たべもののある風景
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たべもののある風景
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「たべもののある風景」別館。本館 https://foodscene.hatenablog.com/
「森宮さんは考え込んでいる私の皿に餃子を入れた。小ぶりの餃子はいくつでも食べられそうだ。私はぱくりと口にほうり込んだ。
「餃子食べて元気になったところで、解決する問題でもないんだよね」
「でも、だるい体よりは力が満ちあふれてるほうが、勝算はありそうだろ?」
「そりゃ、元気にこしたことないだろうけど。いや、にんにく臭くてよけいに嫌われるかも。クラス中から避けられたらどうしよう」
私はつまんだ餃子のにおいを嗅いでみた。食欲はそそるけど、にんにくとにらの癖のあるにおいは鼻につんと来る。」
(瀬尾まいこ著『そして、バトンは渡された』より)
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そして、バトンは渡された
森宮優子、十七歳。継父継母が変われば名字も変わる。だけどいつでも両親を愛し、愛されていた。この著者にしか描けない優しい物語。 「私には父親が三人、母親が二人いる。 家族の形態は、十七年間で七回も変わった。 でも、全然不幸ではないのだ。」 身近な人が愛おしくなる、著者会心の感動作
amzn.to
December 6, 2025 at 10:02 PM
'I watch her stir her Bloody Mary with the celery stalk, wondering how she could not know how her very sick brother-in-law is doing.'
(Emily Giffin, The Lies that Bindより)
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The Lies That Bind: A Novel (English Edition)
It’s 2 A.M. on a Saturday night in the spring of 2001, and twenty-eight-year-old Cecily Gardner sits alone in a dive bar in New York’s East Village, questioning her life. Feeling lonesome and homesick...
amzn.to
December 6, 2025 at 9:58 PM
「中年の主婦が3人でおにぎりを食べている。深刻な顔をし合って「お金を貸したのにいまだに返してくれない某さん」についてワル口をいっている。暗いスゴい顔をしている。
溶岩菓子2箱400円、鈴200円。
いか(焼きいか)150円、とうもろこし100円。」
(武田百合子著『富士日記』より)
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富士日記 上巻 改版 (中公文庫 た 15-6)
富士日記 上巻 改版 (中公文庫 た 15-6)
amzn.to
December 6, 2025 at 9:53 PM
「職場から歩いて10分ほどの場所にある焼き鳥屋に入った。ベトナム人の一家がやっている店で、焼き鳥屋だけどサイドメニューにフォーやバインミー、ココナッツジュースなんかがあったり、「お通しはパクチーのサラダですが、苦手だったらパイナップルにします」と確認されたり、その雑多な感じがおもしろく、時々通っている。そういえば芦川さんとも来たことがある。入社したばかりの頃、昼休みにバインミーを二人で食べた。今度は夜飲みに来ましょうよ、と言っていたけどこれまでに実現はしていない。」
(高瀬隼子著『おいしいごはんが食べられますように』より)
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おいしいごはんが食べられますように
第167回芥川賞受賞! 「二谷さん、わたしと一緒に、芦川さんにいじわるしませんか」 心をざわつかせる、仕事+食べもの+恋愛小説。 職場でそこそこうまくやっている二谷と、皆が守りたくなる存在で料理上手な芦川と、仕事ができてがんばり屋の押尾。 ままならない微妙な人間関係を「食べること」を通して描く傑作。
amzn.to
December 6, 2025 at 9:49 PM
「キャラバンは楽しかった。テント地に行くと、すでにシェルパがテントを設営してくれている。ザックを下ろしたと同時に熱くて甘いティが運ばれて来て、これが疲れた身体に染み渡る。コックの作ってくれる食事は美味しくて、カレーは言うまでもなく、蒸し餃子のモモ、焼きそばのチャウミン、混ぜごはんのジフィーズなどが食卓に並んだ。それに日本から持って来た缶詰などが添えられ、隊員たちは毎日ぺろりと平らげた。」
(唯川恵著『淳子のてっぺん』より)
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淳子のてっぺん
「エベレスト? 女なんかに登れるもんか」 そんな男の言葉に負けん気を発揮、 女性だけの隊で頂きを目指し、 8848メートルに立った淳子。 山頂から彼女が見たものは――。 直木賞作家が田部井淳子さんをモデルに書き上げた、渾身の長篇小説。 ただ、山が好きで、会社勤めをしながら暇さえあれば山に登っていた淳子。山が好きだということをのぞけば、ごく平凡な女性の淳子が、女性だけの登山隊でヒマラヤを目指す...
amzn.to
December 5, 2025 at 7:45 PM
周防監督がダークな労働環境を誇る。「心和む」じゃねえんだわ。20年前の話ではあるので改善されていることを願う。

「日本だとバレ飯といって、スタッフ・キャストともどこかに食べに行くか、食べるところが近くになかったり時間を節約したいときは、[...] たいがい安い弁当になる。ただ、日本では撮影所での撮影が深夜にまで及ぶとき、製作部のスタッフが豚汁やらカレーやら、ときにはトムヤムクンなどといった凝った料理を作ってくれたりして、それはそれでとても美味しくて、大変な撮影のなかにあって心和むものだ。」
(周防正行著『アメリカ人が作った「Shall we ダンス?」』より)
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アメリカ人が作った「Shall we dance?」
アメリカに振り回されっぱなしのリメイク裏事情。 なぜここまでそっくりのリメイク版ができたのか? 二つの『Shall we ダンス?』から見えてくる日米格差を含めて、周防監督が描く、前代未聞の痛快ノンフィクション。
amzn.to
December 5, 2025 at 7:42 PM
「唐突に気持ちが伊勢丹のデパ地下のデザートエリアに飛んで、目の前の現実に集中できなくなっていく。マスカットやキウイ、マンゴーやイチゴやブルーベリー、色鮮やかなフルーツが載せられ、艶やかなナパージュでコーティングされたタルトやケーキが目の前にあるかのような気分だった。甘いものよりもしょっぱいもの派の私は特に心は乱れないものの、自分はこの話に興味がないのだと、その意識の浮遊から確信する。」
(金原ひとみ著『YABUNONAKAーヤブノナカー』より)
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YABUNONAKA―ヤブノナカ―
性加害の告発が開けたパンドラの箱―― MeToo運動、マッチングアプリ、SNS……世界の急激な変化の中で溺れもがく人間たち。対立の果てに救いは訪れるのか? 「わかりあえないこと」のその先を描く、日本文学の最高到達点。 「変わりゆく世界を、共にサバイブしよう。」――金原ひとみ 文芸誌「叢雲(むらくも)」元編集長の木戸悠介、その息子で高校生の越山恵斗、編集部員の五松、五松が担当する小説家の長岡友...
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December 5, 2025 at 2:21 AM
「ユジョンはタコ焼きを7つ買うつもりだったが、12個注文した。セフンは夕飯を済ませたと言っていたが、ユジョンがビールを開ければ、自分も一杯はじめるのは目に見えていた。香ばしくて甘い匂いのするタコ焼きの袋を受け取り、セフンにカカオトークを送ろうとポケットから携帯電話を取り出した。[...]
「奥の部屋にタコ焼きを置いてきた。食べてね。冷めちゃったからチンして」
「タコ焼き?」
「パン? チヂミ? そんなようなもの。温かいうちに食べられたらよかったんだけど」」
(チョ・ナムジュ、古川綾子著『ソヨンドン物語』より)
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ソヨンドン物語 (単行本 --)
資産価値にこだわる者の果てしない欲望と苦悩。 持たざる者の苦労と、未来への希望。 韓国中間層の現実をリアルに描いたハイパーリアリズム連作小説。 舞台はソウルにある架空の町〈ソヨン洞(ドン)〉。近年の不動産バブルやマンション購入、過剰な教育熱、所得格差といった社会問題が、住民の悲喜こもごもとともに描き出される――。 「私が伝えたかったのは、 個人ではどうすることもできない時代と社会...
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December 5, 2025 at 2:18 AM
'Her love language was food; she baked him his favorite pies and cakes and pastries, trying because of his heart disease to keep them in moderation, but often caving to his pleading sweet tooth.'
(Jesselyn Cook, The Quiet Damageより)
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The Quiet Damage: QAnon and the Destruction of the American Family (English Edition)
“SHED MY DNA”: three excruciating words uttered by a QAnon-obsessed mother, once a highly respected lawyer, to her only son, once the closest person in her life. QAnon beliefs and adjacent conspiracy ...
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December 5, 2025 at 2:14 AM
「午前11時、旭川東税務署へ三浦と二人で。納税優良とかで、感謝状を授与され、且つ昼食を供される。署長と幹部3人、そして三浦は仕出しの弁当。私はチャーハン。予め電話で希望の食事を尋ねられ、チャーハンと答えておいたが、私にのみチャーハンが運ばれて来て恐縮する。
ご馳走になりながら、ふと40年以前、療養中医療費に困って医療券を発行してもらったことを思い出す。ともあれ、30年間小説を書いて来て、かなりの税金を完納させていただいたことを感謝。」
(三浦綾子著『難病日記』より)
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難病日記 (角川文庫)
難病日記 (角川文庫)
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December 5, 2025 at 2:11 AM
「三浦の所望にて、夕食は薯飯(いもめし)。馬鈴薯をサイの目に切って米に交ぜ、塩を少し加えて炊き上げる。何とも気品のあるうまさ。戦時中は、ほとんど毎日のように薯飯であった。夕食後母は、暖かいストーブの傍らで、馬鈴薯をサイの目に切っていた。何しろ一度に三升近く炊くのだから、この薯を刻む音は、今も耳についている。母は何を思って刻んでいたことか。戦地にある長男次男、戦死した甥、思うことは多くあった筈。」
(三浦綾子著『難病日記』より)
amzn.to/48leOCN
難病日記 (角川文庫)
難病日記 (角川文庫)
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December 5, 2025 at 2:09 AM
1/2「ということで、2人は2泊3日のソウル旅行にやってきたのである。昨夜は豚の焼肉料理を食べた。こちらの方が牛よりも食べやすい。済州島の黒豚は、もっちりしていて甘い脂身だ。そして今日のランチは、大人気の韓定食を食べに行くことになっているのだ。[...]
「こんな円安になっても、韓国は食べ物安いもの。昨日の焼肉屋もビール2本飲んで2人で7千円しなかったものねえ」
「そうなんですよ。ソウルの食事の安さは感涙もんです。しかもパンチャンがタダ」
「パンチャンって何よ……」」
(林真理子著『最高のオバハン 中島ハルコはまだ懲りてない!』より)
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最高のオバハン 中島ハルコはまだ懲りてない! (文春文庫 は 3-56)
【ドラマ「最高のオバハン 中島ハルコ ~マダム・イン・ちょこっとだけバンコク~」原作】 2025年1月4日(土)23:40~ フジテレビ系全国ネットでスタート 「最高のオバハン」シリーズの第2弾。 52歳の女社長で、超パワフルなスーパーマダムの中島ハルコのもとには、様 々な悩み事を抱えた人たちが集まってくる。 恋も仕事もパッとしないフードライターの菊池いずみもその一人。 ハルコの核心を突く毒舌...
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December 2, 2025 at 6:24 PM
「餅をもらひ漬物をもらひ年を越す共に体の弱き夫婦にて
[...] 今日「あつ」のママ𣜜丸敦子さんと藤井禎二さんからの、例年のごとくおせち料理、中西清治さんからの手作りの羊羹、松枝晴子さん、菅野叡子さんからつき立ての餅、伊林二三子さんからブドー酒ならぬブドー汁を一升。向いの石倉さんから昆布巻、枝豆等々、年越しのために頂く。何をもって報ゆべきか。
夜11時を過ぎて、未知の女性より金を貸せとの長電話。遠く東京より。「この申しこみは神のお告げによる」のだそうだ。
兄弟、親戚のそれぞれの平安を祈る。」
(三浦綾子著『北国日記』より)
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三浦綾子 電子全集 北国日記
日常風景から人生を語りながら、癌と闘う姿を日記風に綴ったエッセイ。 「私の日記のテーマ、というより生きるテーマは、『死』である。『死』を考えることによって私は『生』を考える。つまり『死』について思いを深めることが、私には『生』を深めることになる。」(「おわりに」より)。 人間関係を日録ふうに綴りながら、一方では癌発病におびえ、生と死の葛藤がめぐる。さまざまな日常風景を、透明で明るい筆致で著した、...
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December 2, 2025 at 6:20 PM
"She didn't answer, so I left a message, showered, and walked to Bodo's, our favorite bagel shop. I bought two egg sandwiches, then headed to the Lawn and knocked on her door."
(Emily Giffin, The Summer Pactより)
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The Summer Pact: A Novel (English Edition)
Four freshmen arrive at college from completely different worlds: Lainey, a California party girl with a flair for drama; Tyson, a brilliant scholar and aspiring lawyer from Washington, D.C.; Summer, ...
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December 2, 2025 at 6:06 PM
「大きな部屋に残されたのは、女王陛下と私、そして走り回るコーギー。さあ、どうしたものか。はたしてこのお茶を準備するのは誰の役目なのだろう。当然ながら私のほうが立場は下である。でもここでは、いちおう女王陛下がホストで私がゲストということになるのだろう。ティーポットに手を出すべきか、出さざるべきか。「日本だと給仕の人がお茶の入ったカップをもってきてくれるのに!」などと逡巡していると、女王陛下がさっとお茶を入れてくださり、お菓子を勧めてくださった。」
(彬子女王著『赤と青のガウン オックスフォード留学記』より)
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赤と青のガウン オックスフォード留学記 (PHP文庫)
女性皇族として初めて海外で博士号を取得された彬子女王殿下による英国留学記。待望の文庫化! 《赤と青のガウン。それは、私が博士課程を始めたときからいつか着る日を夢みてきたものだ。五年間の留学生活中、何人もの友人が博士課程を無事修了し、オックスフォードを旅立っていく様子を何度も見送ってきた。晴れ晴れとした表情でこのガウンを身にまとい、学位授与式が行われるシェルドニアン・シアターから出てくる友人たちの姿...
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December 1, 2025 at 5:11 PM
"That's why you're always off divorcing each other. No offence, dear. Now, turn that silly tape-recorder off and I'll make you some cinnamon toast.'
‘I'm stuffed full of food, Aunt Connie. Really. [...]'"
(Liane Moriarty, The Last Anniversaryより)
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The Last Anniversary: From the bestselling author of Big Little Lies, now an award winning TV series (English Edition)
The Last Anniversary: From the bestselling author of Big Little Lies, now an award winning TV series (English Edition)
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December 1, 2025 at 5:05 PM
「「白い食べ物は、百害あって一利なしだ。そんなに食べたきゃ、俺のいない昼飯の時に食えばいいんだよ」
血糖値が急上昇するのを防ぐために、基は最初に野菜サラダから食べる。基は自分の作った、アボカドとグレープフルーツ、タコやエビなどが入った彩り豊かなサラダを、サーバーでかき混ぜてから、グレープフルーツをまず口に放り込んだ。酸味に顔を歪めている。[...]
「今日、お昼に何を食べたの?」
「長寿庵の蕎麦だよ」
「お蕎麦は糖質だよ」
「でも、茶色いから、白よりいいと思ってさ」と、気休めを言う。」
(桐野夏生著『燕は戻ってこない』より)
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燕は戻ってこない
【第64回 毎日芸術賞受賞作】 【第57回 吉川英治文学賞受賞作】 この身体こそ、文明の最後の利器。 29歳、女性、独身、地方出身、非正規労働者。 子宮・自由・尊厳を赤の他人に差し出し、東京で「代理母」となった彼女に、失うものなどあるはずがなかった――。 北海道での介護職を辞し、憧れの東京で病院事務の仕事に就くも、非正規雇用ゆえに困窮を極める29歳女性・リキ。「いい副収入になる」と同僚のテル...
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November 30, 2025 at 8:39 PM
1/2「おさげの少女がお茶を運んできたので、これ幸いと、道はお土産の風呂敷包みを広げて見せた。
「こちら、北星女学校の生徒たちと一緒に家政科の実習で焼いたバタークッキーと、りんごのジャムです。新渡戸稲造夫人のメアリーさんから教わりました。彼女の故郷のペンシルバニア州フィラデルフィアに伝わる作り方でやってみたものなんですよ。ブリンマーも同じ地域ですね? よろしければ、召し上がってください」
梅さんが、あら、と小さくつぶやいた。少女が行ってしまうと、おもむろにクッキーを手に取り、丈夫そうな歯を当てた。」
(柚木麻子著『らんたん』より)
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らんたん
「BUTTER」著者渾身の女子大河小説 大正最後の年。かの天璋院篤姫が名付け親だという一色乕児は、渡辺ゆりにプロポーズした。 彼女からの受諾の条件は、シスターフッドの契りを結ぶ河井道と3人で暮らす、という前代未聞のものだったーー。
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November 30, 2025 at 8:33 PM
「キアズマのあとは、トラムで老舗カフェ・エンゲルへと向かう。お昼のベジバーガーを食べたのが遅かったので、夕飯は軽めにデザートと紅茶に。
窓辺の席が空いていた。キャロットケーキとルイボスティー。しばし読書タイムだ。旅先で、さらに本の世界に旅する贅沢さよ。
本の世界から戻って顔を上げれば、窓の外にヘルシンキ大聖堂。特等席だ。読書と観光とお茶を同時に行えるひとときを味わった。」
(益田ミリ著『考えごとしたい旅 フィンランドとシナモンロール』より)
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November 30, 2025 at 12:25 AM
「「つぐみさんも朝食、いかがですか。夏こそ 味噌汁がいいんですよ。水分と塩分が摂れますから」
「そうそう。二日酔いにもいいしね。今朝の具は焼きナスとミョウガ。シェフの塩むすびも美味しいのよ」
「……いただきます」
新潟産のお米とゲランドの天日塩の塩むすびは、むっちりとしたお米の甘みと塩気が抜群の相性で、トロトロのナスとシャキッとしたミョウガの味噌汁も、飲み過ぎた胃袋に沁みた。まさかビストロでこんな朝食が食べられるとは考えもしなかった。」
(長月天音著『キッチン常夜灯 真夜中のクロックムッシュ』より)
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November 30, 2025 at 12:23 AM
「撤収ムードに逆らって、桂子と千恵子コーチは、焦げてチリチリになった残り物のジンギスカンをもらって食べ始めたのですが、わたしは固形物など食べようものなら即座に戻してしまいそうだったので、レモンのかき氷を買って階段にしゃがみ込みました。」
(柳美里著『貧乏の神様 芥川賞作家困窮生活記』より)
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貧乏の神様 芥川賞作家困窮生活記
Amazon.co.jp: 貧乏の神様 芥川賞作家困窮生活記 : 柳 美里: 本
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November 28, 2025 at 11:23 PM
「その晩は必然的に僕の歓迎会で、姉が今日近所の農家に収穫の手伝いをしに行ってもらってきた野菜が並んだ。小松菜、茄子、人参、生姜、ラディッシュ、あとは名前も知らない野菜が炒められたり、煮含められたりして並んでいる。畳の間でテーブルを囲み、正次郎だけがぐいぐい酒を飲んでいた。」
(山本文緒著『落花流水』より)
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November 28, 2025 at 11:20 PM
各メディアで「2010年代のベストノンフィクション」に挙げられたEvictedがブラックフライデーで値下げされている。

'Arleen out for Chinese food, her favorite. She would read the long menu but order the same thing every time: sesame chicken.'
(Matthew Desmond, Evicted: Poverty and Profit in the American Cityより)
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Evicted: Poverty and Profit in the American City (English Edition)
Evicted: Poverty and Profit in the American City (English Edition) [Kindle edition] by Desmond, Matthew. Download it once and read it on your Kindle device, PC, phones or tablets. Use features like bookmarks, note taking and highlighting while reading Evicted: Poverty and Profit in the American City (English Edition).
amzn.to
November 28, 2025 at 11:16 PM
「クリスピーダックでお腹がいっぱいになったようで、グレンはあまり餃子や炒め物を食べなかった。私はこれらのメインディッシュで満腹になったので、 炒飯や焼きそばをとらずに、グレンにあわせてアイスクリームをとった。ウエイトレスが「アイスクリームに龍の目をつけますか」と尋ねた。
「龍の目?そんなものを食べるの」とグレンが目を輝かせた。[...]
しばらく経って、ウエイトレスがライチーのシロップ漬けを4~5個添えたアイスクリームをもってきた。グレンはライチーを見て「これはほんとうに龍の目をくりぬいたみたいだ」と興奮した。」
(佐藤優著『紳士協定―私のイギリス物語―』より)
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紳士協定: 私のイギリス物語 (新潮文庫)
1986年、入省二年目の私はイギリスにいた。語学研修に追われる単調な日々の小さな楽しみは、ステイ先で出会った12歳のグレンとの語らいだった。ロンドン書店巡り、フィッシュ&チップス初体験。小さな冒険を重ね、恋の痛みや将来への不安を語りあった私たちは、ある協定を結んだ……。 聡明な少年を苛む英国階級社会の孤独と、若き外交官の職業倫理獲得までの過程を描く告解の記。 モスクワのテーブルマナ...
amzn.to
November 27, 2025 at 9:31 PM
「食い道楽の彼女が、その夜選んだのは、六本木のスッポン料理店だ。たった4組しか客をとらないその店は、スッポン鍋の前に、小ぶりの美しい鮨を出す。それを肴に2人は冷酒を飲み始めた。[...]
そこへぐつぐつ煮え立つ鍋が運ばれてきた。まるで昔の少年雑誌の挿絵から抜け出してきたような、白衣を着た美青年が、スープをよそってくれる。ブツ切りになったスッポンが、また泡を立てていた。[...]
そこへさっきの青年がやってきて、雑炊にしますかと問うた。
「お願いね。ここの地獄みたいに熱々の雑炊食べるとね、なんかやたら元気が出てくるのよ」」
(林真理子著『秋の森の奇跡』より)
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秋の森の奇跡 (小学館文庫)
輸入家具店店長の裕子は42歳、夫、娘と何不自由のない毎日を送っていたが、実母が認知症になったことから、その人生が大きく暗転する。母親の介護を巡る実兄との諍い、夫の隠された過去への不信感から逃れるように、裕子は妻子ある男との関係を深めていく。不倫ではない、浮気でもない、真の恋愛を求める裕子にとって、その男は、人生の秋に巡り会う“奇跡の恋愛相手”となるのだろうか。魂が触れ合う真の恋を、裕子は掴むことが...
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November 27, 2025 at 9:25 PM