一次創作で字を書いたり絵を描いたりしています。
カクヨム→
https://kakuyomu.jp/users/sasagaki51/works
個人サイト→
https://colourless-moon.whitesnow.jp/
Skeb: https://skeb.jp/@sasagaki51
「……たぶんな」
「それ、なんの間?」
「なんでもない」
「何のウソ?」
「ウソはついてない」
言い合いをしているうちに森は途切れ、遠くに村の屋根が見え始めていた。
「……たぶんな」
「それ、なんの間?」
「なんでもない」
「何のウソ?」
「ウソはついてない」
言い合いをしているうちに森は途切れ、遠くに村の屋根が見え始めていた。
「うん、ばっちり!」
シンは基本文字を書きとった石板を掲げてみせる。
消しては書き、何度も練習した跡が見える。
好奇心は十分、そして記憶力もいいようだ。
「じゃあ村に着いたら、少しずつ綴りを教える。例外は多いけど、基本的なルールはあるから」
「早く読めるようになりたいなあ」
「何か読みたい本でもあるのか?」
「うーん、これっていうのがあるわけじゃないけど…文字って魔法みたいじゃん」
「まあ、そうかもな」
実際、魔法は声や文字など言葉で操る側面がある。
「読み書きができるって、それだけで魔法の力みたいなものだと思うんだよね…文字が読めたら仕事もあるでしょ?」
「うん、ばっちり!」
シンは基本文字を書きとった石板を掲げてみせる。
消しては書き、何度も練習した跡が見える。
好奇心は十分、そして記憶力もいいようだ。
「じゃあ村に着いたら、少しずつ綴りを教える。例外は多いけど、基本的なルールはあるから」
「早く読めるようになりたいなあ」
「何か読みたい本でもあるのか?」
「うーん、これっていうのがあるわけじゃないけど…文字って魔法みたいじゃん」
「まあ、そうかもな」
実際、魔法は声や文字など言葉で操る側面がある。
「読み書きができるって、それだけで魔法の力みたいなものだと思うんだよね…文字が読めたら仕事もあるでしょ?」
「それだと俺もお子様だな」
「アロウも?」
「まだ寒いから、一人部屋は寒い」
そう言ってシンを抱えて膝の上に乗せる。
「冬の間、もう少し居てくれると助かる」
耳元で囁かれる声がくすぐったくて、シンはもぞもぞと身じろぎるする。
「もー…また懐炉扱い?」
「だめ?」
「仕方ないから、もうちょっとだけね。春が来るまで」
「うん。春が来るまでな」
小さな約束は、期限が来るたびなんだかんだと理由をつけて、延びていくのだった。
「それだと俺もお子様だな」
「アロウも?」
「まだ寒いから、一人部屋は寒い」
そう言ってシンを抱えて膝の上に乗せる。
「冬の間、もう少し居てくれると助かる」
耳元で囁かれる声がくすぐったくて、シンはもぞもぞと身じろぎるする。
「もー…また懐炉扱い?」
「だめ?」
「仕方ないから、もうちょっとだけね。春が来るまで」
「うん。春が来るまでな」
小さな約束は、期限が来るたびなんだかんだと理由をつけて、延びていくのだった。
逃げたけど遅かったー
逃げたけど遅かったー
波打ち際に白い日傘の少女が立っている。
弟より少し幼い姿だった。
差し出されたシーグラスのペンダントを、嬉しそうにかけてもらう少女。
夕暮れの日差しに、少女の姿が溶けていった。
翌年以後、しばらく少女の姿は見えなくなった。
少年は今年も海を訪れている。
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
あの子は海月
【ベニクラゲ】:成体がストレスや損傷によりポリプ期へ退行することがあり、「不老不死のクラゲ」として知られる。
波打ち際に白い日傘の少女が立っている。
弟より少し幼い姿だった。
差し出されたシーグラスのペンダントを、嬉しそうにかけてもらう少女。
夕暮れの日差しに、少女の姿が溶けていった。
翌年以後、しばらく少女の姿は見えなくなった。
少年は今年も海を訪れている。
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あの子は海月
【ベニクラゲ】:成体がストレスや損傷によりポリプ期へ退行することがあり、「不老不死のクラゲ」として知られる。
珍しい赤色の磨りガラス。
真っ白なあの子に似合うと思って手渡した。
少女は曖昧な表情で手の中のガラスを見つめていた。
その年、少年は引っ越して田舎町を訪れなくなった。
両親が離婚した。
数年後、大きくなった少年は再び海を訪れていた。
あの頃の自分と同じ年頃の弟と一緒に。
父に引き取られた少年と入れ替わりに、弟は母方の故郷である海沿いの田舎町に引っ越していた。
その年の夏、弟はお盆過ぎの波に流されたが、数時間後波打ち際で発見され一命を取り留めた。
弟は手に、赤いシーグラスを握っていた。
珍しい赤色の磨りガラス。
真っ白なあの子に似合うと思って手渡した。
少女は曖昧な表情で手の中のガラスを見つめていた。
その年、少年は引っ越して田舎町を訪れなくなった。
両親が離婚した。
数年後、大きくなった少年は再び海を訪れていた。
あの頃の自分と同じ年頃の弟と一緒に。
父に引き取られた少年と入れ替わりに、弟は母方の故郷である海沿いの田舎町に引っ越していた。
その年の夏、弟はお盆過ぎの波に流されたが、数時間後波打ち際で発見され一命を取り留めた。
弟は手に、赤いシーグラスを握っていた。
自分がXで見かけたのは、オレンジ塗りつぶし(輝度)を統合絵(コピー)に合成→ハードモードで元絵にかけるっていうのでした。
合成方法たくさんあって、皆さん使いこなしてるのすごいな…って見ています。
x.com/Tuyobi_03/st...
自分がXで見かけたのは、オレンジ塗りつぶし(輝度)を統合絵(コピー)に合成→ハードモードで元絵にかけるっていうのでした。
合成方法たくさんあって、皆さん使いこなしてるのすごいな…って見ています。
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