読んだ本
宮田登『江戸のはやり神』(ちくま学芸文庫)1993
一時的な流行を見せてすみやかにすたれてゆく江戸期の流行神の数々を紹介しつつ、その信仰の形式と、その限界を描いてゆきます。
医学の発達が不均衡で、火事は頻繁に起こり、流行り病も忘れた頃にやってくるというような苛酷な状況で、人々がどのようなものにすがっていたかを知るのは大変興味深かったです。
また江戸末期には「世直し」という言葉が登場しますが、その「世」とは農村部では何を指したのか、などこれまで考えたこともなかったことを示唆してくれたのは勉強になりました。
October 20, 2025 at 12:55 PM
本日読んだ本
今野敏『果断 隠蔽捜査2』(新潮文庫)2010
なるほどこれは傑作!
物語にメリハリがあって、登場人物も癖がありそれぞれの役どころを捉えやすく、そして主人公の相変わらずの「変人」っぷりが全体にすごくうまく噛み合っています。
わかりにくい警察内部での序列も、署長というある程度偉さの尺度が明瞭な主人公を基準にして、キャラクター同士のセリフや反応で描いてくれているので難なく頭に入ってきて、それがストーリーの根幹になっているのも巧みで、ぐんぐん読み進めていけます。
全体を覆う緊張感とそれが高まりきったうえでのラストの爽快感が素晴らしい。
October 19, 2025 at 11:27 AM
本日読んだ本
椎名誠『すっぽんの首』(文春文庫)2003
タイトルのつけかたや表紙デザインから、うっかりすると「新宿赤マント」シリーズに間違えられそうですが、こちらは「別冊文藝春秋」や「小説新潮」に掲載された、もっと文字数のあるエッセイをまとめた一冊。
20ページ前後で、旅の話やサラリーマン時代の話などをしっかり語っていて、やはりこのくらいまとまった分量のある方が読みごたえありますね。
ロシアでポルターガイスト現象を体験した話や、8ミリ・16ミリカメラへの愛着とそれを使って自主映画を作っていた時代の話が特に面白く読めました。
October 16, 2025 at 12:34 PM
本日読んだ本
今野敏『警視庁FC』(講談社文庫)2014
警察のかかわるドラマ、映画、ドキュメンタリーの撮影に便宜を図るために結成された、警視庁の架空の部署の活動を描く。
警察官になったのも安定した公務員だからという理由で、希望は完全週休2日制、仕事が終われば部屋でぼんやりしていたいという無気力主人公をどう受け取るかが作品の評価の基準になるでしょう。
お約束的な描写の多いコメディとして嫌いじゃないのですが、話としてもうちょっと起伏が欲しかったところ。
October 12, 2025 at 12:34 PM
本日読んだ本
中山七里『さよならドビュッシー前奏曲 要介護探偵の事件簿』(宝島社文庫)2012
下半身不随の車椅子生活ながらも、口は健康なものより遙かにまわり、不動産デベロッパー会社の社長を務め、名古屋の政財界・官憲に影響力を持ち、その権力をフルに活用して他者を遣り込めるのになんの遠慮会釈もない高齢者を探偵役に据えた短編集。
とにかくパワフルな主人公の傍若無人さが気持ちよく、起こる事件も老人問題に関したものに限定されないため小さくまとまった感じもなく、快活な上質のエンターテインメントに仕上がっています。
October 10, 2025 at 12:40 PM
本日読んだ本
大倉崇裕『警官倶楽部』(祥伝社文庫)2010
交番巡査、婦警、鑑識、キャリア……様々な警察官の格好だけでなく、その仕事などを愛し・のめり込み・なりきり、今や本職以上の技能を得た人々で結成された秘密の警官倶楽部。
意外なスキルを持つ人々が、それらを駆使して活躍するサスペンスもので、テレビ脚本を手掛ける作者のキャラクター造形は流石なのですが、全体を見ると少々登場人物が多くて、ところどころで迷子状態を起こしているのが残念でした。
それと非合法的な活動をしている緊張が薄く、折角の設定が準警官的な扱いで終わっているのももったいない。
October 8, 2025 at 12:38 PM
本日読んだ本
椎名誠『ひとりガサゴソ飲む夜は……』(角川書店)2005
「夕刊フジ」で連載されていた飲酒エッセイ。
世界各地を旅した椎名誠ならではの、様々な場所で飲んだ酒や飲んだ体験談がメイン。
どこで飲んだあれが美味しかった、肴はこれがよかったなんていう話がくり返されるのですが、それを読ませるのはやはり文章の良さなのでしょう。
あまりフォーカスが当たることは少ないのですが、椎名誠の文章のベースは純文学で、骨子のしっかりしたところが見え隠れします。
好きな落語の話など、読んでいて興味深い話もちょこちょこ出てきます。
October 7, 2025 at 12:08 PM
本日読んだ本
小松左京『一宇宙人のみた太平洋戦争』(集英社文庫)1981
こんなタイトルですが、中身はショートショートメインのSF作品集です。
SF同人誌「宇宙塵」やアニメ「鉄腕アトム」のファンクラブ会誌「アトム・クラブ」など、商業誌以外やPR誌などに掲載されたレア作品を集めたというのが売りになっています。
個人的に傑作と思っている「新都市建設」と発想を同じくする作品が、かなり初期に書かれていたというのが面白く思えました。
表題作はまさにタイトルそのままの内容で、書名にしている以上色々と意図を含ませているのでしょうが、今となっては特に小松左京独自の視点というものが感じられないのが残念。
October 6, 2025 at 11:24 AM
本日読んだ本
高島俊男『中国の大盗賊・完全版』(講談社現代新書)2004
泥棒や盗人とは違う、怪盗とはもちろんまるで無関係な、私的武装して掠奪をくり返す集団である盗賊。
この盗賊を、実は毛沢東以降の中華人民共和国は、農民階級を貴族階級より解放した革命的な戦士の先達である英雄として讃えている。
漢の初代皇帝劉邦、明の朱元璋、その明を滅ぼした李自成、太平天国の洪秀全といった過去の盗賊を紹介するなかで、そこに連なる一人として毛沢東も加えていきます。
中国の共産主義は、こうした盗賊的な価値観から形成されるものであり、マルクス主義を土台としていないという点をわかりやすく指摘しているのはとても貴重です。
October 5, 2025 at 11:32 AM
本日読んだ本
知念実希人『神酒クリニックで乾杯を 淡雪の記憶』(角川文庫)2016
VIP対応の人々のみに極秘で治療を行う、くせ者ぞろいだが腕は超一流という医者グループが思いがけない事件にかかわってゆくシリーズの第2作。
「天久鷹央の推理カルテ」と世界観を同じくしているが、こちらはどちらかというとサスペンスもの。
天久真鶴・鷹央姉妹の長兄天久翼が、ほとんどサトリの怪物ばりの精神科医というキャラクターで登場する。
個人的にはアクションの多いこちらの方が好みです。
でも以降は続巻なし…
October 3, 2025 at 12:39 PM
(世界的に有名なヴァイキングの長が戦車隊を後ろに従えて鬨の声をあげる)
「////////////?」
(ヴァイキングの時代に戦車があったのかって?
もちろん! 今の時代に学園艦や特殊カーボンがあるんだからね)
October 1, 2025 at 1:30 PM
本日読んだ本
西澤保彦『ぬいぐるみ警部の帰還』(東京創元社)2013
見た目は眉目秀麗なキャリア組警部ながら実はぬぐるみマニア。そんな警部にぞっこんのエリート女性刑事。渋めのベテランたたき上げ刑事と見せかけて極度のミステリ中毒者。といった面々が奇怪な事件を解決していくミステリ。
プロの作品を読んでいていつも思わされるのは、人間の悪意を描くことに躊躇を見せないことで、こちらもコメディをまとってはいるものの、そうしたどす黒い部分から逃げようとしていない。
October 1, 2025 at 12:34 PM
本日読んだ本
今野敏『隠蔽捜査』(新潮文庫)2008
先日読んだ『署長シンドローム』が面白かったので、その前シリーズにも着手しました。
雰囲気はまったく異なるものの、より濃密に警察内部の特にキャリアと言われる人々の思惑や軋轢が描かれていて、常時緊張感が漂っています。
その上で次々に事件が出来し、それが人間関係を含めてどう決着するのか、予断を許さず集中して読まされました。
主人公の人物造形が素晴らしい。
外見描写などほとんど無いにもかかわらず、しっかりとこの難解な人物像を読者に説得力もって提示するのは本当に凄まじいです。
September 29, 2025 at 12:40 PM
本日読んだ本
小松左京『やぶれかぶれ青春記・大阪万博奮闘記』(新潮文庫)2018
小松左京が中学から高校生だった戦中戦後期の体験記に、私的な研究会「万国博を考える会」がいかに70年万博に体よく使われていくことになったかを苛立ちを隠せない文章で描く「ニッポン・七〇年代前夜」と万博準備が始まる前にその理念について語った「万国博はもうはじまっている」をまとめた作品集。
個々の文章はおもしろく、非常に参考になるところが多いものの、おそらく今回の万博を視野に据えた編集だと思われるが、戦中戦後の体験記と万博についての文章と整合性が取れておらず、全体的にはとっちらかった印象が残るのが正直なところ。
September 28, 2025 at 12:40 PM
本日読んだ本
椎名誠『どうせ今夜も波の上』(文春文庫)2010
「週刊文春」で20年以上続いた連載エッセイ「赤マント」シリーズをまとめた単行本の17冊目。
基本このシリーズは椎名誠の行動記録になっています。
この時期でも1年のうち何カ月も海外に飛びまわっていて、その感想が多いのですが、そこでなにかと日本を引き合いに出すのが若干鼻につくのですね。
なるほどな、と思うことも多いのですが、日本の実情にそぐわず腹を立てているのも多々あるので非常にもったいない。
September 27, 2025 at 11:23 AM
本日読んだ本
北山猛邦『密室から黒猫を取り出す方法』(東京創元社)2009
引きこもりで人見知りで小心者ながら探偵としての才能は抜群な主人公が、ワトスン役からせっつかれてなだめすかされて、なんとか事件を解き明かしていくシリーズの第2作の短編集。
コメディタッチでギャグ的なキャラも多いものの、その配置が巧みでうまく騙してくれます。
個人的には第2話「人喰いテレビ」が一番好き。
September 26, 2025 at 11:34 AM
今日読んだ本
山本ひろ子『変成譜 中世神仏習合の世界』(講談社学術文庫)2018
日本中世を対象として、熊野詣、奥三河で行われていた霜月神楽での「浄土入り」、『源平盛衰記』や『平家物語』に現れる「龍女の成仏」、中世王権で行われていた天皇の即位灌頂の4つのテーマを語り、人が何かに変化するイニシエーションの儀礼とその意味合いを考察していく。
難しい! おもしろいけど、とても難しい… 私では正直1%も内容を理解できたかあやしいところです…
ただ、部分部分で非常に示唆に富んでおり、特に第4章「異類と双身」から天狗について考えさせられるところが多かったです。
September 25, 2025 at 11:50 AM