浦崎直樹 URASAKI, Naok
urasakinaoki.bsky.social
浦崎直樹 URASAKI, Naok
@urasakinaoki.bsky.social
フランスミステリ翻訳家。マルゴ&ジャン・ル・モアル『ブルターニュ料理は死への誘い』(二見書房ザ・ミステリ・コレクション)。A・アントワーヌ『ずっとあなたを見ている』 (扶桑社) 、F・ピエルッチ他『The American Trap-アメリカが仕掛ける巧妙な経済戦争を暴く』(共訳、ビジネス教育出版社)
#フランス語原書紹介 La grenouille et le papillon(François Panier、2025、サスペンス、P534)彼を止められる唯一の男が、彼が愛せる唯一の男だったとしたら?
マクシムは「有毒な完璧さ」の化身。肉食獣のような笑み、獲物を狩る者の体躯、傲慢すれすれの男らしい自信。昼は不動産業者として、彼の微笑みで魂を売りかねない富裕層に高級物件を売りさばく。夜になると彼はブルー・フロッグに変わる――冷徹で止めようのない殺人者に。パリの裏社会で人々は彼をそう呼ぶ。催眠術のような青い蛙――犠牲者の毒素から自らの毒を生み出す蛙のように。マクシムは誰にも執着しない。
December 1, 2025 at 10:37 PM
#フランス語原書紹介 Les esprits de nacre(Christelle Péraldi、22025、ファンタジー、P354)19世紀、ジャマイカ、モンテゴ・ベイ。アニー・パルマーが女主人として君臨した3年間、豪華な屋敷ローズ・ホールでは恐ろしい出来事が起こり続けた。今ではこのカリブ海の不気味な館は幽霊屋敷として名高い。30年後、海を隔てたヨーロッパで、口のきけない若き盗賊が、心霊術に傾倒する裕福なイタリア美女アルテと出会う。彼女が所有するのは、ジャマイカから渡ってきた、不可解な呪いのブレスレットだ。
ジャマイカに伝わる恐るべき『白い魔女』の伝説に着想を得た超常現象ミステリー。
November 30, 2025 at 11:04 PM
#フランス語原書紹介 Iceland(Virginie Decamps、2025、青少年、P528)「諸君に軍事の基礎を叩き込む期間は6か月だ。この6か月間、諸君は汗を流し、苦しみ、涙を流すことになる」
アイスランドの果て、サガの図書館。マヤは他の多くの生徒たちと同様に古文書の書写を学んでいた。埃まみれの書架に囲まれた日々の中で、少女は冒険と旅を夢見る。だが、絶望した大陸の民が起こした戦争により、図書館は避難を余儀なくされる。残されたのはマヤを含むわずかな生徒たち――彼らはこれから戦闘訓練を受けることになる。レイナル隊長には6か月しかない。無害な写本生たちを死を約束された兵士へと変えるための。
November 29, 2025 at 11:02 PM
フランス語原書紹介 La maison magique de Milo et Mizzi - Cherche et Trouve(Caroline Dall'Ava、2025、児童、P32)ミロとミッツィの魔法のおうちへようこそ。住んでいる人たちの気分で姿を変える、ふしぎな大きなおうち。
ミロとミッツィは、たくさんの動物たちといっしょに魔法のおうちに住む、ちいさな魔法使い。ふたりが遊ぶと、おうちはかくれんぼにぴったりの形に変身。ケンカすると、おうちじゅうに嵐がふきあれる。
November 28, 2025 at 11:03 PM
#フランス語原書紹介 TEMPTED(Arielle Héra、2025、ロマンス、P486)深い裏切りで傷ついたナタリア・クルスは誓った――二度と誰にも心を開かないと。4年間、その誓いを守り抜き、キャリアにすべてを捧げてきた。富も地位も手に入れた彼女だが、一つだけ手に入らないものがある。結婚しなければ、父が遺した伝説的なホテル・カジノを相続できないのだ。追い詰められた彼女は、謎めいた警護担当アンディ・ホーンズの提案を受け入れる。愛も感情も伴わない、形だけの結婚。少なくとも表向きは。だが、巨大な帝国を継ぐ者には、嫉妬と脅威がつきまとう。ギャンブルと欲望の街ラスベガスでは誰も無欲ではいられない。
November 27, 2025 at 11:04 PM
#フランス語原書紹介 Barkhanes(Régis GODDYN、Régis Hautière、2025、SF、P392)ヨーロッパは今や、何トンもの砂に埋もれた都市が眠る、果てしない砂漠と化していた。人々は極端な階層社会の垂直都市に身を寄せ合い、そこから追放されることは死を意味する。それでも、外の世界で必死に生き延びる者たちがいた。彼らは砂を掘り続ける――富裕層が欲しがる、過去の世界の遺物を掘り出すために。
探鉱者としての人生が崩れ去ったとき、ジェイデンは立ち上がった。システムの破壊を目指す反乱者たちと共に、激しい復讐の旅に出る。そして偶然発見した不思議な卵が、すべてを変えることになる。
November 26, 2025 at 11:03 PM
#フランス語原書紹介 Try Again(Insa Sané、2025、青少年、P144)親友のナセルディーヌが恋に落ちてから、セニーの生活はめちゃくちゃだ。ナセルディーヌは恋の話ばかりで、いつも「あっちの世界」への切符を探してるみたい。セニーにはセニーの悩みがある。フランス語の成績が今すぐ上がらなかったら、ママに文字通り目玉をえぐり取られそうなんだ。それでも、友達から預かった小さな包みは、ジーンズのポケットに大事にしまってある。何が起こるかわからないし、コンドームなんて、いつ役立つかわからないから。でも――もしかして、それが間違った奴のポケットに入っちゃったとしたら!?
November 25, 2025 at 11:07 PM
#フランス語原書紹介 La cabane de la fin du monde(Hervé Giraud、Pierre-Emmanuel Lyet、2025、児童、P148)ペリスコープ・タワーに住む子供たちは警告されていた――世界の終わりが来るって。ほぼ2週間前に。だからみんなで一緒に考えた。破滅を見届けて、生き延びるには、どこが一番いい場所だろう? 簡単じゃなかった。だって、イリエスとソラルがいるんだもの。ふたりは仲良しどころか犬猿の仲。理由? サッカーの「信仰」が違うから。片方はPSG(パリ・サンジェルマン)ファンで、もう片方はOM(オリンピック・マルセイユ)派。
November 24, 2025 at 11:08 PM
#フランス語原書紹介 En quête d'un grand peut-être: Tome 2(Tom et Nathan Lévêque、2025、読書ガイド、P240)ヤングアダルト文学ファン必携の新しいガイドブック。今どきの十代はまだヤングアダルト小説を読んでいるのか? ヤングアダルト文学の専門家である二人が、再び地図と懐中電灯を手に、この文学世界の探索へと誘う。重要な年表と統計、必読作品、著者紹介、主要ジャンルとテーマの分析、それを取り巻く政治的圧力や社会問題まで。この決定版ガイドは、他のどの文学にも劣らない豊かさを持つヤングアダルト文学を読み解くツールを提供する。
November 23, 2025 at 11:04 PM
#フランス語原書紹介 Pour Clara. Nouvelles d'ados(アンソロジー、2025、P192)6人のティーンエイジャー、6つの物語。13歳から17歳までの6人の若き作家が、自分たちらしい短編小説を書き上げた。彼らが誘うのは、彼ら自身の世界、彼らが抱える想い。彼らの作品は読者を揺さぶり、動揺させ、問いかけ、心をかき乱す。
クララ賞は慈善を目的としている。本書の売上はクララ賞協会に寄付され、さらにArcfa(胎児から成人までの心臓病研究協会)へと届けられる。
賞は、心臓の先天性疾患により13歳で急逝したクララを偲んで創設された。読書と執筆を愛する十代の若者たちのための賞だ。
November 22, 2025 at 10:56 PM
#フランス語原書紹介 Dracula: Une si belle vie(Charlotte Gastaut、児童、P64)「途方もなく長い生において、初めてドラキュラは時間が欲しいと願った。もっと、もっと時間が欲しいと」
人々に恐れられ、憎まれることに疲れ果てたドラキュラは、悪の道を捨て、天才クチュリエとして新たな人生を歩み始めた。そんな彼の永遠の時間を揺るがしたのは、好奇心旺盛で輝くような存在のジャーナリスト、ミナとの出会い。ふたりは時を超えた愛を紡いでいく――。季節の移ろいと、創作の営みに彩られながら。一刻一刻のためのドレス、巡りゆく季節のためのコート、そして最後のコレクションへ。
November 21, 2025 at 11:03 PM
#フランス語原書紹介 Le pouvoir des 3 seaux(Sonia Vincent、Lou Leforestier-Milburn、2025、教育、P256)「娘が寝る時間になっても何度もベッドから出てくる」「息子がいつもわたしの注目を求めてくる」「子供たちがよく喧嘩する」子供の困った行動に直面したとき、すべての親がいつかは限界を感じ、途方に暮れ、力尽きそうになる。叫んだり罪悪感を抱いたりせずに、しっかりとした、それでいて尊重に満ちたルールを設定できる、明確で効果的、すぐに実践できる方法があったら?
「3つのバケツ」メソッドは、シンプルだが革命的なアイデアに基づく新しい子育て法。
November 20, 2025 at 10:49 PM
#フランス語原書紹介 Monstrueuse(TAOUS MERAKCHI、2025、映画エッセー、P224)著者にとって、ホラーの世界は巨大な移動遊園地のようなもの。現実とフィクションの境界が揺らぐ、境界領域の空間。多かれ少なかれ人間に似た生き物たちが棲み、あらゆる感覚が研ぎ澄まされ、感覚は何倍にも増幅される。砂糖菓子と色とりどりの光に包まれて、快楽と恐怖が溶け合う場所。
愛してやまないこのジャンルに正当な評価を与え、その素晴らしさを伝え、新たなファンを生み出す。なぜこれほどまでに宗教的とも言える情熱を持ち、できるだけ多くの人をホラー映画の魅力に引き込もうと躍起になるのか?
November 19, 2025 at 11:04 PM
フランス語原書紹介 Plurielles - Une bonne fille(Sophie Noël、2025、青少年、P336)ルイーズは完璧だった。スポーツ、勉強、音楽――何もかもが思いのまま。将来も決まっている。完璧な成績で高校を卒業し、父と同じ医学部へ。けれど双子の兄がカミングアウトしたことで家族は崩壊し、ルイーズの確信もまた砕け散った。親の期待、社会の視線、そして自分探し。その狭間でルイーズは選択を迫られる――「いい子」を演じ続けるか、それとも本当の自分になるか。
November 18, 2025 at 11:04 PM
#フランス語原書紹介 Brûler, corps et âme(Emma Berthet、2025、ロマンス、P496)たった一夜で、カーターの世界は崩壊した。ニューヨークの消防士として使命感を持って働いていたカーターは、出動中に全身に重度の火傷を負う。目覚めたとき、鏡に映る顔は別人のもので――そして心には消えない罪悪感が宿っていた。最も深い痛みは、目に見えるものとは限らない。
一方、ブリーは3年間、必死に自分を保ってきた。火災の生存者であるブリーは、笑顔の裏に人生を一変させた惨事の傷跡を隠し続けている。今は同じように苦しむ人々が癒しへの道を見つける手助けをしている。
November 17, 2025 at 11:05 PM
#フランス語原書紹介 Le petit papa(Jo Witek、Thomas Baas、2025、児童。P32)グレゴワールは大よろこび。クリスマスに、かわいい赤ちゃんのお人形をもらったんだ。だっこして、おさんぽさせて、おせわをする、ちいさな赤ちゃん! グレゴワールはパパをよく見て、まねっこする。だって、パパも生まれたばかりの弟のおせわで大いそがしなんだもの!赤ちゃんのおせわをする一日は、やることがいっぱい。そして、お人形も弟もやっとねむったら、グレゴワールはパパにぎゅっとくっつく。
November 16, 2025 at 11:06 PM
#フランス語原書紹介 Vendetta(Fabrice Colin、Bartolomé Segui、R.J. Ellory、P126)
2006年、ニューオーリンズ。ルイジアナ州知事の娘キャサリンを誘拐したエルネスト・ペレスが警察に自首してきた。条件はひとつ。ワシントンの組織犯罪対策課の職員レイ・ハートマンと話すこと。この条件を飲めば、娘を無事に返すと言う。かくしてふたりの男の、長い対峙が始まる。ペレスは少しずつ自らの人生を語り始める。マフィアに仕える殺し屋として生きた、信じがたい半生を。ラスベガスからシカゴへ、カストロとケネディの時代から現代までアメリカの裏面史、半世紀の闇が明かされる。
November 15, 2025 at 10:50 PM
#フランス語原書紹介 D'un autre angle(Vickie Poulin、2025、ロマンス、P280)「車椅子に乗っているからって、仕事ができないわけじゃない。それを証明してみせる」
事故で下半身麻痺になったイリスが、イベント写真家として「Les accros de la scène」スタジオに復帰する。間もなく開幕するケベックの音楽フェスティバル・シーズンに向けて。音楽と写真への情熱を取り戻すためなら、新しい現実がもたらす困難にも立ち向かう覚悟だった。だが、激しい感情の嵐が彼女を待ち受けていた。なぜなら夏のツアーで再びペアを組むのは、ジェームズ・ペルティエだったから。
November 14, 2025 at 11:09 PM
フランス語原書紹介 Le Nouvel Equilibre(Amélie Géal、2025、SF、P112)2085年5月21日、月曜日。アリアは抽選結果の発表を待ち望んでいた。Eternaの電源を入れ、これから7年間、世界とそこに暮らす人々の未来を創造する代表者たちの名前を検索する。だが画面に現れたのは別のニュースだった――高名な科学者だった祖母の訃報。動揺するアリア。彼女は祖母が遺した日記に手を伸ばす。未来が突きつける問いへの答えを、過去のページに探し求めて。人間性と夢が織りなす、環境ユートピア小説。
November 14, 2025 at 1:54 AM
#フランス語原書紹介 Les Disparues de Saint-Joseph(Antton Racca、Thibault Magnard、2025、青少年、P272)1984年。小さな村サン=ジョゼフで、8人の少女が数週間のうちに失踪した。警察による大規模な捜査にもかかわらず、これらの少女たちは誰一人として発見されることはなかった。40年後、友人ふたりがその場所を調査することを決意し、彼女たちの失踪についての恐ろしい真実を発見することになる。
November 11, 2025 at 11:05 PM
#フランス語原書紹介 Le Concours de fées(Garoche Camille、2025、児童、P40)審査員のみなさんへ。いちばん素敵な魔法を生み出す妖精の国を決める、大きなコンテストがはじまるよ! 自然のまんなかへ、わくわくする冒険の旅に出かけよう。さて、きみのお気に入りの妖精はだあれ? きみの一票で決めてね!
November 10, 2025 at 11:04 PM
#フランス語原書紹介 Les Sentiers d'Anahuac(Jean Dytar、Romain Bertrand、2025、バンド・デシネ、P160)16世紀、メキシコに到着したフランシスコ会の司祭ベルナルディーノ・デ・サアグンは、征服者たちが先住民文化を組織的に破壊する様を目の当たりにして嘆き悲しむ。ベルナルディーノは失われゆくアステカの記憶を書き留めるため、壮大な記録集の編纂に乗り出す。征服後の時代に生まれた若いインディオ、アントニオ・バレリアーノがその作業を手伝ううちに、アントニオ自身もまた、自らのルーツである文化と出会っていく。
November 9, 2025 at 11:04 PM
#フランス語原書紹介 Chiens fous(Max Monnehay、2025、ミステリー、P336)「人間は獣よりも残酷な存在なのか?」
高名な刑事弁護士アラノ・ガルシアが隠遁先に選んだアンダルシアの小村マラメリア。静謐な日々が流れるこの地に、やがて不穏な影が忍び寄る。それは彼が手がけた最後の大きな裁判――「狂犬」と呼ばれたヴィンサン・ソリオルの事件と関係があるのか? ソリオルは凄惨な連続暴行事件でボルドーを恐怖に叩き込んだ男だ。動かぬ証拠と世間の怒りにもかかわらず、アラノは依頼人の無実を信じて疑わず、全身全霊で若者の弁護に挑む。
November 8, 2025 at 10:58 PM
#フランス語原書紹介 Un automne pour te pardonner - Relié Jaspage: Seasons Tome 1(Morgane Moncomble、2025、ドラマ、P448)弁護士を目指すカメリアの情熱は、未解決事件。そんな彼女にとって好都合なことに、かつての迫害者ロリー・キャヴェンディッシュが謎の死を遂げたこと。
殺人容疑者は——ルー・マカリスター。ロリーの親友。10年前、カメリアを辱めた男。彼女が決して忘れられなかった男。
カメリアは初めての事件を解決し、復讐を果たすチャンスを掴む。
ルーはいつも厄介者だったが、殺人罪で刑務所行きになるとは思わなかった。
November 7, 2025 at 11:04 PM
#フランス語原書紹介 Aucune nuit ne sera noire(Fatou Diome、2025、ドラマ、P336)「精神的な成長の物語、そしてページをめくるごとに私たちの祖先にもなっていく賢者マーマへの賛歌」——カルチュールボックス
「愛の歌。ファトゥ・ディオメの本は、時の書であり、人生の書である」——ラ・リーブル・ベルジック
「ポケットや屋根裏部屋に収まるものなど、年長者の記憶には及ばない、と彼は言っていた。」ファトゥ・ディオメがすべての著作を捧げてきた人、祖父との出会い。この優しく親密な物語は、遠回しに、本物の強く根源的な絆の秘密を私たちに明かす。
November 6, 2025 at 10:48 PM