Leiermann
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音楽とオーディオ、とくにアナログ・レコードが好きな20世紀少年/21世紀オヂさん、今やサウダー爺...いろいろ思いつくことを綴ります。
クルト・ザンデルリンクのブラームス第1交響曲
1971年の録音、管弦楽はシュターカペレ・ドレスデン
カペレのブラームスを堪能させてくれる名盤。旧東独ETERNAの録音が良くて、ブラームスの緻密な作曲の様々な楽器が楽想を表と裏で役割を分かちながら編み込む様を、カペレの親密な合奏が教えてくれる。
December 7, 2025 at 1:47 PM
ジュリーニのブルックナー第8交響曲
1984年の録音、管弦楽はウィーンフィル
冬の肌を刺すような空気を感じるとこの曲を聞きたくなる。厳しい自然と対峙し、抗うでなく流されるでなく、其処に立ち続ける孤高の護り人の姿を思い浮かべる。それは往時の音楽界の中に居たジュリーニの姿を重ねて見ている。
December 7, 2025 at 4:07 AM
ジョージ・セルのモーツァルト交響曲第40番
1967年の録音、管弦楽はクリーヴランド管
大理石のモーツァルト。ギリシャ彫刻のように優美だが甘美ではなく、柔軟性に欠けることはないが感傷に与することのない、毅然とした造形。まさにClassic、古典/規範を体現した名演。
December 6, 2025 at 1:28 PM
カール・ベームのモーツァルト、レクィエム
1971年の録音、管弦楽はウィーンフィル
オープンリールの時間
この演奏をなんと讃えよう。ウィーン国立歌劇場合唱団の真情溢れる歌声が響いた瞬間から音楽に連れ去られる。宙空に引き揚げられ、或いは嘆きの淵に深く沈み、そこに開かれた世界を追体験する。
December 6, 2025 at 8:25 AM
イヴォンヌ・ルフェビュールのモーツァルト、ピアノ協奏曲KV466
1954年の演奏会録音、フルトヴェングラー指揮ベルリンフィルが伴奏を務める。
昨日がアマデウスの祈念日だったので、1日遅れてこのレコードを聞く。フルトヴェングラーの血気迫る管弦楽にピアノが一体となって「ニ短調」の世界に誘う。
December 5, 2025 at 11:15 PM
エミール・ギレリスのベートーヴェン、ピアノソナタOP110
1985年の録音
強靭な祈り…この音楽を聞き終えて何を言えるだろう。巨匠の生涯最後の録音となったが衰えや死の影などこれっぽっちも感じさせない。けれどこの音はこの世のものではない、天上か冥界かいずれ此岸でない彼岸から響いて来る音だ。
December 3, 2025 at 12:22 PM
ルチア・ポップのモーツァルト、モテット「踊れ、喜べ、汝幸なる魂よ」KV165
1967年の録音、ゲオルク・フィッシャー指揮イギリス室内管が伴奏を務める。
ポップの最初に制作されたリサイタルアルバムで他にモーツァルトとベンデルの作曲からコロラトゥーラの為のアリアを収めた名盤。聞き惚れて陶然。
December 2, 2025 at 12:24 PM
フルトヴェングラーの第九
1954年の演奏会録音、管弦楽はフィルハーモニア管
壮年期の熱狂は無く、内省的で澄明な造形の内側に精神を顕す炎は燃えていて聞き手の心を照らす。翌年にウィーンフィルとのセッションが予定されていたが果たされなかった。この演奏を聞いて、その先にあったものを夢想する。
November 30, 2025 at 1:16 PM
フルトヴェングラーの運命
1954年の録音、管弦楽はウィーンフィル
美は形式に宿る…誰が言ったんだっけ。
ふるをた小僧の頃は、実演でこそ真価を発揮した巨匠の演奏はライヴに限ると、次々発売される『新発見』録音に跳び付いた。いろいろ一巡して、今この演奏の立派なことに心の底から感銘を受ける。
November 30, 2025 at 3:58 AM
フルトヴェングラーのエロイカ
1952年の録音、管弦楽はウィーンフィル
オープンリールの時間。
今日は巨匠の祈念日で、ならばとこのテープを引っ張り出した。巨匠の全録音の中でも1番に挙げられる名演。EMIの録音は優れたものだがテープは東芝リリースのブライトクランク版で雄大な音場を想像させる。
November 30, 2025 at 1:48 AM
アルトゥーロ・トスカニーニの運命
1952年の録音、管弦楽はNBC響
苦悩を通して歓喜へ…とベートーヴェンの音楽は喩えられるが、トスカニーニの演奏は始めから運命を叩きのめす勢いだ。降って湧いた運命を嘆いたり葛藤してる暇はない、与らば木っ端微塵に打ち砕くまで。運命が悲鳴を上げて逃げだす。
November 29, 2025 at 1:15 PM
アルトゥーロ・トスカニーニのエロイカ
1953年の録音、管弦楽はNBC響
「これはナポレオンでもムッソリーニでもない、アレグロ・コン・ブリオだ」と言って巨匠が演奏を始めたのは有名な話だ。嘗て云われた楽譜に忠実な演奏でないことも今ではよく知られたことだ。今はこの強靭な演奏に勇気を貰う。
November 29, 2025 at 4:27 AM
ブロムシュテットのモーツァルト、ディヴェルティメントKV136
1976年の録音、管弦楽はシュターカペレ・ドレスデン
最初の音が鳴った瞬間にハっとする間もなく心を持っていかれる純音楽の窮み。週に一回このTechnics,SL10を動かすルーティンを疎かにしていた。心を引き締めて規則正しい生活を心がける。
November 29, 2025 at 1:47 AM
ヴィルヘルム・ケンプのバッハ名曲集
1975年の録音
バッハの有名なコラールをピアノ編曲して演奏したもの。他にヘンデルとグルックの曲も収める。幾つかの曲はバッハ自身がオルガン編曲した楽譜が存在するが、オルガンも良く弾くケンプ自身なよる編曲で、聞き慣れたメロディがピュアに顕れ心に沁みる。
November 28, 2025 at 1:36 PM
フリッツ・ライナーのリヒャルト・シュトラウス、ツァラトゥストラはかく語りき
1954年の録音、管弦楽はシカゴ響
FMで「2001年宇宙の旅」の音楽としてこの曲の冒頭を聞いた時に、カッコいいなぁ…つあらすとら?…というのをきっかけにクラシック音楽に興味を持つことになった。思春期だったなぁ(^_^;)
November 27, 2025 at 1:30 PM
アマンダ・マッブルームのWest of Oz
1981年の録音
Sheffield Labの名盤。嘗てダイレクト・ディスク・レコーディングで一世を風靡したこのレーベルで私が一番好きなのがこのレコード。意外とあっさりした音調で肩透かしを喰ったような気がするけど、透き通った音色はいつまでも聞いていたくなるもの。
November 26, 2025 at 1:28 PM
クレンペラー のブラームス第2交響曲
1956年の録音、管弦楽はフィルハーモニア管
ルチア・ポップがBBCラジオ番組で、無人島に持って行くレコードに挙げていて、ならぼ聞かねばとポップさま命の私は探し求めた1枚。ゴツゴツした武骨な外観にもかかわらずロマンチックなチャームが起ち昇る不思議な名演。
November 25, 2025 at 12:41 PM
ブロムシュテットのエロイカ
1976年の録音、管弦楽はシュターカペレ・ドレスデン
万全の名演ではない。大好きなカペレの演奏だけど、第1楽章の神経質な演奏に息がつげない。けれど第2楽章は美しい。線の重なりが透けて様々な楽想が織り重なって悲嘆の情に心が共振する。後半は万全、終楽章は愛の頌歌。
November 24, 2025 at 1:24 PM
クナッパーツブッシュのパルジファル
1962年のバイロイト音楽祭での実況録音
第3幕、美しい聖金曜日の奇跡を聞いて泣きそうになる。ハンス・ホッターのグルネマンツ、ジョージ・ロンドンのアンフォルタス、2人の超越的歌唱が絵空事を真実に変え、クナの統べる管弦楽が全てを包み込んで昇華する。
November 23, 2025 at 1:05 PM
ジュリーニのブルックナー第9交響曲
1988年の録音、管弦楽はウィーンフィル
作曲家はこの曲を愛する神に捧げるものと作曲に勤しんだが、生涯最後の4年間をかけても終楽章は完成しなかった。充実した演奏で燃焼度も高く、WPhが惜し気もなく美しい音色を披露するが、その美音は音楽への奉仕として響く。
November 22, 2025 at 1:19 PM
ヴェーグQのベートーヴェン弦楽四重奏曲OP132
1973年の録音
ベートーヴェンは第3楽章アダージョに「病より癒えたる者の神への聖なる感謝の歌」と記した。ヴェーグの痛切な音色で奏でられるこの音楽を、今日は祈る気持ちで聞いた。
November 22, 2025 at 10:54 AM
ジュリーニのベートーヴェン、ミサ・ソレムニス
1975年の録音、管弦楽はロンドンフィル
私は無神論者で神も死後の世界も信じていないけど、人事を尽くしてどうしようもない時に神頼みしたことが過去にあった。本当に神様に縋るしかない時がある。暖かく聞き手を包むジュリーニのレコードに手が伸びた。
November 20, 2025 at 1:24 PM
フルトヴェングラーのエロイカ
1952年の録音、管弦楽はウィーンフィル
昨晩クーベリックのロマンチックを聞いてアゴーギクの巧みな操作に感嘆して、その方法論の大家たるフルトヴェングラーの演奏を聞きたくなった。楽想に沿って流動するテンポが感興を昂め、インテンポに拘るのがバカバカしく思える。
November 19, 2025 at 12:46 PM
クーベリックのブルックナー第4交響曲
1979年の録音、管弦楽はバイエルン放送響
作曲家が添えた副題のロマンチックが全き相応しいものと映える名演。バイエルン放送響の地味な響きに華は無いが、楽想に合わせて細かなアゴーギクが施され、豊かな表情が懐かしい空気を醸して感興が昂まる。名人のワザ。
November 18, 2025 at 3:17 PM
ショルティのブルックナー第7交響曲
1965年の録音、管弦楽はウィーンフィル
WPhの魅力をいっぱいに盛り込んだ名演。必ずしもいつも同じ向きを見て演奏していた訳ではないオーケストラと指揮者が、このアダージョを演奏する時は心を一つにしてクナッパーツブッシュに捧げた哀歌が音盤に刻まれた。絶唱。
November 16, 2025 at 11:51 AM