短い文章は #える短いの考える
💙🕊@shiragi_gi_gi_
#える短いの考える
#える短いの考える
何度目かのデートの道中、伏黒くんがおかしなことを聞いてきた。首を傾げると、彼は言い訳をするように頭を掻く。
「オマエ、全然そういうの言わねえから」
そういうものだと思ってた。彼の手は術式に欠かせない。だからか、彼は人よりも距離をとるのが上手かった。誰かに触れる機会が無いように、いつも少しだけ人の輪の外側に居る。
だからはなから諦めていたのだ。
「伏黒くんは人に触るの、嫌いでしょ」
ムッとした顔の伏黒くんが私の手を取った。思ってたより暖かい指先が私の指をなぞる。びっくりして思わず手を引いてもビクともしない。
「別に、オマエならいい」
呆気なく指が絡む。
何度目かのデートの道中、伏黒くんがおかしなことを聞いてきた。首を傾げると、彼は言い訳をするように頭を掻く。
「オマエ、全然そういうの言わねえから」
そういうものだと思ってた。彼の手は術式に欠かせない。だからか、彼は人よりも距離をとるのが上手かった。誰かに触れる機会が無いように、いつも少しだけ人の輪の外側に居る。
だからはなから諦めていたのだ。
「伏黒くんは人に触るの、嫌いでしょ」
ムッとした顔の伏黒くんが私の手を取った。思ってたより暖かい指先が私の指をなぞる。びっくりして思わず手を引いてもビクともしない。
「別に、オマエならいい」
呆気なく指が絡む。
「ッ、悪い。どうした?」
虎杖の呼び掛けに慌てて姿勢を正した。用事があるんだろうと思ったが、虎杖は何かを言いあぐねているようだ。
「……虎杖?」
「アイツのこと、気にしてる?」
やけに丸い目が伏黒の顔を覗き込む。
アイツ、と言われて思い浮かぶのは一人だ。伏黒の心をかき乱して、伏黒が人生を掛けて築いた一人ぼっちでいる覚悟を台無しにしやがった女。その癖、渋谷での事件を境に行方知れずになりやがった馬鹿。
「早く見つかるといいとは、思ってる」
「伏黒さ、そういう時は心配って言っていいんよ。寂しいんだろ」
首を横に振る。この気持ちに名前がついてしまったら、平気でいられなくなるだろうから。
「ッ、悪い。どうした?」
虎杖の呼び掛けに慌てて姿勢を正した。用事があるんだろうと思ったが、虎杖は何かを言いあぐねているようだ。
「……虎杖?」
「アイツのこと、気にしてる?」
やけに丸い目が伏黒の顔を覗き込む。
アイツ、と言われて思い浮かぶのは一人だ。伏黒の心をかき乱して、伏黒が人生を掛けて築いた一人ぼっちでいる覚悟を台無しにしやがった女。その癖、渋谷での事件を境に行方知れずになりやがった馬鹿。
「早く見つかるといいとは、思ってる」
「伏黒さ、そういう時は心配って言っていいんよ。寂しいんだろ」
首を横に振る。この気持ちに名前がついてしまったら、平気でいられなくなるだろうから。
……アイツはこういうの好きそうだな。
この後会う女への土産のつもりで二つ手に取る。
甘い物は好きでもないが、彼女と二人でテーブルを囲むのは好きだ。きっと可愛い面のケーキに目を輝かせて、崩してしまうのを勿体ながる。その癖、一口食べたら花が咲いたように上機嫌になる。アイツは単純だから。
その姿を想像するだけで頬が緩む。
休憩終了。土産も問題ない。帰りも走って……、
「あ」
ケーキが崩れるな。帰りは歩くか。
……アイツはこういうの好きそうだな。
この後会う女への土産のつもりで二つ手に取る。
甘い物は好きでもないが、彼女と二人でテーブルを囲むのは好きだ。きっと可愛い面のケーキに目を輝かせて、崩してしまうのを勿体ながる。その癖、一口食べたら花が咲いたように上機嫌になる。アイツは単純だから。
その姿を想像するだけで頬が緩む。
休憩終了。土産も問題ない。帰りも走って……、
「あ」
ケーキが崩れるな。帰りは歩くか。