「や、別に」
「そうか?……もしなんかあったらいつでも相談に乗るぞ!」
「それは、」
「んん」
「そ、れは……とーやが大事だから、ですか」
「もちろんだ。そして同じくらいお前のことも大事だぞ」
「っ、なんで、それじゃあ、諦めきれない」
「え?」
「や、別に」
「そうか?……もしなんかあったらいつでも相談に乗るぞ!」
「それは、」
「んん」
「そ、れは……とーやが大事だから、ですか」
「もちろんだ。そして同じくらいお前のことも大事だぞ」
「っ、なんで、それじゃあ、諦めきれない」
「え?」
「迷っている」
「行かないで」
「嫌いな奴と一緒に住みたくないだろう」
「すき。大好きです」
「………なんなんだ、お前」
「センパイ、好き」
「……あきと」
「!」
「寒いだろ。……ほら、手もこんなに冷えてる。ホットミルクを入れてやるからブランケットかけて待ってろ」
「つかさセンパイ」
「ん?」
「好きって言って」
「嫌だ」
「…………、」
「後で。オレだって堪えたんだから、もう少し反省していろ」
「いつまで」
「……、…ホットミルクができるまで」
「迷っている」
「行かないで」
「嫌いな奴と一緒に住みたくないだろう」
「すき。大好きです」
「………なんなんだ、お前」
「センパイ、好き」
「……あきと」
「!」
「寒いだろ。……ほら、手もこんなに冷えてる。ホットミルクを入れてやるからブランケットかけて待ってろ」
「つかさセンパイ」
「ん?」
「好きって言って」
「嫌だ」
「…………、」
「後で。オレだって堪えたんだから、もう少し反省していろ」
「いつまで」
「……、…ホットミルクができるまで」
「…言わないのなら、片付け始めていいか」
「や、いや、です…」
「お前がオレのことを嫌いだの嫌だのはもうわかったから、」
「違う!」
「……何が」
「……ひ、づけ」
「は?」
「……約束の、日付を、間違えてて」
「………そんなこと言わなかったじゃないか」
「言えるわけない、そんなの、一緒だ。あんたとの約束守れなかったのは一緒」
「じゃあ嫌いは」
「………八つ当たり」
「はぁ…」
「ご、めんなさい……」
「なんで最初からそれを言わないんだ、ばか」
「…言わないのなら、片付け始めていいか」
「や、いや、です…」
「お前がオレのことを嫌いだの嫌だのはもうわかったから、」
「違う!」
「……何が」
「……ひ、づけ」
「は?」
「……約束の、日付を、間違えてて」
「………そんなこと言わなかったじゃないか」
「言えるわけない、そんなの、一緒だ。あんたとの約束守れなかったのは一緒」
「じゃあ嫌いは」
「………八つ当たり」
「はぁ…」
「ご、めんなさい……」
「なんで最初からそれを言わないんだ、ばか」
「……いかないで」
「……はぁ…」
司は荷造りの手を止めて彰を見る。呆れの滲んだ冷たい眼差しに身がすくむ。心臓が凍りついたように血の巡りが悪く、頭が回らない。
喧嘩した。というのは簡単だが、ヒートアップした自分が放った言葉が悪かった。
───嫌い。きらいです、センパイなんて。
子供っぽい癇癪。八つ当たり。
そもそも喧嘩の原因は司との約束を守らなかった自分が悪かったのに。
「オレとお前との約束は取るに足らないものらしいな」
「…ちが、います、おれそんなこと」
「思ってなかったら『そんな約束してない』なんて忘れないだろ」
「でも」
「でも?」
「……いかないで」
「……はぁ…」
司は荷造りの手を止めて彰を見る。呆れの滲んだ冷たい眼差しに身がすくむ。心臓が凍りついたように血の巡りが悪く、頭が回らない。
喧嘩した。というのは簡単だが、ヒートアップした自分が放った言葉が悪かった。
───嫌い。きらいです、センパイなんて。
子供っぽい癇癪。八つ当たり。
そもそも喧嘩の原因は司との約束を守らなかった自分が悪かったのに。
「オレとお前との約束は取るに足らないものらしいな」
「…ちが、います、おれそんなこと」
「思ってなかったら『そんな約束してない』なんて忘れないだろ」
「でも」
「でも?」